医療法人社団 曙会 アンジュカ初石 | 導入事例

医療法人社団 曙会 アンジュカ初石
介護と医療を連携させた高齢者向け住宅で
ASP・クラウドサービスやタブレット端末などを活用し
ご利用者本位のきめ細かなサービスを提供
導入の狙い
職員の業務負担を軽減し、ご利用者
へのサービス向上に注力したい
PC操作に不慣れな職員が手軽に利
用できるシステムを構築したい
導入システム
クラウド型ケア記録システム
『Blue Ocean Note』
介護事業者向けソリューション
『ワイズマンASPサービス』
導入効果
サーバーの運用管理を行う必要がな
くなった
一連の介護業務が円滑に行えるよう
になった
タブレット端末で介護記録を簡単に
入力できるようになった
緊急時の対応がスピーディーに行え
るようになった
日々の生活を送りながら、隣接する施設でリハビリを含めた介護や医療サービスを迅速に受けられることが大きな利点
高齢化社会の進展に伴い、
「サービス付き高齢者向け住宅」が大きな期待を集め
ている。そうした中、千葉県流山市に新たに開設されたのが、医療と介護を連携さ
せたサービスを提供する、サービス付き高齢者向け住宅「医療法人社団 曙会 アン
— U S E R P R O F I L E ———————————————————
医療法人社団 曙会 アンジュカ初石
●業種:医療・介護
●事業内容:サービス付き高齢者向け住
ジュカ初石」だ。医療法人社団が直接運営しているため、介護やリハビリを含めた医
療サービスを迅速に受けられることが大きな利点だ。さらに、ご利用者管理システ
ムとして、クラウド型ASPサービスやタブレット端末を活用した最先端の業務基盤
ITを構築。度重なる介護保険制度の改正にも迅速に対応できる環境を整えている。
宅の運営
●職員数:33名
(関連施設含む、2015年
6月現在)
先進的なIT活用で職員の業務負担を大幅に軽減
した医療法人社団 曙会 アンジュカ初石
2015年6月取材
高齢者が安心して暮らせる
サービス付き高齢者向け住宅を運営
このうち、流山中央病院は1978
年の開設以来、地域の中核病院として
発展。現在、一般病棟116床、回復期
医療法人社団 曙会は、流山中央病
リハビリテーション病棟40床の合計
院を中心に据え、特別養護老人ホーム
156床を有している。救急対応面で
あざみ苑/初石苑/はまなす苑、ケア
は、麻酔医が常勤して24時間手術可
ハウス サンライズ流山、あけぼの保
能な体制を整備。とりわけ、手術後の
育園、サービス付き高齢者向け住宅
患者が一日も早く社会復帰できるよう
アンジュカ初石などを多角的に運営し
にリハビリに力を入れているのが大き
ている。
な特長だ。
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医療法人社団 曙会 アンジュカ初石
その一環として、理学療法士や作業
ことから施設名に採用された。
療法士を配置した曙診療所(通所リハ
ビリテーション)を2002年に開設。
医療保険でリハビリを受けられる期間
誰もが直観的に操作できる
介護記録システムを導入
が制限されたことから、いわゆる
「リハ
高齢化社会の進展に伴い、介護事
ビリ難民」と呼ばれる人たちが急増し
業者は年々増え続けているが、その
たことだった。
一方、労働環境の整備の遅れなどの
「もう少しリハビリを続ければ回復
理由から深刻な人手不足に悩まされ
する可能性があるのに、途中でリハビ
ているのが実情だ。
リを中断せざるを得ない状況に陥っ
そのため、曙会では、優秀な人材を
てしまったのです。そこで、リハビリ難
確保するために処遇改善を実施する
民の受け皿として、曙診療所を開設し
など職員の満足度向上にも努めてい
ました」と流山中央病院 リハビリテー
る。しかし、介護事業を健全に運営し
ション科 科長の安田 昌紀氏は語る。
ていくためには、人件費などのコスト
さらに、2015年5月にサービス付
を極力抑える必要がある。
き高齢者向け住宅 アンジュカ初石を
そこで、アンジュカ初石を開設する
新たにオープン。これに伴い、近隣で
にあたっては、限られた陣容でご利用
運営していた曙診療所をアンジュカ初
者本位のサービスを提供できるよう
石の1階に移転し、併設するかたちで
に、I Tをうまく活用し、職員の業務負
100名規模のご利用者に対応できる
担をいかに軽減できるかが重要な課
県内屈指のリハビリ施設となった。
題だった。ただし、介護職員の中には、
さらに、居宅介護支援事業所と訪問
PCに一度も触ったことがない人もい
介護ステーションをアンジュカ初石の
るので、誰もが手軽に扱えるシステム
2階に併設。流山中央病院もすぐそば
を導入することが大前提となる。
にあるため、リハビリを含めた介護や
そ うし た 中 、流 山 中 央 病 院 が
医療サービスを迅速に受けられること
2013年に電子カルテシステムを導
が、アンジュカ初石の大きな利点だ。
入することになり、数社の電子カルテ
「アンジュカ初石は、流山中央病院
システムを比較検討し、最終的に大塚
でリハビリを受けていた方が、自宅に
商会が提案したワイズマンの『電子カ
戻るまでの中間施設としての役割を
ルテシステムER』が選ばれた。
担っています。介護保険を利用するこ
その主な採用理由は、誰でも画面
とで、日々の生活を送りながら無理な
を見ながら直観的に入力作業が行え
くリハビリを続けることができます」と
ることと、カスタマイズを施すことで
流山中央病院 事務長の守田 久美子
病院側の要望や時代の変化に柔軟に
氏は語る。
対応できることだった。
ちなみに、アンジュカとは、春に小さ
その後、大塚商会から複合機など
そのきっかけは、国の行政改革により、
な紫の花を咲かせるシソ科の植物の
のITインフラも導入。曙会が運営する
こと。その花言葉「小さな家庭・心休ま
すべての施設の複合機を一括して入
る家庭」が施設の方針と合致している
れ替えることで、運用コストを大幅に
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医療法人社団 曙会
流山中央病院
事務長 守田 久美子氏
「提案力のないITベンダーは、一つの製品
を押しつける傾向があります。その点、大塚
商会さんは、さまざまな商材を取り扱ってい
るので、こちらの要望や予算に合った最適
な提案をしてくれ、助かっています」
医療法人社団 曙会
流山中央病院
リハビリテーション科 科長
安田 昌紀氏
「今回、実質2カ月ほどの超短期の開発期
間にもかかわらず、大塚商会さんやメーカー
さんのスピーディーな対応によって理想的
なシステムを構築することができました。今
後も迅速なサポートに期待しています」
削減することに成功して
所内にサーバーを設置する必要がな
いる。
くなり、運用管理の手間が省けること
こうした実績が評価さ
も利点の一つだった。
れ、アンジュカ初石のI T
基盤を整備するときも大
塚商会に提案を依頼。他
社製品も比較検討したう
介護職員はタブレット端末を使った直観的な操作で介護
記録を簡単に入力でき、ご利用者の様子を撮影して主治
医の判断を仰ぐこともできる
えで、ブ ルーオーシャン
アンジュカ初石のシステム構築作業
システム社 のクラウド型
は2015年3月からスタートしたが、
ケア記録システム『B l u e
その2カ月後には施設がオープンする
Ocean Note』を採用するに至った。
予定だったので、それまでに作業を完
同システムは、タブレット端末を使って
了しなければならない。
日々の介護記録を簡単に入力できる
そのため、システム構築スケジュー
点が大きな特長だ。フォーマット画面
ルはかなりタイトだった。しかし、その
に添って直観的に入力作業が行えるこ
わずかな期間の中で、介護サービスが
とが選定の大きな決め手となった。
円滑に行えるように、さまざまな工夫
「大塚商会さんの実践ソリューショ
が施された。
ンフェアでデモを見たときに、即座に
例えば、介護サービスの中には、介
導入しようと決めました。例えば、介護
護保険が適用される公費のサービス
記録でよく使う文章を定型文として登
と、ご利用者が負担する自費のサービ
録しておけば、それを選んでクリック
スがあり、その切り分けをシステム上
するだけで入力作業が完了します。そ
でいかに行うかが大きな懸念事項だっ
のため、キーボードの入力作業が苦手
た。しかし、
『Blue Ocean Note』の
な介護職員も手軽に利用できます」と
入力フォーマットを公費と自費の二つ
安田氏は語る。
に分けて表示することで問題を解決。
さらに、クラウド型の『ワイズマン
これにより、請求業務が迅速かつ正確
ASPサービス』を導入することで事業
に行えるようになった。
さらに、
『Blue Ocean Note』
と
システム連携イメージ
『 ワイズマンA S Pサ ービス 』のデー
ワイズマンシステム
(ASP)
ブルーオーシャンノート
通所系
Note』で介護記録を入力すると、その
利用者情報
入所系
訪問系
タ連携も実現。
例えば、介護職員が『Blue Ocean
在マネ・地域包括
入居系
ASPサービスとの連動で
業務効率が大幅にアップ
ブルーオーシャン
ノート
連携オプション
実績データが『ワイズマンA S Pサー
ビス』に取り込まれ、事務所側で一括
入退所・
利用受付情報
して請求処理が行える流れになってい
る。このため、介護職員はタブレット端
末を使って介護記録を入力するだけ
実績情報
で請求事務処理も完結する。
小規模多機能
今回は、ほかの事業所のシステム
も一斉に『ワイズマンASPサービス』
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医療法人社団 曙会 アンジュカ初石
へ移行したので、その構築作業も並
ムを常に利用できる。そのため、将来
行して行う必 要があった。特に曙 診
の法改正などに迅速に対応できること
療所は他社のシステムから『ワイズマ
も大きな導入効果といえる。
ンASPサービス』へ切り替えたので、
さらに、
『ワイズマンASPサービス』
データ移行作業にかなりの時間を要
と
『Blue Ocean Note』の連動で、
したという。
介護記録の入力から請求に至る一連
しかし、そうした苦労を短期間で乗
の業務がスムーズに行えるようになっ
り越え、新システムは2015年5月に
たことも大きな成果だ。特に『 B l u e
本稼働した。それに先立ち、新システ
Ocean Note』は、タブレット端末で
ムの操作研修も事前に実施している。
撮影した画像を介護記録と一緒にクラ
介護スタッフを主な対象とした『Blue
ウド上で共有できるため、緊急時の対
Ocean Note』の操作研修と、管理
応が格段に早くなったという。
者のみを対象とした『ワイズマンASP
例えば、アンジュカ初石のご利用者
サービス』の操作研修を行い、万全な
が急に具合が悪くなったときに、その
状態でシステム運用に臨んだ。
様子を介護職員がタブレット端末で撮
大塚商会から複合機も導入し、グループ
のスケールメリットを生かすことで複合機
の運用コストを大幅に削減することに成
功している
影して保存すると、主治医のデスクトッ
ご利用者の様子を撮影し
緊急時の迅速な対応を実現
プPC上で確認できる仕組みになって
いる。
「以前は、介護職員に『ご利用者の
今回、
『ワイズマンA S Pサービス』
様子がおかしいので、すぐに来てくだ
へ全面的に移行したことで、各施設で
さい』
と電話で言われて、主治医が慌
サーバーの運用管理を行う必要がな
てて駆けつけると、ご利用者は元気で
くなり、介護業務に専念できるように
特に治療する必要がなかったという
なった効果は大きい。
ケースがよくありました。しかし今は、
「サーバーを事業所内に設置する
ご利用者の状態を遠隔でも確認でき
と、場所を取りますし、セキュリティな
るようになったため、主治医の負担も
どの管理に気を配らなければなりま
大幅に軽減されています」と安田氏は
せん。その点、ASPサービスは、メー
語る。
カー側できちんと運用管理をしてくだ
また、写真や動画をメールに添付し
さるので安心です。そのうえ、全ての
て送信できる機能も実装されている
基幹システムを統一したことで、事業
ので、ご利用者の様子を家族に見ても
所間のデータのやり取りが以前よりも
らうことで、入院の許可などを得る作
スムーズに行えるようになりました」
と
業も迅速に行えるようになった。
守田氏は語る。
さらに現在は、訪問診療した際にそ
また、介護業界は、介護保険制度が
の場で処方箋などを手渡せるように、
頻繁に改正されるため、そのたびにシ
タブレット端末で利用できるモバイル
ステムを改善しなければならないとい
プリンターなどの導入も視野に入れて
う大きな問題に直面している。しかし、
いる。今後もITを積極的に活用するこ
A S Pサービスであれば、メーカー側
とで、職員と利用者双方の満足度向上
でバージョンアップした最新のシステ
に努めていく考えだ。
医療法人社団 曙会のホームページ
http://www.akebono.org/
・会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。
・事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
・この記事は2015年7月に作成されました。
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