紫波町 第一回日詰リノベーションまちづくり検討委員会 議事録 【開催

紫波町 第一回日詰リノベーションまちづくり検討委員会 議事録
【開催概要】
日時
:
5 月 30 日(土)15:00〜17:00
場所
:
平井邸
参加者 :(敬称略、順不同)
∟専門家
- 清水、岡崎
∟事業者・不動産 - 大野、金子、鈴木、寺田、野村、原、平井
∟町
- 熊谷町長、藤原副町長
∟事務局
- 小田中、高橋(堅)、鎌田、高橋(哲)、ハワード、菊地(記)
【議事録】
1)町長あいさつ
2)委員委嘱及び委員長選出
3)委員自己紹介
4)協議事項
①委員会の目的とスケジュール

設置要綱について(鎌田)

日詰リノベまちづくり検討委員会の運営について(高橋)

スケジュール
9月の RS 開催までに構想の素案作成、それにもとづいてスクールを開催予定
②リノベーションまちづくりとは(清水)
③紫波町と日詰の現状(高橋)
5)意見交換

日詰生まれ、現在は矢巾在住。マップで空き家の状況や地価下落を見える化したのは非常にわか
りやすい。紫波町内で事業を展開しており 1 万件のお客様と、日々お話する機会がある。その中
で、将来不安を感じられている福祉や、身体障害者などのビジネスが見込めたら、より住みやす
い町になるのではないかと感じている。

商店会の難しさは日詰特有のものではないにせよ、地域の課題と思って取り組んできたが、地区
の方々が、客観的に評価される機会を殆どもっておらず、周囲や有識者の声が届きにくいのが現
状。商店会を構成するみなさんも一緒に考えたいけれど、今までなかなかそれがやってこられな
かった。一生懸命自分の商売に徹する人は、ほとんど商店会活動には参加しないという問題があ
る。一方で、参加している人はまちのことを想っているけれども、ビジネスがなりたたなければ
仕方ない。その矛盾を抱えている。昨日は岡崎さんも NHK に登場したりして、最近では紫波町=
オガールのようにいわれている。色々なタイプの人があってよいが、個人的には客観的、かつ長
期的な視点で歴史的なものも大切にしていきたい。

日詰には祖母が住んでいたので、子供の頃はよく来ていた。日詰が現在のような姿に変貌したの
には S50 年頃に交通の環境が変わったことが大きいのでは。以前はバスターミナルがあり、祖母
の家に遊びにくれば、日詰商店街を通るバスの地響きが聞こえていた。今、日詰に人がくる理由
としては、金融機関の支店がある。これが外に出て行かないようにせねば。また、矢巾に医大が
移転してしまったことも町にとっては影響が大きかったのではないか。医大に行けば殆ど全ての
診療科があり非常に便利だけれども、Google map 上で日詰をみると、開業医がちらばっている。
これらをひとつの大きな場所に集められないか。また、今日はバスで盛岡から日詰駅まで乗って
来たが、乗客は殆どいない。それよりは、オガールと商店街の循環バスを走らせれば、もっと足
のない高齢者も日詰に来られるのでは。

平成 20 年につくった道路(くらしのみちゾーン)も、お年寄りと孫達が歩けるまちづくりにし
ていけば新しい使い方ができるのではないか。データでは日詰6区は空き店舗が多くなってきて
いるとのこと。ひとりオーナーのところも多いので、今後も加速するかもしれない。また、野村
さんの時代と比べればマイルドになっているかもしれないが、商店会のメンバー内にも意識のち
がいがあり、今回のような動きに批判的な方もいるので、その方々とのコミュニケーションを大
切にすることが重要。勉強会などで周知する機会を増やしていけるとよい。

若い世代とも接する機会も多いが、日中、町で彼らの姿を殆ど見ない。普段何をしているのだ
ろう?昼間ももっと外に出ようという問題意識から青年会でも話をしてきたが、具体的なビジョ
ンがなかったので、商店街の外でも何かやりたいと思っていた。

子供達が新学期になると、町の中を歩くので、その時に記憶に残るようなスペースがつくれると、
子供に引っ張り出されて親が町へ出るきっかけにもなって、よいのではないか。

現状から考えると、地域の高齢化が進んでおり、これから介護世代に入る方が多いので、意見が
でたような、彼らが住みやすいクリニックモールのようなものもよいアイディアだと思う。紫波
町に県立病院がなくなって、お年寄りが通う病院がないのが課題なのではないかと感じている。
一方で、介護だけでなく、子育て世代がはいってこないと将来につながらないので、(2つを同
時に進めるのはむずかしいかもしれないけれども)2つの目線を持って進めることが必要だと思
う。

商業を中心に考えると、ネットショップが敵となる。そこと戦おうとすれば瞬殺される。それよ
りは、色んな世代の方が集まる場所をつくる方向がよいのではないか。昔の都市計画事業は目的
ごとに人を集めるようなゾーニングをしていたが、多様性を持った集客をつくるにはそれとは異
なる手法が必要。それは、言ってみれば民間がつくる公民館のようなものと考えている。日詰で
も普遍的な集客をどう考えるか。それから、商業で再生を考えない。今までの話を聞いていて、
建設業界も商店会も同じだと感じた。人口が増えて、待っていても仕事があるときは建設業界も
商店会も仲がよかった。それが人口が減り、景気が悪くなってくると、ほとんどの会社が協会に
は所属していても、足の引っ張り合いになり、意見がまとまらず、何も進まない。そこで、オガ
ールのときは「やる。」と言った人たちで進めた。勉強会をやるのは大賛成。ここでは、たまた
ま現会長と元会長さんが同席していた、ぐらいにしておき、新たなオーナーさんが勝手に動き始
めていた、としておいたほうがうまくいくと思う。北九州でも、実は商店会とからは独立した関
係でやっている。あれだけ歩行人口も雇用も増えているが、商店会は「人が多くなって騒々しい」
など、リノベーションスクールの動きをよく思っていなかったりする。

紫波町でリノベーションの話題となると、オガールの話が必ずでてくる。私はオガールのことを
「新都心」という言い方をしている。とすると、つい日詰は「旧・・・」という言い方をしてし
まいがちだ。現に商店街について書かれているものを見ると「旧商店街」と表現されているけれ
ど、地域の人は嫌がるので、なにかいい言葉で表現できるとすると捉え方も変わるきっかけにな
るかもしれない。

多町村の方とお話するときに「日詰商店街」です、と言っても、「それはどこですか?」という
反応が帰ってくる。この事実を受け止めなければ。

盛岡でも郊外店が増え、中央が陥没している。日詰も夜間だけやる商店ばかりだと、お昼寂しく
なっている。できれば飲み屋は後ろの通りに入っていってもらい、表の通りは昼も空いていて人
通りができるような業態のお店に入ってもらえるとよい。

近隣で言うと、一番地価が高いといわれていたさわや書店前に風俗情報店が入って、周りの地価
が大暴落してしまった。イメージが一度悪化してしまうとそれが伝播してしまう。不動産という
のは1つの敷地じゃなくって、エリアで決まる。しかし、1つの敷地でエリア価値が決まってし
まうもの。

矢巾と紫波町の違いは商店外がなかったとこと、あったとこ。商店街がなかったために、矢巾は
わりと勝手なことができる。歴史の担っている日詰の方が、背負っているものが多い。

農業の町なので、農畜産物と空き店舗を融合させるというのがわりと自然なまちづくりのかたち
ではないかと思っている。

紫波町といえばフルーツの町といわれているのに、フルーツを食べられる場所がない。自転車の
町といわれているのに、自転車の話はない。表現できる場所がない。町のリビングという機能が
重要だと思う。

家をつくるとなったら、まず場所から決める。しかし、日本の都市計画は道路の計画から立てる。
それは家で例えてみれば、廊下から描くようなもの。立派な廊下はできたけど、居間がないとい
う状況の町ができてしまう(辛うじてよんりん舎がその役割を果たすかもしれない)。CET 清水
先生の話でも、誰でも使える居間をつくるというコンセプトだった。

居間とはどういうイメージか。

人が集まるところという意味。

民間でリビングのような機能のスペースがもてるかというところが重要。そのために神田ではま
ずシェアオフィスをつくった。役場の空き会議室を貸すではなく、町中に、だれでもいつでも使
えるスペースがあることが重要。

スポーツも重要。一番簡単なのは卓球。卓球台を置くだけ。あと空きスペースに将棋台を置くと
か。

実際、囲碁をやっているグループはスペースがなく、公民館にその度にいちいち持っていかな
きゃいけないようだ。

清水先生のお話の中で、とにかくボロい物件を見つけろという話があった。が、実際問題、固
定資産税くらいは欲しいというのがオーナーの本心だと思う。経済的なことも教えてほしい。

もちろん、固定資産税分くらいはみてください。それ以上稼いだら、ちょうだいねというのが、
リノベーションスクールがはじまった北九州でも通常のやり方になってきている。とにかく会計
を裸にして、正確にお伝えして、出た利益をどうわけようかと相談する。その調整役も家守がや
る。

例えば盛岡の家守事業で手伝った美容室では、固定資産税+管理費で月々20 万円でボロボロの物
件を借りた。当初からオーナーさんと紳士協定を結んでおいて、一年後、美容室がめちゃくちゃ
もうかりはじめたので、利益の配分を相談したというやり方。

実際、空いている店は多い。空き店舗の定義は色々あるけれど、貸す意志があるところを空き店
舗と定義するのであれば、殆ど空き店舗はないということになってしまう。「貸せる」という状
態するのに投資が必要。それから、いったんお店を貸すと、昔のイメージで居座られて大変な想
いをするという想いもある。

リビングといえば、紫波町には鈴の音という場所がある。それこそ町の居間のようなイメージで
やっていた場所だ。そのオーナーさんが亡くなってしまったので、一度は頓挫したが、東京にい
る長男さんが貸し出すといってくれた。みなさんのためにといって、お金を出して水回りの投資
をしてくれて、現在工事中。囲碁をやったり、公民館がなかったので、6区の中の公民館として
使われている。役場からは固定資産税免除となっている。

基本的にオーナーの持ち出しはない、その分賃料を1年分安くするなどのやり方で工夫している。
そのようなコーディネートをして、無価値な物件や土地から価値を生み経済的に自立したまちづ
くりをするには家守会社が肝。

今回は顔合わせということでしたが、みなさんから色々な意見がお聞きできた。次回までに、事
務局にお願いしたいのは、西側も含めた日詰地区は人口も増加しているということだったけれど、
切り分けるとより具体的な問題があぶりだされると思うので、別々の分析をしてもらうこと。み
なさんも、次回までの間で、まちづくりに関連するような何か、アイディアを思い出したら書き
留めておいてください。日詰は率直に、私のような外者から見ると歴史的なものが残っていて大
変魅力的な土地。それを大切にしたい。また次回の日程のご連絡をするので、今後も是非、楽し
く参加していただければ。
以上