顧客の要望に応え続ける 「名人シリ ーズ」

週刊BCN(2015年3月23日号)掲載記事
拓へ
業で新たな市場開
パートナーとの協
る
け
続
え
応
に
望
要
顧客の
「名人シリーズ」
石井伸郎
常務取締役
営業統括本部長
photo by Hirokazu Hasegawa
方針はそれぞれ違うため、支援のニーズも異なる。
を
16年に発売30周年
人シリーズ」が、20
名
「
ジ
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ケ
、
業
パッ
売
、製造業や卸
ムのオリジナル
ユーザックシステ
する名人シリーズは
援
支
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務
業
の
ユー
。
など
だ
出力、物流
リューション
迎える。EDIや帳票
な導入実績をもつソ
・中小企業)に豊富
堅
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高
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から
物流業を中心
の製品開発で市場
で
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、これまで
ている。そのカギと
ザックシステムでは
化することを目指し
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販
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名人シリーズを、新
業との協業だ。パー
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拡販に向けた展
のが、SIerやERPメ
人シリーズの強みと
名
、
に
長
部
本
括
営業統
伸郎・常務取締役
それぞれのパートナーの強みに名人シリーズが付
加価値となるように、導入事例などの情報提供か
らパートナーの開発者向けの教育、ソリューショ
ンの共同開発まで、幅広くサポートしている」と、
石井常務は名人シリーズにおけるパートナーシッ
プの重要性を強調する。
なかでもユニークな取り組みが、名人シリー
ズの「ファンクラブ」として立ち上げた「次世代
/
sknet.com
▶ http://www.u
ム
テ
ス
シ
ク
ッ
ザ
ユー
EDI研究会」
の運営だ。
ユーザー企業数社が集まり、
ユーザックシステムの開発担当者や担当営業と交
流しながら、各社の名人シリーズの使い方や要望
を話し合うコミュニティを、同社は年二回開催し
ている。こうしたコミュニティからもユーザー企
ユーザー視点での製品開発で
市場からの高い評価を獲得
語る。
業のニーズを吸い上げ、さらなる製品開発につな
石井常務は、名人シリーズがユーザー企業から
げているのだ。
高い満足度を得ている理由について、同社の製品
これまで名人シリーズは製造業や卸売業、物流
業を中心に販売してきたが、近年はそれ以外の業
主に製造業や卸売業、物流業を中心とするSMB
開発の独自性にあると考えている。
「創業当時か
に向けて、オリジナルパッケージソフト「名人シリ
らSMB向けのシステムインテグレーションを行っ
界や業種にもユーザー企業が広がっている。石井
ーズ」の開発、販売、サポートを行っているユー
てきたこともあり、技術者の方ではなく現場で使
常務は、
「製品ラインアップが広がってきたことで、
ザックシステム。同社は、指定伝票や値札、物流
うエンドユーザー向けの発想で製品開発をしてき
われわれの想定していなかった業界や、想定をし
ラベルなどの発行をシステム化する「帳票ソリュ
た。導入いただいた企業からも、他社製品と比較
ていない使い方をされるお客様が増えてきた。こ
ーション」
、入力業務の自動化や基幹システムとの
した評価ポイントとして使い勝手を挙げる企業が
れを一つのきっかけとして捉え、名人シリーズの
連携を実現する「受発注ソリューション」
、在庫管
ほとんど。エンドユーザーの視点に立った製品開
拡販につなげていきたい。グローバル対応の製品
理や入出荷/棚卸システムを提供する「物流ソリ
発は、当社のオリジナリティになっている。他社
開発にも注力し、海外進出する日系企業やローカ
ューション」という三つの分野において、現場業
のパッケージと機能が似ているとしても、設計思
ル企業に名人シリーズを訴求していきたい。ほか
務の改善、効率化の向上をサポートするソリュー
想や使い勝手がまったく違うと評価していただい
にも、これまでタッチできていなかった業界のお
ション群を販売してきた。名人シリーズは1986年
ている」と自信をもっている。
の「伝発名人」以来、実に30年に渡る販売実績を
客様に向けて、名人シリーズをご採用いただける
よう取り組んでいく」との考えを示す。
パートナーの要望に応える
製品開発とサポート体制
もち、ユーザー企業の現場の課題を解決するパッ
ケージソフトとして市場から高い評価を得ている。
こうした新たなニーズの掘り起こしと新規市場
の開拓を、ユーザックシステムはパートナーと足
名人シリーズを販売しているパートナー企業は、
「当社はもともと、SMBの基幹システムをオー
並みを揃えて行っていくという。さらに、基幹業
ダーメイドでつくるSIerとして創業した。基幹シ
現在120社程度に上り、大手SIerから数人規模の
務のクラウド化が進むなか、今後はパートナーと
ステムに関わる顧客のニーズを拾い上げ、それ
中小SIerまで多岐に渡る。ユーザックシステムは、
ともにクラウド/モバイル対応を進めていくこと
を解決するソリューションを追求していくなかで
こうした全国のパートナー企業に向けて、営業・
も予定している。
伝発名人をはじめとする名人シリーズの製品開
マーケティング支援とシステム開発・サポート支
Win−Winとなるパートナーシップで、ユーザ
発につながった。数ある名人シリーズのほとんど
援の二つを柱に、手厚い支援体制を整えている。
ックシステムでは発売30周年を迎える名人シリー
が、顧客の要望から開発した」と、石井常務は
「パートナーによって抱えている顧客の課題や
ズのさらなる販売強化を進めていく。
名人シリーズ 30年の歩み
1986年
伝発名人発売
1990年
1991年
車載型 伝発名人 伝発名人PROで
富士通と共同開発 松下電器産業
(現パナソニック)
と
提携
BCN
Special Issue
1996年
2001年
2004年
2005年
2008年
2010年
2014年
2016年
伝発名人
Windows95版
伝発名人
for Web
Auto
ブラウザ名人
伝発名人.NET
EOS名人.NET
(流通BMS対応)
Auto
メール名人
伝発名人
20000ライセンス
突破
伝発名人
発売30周年
「名人シリーズ」を支える主要パートナー
現場のニーズを満たすソリューション
基幹業務パッケージに
「名人シリーズ」を連携
統合の相乗効果でさらなる拡販へ
「名人シリーズ」は「武器」となり得る
「EOS名人」で流通業
のシステムを改善
地域に根ざしたSIと
ソリューションを提供
富士通マーケティング
http://www.fjm.fujitsu.com/
NCS&A
http://ncsa.jp/
内田洋行ITソリューションズ
http://www.uchida-it.co.jp/
富士通グループのSMB(中堅・中小企業)向
2014年8月1日に、日本コンピューター・シス
内田洋行グループの内田洋行ITソリューション
テムとアクセスが統合して誕生したNCS&Aは、
ズは、全国22拠点の地の利を生かし、各地域に
けビジネスを手がける富士通マーケティング。同
社で30年間、「名人シリーズ」の販売を手がけて
「名人シリーズ」のなかで流通BMS(ビジネスメ
根ざしたシステムインテグレーション事業に強み
きた藤岡潤治・中部営業本部本部長代理(兼)東
ッセージ標準)に対応したパッケージ「EOS名人」
海支社長は、「伝発名人」との出会いを鮮明に覚
の販売で定評のあるSIerだ。オフコンのユーザー
ル」
、福祉施設向け業務管理システム「絆」など、
えているという。
「当時は、手書きからコンピュー
企業を対象に、レガシーシステムのマイグレーシ
内田洋行グループのオリジナルアプリケーション
タを使った伝票に変わり始めた時期だった。しか
ョンを進めながらEOS名人を提供。多くの卸売業
を中核に、さまざまな業種・業界に特化したソリ
し、伝票をコンピュータで出力するにはプログラ
をユーザー企業として獲得している。
ューションを提供している。
をもつSIerだ。ERPパッケージ「スーパーカクテ
ミングの必要があり、伝票の種類が多い企業はと
NCS&Aが卸売業に対してマイグレーションを行
内田洋行ITソリューションズは、1986年の「伝
ても苦労していた。ワープロ形式で伝票の指示が
う際、主要な製品に据えているのはEOS名人とERP
発名人」発売以来、「名人シリーズ」の販売を手
がけてきた。新家俊英社長は、「オフコン版の伝
できる伝発名人と出会った時、こんな簡単にでき
パッケージの組み合わせだ。内田洋行の「スーパー
るのかと感動したのを覚えている。業務のコスト
カクテルシリーズ」
やOSKの
「SMILEシリーズ」
など、
発名人は、われわれのERPシステムでは表現でき
カットにもつながり、お客様からもとても喜んで
ERPでシステムのリプレース提案の際に、EOS名人
なかった1mm単位での印字位置指定を実現した
もらった」と振り返る。
も提案、導入。山口満之・取締役執行役員常務は、
「お
富士通マーケティングが提供している販売管
客様からは、流通BMSへの対応体制が整うことに加
画期的なソフト。お客様の声から課題をくみ取り、
『コロンブスの卵』のような製品をつくり出すユー
理システム「GLOVIA smart きらら 販売」では、
え、システム担当者の方などからは『操作がわかり
帳票ソリューションやEDIソリューションとして名
やすいので楽に使える』ということから、高い評価
や『EOS名人』など名人シリーズのプロダクトに
人シリーズをシステム連携させている。藤岡支社
を受けている。EOS名人は、お客様の満足度を高
引き継がれていると感じる」と、名人シリーズの
長は、「ユーザックシステムの製品は、生産性の
める大きな武器だと捉えている」としている。
先進性を指摘する。
向上など現場のニーズに対応した機能に強みがあ
最近では、EOS名人の導入をきっかけにして、
ITシステムに対する顧客のニーズが多様化して
ザックシステムのDNAは、『Autoブラウザ名人』
る。当社のERPは、拡張性と柔軟性の高さが大き
基幹システムのリプレース案件を獲得することも
いる現在、1社のSIerだけですべての要望に応える
な特徴だ。それぞれの強みを組み合わせることで、
あるという。さまざまな種類の伝票を発行できる
ことは難しい。新家社長は、
「全国のパートナーの
現場が本当に必要とするシステムを提供できる」
「伝発名人」に対するニーズもまだまだある。山口
ソリューションやノウハウを組み合わせることで、
と、ユーザックシステムとの協業のメリットを説
取締役は、「名人シリーズは、システム案件を獲
お客様のニーズに最適なシステムを提供していき
明する。
得するための突破口になる製品」と評価する。
たい」との考えを示す。そのうえで、スーパーカク
「Best Solution & Best Partner」をコーポレ
今年3月で統合初年度が終わって、来年度(16
テルにアドオンとして連携する名人シリーズは「わ
ートメッセージに掲げる富士通マーケティング。
年3月期)から本格的に統合効果を発揮すること
れわれの武器となり得る」と大きな期待を寄せる。
藤岡支社長は、
「SMBの業務を改善するためには、
になるNCS&A。山口取締役は、「旧アクセスが
内田洋行ITソリューションズは、全国各地の地
当社だけでは通用しない部分がある。全国のパー
得意とする金融分野以外にアプローチしている分
域に根ざしたシステムインテグレーションと、ス
トナーのキラーパッケージを体系化し、それをミ
野でも、名人シリーズを足がかりに新しいお客様
ーパーカクテルなど内田洋行グループのアプリケ
ックスしてそれぞれのお客様の課題に合ったソリ
を獲得するケースも狙っている」とアピールする。
ーション、そしてパートナーとの協業によって、
ューションを提供していく」と、パートナーとの
経営統合の相乗効果のけん引役として、名人シリ
今後は次の成長領域としてクラウドビジネスにさ
協業を軸に今後も市場をリードしていく。
ーズに対する期待は大きい。
らに注力していく。
藤岡潤治
中部営業本部本部長代理
(兼)東海支社長
山口満之
取締役執行役員常務
新家俊英
代表取締役社長執行役員
(この特集記事は、週刊BCN 2015年3月23日発行vol.1572に掲載したものです)
BCN
Special Issue