最近の構造設計事例

最近の構造設計事例
最近の構造設計事例
ー建築と構造の調和ー
2006年 11月
㈱久米設計 構造設計部
打越 瑞昌
『こもれびの降る丘 遊楽館』
ー魅せる架構ー
建築概要
建物名称
建物名称
建築主
建築主
所在地
所在地
主用途
主用途
こもれびの降る丘
こもれびの降る丘 遊楽館
遊楽館
石巻市(旧:河南町)
石巻市(旧:河南町)
宮城県石巻市
宮城県石巻市
多目的ホール、生涯学習施設、アリーナ、
多目的ホール、生涯学習施設、アリーナ、
プール
プール
延床面積
延床面積 約8,800
約8,800 ㎡
㎡
階数
地上
階数
地上 2階
2階
構造種別
構造種別 S造、一部SRC造、RC造
S造、一部SRC造、RC造
基礎
直接基礎
基礎
直接基礎
1.建物概要
河南町多目的ふれあい交流施設
コモレビルーフ
北エントランス
構造種別:S 柱+単層ラチストラス
基礎構造:独立基礎
かなんホール
構造種別:SRC 造+S 造
基礎構造:べた基礎
アリーナ
構造種別:
(屋根)スケルション架構
(下屋)RC 造
基礎構造:連続基礎
(一部マットスラブ)
場内搬出土を利用した
人工丘(彫刻展示)
1.建物概要
河南町多目的ふれあい交流施設
コンセプト:「森の再
コンセプト:「森の再
生」
生」
構造計画上の主な条件
1)柱位置の規則性をなくす
2)森の木々をイメージできる部材スケール
3)小さな部材の集合による架構
1.建物概要
河南町多目的ふれあい交流施設
かなんホール
アリーナ
プール
コモレビフォーラム
(生涯学習施設)
1階平面図
コモレビフォーラム コモレビルーフ
(生涯学習施設)
かなんホール
東西断面図
2.コモレビルーフ
河南町多目的ふれあい交流施設
コモレビルーフ構造計画
①ホールやRCコアに地震力を負担させ、柱を地震力から解放
②吹抜け高さに合わせ、φ200以下の3種類の柱サイズを設定
③ある領域内で柱を自由に配置、傾斜させ「森」を創りだす
アリーナとの取合いはルーズ
めっき範囲
かなんホール
めっき
範囲
90,000
トップライト
:屋根地震力
負担部分
117,000
屋根鉄骨伏
2.コモレビルーフ
河南町多目的ふれあい交流施設
継手下端は現場溶接
単層ラチストラス詳細
2.コモレビルーフ
河南町多目的ふれあい交流施設
ホール、アリーナとの取合い
RCコアとの取合い
プール張弦梁ディテール
2.コモレビルーフ
河南町多目的ふれあい交流施設
コモレビルーフブロック割と施工順序
2.コモレビルーフ
屋根ブロック地組み(3mユニット)
屋根ブロック吊込み後①
河南町多目的ふれあい交流施設
屋根ブロック吊込み
屋根ブロック吊込み後②
河南町多目的ふれあい交流施設
柱:高さ4mまで耐火塗料
屋根:折版
こもれびフォーラム
1.建物概要
河南町多目的ふれあい交流施設
トップライト
2.コモレビルーフ
河南町多目的ふれあい交流施設
上弦
材:B
H- 2
00×
25
0
PC
鋼棒
26φ
コモレビフォーラム(北エントランスから中庭方向を見る)
2.コモレビルーフ
河南町多目的ふれあい交流施設
パイプオルガン演奏会(メンテナンスデッキより見る)
1.建物概要
河南町多目的ふれあい交流施設
プール
2.コモレビルーフ
河南町多目的ふれあい交流施設
張弦梁:溶融亜鉛めっき+フッ素樹脂塗装
プール利用状況
3.アリーナ
河南町多目的ふれあい交流施設
アリーナ構造計画
①張弦材にB.Sを組合せたスケルション架構
②地震・風などの水平荷重時でもB.Sの張力が抜けないことを確認
束材 張弦材
アリーナ内観
B.S
(Bracing String)
3.アリーナ
河南町多目的ふれあい交流施設
鋳鋼製シリンダー
ノード
張弦梁接合部
アリーナ妻面内観
外装受けのH形鋼と
方立柱の鋼管を有孔
のウェブプレートで繋
いだ組立柱
H-125×125×6.5×9(SS400)
PL-12(SN400B)
Φ267.4×13.0(STKN400W)
柱脚部
接合部ディテール
妻面間柱詳細図
3.アリーナ
河南町多目的ふれあい交流施設
アリーナ鉄骨建方状況
3.アリーナ
河南町多目的ふれあい交流施設
張力導入手順
①各フレーム2スパンのロッド(4本)を同時緊張。
②2スパンの張力導入後、次の2スパンを同時緊張。
③導入目標張力の30%、60%、90%、100%を各1ステップとして4
段階に張力導入。(ひずみゲージにて張力確認)
1
2
3
4
1ユニット
5
6
7
8
9
10
3.アリーナ
河南町多目的ふれあい交流施設
緊張工事完了後
3.アリーナ
河南町多目的ふれあい交流施設
アリーナ内観(吊階段方向を見る)
4.ホール
河南町多目的ふれあい交流施設
ホール構造計画
①ガラス遮音壁内の柱はコモレビフォーラムとの連続性に配慮
②ピン接合により客席上部荷重をほとんどSRC架構にて処理
③組柱により動きのある架構を表現
S 架構
SRC 架構
SRC架構
ピン接合
組柱
S架構
軸組図(スパン方向)
ガラス遮音壁
2階床伏図
4.ホール
河南町多目的ふれあい交流施設
組柱と客席上部大梁の取合い
はピン接合
ガラス遮音壁
人が歩いているような柱を
架構で表現
組柱軸組図
組柱詳細図
4.ホール
河南町多目的ふれあい交流施設
ホール内観(ガラス遮音壁を見る)
1.建物概要
河南町多目的ふれあい交流施設
ホール内観
5.北エントランス
河南町多目的ふれあい交流施設
構造計画
①構造体をそのままデザインしたフォルム
②天板(t=12)とリブ格子(t=9)による片持ち架構
③柱位置をずらすことによる不規則性
5.北エントランス
河南町多目的ふれあい交流施設
格子リブピッチは60cm
柱位置は平面的に60cmずらしている
跳ね出し長さは3m
Φ114.3
Φ89.1
トンボ鉛筆新本社
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
久米設計
建物概要
建物名称:
建物名称:
建築主
建築主 :
:
所在地
所在地 :
:
延床面積:
延床面積:
階数
:
階数
:
構造
:
構造
:
㈱トンボ鉛筆新本社・新研究所
㈱トンボ鉛筆新本社・新研究所
㈱トンボ鉛筆
㈱トンボ鉛筆
東京都北区豊島
東京都北区豊島
約4,500
約4,500 ㎡
㎡
地上6階
地上6階
S造
S造 一部SRC造及びRC造
一部SRC造及びRC造
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
久米設計
設計コンセプト
∼ 「創造する」コラボレーションオフィス∼
• 新しい「価値」を創造するコミュニケーションスペース
他社と差別化する「独創性のあるモノ」を生み出す
豊かなコミュニケーション空間
• 人材を活性化し生産性を高めるオフィスづくり
様々なコラボレーションを誘発する
立体ワンルームオフィス
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
久米設計
吹き抜け空間を利用した立体的な動線空間で館内の「出会い」を活性化
各階の吹き抜け部に面した
コミュニケーションスペース(CS
)
CSを介して各階を直接つなぐ階段
社員のちょっとした息抜き空間
リフレッシュコーナー
トンボ鉛筆の情報発信基地
トンボギャラリー
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
久米設計
エントランスパース
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
久米設計
柱のないワンルームオフィス
自由なレイアウトが可能
トイレ・倉庫などの
バックスペース
コミュニケーション
スペース
オフィスイメージ
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
吹き抜け
久米設計
倉庫・トイレ・ロッカー等
のバック空間
立体的な動線を実現する
吹き抜け部分
ワンルームタイプの
執務空間
ト
イ
レ
ACR
倉庫
ロッカー
建築計画
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
リフレッシュ
CS
16m×26m
の
南北に開けた開放的な
ワンルームタイプ
オフィス空間
吹き抜け
ELV
ホール
基準階平面図
久米設計
南北
方向地震力を
負担する連層耐震壁
東西
方向地震力を
負担する座屈拘束ブレース
鉛直力のみを負担する
細径柱(216mm)が
開放的な空間を実現
架構計画1
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
基準階平面図
久米設計
BH−800∼400x300x16x25
大梁
BH−800x150x9x12
架構計画2
地震力を耐震壁に伝達する部分
せん断力伝達スラブ t=250mm
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
床振動対策小梁
基準階梁伏図
久米設計
パラペット兼用のH=1500の梁で6階は無柱空間
下層階の柱スパンを倍に
することで開放的な
エントランスホールを実現
架構計画3
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
座屈拘束
ブレース
軸組図(1)
久米設計
SRC造連層耐震壁(t=600)
・全ての地震力を負担
・コンクリートの許容せん断応力度以内
(鉄筋・鉄骨を考慮せず)
連層耐震壁を受ける基礎梁
・梁せいを大きく(3200)して
耐震壁の応力を杭に伝達
・内部に鉄骨を配したSRC造基礎梁
・杭のスタンスを広くすることで
杭の変動軸力を低減
引き抜き抵抗杭
・支持層に7m程度貫入した拡底杭
・支持層内の摩擦力で引き抜き力に抵抗
架構計画4
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
軸組図(2)
久米設計
ピン接合として柱応力低減
・大梁端部をしぼり剛性を低減
・ウェブのボルト接合のみとして
柱の応力を低減する
・しぼった大梁下部の空間を
ダクトスペースとして利用
断面の標準化
・長期応力のみが発生するため
全ての階の梁が同一断面となる
・梁貫通による断面欠損を考慮した
ウェブの設計により梁貫通補強を省略
架構計画5
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
軸組図(3)
久米設計
現場写真
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
久米設計
H=800の大梁・小梁で
格子状に構成することで
床振動に配慮
Φ216.3の
鉛直力支持柱
現場写真
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
連層耐震壁
基準階
久米設計
最上階は無柱空間
現場写真
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
最上階
久米設計
大梁端部の絞った部分を
ダクトスペースとして利用
現場写真
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
基準階
久米設計
現場写真
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
吹き抜け見上げ
久米設計
現場写真
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
座屈拘束ブレース
久米設計
現場写真
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
エントランスホール階段
久米設計
現場写真
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
南側外観
久米設計
現場写真
Tombow Pencil Co.,Ltd. New Head office
北側外観
久米設計