オーディオブック市場に参入をするなら、2017 年以降でも間に合う? ~著作権法と出版社との関係~ 2015 年 9 月 17 日 日本オーディオブック制作社協会 日本におけるオーディオブックの趨勢は、一つはビジネス書籍が挙げられます。もう一つ は古典(著作権が切れたもの)が挙げられます。普通の人であれば、旬の作品を楽しみたい と思いますが、ここには大きな問題があります。 一つは、平成 27 年 1 月 1 日に施工された、改正著作権法で、今までは出版社と著者とオ ーディオブック制作会社の三社間で著作権についての同意をする必要がありましたが、27 年以降については、著者の交渉分が出版社に委託される事になり、出版社と制作会社の間で の取り決めで作れるようになりました。 しかしながら、平成 27 年 1 月 1 日以降の書籍が対象であり、既存の書籍は従来通りの交 渉をする必要があります。それなので、書籍のストックが出来るのは 2,3 年位は待つ必要 があると思います。この件については、別団体が約 4 年後くらいを目標に整備をされる予 定です。 それ以外に出版社の許諾も制作にはネックになっています。制作会社から支払う印税等 の話を無視しますが、旬の書籍は出版社も売りたい訳であり、書籍と同時販売などを仮に行 って、オーディオブックが売れるとなると、出版社の利益が減ります。そのため、同時販売 については、慎重になっている企業が多いのも事実だと思います。 別の話としては、オーディオブックは物を作ってから、著作権者に検品して貰い、承諾を 得た時点で商品が発売できます。つまり、物を作ってから著者から NG が出たら、制作費が 全部消えてしまう計算になります。作り直しになります。オーディオブックは制作費に安く ても 300 万円程度かかることから、300 万円を著者の方にひっくり返されると、零細企業 が多いオーディオブック制作会社は倒産は行かなくても、手前まで追い込まれると思いま す。 オーディオブックを制作したいという企業は定期的に調べていますが、増えている気配 がないので、儲からないというのが趨勢だと思いますが、市場がこなれてくるであろう 2017 年位が理想的では無いかと考えます。2 年ロスするという考えもあると思いますが、今の業 界はそのくらいでもすぐに追いつける程、大した事は無いです。 以上
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