「2016 年度・新卒採用に関する企業調査- 年度・新卒採用に関する企業

「2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間
年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査」
中間調査」
~ 2016 年 3 月卒業予定者の採用活動に関する企業調査~
採用スケジュールの大幅繰り下げと旺盛な採用意欲を背景に、2016 年度の採用戦線は混乱を極め、
過熱の様相を呈している。採用戦線スタートから 4 カ月が経過した 7 月上旬時点での採用活動状況を
確認すべく、
「日経就職ナビ」掲載企業など全国の有力企業を対象に、採用方針や施策について調査し、
分析した。
【調査内容】
1.2016
1.2016 年 3 月卒業予定者の採用見込み
・・・・・・・・・・・・・・・・P2
・・・・・・・・・・・・・・・・P2
2.採用活動の開始時期
2.採用活動の開始時期
・・・・・・・・・・・・・・・・P3
3.学生の反応(
3.学生の反応(2015
学生の反応(2015 年度採用との比較) ・・・・・・・・・・・・・・・・P5
・・・・・・・・・・・・・・・・P5
4.学生に対する満足度
・・・・・・・・・・・・・・・・P6
・・・・・・・・・・・・・・・・P6
5.内定者充足率
・・・・・・・・・・・・・・・・P6
・・・・・・・・・・・・・・・・P6
6.新卒採用市場の見方
6.新卒採用市場の見方
・・・・・・・・・・・・・・・・P7
7.10
7.10 月 1 日までの内々定者つなぎとめ施策
までの内々定者つなぎとめ施策
・・・・・・・・・・・・・・P9
・・・・・・・・・・・・・・P9
8.理系学生の推薦制度導入状況
8.理系学生の推薦制度導入状況
・・・・・・・・・・・・・・・・P10
・・・・・・・・・・・・・・・・P10
9.日本人留学生の採用
9.日本人留学生の採用
・・・・・・・・・・・・・・・・P11
・・・・・・・・・・・・・・・・P11
調
調
調
回
査
査
査
答
対
時
方
社
象
期
法
数
:
:
:
:
《調査概要》
全国の主要企業 10,200 社
2015 年 6 月 29 日 ~ 7 月 7 日
インターネット調査法
1,144 社
≪従業員数≫
~299人
300~999人
502社
405社
≪業種≫
1000人以上
237社
≪株式≫
製造
非製造
434社
710社
上場
228社
非上場
916社
≪地域≫
調 査 機 関
北海道
東北
関東
中部
近畿
中国・四国
九州・沖縄
36社
66社
591社
171社
170社
55社
55社
:
株式会社ディスコ キャリアリサーチ
◆本資料に関するお問い合わせ先 : 03-4316-5505/株式会社ディスコ キャリアリサーチ
1
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
1.2016
1.2016 年 3 月卒業予定者の採用見込み
景気回復による求人増で、就職採用戦線は売り手市場が鮮明になっている。
2016 年 3 月卒業予定者の採用見込みは、全採用属性の総合で「増加」と回答した企業が全体の
4 割弱(38.0%)を占め、
「減少」9.4%を 28 ポイント余り上回っている。前回調査(2015 年 2 月・
採用方針調査)においても「増加」29.2%に対し「減少」6.9%と、採用意欲の高さが表れていた
が、5 カ月が経過した本調査でも引き続き積極的な採用姿勢が確認できた。
採用属性ごとのデータを見ると、すべての属性で「増加」が「減少」を上回り、とりわけ理系
学生の採用意欲の高さが目立つ。
従業員規模別でも、いずれも「増加」が「減少」を大幅に上回るが、特に 1000 人以上の企業に
おいて 44.3%が「増加」と回答し、大手企業の採用増が顕著。業界別では「IT」で 44.4%が「増
加」と回答した。
2016年3月卒業予定者の採用見込み(属性別)
増加
総
増減なし
減少
採用予定なし
38.0
合
6.9
大学院理系
4.0
19.0
大卒文系
大卒理系
短 大 卒
専修学校卒
(11.9) (5.7)(4.9)
(40.1)
29.1
4.5 4.3
9.4
43.7
(37.4)
大学院文系
未定
47.3
36.9
5.1
12.7
27.4
11.5
27.6
41.6
8.6
17.1
5.1
(27.3)
(40.7)
(9.1)
(17.1)
(5.7)
30.0
44.4
8.3
11.0
6.3
(28.7)
(40.3)
(10.8)
(14.2)
(6.0)
7.9
20.1
4.2
57.1
10.6
(5.9)
(20.6)
(3.2)
(61.5)
(8.8)
11.3
20.0
4.2
54.5
10.1
(7.9)
(24.0)
(3.2)
(56.1)
(8.8)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
※( )内は2014年5月調査の数値。以下同じ
※属性ごとに回答していない企業などがあるため、総合の割合と属性の割合は一致しない。以下同じ
2016年3月卒業予定者の採用見込み(総合/従業員規模別・業界別)
増加
~299人
増減なし
36.7
43.6
(32.7)
(40.0)
減少
7.6
7.2 (9.7)
5.0
(11.1)
製造
(6.4)
3.2
300~999人
45.7
11.6
(40.8)
(37.6)
(12.5)
3.5 流通・商社
(4.9)
44.3
40.5
10.5
(39.6)
(44.0)
(12.3)
IT
(1.5)
4.2
(2.6)
0%
50%
金融
(4.2)
36.0
0.4
1000人以上
採用予定なし
100%
2
サービス業
など
0%
未定
38.5
41.0
10.8 5.1
(37.2)
(38.1)
(14.1) (6.5) (4.2)
4.6
33.3
50.0
7.1 4.8 4.8
(56.3)
(31.3)
(8.3) (2.1) (2.1)
32.2
50.4
12.2
(36.8)
(44.1)
(10.3)
44.4
45.6
3.6
(43.5)
(38.8)
(10.9)
39.0
40.1
(31.3)
(42.6)
50%
8.9
2.6
2.6
(2.9)
(5.9)
4.1
2.4 (6.1)
(0.7)
6.7 5.2
(10.9) (7.5) (7.5)
100%
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
2.採用活動の開始時期
採用スケジュール繰り下げ(3 月広報解禁、8 月選考解禁)により、企業の活動スケジュールは
どう変化しただろうか。
エントリーシート(ES)受付開始は「3 月上旬」に集中し、採用広報解禁と同時に ES を受け付
けたという企業が 3 社に 1 社以上(34.8%)にのぼった。これに対し、ES での選考結果通知のタ
イミングは分散し、企業によって結果通知までに要した期間が大きく異なったことがうかがえる。
筆記・適性テストは 4 月上旬(10.8%)を中心に小さな山が形成され、リクルーター面談に山
は見られない。リクルーターの担う役割によって各社で登場のタイミングが異なるからだろう。
エントリーシート受付開始/結果通知開始
(%)
40.0
34.8
ES受付開始
(n=747)
30.0
20.0
13.2
12.2
11.4
10.0 5.6
5.5 5.5
3.3
8.6 8.3
5.8 4.1
6.5
4.2 3.9 4.7
4.8 2.8 2.5 2.5
4.2
4.2
2.6 2.3 4.1
2.0 1.9
0.7 0.7 0.71.8
1.5 2.0 2.4 0.9 0.5
0.1 0.3
9月以降
筆記・適性テストの開始
(%)
下旬
中旬
8月上旬
下旬
中旬
7月上旬
下旬
中旬
6月上旬
下旬
中旬
5月上旬
下旬
中旬
4月上旬
下旬
中旬
3月上旬
2月以前
0.0
9.07.7
ES結果通知開始
(n=613)
(n=973)
20.0
15.0
10.8
10.0
7.6
8.8
8.3
7.8
5.9
5.8
3.8
3.2
2.0
1.6
1.8
9月以降
リクルーター面談(マッチング面談)の開始
(%)
0.7
下旬
中旬
8月上旬
下旬
2.7
中旬
中旬
6月上旬
下旬
中旬
5月上旬
下旬
中旬
4月上旬
下旬
中旬
3月上旬
2.5
7月上旬
3.0
2月以前
0.0
5.0
4.7
下旬
5.0
7.9
6.1
(n=382)
20.0
15.0
10.0
8.6
8.6
5.8
5.8
5.8
6.8
5.8
5.5
4.7
3.9
2.4
1.6
2.9
9月以降
下旬
中旬
1.0
8月上旬
2.4
下旬
7月上旬
下旬
中旬
6月上旬
下旬
中旬
5月上旬
下旬
中旬
4月上旬
下旬
中旬
3月上旬
2月以前
3
4.5
3.1
中旬
3.9
5.0
0.0
8.9
8.1
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
次に面接開始と内定出しの時期を見てみよう。
8 月の選考解禁と同時に面接をスタートするという企業は全体の 10.1%にとどまり、それより
前の開始が 8 割を超える(82.9%)。中でも多いのは昨年までの選考解禁時期にあたる「4 月上旬」
(10.6%)で、政府方針に対応できなかった企業が予想以上に多かったようだ。但し、企業規模
により差が見られ、従業員 1000 人以上の大手企業では「8 月上旬」が 17.5%で最多となっている。
内定出しの時期は、選考解禁直後の「8 月上旬」(9.6%)と「6 月上旬」(9.5%)が多く、「9
月以降」も 8.5%ある。内定出しも企業規模によって動きが異なり、従業員 1000 人以上の企業で
は面接同様「8 月上旬」に集中している(17.4%)。大手企業では 8 月の選考解禁と同時に面接を
開始し、短期間で選考を進め内定出しまで持っていくケースが少なくない、との予想が立つ。
従業員 300~1000 人未満の企業では、内定出しは「6 月上旬」が最も多く(10.8%)、大手に先
んじて動いていたことがわかる。300 人未満の中小企業では 6 月上旬も多いものの(9.0%)、「9
月以降」が最多で(11.8%)、大手や中堅企業が一段落してから本格化させる企業も少なくないよ
うだ。
面接の開始
(%)
(n=1,072)
20.0
15.0
10.6
10.0
8.3
7.2
8.2
5.3
5.9
2.1
2.5
下旬
9月以降
下旬
2.4
中旬
1.2
8月上旬
1.9
中旬
3.5
7月上旬
中旬
2.7
下旬
4.6
6月上旬
下旬
中旬
5月上旬
下旬
中旬
4月上旬
3月上旬
0.0
下旬
2.6
中旬
2.7
7.8
5.9
4.4
2月以前
5.0
10.1
≪従業員規模別≫
2月
以前
~ 299人
1.8
3.8
2.6
300~ 999人
1000人以 上
(%)
3月
上旬
中旬
1.8
3.6
2.6
下旬
4.9
2.8
6.0
5.6
6.2
6.0
4月
上旬
10.5
10.0
12.0
中旬
下旬
7.1
9.7
8.1
7.6
8.5
7.3
5月
上旬
5.4
9.2
7.3
中旬
下旬
7.8
9.2
7.3
4.7
6.2
5.1
6月
上旬
6.7
4.9
6.0
中旬
4.7
5.1
3.4
下旬
3.6
2.6
1.3
7月
上旬
4.9
2.8
2.1
中旬
2.7
1.3
1.3
下旬
2.0
0.8
0.4
8月
上旬
8.0
7.9
17.5
中旬
3.3
2.3
0.9
下旬
3.3
1.3
1.3
9月
以降
3.6
1.8
1.7
内定出しの開始(内々定を含む)
(%)
(n=1,043)
20.0
15.0
9.6
9.5
10.0
6.2
3.5
5.0
6.1
5.6
3.4
4.2
3.4
4.2
9月以降
下旬
中旬
8月上旬
下旬
中旬
7月上旬
下旬
中旬
6月上旬
下旬
中旬
中旬
5月上旬
3月上旬
1.9
下旬
2月以前
0.0
6.1
8.5
7.2
4.4
中旬
0.8
4月上旬
0.8
下旬
1.1
5.8
7.8
≪従業員規模別≫
2月
以前
~ 299人
300~ 999人
1000人以 上
1.4
0.8
0.9
(%)
3月
上旬
0.2
1.6
0.4
中旬
0.7
0.8
0.9
下旬
0.9
1.8
3.9
4月
上旬
4.6
2.9
2.6
中旬
2.8
6.3
4.3
下旬
6.3
6.0
6.5
5月
上旬
6.0
5.5
5.7
中旬
下旬
6.5
5.5
6.5
4
7.9
7.6
7.8
6月
上旬
9.0
10.8
8.3
中旬
4.9
8.9
3.9
下旬
8.3
7.1
5.2
7月
上旬
5.6
6.0
4.8
中旬
3.0
3.4
3.9
下旬
3.7
5.2
3.5
8月
上旬
7.6
7.1
17.4
中旬
3.5
3.1
3.5
下旬
5.3
4.2
2.2
9月
以降
11.8
5.2
7.8
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
3.学生の反応(2015
3.学生の反応(2015 年度採用との比較)
次に採用母集団形成の動向を見てみよう。
「エントリー数」は、前年度に比べ「増えた」が 23.8%、
「減った」が 53.7%で、減った企業のほうが増えた企業の 2 倍以上にのぼった。前年調査でも減
った企業が多かったが、減少傾向がさらに進んだ格好だ。
この傾向は「自社セミナー・会社説明会の参加人数」と「選考への応募者数」でも同様で、や
はり「減った」と回答した企業が「増えた」を上回っている。採用数が増えたのに逆に応募者が
減ってしまい、企業の苦戦ぶりが際立つ結果となった。
とりわけ従業員 300~1000 人未満の企業で「減った」との回答が目立つ。学生優位の売り手市
場で大手志向が強まる中、そのあおりをもろに受けたのがこの層だったようだ。
エントリー数
増えた
全 体
23.8(33.5)
~299人
変化なし
22.5(24.2)
27.3(27.1)
300~999人
46.3(45.1)
20.6(24.3)
24.2(37.5)
0%
53.7(42.3)
26.4(27.7)
19.5(36.8)
1000人以上
減った
59.9(38.9)
18.2(19.3)
20%
57.6(43.2)
40%
60%
80%
100%
自社セミナー・会社説明会の参加人数
増えた
全 体
27.3(28.0)
~299人
29.2(23.5)
300~999人
23.6(28.5)
1000人以上
減った
25.9(29.5)
46.8(42.5)
25.8(28.2)
45.0(48.3)
25.7(31.2)
30.0(33.1)
0%
変化なし
20%
50.7(40.3)
26.4(28.7)
40%
43.6(38.2)
60%
80%
100%
選考への応募者数
増えた
全 体
25.6(25.8)
~299人
27.1(21.2)
300~999人
46.1(42.8)
30.6(32.4)
42.4(46.4)
27.0(32.1)
26.2(30.7)
0%
減った
28.3(31.4)
23.8(26.6)
1000人以上
変化なし
20%
49.2(41.4)
26.2(29.1)
40%
47.7(40.2)
60%
5
80%
100%
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
4.学生に対する満足度
採用活動のフェーズごとに学生への満足度を尋ねたところ、いずれのフェーズでも「質・量と
もに満足」の割合が前年より減少した。また、
「質的には満足だが、量的に不満」が大幅に増えて
おり、量に対する不満がかなり強まっていることがわかる。前ページで見た通り学生の反応が鈍
く、量が圧倒的に不足しているからだろう。一方、質への満足度がやや上がった背景には、スケ
ジュールの変更で学生の動き方が変わり、昨年までは接触できなかった層の学生が早期に受けに
来ていることや、インターンシップ経験者の応募が多かったことなどが推察できる。ただ、あく
まで選考解禁前の評価であり、質・量とも最終的にどうなるかはまだ不透明だ。
学生に対する満足度
質・量ともに満足
質的には満足だが、量的に不満
量的には満足だが、質的に不満
質・量ともに不満
母集団(エントリー者)に対する満足度
選考への応募者(面接受験者)に
対する満足度
内定者に対する満足度
14.5
27.2
13.8
44.5
(17.8)
(21.9)
(19.7)
(40.6)
13.1
31.1
17.2
38.6
(17.4)
(22.9)
(18.6)
(41.1)
18.4
41.9
11.6
28.0
(25.6)
(32.9)
(14.0)
(27.5)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
5.7 月上旬時点の内定者
月上旬時点の内定者充足率
内定者充足率
採用予定数に対する内定者の割合、いわゆる「充足率」は、全採用属性の総合で 37.9%。選考
解禁の 1 カ月前に 4 割弱を確保と考えると、かなり高い数字と言えそうだ。従業員規模別に見て
みると、従業員 300~1000 人未満の中堅企業(40.7%)と 1000 人以上の大手企業(39.5%)に比
べ、300 人未満の中小企業では 34.7%とやや遅れている。業界別では、
「製造」
(40.2%)と「IT」
(40.0%)が 4 割に達している一方、
「金融」は 33.2%で最も充足率が低い。8 月の選考解禁以降、
どのように変化するか注目したい。
7月上旬時点での内定者の充足率(従業員規模別/業界別)
(%)
50.0
40.0
40.7
37.9
40.2
39.5
40.0
36.9
34.7
34.4
33.2
30.0
20.0
10.0
0.0
全体
~299人
300
~999人
1000人
以上
製造
6
金融
流通・商社
IT
サービス業な
ど
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
6.新卒採用市場の見方
今期の採用市場をどのように見ているのか、採用担当者の見解を尋ねた。学生に有利な売り手
市場かどうかとの観点で聞いたところ、「完全に売り手市場だと思う」との回答が半数を超え
(50.5%)、
「やや売り手市場だと思う」
(40.8%)を加えると、実に 9 割強(91.3%)が売り手市
場を実感しているとの結果が得られた。また、今後の採用活動に対して「強く不安を感じる」
(42.5%)、「やや不安を感じる」(47.7%)と、あわせて 90.2%が「不安を感じる」と回答。従
業員規模での大きな差は見られないが、規模が大きくなるにつれ不安を強く感じる割合は上がる。
2016年3月卒者の採用市場についての考え
完全に売り手市場だと思う
あまり売り手市場だと思わない
全 体
やや売り手市場だと思う
まったく売り手市場だと思わない
どちらでもない
50.5
~299人
40.8
48.3
300~999人
40.9
54.6
1000人以上
8.4 2.2 0.2
39.8
47.9
0%
7.1 1.6 0.1
4.6 1.0 0.0
42.4
20%
40%
8.5 1.3 0.0
60%
80%
100%
今後の採用活動に対する不安
強く不安を感じる
全 体
やや不安を感じる
どちらでもない
あまり不安を感じない
42.5
~299人
47.7
40.5
300~999人
7.5 1.9 0.4
48.5
45.3
0%
7.4 2.1 0.3
49.6
43.1
1000人以上
まったく不安を感じない
6.6 1.8 0.0
42.8
20%
40%
8.5 3.0
60%
80%
0.4
100%
今後の課題意識
(%)
計画どおりの内定者数を確保できるか
68.7
すでに内々定を出している学生を繋ぎとめられるか
57.2
内定者の質を担保できるか
51.7
2017卒の採用手法・活動時期をどうするか
45.3
8月の選考解禁後に十分な受験者を集められるか
41.3
その他
0.6
0.0
20.0
7
40.0
60.0
80.0
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
今後の課題意識としては、「計画どおりの内定者数を確保できるか」が 7 割弱で最も多く
(68.7%)、
「すでに内々定を出している学生を繋ぎとめられるか」
(57.2%)が続く。スケジュー
ル変更で内定者の歩留まりが読みにくいと感じている企業が多いのだろう。(グラフは前ページ)
もし採用計画数を充足できそうにない場合に、どのような手法を検討するかを尋ねたところ、
「採用広報を増やす」が 31.4%で最も多く、就職情報サイトへの情報掲載やセミナー告知、合同
企業説明会への出展など、学生への情報投下を強化するという企業が多かった。
「採用の対象範囲
を広げる」(21.2%)、「新卒紹介サービスを利用する」(18.9%)など、追加募集も含め採用計画
の充足を前提とする対応の一方で、「第二新卒など中途採用で補充する」(30.5%)、「次年度の採
用に回す」(27.8%)など、別のチャネルに対象を切り替える企業も一定数みられる。
採用計画数を充足できない場合に検討する採用手法
(%)
採用広報を増やす
31.4
第二新卒など中途採用で補充する
30.5
次年度の採用に回す
27.8
採用の対象範囲を広げる
21.2
新卒紹介サービスを利用する
18.9
採用基準を見直す
9.5
派遣社員・契約社員などの非正規社員で補充する
6.6
その他
2.4
何もしない(充足できなくても構わない)
14.6
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
【Voice】――実際に接点をもった学生に対して感じること
実際に接点をもった学生に対して感じること
○「就職活動で何をしたらいいのかわからない」と答える学生が増えた。選考時期が延びたことをプラスに考え
られず、焦りや不安を大きく感じすぎている。また、学生も受けたい企業の選考日が複数バッティングするな
ど機会損失が多くみられる。
<サービス業>
○3月、4月に説明会が集中していたこともあり、学生は各企業の情報が整理できていないように感じます。
<情報・インターネットサービ業>
○8月の解禁まで、中小企業等で面接・試験慣れをするための練習として参加しているように見える。内定を出
した後も、就職活動は継続すると明言している学生が6割以上見受けられた。
<印刷>
○おそらく、自分が思っている以上に選考がとんとん拍子で進むので、その環境に甘えている学生が多いような
気がする。志望度が高く、会社の事を調べている学生とそうでない学生の差が激しい。
<商社>
○インターンから動いていた学生と、3月の企業説明会から参加した学生との違いがかなりあった。インターン
組はしっかりと考えている人が多かった。3月組は例年と変わらず一定人数いるように思う。
○学生のゆったり感が強まっている。焦りがまったく感じられない。
<情報処理>
<フードサービス>
○入社志望度を上げきれないまま、他社の早期選考へ逃げてしまった。また、当社を志望している学生も、志望
内容が薄い。
<鉄鋼・非鉄・金属製品>
○ブラック企業という言葉もあるからか、働くことに対して必要以上にネガティブなイメージを持っている学生
が増えたように感じます。仕事内容よりも、待遇面や離職率について確認するような質問をしてくる学生も多
くなったように感じます。
<商社>
○とりあえず、受けてみようという学生が多い。選考を辞退する学生が増えた。
<精密機器・医療用機器>
○就職活動に対して準備不足、楽観的な学生が多く感じます。また、第一志望企業をつくらない学生も多く見ら
れました。
<機械・プラントエンジニアリング>
8
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
7.10 月 1 日までの内々定者つなぎとめ施策
までの内々定者つなぎとめ施策
ここまでの調査結果から、採用数増加のもと、学生の質には満足しているものの量に不満を持
ち、採用数の確保に向けて内々定者のつなぎとめに課題を抱える企業が多いことがわかった。
そこで 10 月 1 日までの内々定者のつなぎとめ施策について尋ねたところ、「内定者懇親会」が
67.0%で圧倒的に多く、
「リクルーター(現場社員)との懇親会」31.6%が続くなど、懇親会を通
して入社意欲を高めてもらおうという企業が多かった。売り手市場とはいえバブル期のように泊
まり込みでの囲い込みを行う企業はほとんどなかった。
何らかのつなぎとめ施策を計画する企業にその総予算を尋ねたところ、平均 53.4 万円で、ボリ
ュームゾーンは「10 万円~50 万円未満」(43.6%)だった。企業規模が大きくなるにつれ予算額
は上昇し、従業員 1000 人以上の大手企業では平均 123.2 万円で、
「100 万円~500 万円未満」とい
いう企業が 30.9%にのぼった。
10月1日までの内々定者つなぎとめ施策(実施済みも含む)
(%)
内定者懇親会
67.0
リクルーター(現場社員)との懇親会
31.6
人事との個別面談
27.5
社内見学(工場見学・店舗見学含む)
25.5
集合研修(ワークショップなど)
16.0
経営者との懇親会
14.7
内定後インターンシップ(アルバイト含む)
10.3
リクルーター(現場社員)による個別フォロー
8.7
保護者対策(資料送付やセミナー実施)
4.9
次年度のインターンシップや採用のサポート
4.6
宿泊型研修(国内)
3.0
宿泊型研修(海外)
0.0
その他
5.8
あてはまるものはない/特に施策は行わない
16.1
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
10月1日までの内々定者つなぎとめ施策における総予算
0円
10万円未満
10万円~50万円未満
50万円~100万円未満
100万円~500万円未満
500万円以上
平 均
全 体
11.9
~299人
15.4
300~999人
11.3
1000人以上
6.2
14.9
43.6
14.8
23.2
9.6
44.7
7.3
0%
47.5
20%
9.5
19.3
33.7
17.4
40%
※つなぎとめ施策を行う企業が回答
9
1.4 53.4万円
3.9 0.6
80%
26.0万円
0.6 45.0万円
14.5
30.9
60%
13.5
4.5
100%
123.2万円
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
8.理系学生の推薦制度導入状況
理系学生を採用している企業(全体の 70.2%)に、推薦制度の導入状況を尋ねた(後付け推薦を除く)。
「導入している」と回答した企業は 19.0%で、前年より 4 ポイント少なかった。導入企業における
推薦での採用枠を見ると「1 割程度」と回答した企業が最も多く 35.6%。次いで「2~3 割」
(31.5%)
で、あわせて 67.1%が 3 割以下に収まっている。売り手市場が鮮明になる中、内定後の歩留まりが
読みやすい推薦での採用が増えるとの見方もあったが、今回の結果には表れていなかった。
推薦での受験者への対応(優遇策)を尋ねたところ、
「自由応募よりも優先的に選考する」が最
多である点は昨年と同様であったが、
「面接回数の減少」が 28.9%から 39.0%へと 10 ポイント以
上伸びた。選考時期変更による期間短縮に合わせ、効率よく採用したいという意向が読み取れる。
推薦制度導入状況(業界別)
推薦制度導入状況(従業員規模別)
導入している
全 体
導入していない
19.0
前 年
88.9
19.1
32.6
0%
20%
67.4
40%
60%
70.7
100.0
0.0
流通・商社
3.7
IT
19.3
80.9
導入していない
29.3
金融
77.0
~299人 11.1
1000人以上
製造
81.0
23.0
300~999人
導入している
96.3
80.7
サービス業など 6.1
80%
0%
100%
93.9
20%
40%
60%
80%
100%
推薦での採用枠
1割程度
2016年度
2~3割
5割程度
35.6
2015年度
31.5
37.3
0%
7~8割
26.5
20%
40%
60%
ほぼ10割
14.4
11.6
6.8
19.9
9.0
7.2
80%
100%
推薦で受験する学生への対応
(%)
58.2
58.4
自由応募よりも優先的に選考する
39.0
面接回数の減少(自由応募の学生に比べて)
28.9
25.3
28.3
書類選考(エントリーシートなど)の免除
9.6
筆記試験の免除
7.2
2.7
3.0
その他
2016年度
2015年度
17.1
16.9
あてはまるものはない
0.0
20.0
10
40.0
60.0
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
9.日本人留学生の採用
9.日本人留学生の採用
日本人留学生の採用を予定している企業を対象に、日本人留学生に求める資質を尋ねた。最も多
かったのが「語学力」で、46.7%が選んだ。国内学生では最多項目である「コミュニケーション能
力」
(43.2%)よりも、上位にきている。そこで日本人留学生に期待する英語力を確認してみると、
42.5%の企業が選考時にビジネスレベル以上の英語力を求めていると回答。入社時には過半数に達
する(50.2%)
。業務のグローバル化が進み、共通言語である英語力が強く求められているようだ。
実際、日本人留学生への調査では、8 割強がビジネスレベル以上の高い英語力を有している。
留学生に求める資質(上位15位)
【参考】
国内学生【文系】
日本人留学生
(%)
国内学生【理系】
1 語学力
46.7
1 コミュニケーション能力
77.5
1 コミュニケーション能力
68.2
2 コミュニケーション能力
43.2
2 協調性
27.0
2 基礎学力
26.3
3 バイタリティー
35.8
3 熱意
26.2
3 専門知識
25.8
4 異文化対応力
20.7
4 バイタリティー
24.4
4 協調性
25.0
5 発想の豊かさ
15.4
ストレス耐性
19.1
5 熱意
23.7
6 リーダーシップ
13.7
19.1
6 バイタリティー
20.9
7 ストレス耐性
13.0
7 明るさ
18.4
7 ストレス耐性
19.9
8 協調性
10.5
8 一般常識
11.8
8 明るさ
13.2
9 フットワークの良さ
10.2
9 社交性
11.5
9 発想の豊かさ
11.0
5
基礎学力
10 基礎学力
8.4
10 リーダーシップ
11.3
10 リーダーシップ
9.3
11 熱意
7.7
11 フットワークの良さ
9.3
11 社交性
8.2
12 社交性
7.0
12 信頼性
7.4
12 一般常識
8.1
13 明るさ
6.0
13 身嗜み・マナー
5.5
13 信頼性
7.6
一般常識
4.2
14 発想の豊かさ
5.0
14 フットワークの良さ
5.8
身嗜み・マナー
4.2
15 社会的モラル
4.0
15 体力
4.0
14
※全25項目の中から上位3つまでを選択
※「国内学生」は、2015年2月調査より
日本人留学生に期待する英語力
ネイティブレベル
選考時 3.2
ビジネスレベル
日常会話レベル
39.3
入社時 3.5
32.6
46.7
0%
会話のレベルは問わない
24.9
26.0
20%
40%
【参考】
60%
23.9
80%
100%
学生の英語力
ネイティブレベル
日本人留学生
ビジネスレベル
日常会話レベル
15.2
67.1
1.1
6.4
国内学生
0%
ほとんど会話できない
17.7
48.9
20%
0.0
43.5
40%
60%
80%
100%
※「日本人留学生」はCFN会員調査(2015年2月調査)、「国内学生」は日経就職ナビ・学生モニター調査(2015年2月調査)より
11
2016 年度・新卒採用に関する企業調査-中間調査(2015 年 7 月)
株式会社ディスコ
キャリアリサーチ
日本人留学生採用のために講じている施策を尋ねたところ、
「国内学生の採用と一緒に行ってい
る」という回答が前年の 54.7%から 74.4%へと約 20 ポイント伸びた。留学生採用企業の 4 社に
3 社は、特別な施策は行わない計算になる。講じている施策として最も多いのは「日本人留学生
用の採用スケジュールを設けている」だが、前年調査では 32.4%あったのが今回は 9.1%へと大
きくポイントを下げた。政府の時期変更の趣旨・目的の 1 つに「留学等の促進」があるが、帰国
後の留学生と国内学生とを同じ時期に選考する企業が増えたのは間違いないだろう。
「国内学生と
同様に選考を開始」との回答は、
「8 月から」
(20.9%)と「8 月より前」
(52.5%)をあわせて 73.4%
にのぼる。
日本人留学生の採用のために講じている施策
(%)
国内学生の採用と一緒に行っている
(特に変えていることはない)
54.7
74.4
9.1
日本人留学生用の採用スケジュールを設けている
32.4
8.8
日本人留学生用の採用プロセスにしている
17.3
7.0
入社時期を変えている
19.0
6.7
入社後の配属先を特別考慮している
14.0
5.3
日本人留学生のみを対象とした情報発信をしている
16.8
オンライン面接を行っている
3.9
5.0
日本人留学生用の採用基準を設けている
3.5
4.5
3.2
5.6
海外で選考を行っている
2.8
0.6
オンラインセミナーを行っている
日本人留学生用の選考手法を用いている
(日本語以外の面接、筆記試験の有無など)
1.4
7.8
1.1
0.0
海外の大学訪問をしている
2016年度
0.7
その他
0.0
2015年度
0.0
20.0
40.0
60.0
日本人留学生の選考のタイミング
国内学生よりも早い
スケジュールで、
先に選考
5.0%
国内学生と同様に選考を
開始(8月から)
20.9%
国内学生と同様に選考を
開始(8月より前)
52.5%
正規留学生は
随時選考し、交換留学生
と短期留学生は
国内大学生と同様の
スケジュールで選考
21.6%
12
80.0