英国の総選挙が持つ意味 - しんきんアセットマネジメント投信

トピックス
2015 年 5 月 8 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Shinkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
トピックス
2015 年 5 月 8 日
英国の総選挙が持つ意味
5 月 7 日、英国で総選挙(下院選)が行われました。金融市場への直接的な影響は限られそうですが、
英国の置かれた政治状況に鑑みれば、近年の英国で最も重要な選挙の一つ、と言えるかもしれません。
英国は伝統的に、保守党と労働党の二大政党制です。今回はキャメロン首相率いる保守党(これまで自
民党と連立政権を形成)と労働党の支持率が拮抗していたため、稀に見る大接戦が予想されました。
結果は本稿執筆時点で未確定ですが、保守党が予想外の大差で第一党の座を保つ見通しです(図表 1)
。
単独過半数に届くかは微妙ですが、届かなかったとしても保守党主導で連立協議が行われます。従来ど
おり自民党と組めば過半数に届く可能性が極めて高く、その場合、政策の大きな断絶はないでしょう。
いずれにせよ注目すべきは、新政権の欧州連合(EU)に対する姿勢です。保守党はこの点、英国のE
U残留を問う国民投票を 2017 年末までに行う旨を公約しています。他方、労働党はEU残留を主張し
ています。したがって保守党の勝利は、EU離脱の可能性を決して無視できないことを意味します。
実際、反EUの機運は衰えておらず、今回もEU離脱を主張する英国独立党(UKIP)がかなりの支
持を集めました(ただし、小選挙区制の関係で獲得議席は少数)。同党は反移民を唱え、国粋的な感情の
受け皿になったようです。こうした論調が拡大すれば、欧州内で英国が孤立してしまうかもしれません。
同盟国である米国との関係も盤石とは言えません。例えば中国主導のアジアインフラ投資銀行(AII
B)には、
「参加すべきでない」との米国の意向を顧みず、主要西側諸国で真っ先に参加を表明しました。
昨年秋に独立運動が広がったスコットランドでは、SNPが議席を大きく増やしました。これに勢い
を得て分離独立の動きが他地域も含め再び盛り上がれば、英国内の亀裂が深まっていく恐れもあります。
ただし、英国の経済は比較的堅調です。日本などと同じく、追い風となっているのは原油安に伴う低イ
ンフレです。失業率も下がっているので、インフレ率と失業率の合計である「悲惨指数」は歴史的な低
水準にあります(図表 2)。これは、今回の選挙で与党・保守党のアピールポイントになったようです。
とはいえ労働党などは、この景気回復局面では低所得層が置き去りにされていると述べ、保守党の財政
緊縮策は行き過ぎと批判しています。他方、保守党は 2010 年からの緊縮策を続ける意向です。ただ、
緊縮策についてはいずれも曖昧な姿勢をとっているので、経済面での今後の焦点は財政政策の中身です。
以上のように英国は、多くの壁にぶつかっています。今回、二大政党以外の政党が台頭したのも、国論
の多様化や政治への不信を反映しているのでしょう。そのため死票の多い小選挙区制による二大政党制
は果たして適切なのか、という問題と向き合うことが必要です。日本も含め世界的に民主政治の実効性
が試される中、議会制民主主義の発祥の地である英国の政治経済情勢からは、しばらく目が離せません。
(議席数)
350
300
(%)
図表1.英総選挙の結果見通し
過半数=326以上(定数650)
325
232
250
200
150
100
56
50
12
8
2
自民党
DUP
UKIP
15
0
保守党
労働党
SNP
その他
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
図表2.英国の「悲惨指数」
改善
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年、月次)
(注)半分強の集計時点における英BBC 放送による見通し。SNPはスコットランド独
立党、DUPは民主統一党、UKIPは英国独立党
(出所)英BBC放送よりデータ取得し、しんきん投信作成
(注)悲惨指数=インフレ率(消費者物価指数の前年比上昇率)+失業率
(出所)英国立統計局、Datastreamよりデータ取得し、しんきん投信作成
(チーフエコノミスト
辻 佳人)
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