18Gの採血針

第39回日本血液事業学会総会
共催セミナー5
18Gの採血針
開催日
2015年10月5日(月)12:00∼12:50
会場
大阪国際会議場 第3会場(12F 特別会議室)
座長
柴田 玲子
東京都赤十字血液センター 献血推進二部長
演者
松﨑 浩史
整理券
東京都赤十字血液センター 副所長
・ 配布場所:大阪国際会議場 10階 ロビー(総合受付付近)
・ 配布時刻:10月5日(月)受付開始∼11:30(整理券がなくなり次第、終了)
共催:第39回日本血液事業学会総会 /
共催セミナー5
18Gの採血針
東京都赤十字血液センター
副所長
松﨑 浩史
先生
医療はますます低侵襲に向かっている。外科領域では小切開手術、内視鏡手術、ステント治療が盛んになり、検査
もしかりである。しかし、献血の採血針はいまだに太い。30年前、心房中隔欠損症の小児から自己血を採血すると
き、18GAVF針を使用した。それ以来、大人も子供も自己血採血には18G針を使用している。それからずっと献血
でなぜ17G針が必要なのか疑問がある。献血の採血針は長い、37mmもある。腕の太い人には長い針が必要な
のか。東京都センターでは毎年力士に献血をお願いする。白鳳も献血した。力士に必要な採血針の長さはどれほ
どか調べてみたら、一般の人と同じく平均15.3mmであった1)。成分採血針は27mmだが、この10mmの違いは
必要なのか。全血採血針の先端角度は鋭い、だから針のカット面が広い。時に、血液が飛び散るぐらいだ。成分献
血の採血針と異なるその角度は必要なのか。針の切れ味は違うのか。疑問だらけの採血針に細く(18G)、短く
(32mm)、狭い断面積だが背面に穴を穿った全血採血針を計画した。献血者は献血の針は太くて怖いと言い、採
血看護師も時どき、そう言う。採血針が18Gになれば、献血者が増えるかもしれない、VVRが減るかもしれない、
穿刺が上手になるかもしれない、採血中の針脱落がなくなるかもしれない、献血者の腕に瘢痕ができにくいかもし
れない、細菌混入が減るかもしれない、神経損傷が少なくなるかもしれない。採血針が18Gになれば、こんな良い
ことがあるかもしれない、と期待したい。
1)
加藤典子,他:全血採血針の針長に関する検討,血液事業,34
(3)
: 511-5,2011
現行 17G と新 18G の刃面の比較
図 1 一般ドナーの採血針刺入長の分布
150
現行 17G 採血針
人数
100
新 18G 採血針
50
0
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
刺入量(mm)
刺入長は14 mm、15 mmを中心とした正規分布で、最大刺入長は26.5 mmであった。
共催:第39回日本血液事業学会総会 /