「こだわり農家とこだわり消費者を結ぶ無人販売所」 1.概要

「こだわり農家とこだわり消費者を結ぶ無人販売所」
~あなたが買った野菜はこの畑から採れました~
学校名:近畿大学,​
福山大学
学部・学科:工学部情報システム工学科,福山大学人間文化学部心理学科
発表者/グループ名:岡田裕樹,​
門田翔太 1.概要
「こだわり農家とこだわり消費者を結ぶ無人販売所」とは、定点カメラの設置と
ネット接続により無人販売所の利便性を向上させることを目的としたサービスであ
る。主に無人販売所を利用する,食材選びにこだわりを持つ主婦を対象とする。た
とえば、近くの無人販売所の場所を簡単に把握でき、リアルタイムで今販売してい
る商品を確認することができるサイト(またはアプリケーション)である。
背景
無人販売所は,その日に取れた新鮮な商品が並びお店より安く売られているとい
うことから利用する消費者がいる.そして,農業従事者も現金収入を望むため,無
人販売所を出店し利益を得ようとしている.しかし,消費者目線で考えると,気に
入った無人販売所があっても行くタイミングによっては目当ての商品が無い場合が
ある.また,販売者も商品の状態を確認するまで商品の状態が分からないため,販
売する機会を失ってしまう.
そこで,もっと無人販売所を効率よく利用してもらうために,無人販売所の様子
を見ることができるサイトの制作を提案する.
ペルソナ行動シナリオ
例えば,2人の小学生の子供とサラリーマンの夫を持つ30代の主婦がいる.家
族のために新鮮で安全な野菜を購入したいけど,スーパーに行ってもどんな環境で
育ったものでいつ収穫したものなのかわからない.一方、ドライブ途中で無人販売
所を見つけ、新鮮で安全でおいしそうな作物を購入したこともある。そこで,無人
販売所なら採れたての野菜が買えると思い,近くの野菜の無人販売所に行こうとす
る.しかし,無人販売所がどこにあるのか分からないし,目当ての野菜があるかも
わからない.
そんなとき,スマートフォンでこのサイトに接続すれば簡単に場所がわかり,リ
アルタイムで販売している商品も分かる.目当ての野菜が見つかり,販売所に行く
も,この野菜がどこで取れたものなのかわからない.そんな時は,販売所に貼って
あるQRコードを読み取ることで,販売している農家さんの情報を知ることができ,
どの畑から採れた野菜なのかまで分かる.どうせなら採れたての野菜が欲しいと思
い,表示された地図から農家さんに話をしにいく.すると畑を案内され,好きな野
菜を選んでいいとのこと.これには主婦も大喜びで,目的だった野菜以外の野菜も
つい買ってしまう.これほどこだわって野菜を買うことはなかなかできない.農家
さんもこだわり抜いて育てた野菜を買ってもらい,購入者の喜ぶ様子が見れるのは
嬉しいものだ.
2.特徴・アピールポイント
機能
利用者視点
● 無人販売所の状態を確認できる
● 現在地付近の無人販売所の場所を把握できる
● 商品を販売している農家さんの情報を知ることができる
販売者視点
● どこの販売所の売上が多いか把握できる。
● 無人販売所での売上が増える
● 商品の供給がしやすい
無人販売所の状態を確認
小型で安価なパソコンであるRaspberryPiを使用し,無人販売所の商品をカメラで定点観
察する。その映像を表示するページにアクセスすると,消費者がその場所に行かなくてもリ
アルタイムで商品の状態を確認することができ、利便性が向上する。
付近の無人販売所の場所を把握
無人販売所の場所はそもそも知られていないところも多い。そのため,販売所の場所が
分かれば、そこに買いに行く人が必然と増えるだろうと考えている。
方法としては,Google Mapsを使用し,無人販売所の位置情報を追加することがいいので
はないかと考えている.
農家さんの情報を知る
無人販売所にQRコードなどを貼り、そこからその無人販売所で販売している農家さんの
情報を知ることができる。そうすることで,その野菜がどこの畑でとれたものなのか判断で
き,直接購入の交渉をすることもできる。さらに、畑に行って畑から野菜を選んで購入する
交渉も可能となる。また、無人販売所の利用者は近場に住む可能性が高いので、配達依
頼をするなどさらに販売を促進させることが可能となる。
売り上げの把握
場所ごとの売り上げを把握することによって、どこに人が来やすいのかが分かり、無人販
売所を新たに出店する参考になる.そして、その場所に無人販売所の出店を希望する農
家が出てきた場合、無人販売所の利益とは別に土地の貸し借りなどによる利益が発生す
る可能性が出てくる。
また、どの月、日時に何が売れているのか把握することで,販売者が販売する商品を選
ぶ目安になる。その結果、販売効率が良くなり、収益が増える。
売上の増加
無人販売所の利便性が向上すると新規顧客が増え、それに比例して売上も増加する。
また、利便性が向上することによって新規に無人販売所を出店しようとする農家も増え、こ
のサイトの利用者全体が活発化するのではないかと考えられる。
商品の供給がしやすい
消費者が商品の様子を確認したときに、商品が無ければ販売者へ報告できるボタンを導
入する。販売者は常に商品の状態を把握することは難しいが、消費者が報告することに
よって出荷のタイミングが分かる。それにより販売効率が良くなるだけでなく、消費者も商
品を購入することができるため、顧客満足に繋がる。
3.市場(ターゲットユーザ)・お金の流れ
ユーザとターゲット
野菜などの商品選びにこだわりを持つ主婦を対象とする.安ければなんでもいいという
購入者は対象としない.
お金の流れ
定点観察するために使用するRaspberryPiの設置と、サイトとの連携を導入する費用に
+数%の利用料を加算することでサイトの運営費とする。しかし、設置と導入費用が高い
ため、さらに値上げとなると難しいかもしれない。
そのため、収益を得る具体的な方法は決まっていない。
4.実現に向けた今後の進め方
・問題点の解決方法を模索する必要がある。
・無人販売所を運営している方にどれくらいの収益が出ているかアンケートを取ることで、
導入費用が妥当かどうか判断できる。
・RaspberryPiの活用による商品の持ち逃げ対策が可能かどうか検討。
問題点
・ネット接続する方法
・売上を把握する方法
・カメラの窃盗・いたずら
・かかる費用
・農地の把握による盗難・被害