防災拠点として配慮すべきこと 春日市の新たな拠点となる、 総合スポーツセンター体育館 場 見 斬新なアプローチが生む 現 発 現場のコミュニケーション （仮称）総合スポーツセンター体育館新築工事 今回の現場発見は福岡県春日市。福岡市内から車で二〇分程のところに、 防災施設としても機能する新しいタイプの体育館が建設されている。 二つのアリーナと観客席、弓道場や武道場を有し、さまざまなスポーツ需要に対応する。 建築に携わる戸田建設 ㈱・江口裕章所長に取材した。 天井のダイヤモンドトラスが特徴的なメインアリーナ。天井の高さは建物の3層分、約14mを有する。 38 建設業界 2015.10 文：横尾 真 写真：山田新治郎 建設業界 2015.10 39 Site Discover y 工事概要 発 注 者：春日市長 井上澄和 施 工 者：戸田・金子・永田特定建設工事共同企業体 構 造：地上3階、地下1階、RC+S造 延床面積：20,660㎡ 建築面積：8,468㎡ 最高高さ：19.0m 主要用途：大小アリーナ、トレーニング室、フィットネス、 卓球場、武道場、弓道場 外部バルコニーの様子。ワークシェア化によって作られた現場PCaの小梁が見える。 現場運営の三つの方針 建物内に設けられた中庭。中庭を囲むように卓球場や武道場、弓道場などが配置されている。 （提供：戸田建設 ㈱） 41 建設業界 2015.10 建設業界 2015.10 40 スポーツ大会のために製作された資材は、 いまでも昼休みなどに使われている。 躯体の立ち上がる様子。今ではドローンを使った撮影も行われている。 （提供：戸田建設 ㈱） 左／職長会 KSC48 の企画で 開催されたスポーツ大会。参 加者は総勢100名。現場の雰 囲気の良さが伝わってくる。 （提供：戸田建設 ㈱） 右／「一掴み五ケ条」の立案 や作業員からの標語募集な ど、ゴミの一掴み運動の推進 にも所長のアイデアが光って いる。 魅力ある作業所への挑戦 Q あなたがこの現場で発見したことは何ですか？ A 所長として10年間ずっと続けて は付きます。さまざまな年代の作業員 いることは、現場の作業員にア たちとコミュニケーションを図ること ンケートをとることです。返ってきた で今までとは違った視点を持ち、挑戦 結果に目を通すときは、素直になって する姿勢を養えば、その課題は解決す 冷静に彼らの声を分析することを心掛 ることができると考えています。 けています。建設業界の「今」も見え 当社のグループグローバルビジョン てきます。若手の作業員は自分を表現 である「喜びを実現する企業グルー することが苦手なタイプが多い。です プ」をモットーに、クライアントを始め、 がこうしたいという想いを持ち、それ 工事に関わるすべての人の喜ぶ姿をみ を実現できたときに初めて自信や実力 るために、現場に立ち続けています。 戸田建設株式会社九州支店 建築工事部 作業所長 江口裕章 Hiroaki Eguchi この現場では、ロボットスーツを導入し、作業員の体の負担を軽減する試みも行われている。 43 建設業界 2015.10 建設業界 2015.10 42
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