武道館報

岩手県営武道館
32号
2015年8月 発行
武道館報
(公財)岩手県スポーツ振興事業団
岩手県営武道館
武道人口の増加に向けて
県営武道館長
石川
幸男
武道が学校教育や家庭教育では実現できない内容を多
り返し誉める」、「子どもの性格や成長に応じて誉める」
く有しており、青少年の教育に有効であることは言をま
(行為そのもの、達成したこと、努力したこと、目指そ
たない。このことを踏まえて、現在、最も気になってい
うとしたこと、他の子どもへ示した思いやりを誉める)
ることは武道人口の減少傾向についてである。
「少子化の
など工夫が必要であることが述べられている。これらの
影響や武道の鍛練的な練習がその原因ではないか」など
ことから、子どものよさを多面的に見ること、その子の
と言われてきたが、本当にそれだけなのだろうか。減少
課題を踏まえた適切な誉め言葉などにより、活動に意欲
が顕著な種目においては、関係者が一丸となって克服し
を持てるように促すことが大切であることが分かる。
ていかなければならない喫緊の課題と思われる。
日本武道館で発行している菅野純著「武道
つらい稽古に耐えて励む子どもは、実は限られた子ど
子どもの
もであること、特に学校の部活動では、武道の稽古持続
心をはぐくむ」という本を読む機会があった。その中に
には、不利な条件(体力的・運動能力的に低い、自己卑
「武道の底辺の拡大のために」と題して興味深い提案が
下的で自己イメージが低い、稽古目的が明確でない、良
示されていたので、以下紹介したい。
き指導者がいない、家族等の応援や支えがない等)の下
その内容を整理すると指導者自身の学びや気付きと子ど
に生活している生徒も少なくないこと。武道の大衆化と
もたちへのアプローチの工夫ということになりそうであ
は、一部の恵まれた条件の子どもばかりではなく、こう
る。前者については、武道指導者が自らを「プラスの武
した不利な条件下にいる子どもたちが学ぶことを意味す
道体験」をもつ少数派であることを自覚すること、そし
るのであり、こうした条件下にいる子どもたちこそ、武
て、自分がなぜ「プラス体験」を獲得できたかを明らか
道の素晴らしさを体験し、不利な条件を克服して、武道
にし、
「プラス体験」を持てなかった子どもや「マイナス
によるプラス体験を積んで欲しいと結んでいる。
体験」になりつつある子どもへの指導法を模索する必要
があることが述べられている。
後者として、強さばかりではなく、一人ひとりの子ど
なお、同著の「まえがき」には、武道指導者への期待
を込めて、次のような言葉が記されている。
「武道が子ど
もの心をはぐくんでいくためには、現代の武道指導者に、
もの良さを発見することと誉め方の工夫などが述べられ
子どもの心を正しく理解し、稽古への意欲を育てる指導
ている。過去に「プラスの武道体験」をあまり得られな
が望まれるのである。途中で挫折してしまった子どもへ
かった子や「マイナスの武道体験」の方が多かった子へ
の心のフォローも、時には望まれるであろう」児童・生
は、その子のよさ(休まないよさ、返事のよさ、反応の
徒理解をさらに進め、一人ひとりの子ども達のよさを見
よさ、姿勢のよさ、判断のよさ、真面目にやるよさ、我
抜く確かな目と言葉を大切にした適切な声がけなどが、
慢できるよさ等々)をたくさん発見するよう努め認めて
課題克服の鍵のように考えられる。武道の現場で日々ご
あげることが必要であるとしている。また、子どもの誉
指導をいただいている指導者の皆様のご労苦に敬意を表
め方について、
「その子の課題となることを誉める」、
「繰
するとともに、なお一層の奮起を期待してやまない。
地方青少年錬成大会
★なぎなた
6月20日(土)~21日(日)
会場 岩手県営武道館 大道場
中央講師 榎 戸
二三枝
氏 教士(公益財団法人全日本なぎなた連盟)
北 野
典 子
氏 教士(公益財団法人全日本なぎなた連盟)
地元講師 佐 藤
静 子
氏 教士(岩手県なぎなた連盟)
市 原
和 子
氏 教士(岩手県なぎなた連盟)
参加者 79名
小学生、中学生、高校生を対象とした地方青少年なぎなた錬成大会が
開催されました。高校生の参加者は平成28年に開催される希望鄕いわて
国体に向けて、一生懸命学んでいることが感じられました。また、参加さ
れていた岩手県立釜石商工高等学校が、インターハイで3位と輝かしい功績をあげました。
[参加者の感想]
・講師の教え方がわかりやすく、いままでできなかった技のポイントがわかったような気がしたので今後の練習
で生かしていきたい。
・普段より大勢で稽古することができて楽しかった。
・他校の参加者の優れている部分が間近に見れて、すごく刺激になり、もっと頑張らなければならないと思った。
・全国大会の審判の先生から演技(演武)のポイントを教えていただき、非常にためになった。
地域社会武道指導者研修会
★合気道
7 月4日(土)~5日(日)
中央講師 小 林
会場 岩手県営武道館 柔道場
幸 光
氏
七段(公益財団法人合気会)
里 舘
潤
氏
三段(公益財団法人合気会)
地元講師 日 高
浩
氏
七段(岩手県合気道連盟)
義 徳
氏
七段(岩手県合気道連盟)
竹 鼻
参加者 59名
合気道の指導者、愛好者を対象とした、地域社会合気道指導者
研修会が開催されました。中央講師による年に一度の指導を受け
る貴重な研修会であり、参加者からは大変ご好評をいただきまし
た。
[参加者の感想]
・自分の欠点を見つめ直す機会となった。また、今後の稽古及び道場での指導に役立つものであった。
・普段、中央の先生から学ぶ機会が少ないので、毎年この研修を楽しみにしており、参加でき非常に満足
している。
・いろんな道場の指導者の方々と受講する中で、各道場ごとに、少し違う部分が有り、合気道の奥深さを
感じたが、これもまた交流会の意味において良かった。
・指導者として技を含め、まだまだ足りないものがあり、未熟さを感じさせられた思いであったが、今後
はもっともっと修練をし、指導者として技量の上達に努めたい。
自主事業
★スポ振ぶらんちクラブ2期★
スポーツ活動を通じて、中・高齢者の健康の保持増進と体力向上への関心を高めるとともに、潤いのある生活
を提供することを目的とした事業「スポ振ぶらんちクラブ2期」を 7 月から11月まで開催しております。
参加には面倒な受付等はなく、誰でも気軽に参加することができますので、ちょっと運動しようかなと思った
時に、是非参加して欲しいと思います。
メニュー
開催期間
バランスボール&
ボディシェイプ
エクササイズ
ヨ
ガ
会場
内容
火曜日
県営武道館
ボールを使って楽しく運動
10:00~10:50
大道場
ゆがみ矯正で美しい姿勢に
火曜日
県営武道館
音楽に合わせて有酸素運動
11:00~11:50
大道場
初心者向けエアロビック
~
金曜日
県営武道館
簡単な筋力トレーニング
11月
10:00~10:50
柔道場
金曜日
県営武道館
呼吸法を取り入れながらの
11:00~11:50
柔道場
柔軟&リラクゼーション
スモールボール
エアロビック
開催曜日・時間
2期
7月
★弓道教室★
弓道場において、6月1日から7月2日までの毎週月曜日・木曜日に、初心者及び中級者を対象とした「弓道
教室」が開催されました。今年は、33名と例年の倍近い参加者があり、活気にあふれる弓道教室となりました。
教室では、講師の盛岡市弓道協会の方々から、弓道の基本から的を射ることところまで丁寧な指導により、初心
者でも最終日には一人で弓を引くことができるまで上達することができました。
なお、教室終了後も継続的に当館を利用されている方も多く、弓道普及に資する教室となりました。
行事風景
当館では、武道大会のほか、高等学校の入学式・卒業式、近隣小学校の総合学習、バレーボール大会、卓球大
会等多様な行事が行われております。ぜひ一度当館にお越しいただければ幸いです。
盛岡中央高校入学式
城北小学校総合学習 施設見学
JR 東日本バレーボール大会
岩手県営武道館主要行事予定(8月~10月)
月
日
行
事
予
定
月
日
行 事
予 定
8
2
第 30 回岩手県防犯少年柔道大会
9 19
和歌山国体岩手県選手団結団式
月
6
ファミリーエンジョイテニス
月 19
第 44 回教職員弓道大会
第 25 回東北高等学校弓道錬成大会
20
盛岡市中学校新人体育大会
9
東北格闘技大会 BRAVE-27
20
第 42 回岩手県下弓道盛岡大会
9
太極拳 1 級技能検定試験(前期)
21
第 32 回少林寺拳法岩手県大会
11
学校剣道連盟審査会
22
第 27 回岩手県民長寿体育祭卓球交流大会
11
第7回岩手県高等学校弓道遠的選手権大会
23
ソフトテニス2級審判員新規・更新講習会
東北総合体育大会空手道競技
25
岩手県警察逮捕術大会
(希望鄕いわて国体空手道競技
26
駅前保育園 MH ナーサリー運動会
リハーサル大会)
27
第26回知事杯争奪岩手県少年柔道大会
ボクシング競技
27
太極拳審判講習会
28
盛岡地区教職員レクリエーション
第 23 回岩手県武術太極拳選手権大会
7~9
22~
23
28~
東北総合体育大会
30
9
5
岩手県高等学校1・2年体重別柔道選手権大会
1
3~4
月
5
第 27 回岩手県民長寿体育祭
剣道交流大会
0
10
月が丘幼稚園運動会
5
第 27 回岩手県民長寿体育祭
弓道交流大会
月
11
第3回盛岡市空手道選手権大会
6
第 27 回岩手県民長寿体育祭
太極拳交流大会
12
スポーツフェスティバル2015
6
弓道力向上研修会(一般)
8
運動部活動指導者研修会
16~17
18
11
高齢者健康・体力づくり指導者セミナー
12
第 65 回盛岡地区剣道大会
12~13 東北弓道教錬士研修会
12
岩手県中学校新人大会
12
岩手県高等学校新人大会
13
全日本剣道連盟剣道講習会
相撲競技
相撲競技
剣道競技
第 34 回全国高等学校弓道選抜大会
岩手県大会
県民スポーツレクリエーション祭
ドッジボール大会
18
岩手県弓道段級定期審査会
20
管内矯正職員武道大会奨励試合
25
県民スポーツレクリエーション祭エアロビック
25
弓道東北北部三県連合審査(参・四・五段)
30
総合型地域スポーツクラブ運営研修会
31
Jr.マルチサポートプラン
今年も気温が上がるにつれて、 (公財)岩手県スポーツ振興事業団
当館ではアツイ大会が数多く開
岩手県営武道館
催されました。中でも、第28回
〒020-0122
マルちゃん杯東北柔道大会では
岩手県盛岡市みたけ 3-24-1
約3千人の利用者と大会の熱気
TEL 019-641-4577
に埋め尽くされました。
FAX 019-641-4559
(左写真:開会式風景)
URL
暑い日々が続いておりますの
http://www.echna.ne.jp/~kenei1/
で、熱中症対策を行い、アツイ夏 Mail [email protected]
を乗り切りましょう(K)