** 2012 年 4 月改訂(下線部原料の由来変更) * 2011 年 4 月改訂(製造販売元の社名変更) 生体外用研究試薬 2010 年 4 月作成 ○ 使用例 1. HATセレクション ミエローマ細胞1に対し、脾細胞5の割合で融合した場合の HATセレクション、クローニング用無血清培地 エス・クロン(S-Clone) クローニングメデューム CM-B 一例を示す。 1) 本培地にHAまたはHATを加える。 HATセレクション用培地として用いるときは、ヒポキサンチン、 アミノプテリンを下記の濃度で加える。 ヒポキサンチン100μmol/L(13.6mg/L) 〔開発の経緯及び特徴〕 アミノプテリン0.4μmol/L(0.176mg/L) エス・クロン(S‐Clone)クローニングメデュームCM‐Bは、マウス 本培地には、チミジンがあらかじめ加えられているので、更 に加える必要はないが、市販のHAT濃縮液を規定量加えて ハイブリドーマのHATセレクション、クローニング用として開発された も性能に差はない。 画期的な高性能の専用培地である。 2) 1. FBS(ウシ胎児血清)を全く使用しないHATセレクションとクロ ーニングを可 能 にした。しかも、抗 体 産 生 ハイブリドーマの になるよう本培地に懸濁させる。 3) 2)で調整した細胞浮遊液を培養プレートにまき込む。 4) まき込み後、1週間位は1~3日毎に培地交換を行う。 96ウェルマイクロプレートの場合:0.05~0.1mL/ウェル 出 現 率 、増 殖 性 能 とも従 来 法 (RPMI1640+FBS)を上 回 る。 (主要文献) その後は可視コロニーが現れるまで、3~7日毎に培地の 2. これまで黙視されていた抗体非産生ハイブリドーマの増殖を 追加または交換を行なう。 優先的に支持するという、FBSの負の影響がないために、増殖 の弱い抗体産生ハイブリドーマの淘汰、消滅を激減させること 融合後の細胞を、脾細胞換算1×106 Cells/mLの細胞密度 (培地交換は半分を吸引除去し、その分を追加してもよい。) 5) 可視コロニーを確認後、抗体スクリーニングを行う。 となり、目的のハイブリドーマに遭遇する確率が飛躍的に高く なった。 3. 増殖性の弱いハイブリドーマに対しても強力にコロニー形成を 促す。 4. 従来法よりも低密度でHATセレクションが可能である。 (1×10 5 ~2×10 4 Cells/ウェル:96ウェルマイクロプレート 使用時) 5. フィーダーセル(支持細胞)を用いずにクローニングが可能で ある。 6. 目的のハイブリドーマがこれまでより短期間に入手できるので、 時間や経費を大幅に節約することができる。 〔本質〕 1. 基礎培地 クローニング 1) 抗体陽性ウェルのハイブリドーマを本培地で100Cells/mL、 10Cells/mL、5Cells/mLの3段階の密度に調整する。 2) 96ウェルマイクロプレートを横方向に使用し、1)で調整した 各密度の細胞浮遊液をウェルに0.1mLずつ加えていく。 (図参照) イ 上から1段、2段の計24ウェルを、10Cells/0.1mL/ウェル の条件 ロ 上から3 段、4 段、5 段の計36ウェルを、1Cells/0.1mL/ ウェルの条件 ハ 上から6 段、7 段、8 段の計36ウェルを0.5Cells/ 0.1mL/ウェルの条件でまき込む。 3) 可視コロニーが確認された後、直ちにスクリーニングを行う。 (注:クローニングでは、培地の追加、交換は行わないこと。 わずかに改変したRPMI1640、ダルベッコMEM、ハムF-12の また、コロニーの細胞数が少ない場合も、スクリーニングを行 混合成分からなる液体培地。 うこと。) 2. ○ 毒 添加剤 ** 2. ホルモン成長因子(大腸菌または酵母組換体インスリン、トランス フェリン、亜セレン酸ナトリウム、エタノールアミン、2‐メルカプトエ タノール、ハイブリドーマ増殖因子)を含むヘペス緩衝液。 3. ウシアルブミン10%溶液 4) 必要により、同様の方法で2次スクリーニングを行う。 5) 必要に応じて、上記クローニングの操作を繰り返す。 (図)ハイブリドーマのクローニングの一例 まき込み条件 ウシ血清アルブミンを 10%含む溶液。 10 cells/0.1mL/ウエル 〔使用方法〕 ○ 培地の調製法 基礎培地1ビン(500mL)に添加剤1ビン(10mL)とウシアルブ ミン10%溶液1ビン(5mL)を無菌的に加える。 1 cells/0.1mL/ウエル 0.5 cells/0.1mL/ウエル 〔使用上又は取扱い上の注意〕 1. 〔主要文献請求先〕 本製品を使用すると融合後のコロニー形成(増殖)が速いの エーディア株式会社 信頼性保証部 で2×10 6 Cells/mL以上の細胞密度ではまき込まない。 〒101‐0032 東京都千代田区岩本町1‐10‐6 (高密度でまいた場合、培地成分の消費が著しいため、コロ TEL: 03-3851-1672 FAX: 03-3864-5644 ニー形成が抑制されることがある。) 2. 3. 4. 添加剤は、2‐メルカプトエタノール0.0009%を含む毒物で 〔商品情報お問い合わせ先〕 ある。 エーディア株式会社 カスタマーサポートセンター 添加剤は、濃縮液のため冷蔵保存中に沈殿を生じることが 〒101‐0032 東京都千代田区岩本町 1‐10‐6 あるので、よく攪拌して基礎培地に添加する。 TEL: 0120-921-207 FAX: 03-3864-5644 添加剤を加えた後の培地の濾過は避ける。細胞の種類に よっては増殖が低下する。 5. 本製品には、抗菌剤及び抗カビ剤は含まれていない。必要 ならば、適宜抗菌剤、抗カビ剤を添加して使用する。 抗菌・抗カビ剤の使用例 抗菌剤:ゲンタマイシン(50μg/mL) 抗カビ剤:アンホテリシンB(0.25μg/mL) 6. 調製後の培地は、2~10℃保存で3カ月の安定性を認めて いるが、できるだけ早く使用すること。 7. 廃棄する場合には、許可を受けた専門の産業廃棄物処理 業者に処理を委託すること。 (注)ご使用に際しては、「エス・クロン クローニングメデューム CM‐B」の製品安全データシート(MSDS)もご参照ください。 下記のホームページよりダウンロードできます。 [URL:http://www.eidia.co.jp] 〔貯法及び有効期間〕 ・2~10℃保存、冷凍を避ける。 ・有効期間は、製造後1年6カ月(使用期限を外箱に表示) 〔包装内容〕 SS8000 エス・クロン クローニングメデュームCM‐B ・基礎培地 500mL×1 ・添加剤 10mL×1 ・ウシアルブミン10%溶液 5mL×1 〔主要文献〕 エスクロン資料集 〔参考文献〕 ① Köhler, G. and Milstein, C., : Nature, 256, 495(1975) ② 単クローン抗体-ハイブリドーマとELISA- 講談社 製造販売元 * ③ 細胞成長因子-Growth Factors- 朝倉書店 ④ 細胞成長因子partⅡ 朝倉書店 製造元 ⑤ 動物細胞利用実用化マニュアル リアライズ社 コージンバイオ株式会社 埼玉県坂戸市千代田 5-1-3
© Copyright 2024 ExpyDoc