受け継がれる伝統に触れる 古都散策

受け継がれる伝統に触れる
古都散策
2009. 7 月公開
写真提供・高山市観光課(イメージ)
高山へ旅する際、ぜひ訪れたい古い町並。江戸時代の名残を色濃く残す場所として、また飛
騨匠の技が受け継がれる場所として伝統的建造物保存地区に指定され、たくさんの人々を引
きつけています。美しい町並を散策しにいらしてみませんか。
古都の入り口
中橋周辺
高山駅から広小路通りを東へ歩くこと数分、見えてきたのは葵の紋入り提灯を掲げた高山陣屋です。
江戸時代、裁きを行う政治の中心地だったこの施設は、日本に唯一現存する江戸時代の代官所(後
郡代役所)として国の史跡に指定され、今では高山散策の趣きある入り口として私たちを出迎えま
す。陣屋前を流れるのは、緋鯉が泳ぐ清らかな宮川。川沿いに柳が枝垂れる様子は、朱塗りの中橋
と相まって古都にふさわしく何とも雅やか。橋を渡るといよいよ古い町並です。
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ち通り
さんま
高山中心図
N
200m
通り
安川
北山遊歩道
江名子
川
桜山八幡宮
高山城跡
照蓮寺
三町伝統的建造物群
保存地区
高山市政記念館
飛騨民族考古館
吉島家住宅
表参道
高山祭屋台会館
高山市郷土館
城山公園
中橋
桜橋
布引橋
宮地家住宅
宮川
日下部民藝館
国分寺通り
飛騨総社
高山陣屋
広小路通り
下二町大新町伝統的建造物群
保存地区
飛騨高山春慶会館
陣屋前朝市
藤井美術民藝館
飛騨国分寺
至下呂
飛騨高山観光案内所
至飛騨驒古川
高山本線
高山駅
梁組に見られる匠の技
上三之町
商人街として栄えた上三之町(かみさんのまち)は、古い町
並の中心地。杉玉を下げた造り酒屋や老舗の味噌屋などが
並び、黒く艶のある出格子(でごうし)が連なります。北へそ
ぞろ歩くと、春慶塗をはじめ一刀彫や渋草焼など飛騨匠の
技を代表する工芸品を扱う店が並び、なかには一刀彫や刺
し子の実 演をしてくれる店も。町 並を見ても、町 家の中に
入っても匠の技があふれています。住居と店舗を兼ねる町
家の見どころは、なんといっても豪壮な梁組(はりぐみ)。大
黒柱を中心に梁(はり)が織り成す立体格子の空間美に、匠
の技を感じます。町家を改築したカフェや一般公開されて
いる町家を訪れ、その美しさを堪能しましょう。
(イメージ)
迫力ある梁組
写真提供・高山市観光課
町並を守る人々の心意気
下二之町
国分寺通りを越えると下二之町(しもにのまち)。菓子屋
や文房具店、畳屋などが軒を連ねる生活に根ざした町で
す。打ち水の跡も清々しい落ち着いた通りは、小京都の
名にふさわしい佇まい。こぢんまりと落ち着いた場所だ
けに、匠たちが丹精込めて作り上げた品格ある様子は、
古都らしい典雅さを感じさせます。そんなしっとりとし
た町並にふさわしく、名物みたらし団子を焼き上げる店
(イメージ)
静かな下二之町 写真提供・高山市観光課
舗や食事処はもちろん、医院やクリーニング店など日常
的な施設まで格子戸を持つ軒の低い造り。美しい町並を
守り伝えようとする人々の気概が伺えます。
匠の技と旦那衆の心意気の結晶
高山祭屋台会館
下二之町を抜け、江名子川(えなこがわ)を渡ると表参
道と呼ばれる道に出ます。道の先は秋の高山祭で知られ
る桜山八幡宮。祭はこの神社の例祭なのです。境内に併
設されている高山祭屋台会館では、祭の時期でなくても
4 台の屋台が交代で展示され、いつでも屋台を見ること
ができます。匠の技の粋ともいえる絢爛豪華な屋台を堪
能し、高山散策を締めくくりましょう。
(イメージ)
細部にまで贅をこらした祭屋台
取材協力
高山市観光課
高山祭屋台会館
※天候により景観がきれいにご覧いただけない場合がございます。あらかじめご了承ください。