消費税が与える影響と今後 第1章 はじめに 第2章 研究の展開

消費税が与える影響と今後
所属:経済
ゼミ
2 年 1 組 37 番
谷川航輝
第1章 はじめに
第1節
テーマ設定の理由
最近、5%から 8%に上げられた消費税。その消費税が上げられた経緯 や消費税を日本が
導入した理由などを知りたいと思い、また、今後日本で消費税が上げられることによって
どのような問題点があるのか気になったから。
第2節
研究のねらい
消費税が上げられた経緯、歴史から、消費税が必要な理由、消費税が上げられることで
出てくる利点、欠点を明らかにし、今後日本という国に及ぼす影響を考えていく。
第3節
第1項
研究内容と方法
研究の内容
「消費税」とは
消費税の使い道
日本の消費税の歴史
消費税が上げられることによる利点・欠点について
消費税の今後
第2項
研究の方法
主に本による調査
インターネットによる調査
第2章
研究の展開
まず、消費税の定義を明らかにする。次に、消費税の使い道・歴史について調べる。ま
た、消費税の利点・欠点を考える。最後に、消費税が日本に及ぼす影響について考える。
第1節
「消費税」とは
「消費税」とは、消費一般に広く公平に課税する間接税(国税庁
消費税はどんな仕組
み?HP 参照)である。間接税とは、税金を納めるように義務づけられた者と、その税金を
実質的に負担するものが異なる税金である。例として、酒税やタバコ税、入湯税があり、
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モノなサービスを購入したときに課せられるものが多い。つまり、間接税の場合は、税金
を納めるように義務づけられた者が納める税金について物やサービスの価格に上乗せして、
実質的には消費者が税金を負担するようになっている。このようなことを「租税の転嫁」
という。消費税は平成 26 年度の国税・地方税予算案(図1)では、全体の 17.2%を占め
非常に重要な財源となっていることが分かる。また、消費課税のうちでも消費税は半分以
上を占め日本では無くてはならない税金なのである。
図1
平成 26 年度
第2節
国税・地方税予算案(財務省 HP より)
消費税の使い道
日本の税金で平成 20 年度予算の国の収入(歳入)は、約 83 兆円で、そのうち 64,5%
にあたる約 53 兆 5 千億円が税金収入で、残りの 35%にあたる約 29 兆円は主に国債(借金)
でまかなわれている。
その使い道のうち一番多く使われているのは、医療や福祉、年金、介護生活保護などの
公的サービスに使われる社会保障関係費の 26,2%(20 兆1千6百億円)である。昨年増
税分の消費税の使い道は、社会保障の充実・安定であり、どれだけ消費税が大切な役割を
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果たしていることが分かるだろう。
次に大きいのが借金の元利返済分である国債費の 24.3%(20 兆1千 6 百億円)で、支
出全体の約 4 分の 1 が借金の返済分であり、日本の借金がいかに大きいということが分か
る。
その次に大きいのが地方交付税交付金等の 18.8%(15 兆 6 千 1 百億円)である。地方
交付税交付金とは、地域によって地方税の収入額に差があるので、その財政力の差を補填
するため、地方自治体に交付される税のことである。
これらの 3 つの使い道だけで、支出の約 70%を占めるという状態である。
第3節
図2
日本の消費税の歴史
日本の消費税の歴史の表
総理
年月
大平正芳
1979年1月
中曽根康弘
1987年2月
(消費税「導入」と「増税」の歴史参照)
財政再建のため「一般消費税」導入を閣議決定。同年10月、
総選挙中に導入断念を表明したが、大幅に議席を減らす。
「売上税」法案を国会に提出。国民的な反対に遭い、同年5月
に廃案となる。
1988年12月 消費税法成立。
竹下登
1989年4月
細川護煕
1994年2月
村山富市
1994年11月
橋本龍太郎
1997年4月
鳩山由紀夫
2008年9月
菅直人
2010年6月
野田佳彦
2012年6月
安倍晋三
2014年4月
消費税法を施行。税率は3%。その直後、リクルート事件等の影
響もあり、竹下首相は退陣表明、同年6月に辞任。
消費税を廃止し、税率7%の国民福祉税の構想を発表。しかし、
連立政権内の足並みの乱れ等から、発表翌日に撤回。
消費税率を3%から4%に引き上げ、さらに地方消費税 1%を加え
る税制改革関連法が成立。
消費税率を5%に引き上げ。
「消費税率は4年間上げない」とするマニフェストで民主党が総選
挙で勝利、政権交代を実現。
参院選直前に「消費税10%」を打ち出し、選挙に惨敗。
消費税率を2014年に8%、15年に10%に引き上げる法案を提出。8
月10日、参院本会議で可決成立。
消費税率を8%に引き上げ。
2014年11月 2015年10月の消費税引き上げを1年半延期。
上の表より、消費税と政府の政治は密接に関わっていることが 分かる。多くの首相が消
費税増税を打ち出したがなかなか叶うことはなかった。消費税が5%から8%に引き上げ
られたのはつい最近の 2014 年だが、予定されていた 2015 年 10 月の 10%への消費税引き
上げを一年半引き伸ばすことになった。日本の消費税が、社会福祉・社会保障のすすんで
いる欧米諸国と同じくらいの比率になるのはまだ遠そうである。
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第4節
消費税が上げられることによる利点
消費税が増税されることのメリットは、まず国の予算が増えるということだ。前述にも
あったように、消費税は日本の税金の大きな財源の一つである。また、社会保障制度、税
収を確保の安定という面もある。さらには、公共事業が増え国の景気も良くなり、東日本
大震災の被災地早期復興につながると推測される。社会保障以外のことにも税金を使うこ
とができるようになり、日本はより良い社会になるというのが理想だ。
第5節
消費税が上げられることによる欠点
第一に、国民の負担が増えるということだ。このことによって、国内の消費が減り景気
の悪化につながることは言うまでもない。国内の景気と消費税は密接に繋がっているよう
である。
第二に、低所得者の生活が苦しくなるということだ。景気が悪くなるということはもら
える賃金も少なくなってしまうと考えられる。しかし、消費税は上がる一方。これでは、
日本の経済格差は広がり、経済の発展が見込まれないと推測できる。また、消費税が上げ
られることで、一人暮らしをし始めた大学生の生活も現在よりも苦しくなると考えられる。
それが、国民の政府に対する不満の増加に影響するのだ。
第三に、中小企業の倒産が増えるということだ。例として駄菓子屋をみてみよう。駄菓
子屋というのはお菓子が一個 10 円や 20 円などの低価格で販売されているのがうりである。
その中でも、消費税は掛けられている。5%から8%に増税されるにあたり、10 円の値段
をあげるということはなかなかできないという。やはり、11 円としてしまうと消費者の購
買意識が下がってしまうことに対する配慮が原因だ。それが積み重なって破綻してしまう
という事例が実際にあったという。さらに、そのようなことが原因で失業者、さらには自
殺者も増加してしまうと考えられている。
第6節
消費税の今後
消費税は 10%への増税が検討されているように、今後も消費税は徐々に上げられていく
のではないかと推測される。しかし、そのとき配慮していかなければいけないことは政府
には多くある。さまざまな問題点が複雑に絡み合い大きな問題となっている。近い将来、
日本が西欧諸国のような社会保障の充実した国となっているか、否かというのは政府に左
右されているといえる。今後の展開に目が離せない。
第2章 感想
まとめ
私は、消費税が導入・増税されてきた歴史や、現状を知るにつれ消費税に対するイメー
ジが変わった。今までは社会保障の充実のために増税をしていくべきではないかと思って
いたが、増税が原因で失業者や自殺者が増えているということに驚愕し、よく考えて慎重
に政策を出していくべきだと考えるようになった。国民の生活をよりよくするための税金
が、国民を苦しませ、死に追いやることもある。この現実は非常に悲しいことであると私
は考える。ただ、今後の日本には少子高齢化などの影響から消費税増税が必要不可欠であ
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る。政府の政策に今後注目していきたい。
第3章 参考文献
ウィキペディア「消費税」「間接税」
国税庁 HP
消費税はどんな仕組み?
税務省 HP
日本の税金の使い道
消費税増税の利点と欠点
消費税のカラクリ
斉藤貴男
消費税「導入」と「増税」の歴史
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