原告準備書面要旨(ファイル名:270731youten サイズ

平成 27 年 7 月 31 日
原告準備書面要点
(1)
『昭和52年協定締結に至る背景』
東海道新幹線開通に伴う公害問題において、騒音・振動問題については、減速運転の要
求を受入れなかったが、地盤沈下については本市と国鉄が協議し、昭和51年に地下水の
汲み上げを中止し、工業用水及び上水に切り替えている。これは、国鉄が新幹線運営の根
幹にかかる部分は明確に拒否し、対策費用が多額に上るものについては時間稼ぎを行う
など、利害得失を計算して要求に応じるか否かを決定しているものであり、地下水汲み上
げを中止し、昭和52年協定の締結に応じたのは、国鉄が慎重に利害得失を計算した結果、
任意の意思によるものであったことを主張。
(2)
『環境保全協定(本件協定)書第8条が茨木市域には適用されること』
本件協定書は、前文に「事業者の事業場(以下「事業場」という)を操業するに関し」
本件協定を締結するものと定めており、本件協定の対象となる被告の事業場は鳥飼基地
のみであるから、
「事業者の事業場」は具体的に「鳥飼基地」を意味しており、鳥飼基地
には茨木市域も含まれているのであるから、本件協定書第8条が鳥飼基地内の茨木市域
にも及ぶことを主張。
(3)
『本件協定書第8条は環境に影響を及ぼすか否かにかかわらず地下水の汲み上げを一
律に禁止していること』
地盤沈下は、個別の地下水の汲み上げと広範囲に及ぶ地盤沈下の影響の間の因果関係
を明確に立証することは極めて困難であるうえ、事後的救済は困難である。また、複数の
事業者が様々な地点から地下水を汲み上げる場合の将来の危険性を明確に測定すること
は不可能である。そのため、具体的危険性の有無を問わずに一律に地下水の汲み上げを禁
止したことを主張。
(4)
『JR東海による掘削工事及び試験揚水の断行について』
JR東海は、事前説明も行わず、掘削工事及び試験揚水を断行し、その揚水した地下水
を、水質基準に関する協議がないまま、摂津市内を通過する鳥飼水路に排水した。本市は、
かかるJR東海の行動に対して抗議文を送付するとともに、本書において厳重に抗議す
ることを主張。