401 自著「ノスタルジア鈴鹿の山」

424
入笠山
近年、入笠山 1955m の人気が高い。中高年や山ガ-ルの登山者であふれている。
理由はゴンドラリフト利用で簡単に登れること。山頂一帯には入笠湿原や大阿原湿原が広がり、
梅雨ときにはスズランの花が咲き乱れる。登山旅行会社は雨ときに登れる山に困るが、
中央道を走れば首都圏や名古屋中部圏からも簡単にやってこられる。そして2等三角点がある
山頂からは、360 度の大展望が待っている。
私が初めて CL で登ったのは、ふわく最初だった。ワゴン車の運転は 185Hさんに依頼して
出発。中央道恵那山トンネルはまだ1本しか開通してない。往復ともトンネルで大渋滞だった。
中央道を諏訪南 IC で下り入笠山への登り林道も登山車は通行できない。
もちろんゴンドラもまだない。これでは日帰りが無理。だがどうしても登りたい。
ワゴン車で山頂登山口のある鈴蘭小屋までどうやって入るか…。悩んだ末に伊那高遠町経由
で山に入ることにした。高遠の町を出ると古い道となる。道路に沿って小さな集落が谷の奥ま
で点在するが、それが舗装もないガタガタ道な
のには参った。やっと芝平峠に出て鈴蘭小屋前に着
いたのは午後1時を廻っていた。 登りはじめて
30分もするともう山頂だ。それも快晴でぐるっと
360 度の展望が広がった。私たちは大歓声を挙げて
喜んだものである。
つぎに登ったのは6月の梅雨どき、岩倉市民
ハイキングだった。大型バスを仕立て山麓のバス駐車場から登りだした。
ゴンドラリフトはアカノラ山に通じており、殆どの登山者はこの利器に乗ったが、私たちは歩
いて登った。登山道右側のアカノラ山腹には入笠湿原がある。私たちは道を外れてヤブを漕ぎ
湿原に出た。 山の風は素敵な香りを運んでくれる。
それは湿原一面に咲くスズランの花のだった。木道を渡って鈴蘭小屋の前にいくと、庭先に
見たことがない豪華な花が咲いている。小屋の人は
「これが絶滅危惧種第1位のホテイアツモリです」。
このあたりでも野生のは殆どないという。いまは人手を加えて
栽培しているそうだ。同じ花は隣のマナスル山荘でも栽培されて
いた。つぎに登ったのは初秋、ふわく山行だった。このときは
林道の通行規制がなく、入笠山直下に駐車できた。時間がたっぷ
りあるので前に見える小入笠山にも登ったが、山頂近くに鉄柵が
ありそこから引き返した。