自分の領域を超えて 2015 - ユートレック国際交流センター

2015
TOP STORY
自分の領域を超えて
Out of your comfort zone
うする?」と尋ねているのに、びっくり
した日本の若者がいました。
自分の意志を表現する大切さを、もう教
「魚に睨(にら)まれて食事をするなん
私達も、外国への単なる観光旅行でした
日本の食卓に、頭付きの魚が並んだのを
知れません。
て初めてでした…」
見た、アメリカのワシントン州立大学4H
国際交流担当者キャロリンの感想です。
日本では魚の頭は新鮮さの証明にもなり
ますが、彼女の母国では、頭はついてい
ません。
一方、ペンシルベニア州立大学4Hのパ
トリース教授は、日本で温泉に誘われた
時、アメリカでは他人とお風呂に入る習
慣がないので、ためらいました。しか
し、彼女達はそこで、国際理解のための
行動で大切な言葉を思い出しました。
それが「Out of your comfort zone」
です。
つまり、自分が 心地よいと感じていた
領域 を超えなければ、日本人のことを
理解できないと思ったのです。
ら、そんなチャレンジは必要が無いかも
しかし、その国や人々のことをより深く
理解する目的の旅では、時には 慣れ親
しんだフィールド を超えなければなり
ません。
毎年ホームステイに行く若者達は、豊
かな自然環境に恵まれ、家族の絆が強
い、昔ながらのアメリカの生活を体験
しています。
そこでは多くの家庭でペットや動物を
飼っていますが、経験がないので最初か
ら苦手だと思う人もいます。
でも、思い切ってその頭を撫でた時に、動
物も家族の一員として可愛がっている彼
らの気持ちが分かるようになりました。
アメリカのお父さんが3才の子供に、
「自分たちは買い物に行くけど、君はど
えているのです。アメリカの親達の子育
ての目標は、早くに「自立」させること
です。同時に子供の「個」というものを
尊重していることでもあります。
ですから、ホームステイをしていると、
日本では、「別に…」などと曖昧(あい
まい)な返事で通ったことでも、Yes,
No をはっきりと言わなければならない
場面に出会うでしょう。
インターネットの発達で、世界中の情報
が瞬時に手に入る時代ですが、これらの
例のように、海外の人々の考え方を理解
し、自分の視野を広める鍵となる「Out
of your comfort zone」の精神は、実
際にそこに居て体験してこそ学ぶことが
できるのです。
特定非営利活動法人ユートレック
理事長 宮崎哲人
2014 夏の思い出
Homestay Report
『激しく感動したこと』
福澤 陸くん
(高2)
オレゴン州
ステイ先の子どもたちが、家の手伝いをしているこ
とに感動し、素晴らしい事だと思った。
ウサギやシカ
が毎日のように家を訪ねてくるのにも驚き、地球上
には人間だけでなく、沢山の生き物が共存している
のだという事を知り、激しく感動した。
一ヶ月過ごし
てみてアメリカは本当に素敵な文化を持っている国
だと思った。
目を合わせると見知らぬ人にでも微笑
み、子どもたちは chores
(仕事)
をすることで、社会
的自立のための意識を高めて育ち、彼らの明るく自
由な生き様は、僕の目にはとても輝かしく映った。
この交流で僕は数えきれないくらい沢山の経験をした
が、いち早く世界公用語である英語をマスターし、いつかどの国にも友人をつくり、どの国のことも心か
ら素晴らしいと思えるような人間になりたいと強く思う。
『大切な宝物』
近藤 雅さん
(中2)
ワシントン州
4HCamp では、湖で泳いだことや最後の夜のダンスパーティが楽しかったです。
ホストファミリーは、
私を家族の一人として、温かい心で迎えてくれました。
一緒にお菓子を作ったり、クラフトをしたりして
過ごしました。
みんなで助け合っている家族を見て、自分もそのような事ができる人になろうと感じまし
た。
素敵な家族と出会えたことは、
これからの人生の中で大切な宝物になると思います。
2015
『ズッキーニ入りのケーキを』
石丸 愛実さん
(小5)
ユタ州
最初ホームシックになって泣いていたら、ホストフ
ァミリーが慰めてくれたので、次の日からは元気に
なった。
私もいろいろ料理を作り、ホストマザーもい
ろいろ料理を教えてくれたから日本の家族にも作っ
てあげたい。
ホストマザーの誕生日にズッキーニ入
りのケーキを作り、
食べてみたら、
ものすごくおいし
かった。
『ずっと笑顔でいられた』
槇原 絵理さん
(高2)
コロラド州
最初のキャンプは、とても楽しかったです。
お世話をしてくれるカウンセラー達と過ごしていると、自分
がユートレック国際キャンプで小学生キャンパーのお世話をした時のことを思い出しました。County
Fair では家族や知り合いばかり、終始アットホームな雰囲気の中、あまり話さずただ笑っているだけの外
国人の私を可愛がってくれて、とても嬉しかったです。
コロラド州で過ごした一ヶ月は、数えきれないほ
どのたくさんの人と関わり、
たくさん愛され、
たくさん笑い、
あっという間に過ぎました。
『ホームステイで学んだこと』
豊住 真翔くん
(中1)
ユタ州
ぼくが感動したことは、子どもでも自分の国を尊敬していたこと。
「スマイル」笑顔で接することが増え
た。
「挨拶」初対面の人でも挨拶することを心掛けた。
「愛」家族の愛、1日1回必ずホストファミリーはみ
んなで話す機会を作っていて仲が良かった。
「自立」
今まで家族に支えてもらっていたけれど、自分で考え
て行動して達成感を味わえた。
「決意と夢」
将来、世界の役に立つ人になること、もう一度自分でアメリカ
に行き、
家族に再会して
「ありがとう」
と言いたい。
国際交流アンケート結果
International Exchange Survey
ホームステイ終了後、日本到着前に参加者が記入したアンケート結果の一部をご紹介します。
たったひと夏でも、たくさんの事を体験し、感じたようです。
ホストファミリーと言葉がある程度通じ合えた
英語の理解度
88%
これからもっと英語を学びたいと思った
90%
人々の生活や習慣がわかるようになった
94%
家の手伝いをした
95%
野生動物を見た
20
74%
ひとりでもやれるという自信がついた
74%
自分が成長できたと思う
10
88%
またいつかアメリカに来たい
95%
今度はホストファミリーに日本にきてほしい
84%
この体験は自分の将来に役立つと思う
(単位は%)
30
82%
ポジティブ
(前向き)
に物事を考えるようになった
小学生
中学生
高校生以上
0
1
91%
0
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
2
3
4
5
6
7
単位は縦が人数、横が理解度を示します。
9
10
(1がわからなかった、10 がほとんど理解できた)
来日者ホームステイ
& キャンプ
In Japan Program
今夏もアメリカから来日した青少年達は、日本の家庭でホームステイをしながら楽
しいひと夏を過ごしました。
昨年オレゴン州を訪問した鈴木美央さんは、お世話に
なったホストフレンドの Maria(15 歳)を受け入れ、一年ぶりの感激の再会をしま
した。Maria は、茨城県牛久市で行われた、かっぱ祭りの踊りパレードに参加した
り、笠間焼の陶芸体験や高校野球の応援をしました。
鈴木さんファミリーは、この夏の
受け入れを通して
「みんなで居間に集まる機会が増えた。
」
と語っています。
同じくオレゴン州から来日した Hannah
(16 歳)
は、岐阜県羽島郡の藤田あみさんのファミリーに滞在し、
「日本人はみ
んな親切だった。
この優しさをアメリカに持ち帰りたい。
」
と話してくれました。
彼らの日本滞在のハイライトにもなる国際サマーキ
ャンプは、
今年も長野県志賀高原の熊の湯で行われま
した。
アメリカ、イギリス、スイス、マレーシアからも
キャンパーが集まり、
国際色豊かなキャンプとなりま
した。
各国の食文化やスクールライフを紹介するプレ
ゼンテーションでは、
普段は学ぶことのできないたく
さんの異文化に触れることができました。
ウィスコン
シン 4-H からシャペロン(引率)として来日した
Monica はアメリカのゲームを紹介して、みんなが交
流を深めることができました。
東京・中部・関西で行われているリーダーズトレーニングからたくさんのキャンプカウンセラーも加わり、一丸となっ
て行われたキャンプは今年も素晴らしい国際交流の場となりました。
8
ユートレックからのお知らせ
Information
まなプログラムを行っています。詳しい
夏休みホームステイ
1月より募集開始
アメリカ高校留学
参加者受付中
話でお問い合わせください。ホームペー
米国100年の歴史を誇る各州立大学4H
1ヶ月のホームステイを体験した人たち
同で行う、第33回夏休み青少年ホーム
アップできる1年間の高校留学プログラ
ユートレックでは年間を通して、さまざ
資料をご希望の方は、メールまたはお電
ジからも資料請求ができます。
(政府直轄青少年教育機関)などと共
ステイ交流の受付が始まります。対象
は訪問州によって異なりますが、小学4
年生から高校3年生までです。期間は
15日∼1ヶ月。同世代の子供がいる家
庭でのホームステイと大自然の中でキ
ャンプの2つの素晴らしい体験ができる
他にはないプログラムです。この交流
を通して、世界を視点に物事を考え、
行動することが出来る、「未来の開拓
者」としての第一歩を踏み出します。
が、国際人をめざして、さらにステップ
ムです。優しいホストファミリーのもと
で現地の高校に通い、勉強やスポーツを
通して、充実した高校生活を送ります。
語学力の向上のみならず、将来の選択肢
が格段に広がる効果が期待できます。こ
の留学制度では、非営利認定をされた交
換留学査証(J-1ビザ)が発給されると
共に、米国の公的機関(C.S.I.E.T)より
厳しい運営基準を満たす優良高校留学制
度として認められています。また私費留
学査証(F-1ビザ)による2年間以上の
米国私立高校への留学も可能です。
リーダーズトレーニング
2014-2015
海外のこと
何でもご相談ください
ユートレックでは、地球規模で物事を
ユートレックでは、18歳以上、All
に、中学3年生以上を対象としたリー
めに、様々な海外プログラムでお手伝
考え る未 来 の リ ー ダー を育 て る た め
ダーズトレーニングを東京・中部・関
西の3都市で行っています。日本のリー
ダーシップが盛んに問われる今、学校
教育を越えた世の中に関する学習が重
要です。このプログラムでは地球の自
然環境や日本または世界が直面する問
題についてリサーチ、ディスカッショ
ン、ロールプレイなどをしながら、理
解を深めていきます。夏に向けて、海
外からの受入活動や国際キャンプのカ
ウンセラーとして準備に携わる実体験
generation(全ての年代) の方々のた
いをしています。例えば、大学での語
学留学(3ヶ月以上)なら、ワシント
ン州ベルビュー市のカレッジは、素晴
らしい環境と内容です。付近にマイク
夏のアメリカ交流シャペロンとスタッフ
ロソフト、スターバックスなど世界を
リードするビジネスが育ち、新しい文
化の 発信 地 と し て 、注 目さ れ て い ま
す。 また 、 英 語 教 育指 導者 の た め の
ニューヨーク地区の大学での研修交流
は高い評価があります。
を通して、リーダーシップに対する意
識をさらに高めていきます。
国際キャンプカウンセラー
http://www.utrek.org/
お問い合わせ先
特定非営利活動法人ユートレック
ユートレック国際交流センター
東京本部
〒151-0053
東京都渋谷区代々木2-23-1
ニューステートメナー1130
TEL: 03-3370-5335
FAX: 03-3370-5365
E-mail: [email protected]
中部・関西・東北
TEL: 0120-79-5335