業務システムの刷新と同時にBIを導入し 本社・全国98

お客様事例 : サービス業
株式会社ニチイ学館
業務システムの刷新と同時にBIを導入し
本社・全国98支店のビジネス状況を可視化
人々の豊かな生活作りに貢献する総合生活支援企業
医療関連事業や介護・ヘルスケア事業で知られるニチイ学館。1968年の創業以
来、医療事務受託を中心とした「医療関連事業」、トータル介護サービスを提供す
る「介護・ヘルスケア事業」、人材輩出を目的に各種講座を運営する「教育事業」
の3事業を柱に展開してきた。女性の雇用創出など、時代に即した新しい価値や
サービスの創造に取り組み、人々の豊かな生活づくりに貢献してきた企業だ。
今日では、事業領域を語学事業、保育事業、インターナショナル事業などへ拡
大し、総合生活支援企業として多彩な事業を展開している。
さらに、2015年には、アジア周辺諸国の深刻化する少子高齢化に貢献すべ
く、中国での事業展開を本格始動させている。
医療関連や介護・ヘルスケアの分野では、社会情勢の変化や各種の制度改革な
ど、事業を取り巻く環境の変化が避けられない。そうした環境変化に俊敏に対応
しうる事業基盤を整えるべく、同社は情報分析活用の高度化に着目。その基盤と
して選ばれたのが、MicroStrategyのBIプラットフォームである。
全社のシステム刷新を機にBIツールを導入
導入前の課題
医療関連、介護・ヘルスケア、教育の3事業に加え
て保育事業への参入など、総合生活支援企業として
の業容拡大が続く中で、各事業システムの老朽化や
業容の拡大に伴うデータ量の増大が進行。とりわ
け、システムから必要な情報を抽出し業務状況の把
握や改善を行うBIツールの不在から、業務改善や新
規ビジネスの創出につながる高度かつ迅速なデータ
分析・活用のための環境が不足していた。
導入後の効果
各事業部の業務システム刷新を機に、「スピー
ディーな分析」「事業横断型の分析」「分析文化の
ニチイ学館のシステム環境は、上述の4事業(医療関連、介護・ヘルスケア、教
育、保育)ごとに業務システムを構築し、売上や経費、予実管理など全国98支店
のデータを本社に吸い上げて経営管理を行ってきた。だが近年は各事業システム
の老朽化や、システムから必要な情報を抽出し業務状況の把握や改善を行うBI
ツールと呼べるシステムの不在、業容の拡大に伴うデータ量の増大などによっ
て、情報管理の面でだんだんと不便・不十分が見られるようになっていった。
ニチイ学館 IT事業部 部長の芳賀宏道氏は当時の状況を次のように振り返る。
「そもそも業務データに対して分析を行うという意識を持つ人が限定的でした。
また、全社共通のマスターデータベースを欠き、各業務システムも事業部ごとに
閉じた環境で運用していたので、分析対象にしたいデータを集めることが困難な
状況でした」
芳賀氏によれば、例えば、販管費が増大傾向にあるので詳細を調査したいと
なった場合、まずは各種データを取り寄せ、ExcelやAccessを使って手作業で個々
に分析・集計を行っていたという。「このやり方だと経営陣にレポートを提出す
るまでにかなりの時間がかかってしまい、迅速な意思決定にも支障を来していま
した」と芳賀氏は打ち明ける。
2011年、IT事業部がこうした問題を抱える中で同社の経営中長期計画が策定さ
れ、そこに全社規模での情報システムの刷新計画が盛り込まれた。2012年、業務
システムの全社統合と併せて、経営管理部、経営企画部、IT事業部の3部門から選
出されたメンバーによってBIツールを構築・導入するプロジェクトが始動した。
醸成」の3つを目的にBI導入プロジェクトが始動。
医療関連事業のシステムとの連携により、本社・全
国98支店のビジネス状況を可視化。各支店からの迅
速な分析・レポーティングが可能になり経営陣の意
思決定時間を短縮。今後に実施する各事業システム
の刷新や新規構築システムに対応可能な全社分析基
盤が整う。
要件を高いレベルで満たすBIツールとして
MicroStrategy 9を採用
新たな取り組みは「経営・統計分析システム構築プロジェクト」と名づけら
れ、上述の諸課題への具体的な解決のアプローチを確立する観点から、「スピー
ディーな分析」「事業横断型の分析」そして「分析文化の醸成」という3つの目的
が掲げられた。芳賀氏は次のように説明する。
「必要な分析をいかにスピーディーかつタイムリーに実行できるかは、意思決定
や業務プロセスのスピードに大きくかかわってきます。また今日では、人材や会計
の情報も含めた事業や業務を横断したかたちでの柔軟な分析が行える基盤が不可欠
と考えました」
プロジェクトには3つのフェーズが設定された。第1フェーズはBIツールの導入に
よる分析基盤の構築と、刷新する医療関連事業
経営・統計分析システム概要図
システムとのデータ連携。第2フェーズで、旧分
析環境で有していた管理会計機能を新分析基盤
へ移管。第3フェーズとして、介護・ヘルスケ
ア、教育、保育の各事業部の業務システムを順
次刷新し、分析基盤とのデータ連携を図るとい
う構想だ。
肝心のBIツールの選定で、IT事業部が提案を依
頼したベンダーは6社で、機能の詳細な比較がな
された後、最終的にはSCSKが提案したMicroStrategyが選ばれた。選定の決め手について、IT事業部
P/L(配賦後)
次長の久保純一氏は、「第1フェーズでの医療関
連事業システムとの連携のみならず、今後の全
フェーズにわたって対応しうる拡張性の観点で、
MicroStrategyが最も高い評価となりました」と説
明する。
機能面では、MicroStrategyが、データウェアハ
ウスのモデリングに必要なファクト(売上高やコストなどの定量的な数値)とディメンジョン(ビジネス分析のための分類の軸)の設
計を行える唯一の製品であることが評価された。
また、久保氏によれば、事業部門のビジネスユーザーが活用できるかの観点でBIツールの操作性にも強くこだわったという。「レ
ポートの出力操作やグラフの視認性などは、実際に触れてみないとわからないものです。SCSKに実演してもらったデモから、これな
ら全社に分析文化を定着させることができると判断しました」(同氏)
現場での積極的なBI活用が始まり、全社レベルで分析文化の醸成へ
MicroStrategyの採用が決定し、2013年5月にプロジェクトが本格始動した。上述の第1フェーズと第2フェーズが並行して走り、旧
分析環境からの機能移管や4月に本番稼働を開始した新しい医療関連事業システムとのデータ連携などが順調に進んだ。「SCSKから
緊密な支援を得て、構築作業自体はスムーズでした。一方で、事業部門との調整にはじっくり時間をかけて臨みました。構築の最中
にも、新しい分析基盤が業務のどの領域までを担うのかといったことを事業部門の担当者らと話し合い、活用の方針を固めていきま
した」(芳賀氏)
芳賀氏が言うように、MicroStrategyの構築に豊富な実績を持つSCSKの果たした役割は大きかったようだ。「プロトタイプを用い
ながら仕様を決定していく独自の設計手法に加えて、プロジェクトメンバーに、データベースやデータマートの構築に高いスキルを
有するモデルアドミニストレーターに入ってもらえたため、高度な作業を安心して進
められました」と同氏はSCSKの構築手腕を高く評価する。
こうして、MicroStrategyを核とする新たな分析基盤を手に入れたニチイ学館。旧分
析環境ではできなかった会計情報や人材情報の取り込みや複数の業務データのクロス
(株)ニチイ学館
経営管理統轄本部
集計が容易に行えるようになり、医療関連事業を皮切りに、すでにビジネス現場での
経営管理本部 IT事業部
部長 芳賀宏道氏
活用が始まっている。
久保氏によれば、MicroStrategyを用いて各支店がそれぞれの収支状況や予実管理の
分析レポートを容易に出力できるようになったことで、以前まで本社の指示どおりに
行う定型業務の域を出なかった集計分析への意識が着実に変わり始めているとして次
(株)ニチイ学館
経営管理統轄本部
のように話す。
経営管理本部 IT事業部
次長 久保純一氏
「事業部門からは『このようなレポートを出せるのなら、もっとカスタマイズをした
い』『別の角度からデータを分析してみたい』といった要望が出始めています。データ
ソースを簡単に選んでレポートを出せるシステムを心がけたのが奏功しました」
会 社プロフィール
プロジェクトは一段落を迎えたが、芳賀氏らはすでに今後のロードマップに目を向
http://www.nichiigakkan.co.jp/
本社:東京都千代田区
ける。「MicroStrategyの導入で、スピーディーな分析によるビジネス状況の可視化が
資本金:119億3,300万円(2014年3月末現在)
代表取締役会長兼社長:寺田明彦
実現され、分析文化の醸成に向かう道筋もできました。今後、介護・ヘルスケア、教
育、保育の各業務システムが完成したら、全社のビジネス情報が1つのデータウェアハ
ウスの中で統合され、事業横断型の分析が可能になります。引き続きプロジェクトを
推進しながら、全社の従業員が分析に親しんで、各々の業務改善につながるような活
用が進むよう、啓蒙や支援にも注力します」(芳賀氏)
SCSK カスタマーセンター
(SCSKの製品・サービスに関するお問い合わせ受付窓口)
0800-500-4000(無料)
受付時間/月∼金 9:00∼18:00(祝日、年末年始、当社指定日を除く)
※携帯電話でのお問い合わせ TEL:03-6670-2990
マイクロストラテジー・ジャパン株式会社
〒102-0082
東京都千代田区一番町13-1
新半蔵門ビルディング2階
電話:03-3511-6700(代表) FAX:03-3511-6740
Eメール:[email protected]