Chassis Systems Control 安全性と快適性、 そして機敏性を高めるためのソリューション 2 | Chassis Systems Control ボッシュの革新技術は今日の自動車にとどまらず、未来の自動車も形成 し続けます。持続可能な低エミッションの移動手段はこれまで以上に重 要になります。今後も長く内燃機関が主流であり続けると予想されます が、ハイブリッドや電気自動車のような代替テクノロジーは重要性を増 しつつあります。しかし、未来の自動車を駆動するものが何であれ、自 動車は安全でリラックスでき、快適な走行を可能にするものである必要 があります。そしてここも、ボッシュの革新技術の主要分野といえます。 コーポレート・スローガン「Invented for life」に基づいて、ボッシュは システムサプライヤーとして、個人のモビリティをより安全、 よりクリーン、 そしてより経済的にするシステムを供給し続けます。 | 3 目次 ページ章 4 道路交通における安全性と快適性 6 アクティブ セーフティ システム 12 パッシブ セーフティ システム 18 ドライバー アシスタンス システム 30 ネットワーク化された移動手段の今後 4 | Chassis Systems Control 道路交通における安全性と快適性への ボッシュの貢献 ボッシュの製品は何十年にもわたり事故を防止し、負傷のリスクを軽減 するために役立ってきました。しかし、現在の高い安全水準をさらに高 めていきたいと私たちは考えています。そのために、セーフティシステ ムとアシスタンスシステムの開発、そしてインテリジェントなネットワー ク化に全力を挙げて取り組んでいます。 | 5 私たちは、事故防止や乗員と他の道路使 交通事故の件数を大幅に削減するために 新しい機能の有効性をあらかじめ確認す 用者を保護する機能だけでなく、快適性 は、セーフティシステムを可能な限りすべ ることに役立っています。これらの情報 の向上と走行ダイナミクスを改善する機 ての車両クラスに搭載する必要がありま を目的に合わせて評価することで、事故 能をも提供することを目指しています。中 す。そこで、ボッシュの行動指針「safety の原因と経緯を再現することができます。 期的には事故の重篤性を低減し、長期的 for everyone、すべての人に安全を」に この結果をベースに、潜在的な事故の危 にはドライバーの不注意で発生する事故 従い、私たちは新たなシステムを開発す 険を低減する新システムの開発や既存の を可能な限り削減したいと考えています。 ると同時に、すでに成果を上げている既 システムの最適化を行うことができ、交 存のシステムの改良を続けています。例 通の安全性に大きく貢献できるようになり えば、エレクトロニック スタビリティ コント ます。 ロール(ESC)のコストは、第一世代の 4 分の 1 になっています。技術革新によっ 運転中にドライバーを支援するアシスタン てボッシュのコンポーネントとシステムは スシステムと、危険な状況で事故を未然 さらに小型・軽量化され、同時に高性能 に防ぎ、事故の重篤性を低減するセーフ になっているため、車両の軽量化、ひい ティシステムは、交通事故の死傷者数を ては燃費向上や排出ガスの削減にも貢献 削減するだけでなく、事故によって生じる しています。 経済的な損失も低減することができます。 そこでボッシュは、大きい効果が期待さ ボッシュの事故分析 ‒ 安全性向上のた れる費用効率の高いソリューションを開発 めに し、それを量産することを目指しています。 ボッシュにおけるセーフティシステムと機 能の開発の重要な出発点は、本部で行っ ている事故分析です。ここでは国際的な 交通データや事故データを分析しており、 6 | Chassis Systems Control | アクティブ セーフティ システム アクティブ セーフティ システム 事故防止を支援 アクティブ セーフティ システムは、より安全で速く、確実なブレーキを 可能にすることで交通安全に寄与しています。センサーデータに基づ いて危険な走行状況下にあることを検知すると、アクティブ セーフティ システムが適切に車両ダイナミクスに介入し、車両の安定性を回復させ ます。 アクティブ セーフティ システム | 7 アクティブ セーフティ システム : ブレーキブースター マスターシリンダー iBooster アンチロック ブレーキ システム トラクション コントロール システム エレクトロニック スタビリティ コントロール 8 | Chassis Systems Control | アクティブ セーフティ システム アクティブ セーフティ システム 安全で確実なブレーキングを実現 ブレーキシステムは、車両の中でも最も重要な安全装置の 1 つです。 ブレーキシステムのコンポーネントにより、ドライバーの踏力が過不 足なく必要なブレーキ作用に変換されるため、車両はいつでも安全・ 快適に減速することができます。 アクティブ セーフティ システム | 9 回生ブレーキシステムは電気自 動車の走行可能距離を伸ばし、 ハイブリッド車の燃費を向上させ ます。 ボッシュは、ブレーキ圧を発生させ、それ ブレーキブースター: の踏力を油圧に変換します。ボッシュ製 を配分する製品、主にブレーキブースター わずかな力で快適なペダル操作性を実現 マスターシリンダーの最新世代は、従来 とマスターシリンダーを提供しています。 バキューム ブレーキ ブースターは、ブ のマスターシリンダーよりも約 30% 短縮 レーキ操作の際にドライバーの踏力を増 し、約 20% 軽量化されているため、省ス より環境にやさしく、より経済的な車を目 幅させ、必要となる力を軽減するシステ ペースで取り付けられるだけでなく、軽量 指し、ボッシュは現在、そして未来のあ ムです。ここでボッシュは、シングル型、 化によって燃料も節約できます。 らゆる駆動システムに対応した新しいブ タンデム型のブレーキブースターの可能 レーキコンセプトに取り組んでいます。ハ 性をさらに広げるソリューションを提供し iBooster:電気自動車やハイブリッド車 イブリッド車や電気自動車向けには、例 ています。 こうしたソリューションは、 ブレー に限らず、ダイナミズムと安全性を提供 えば回生ブレーキシステムを開発し、ブ キ力や車内の取付けスペースに関する要 モーターは従来の内燃機関とは異なり、 レーキ時に発生するエネルギーを高効率 件をカバーするだけでなく、車両の特性 負圧が発生しません。ただ、この負圧は、 で利用できるようにしています。また、部 にマッチしたペダル感覚も提供し、快適さ バキューム ブレーキ ブースターには必要 品・材料の適切な変更により、ブレーキシ をさらに向上させます。 となります。そこで、負圧源にアシスト量 ステムやブレーキディスクの重量を削減 を左右されない電気機械式 iBooster が し、より優れたドライビングダイナミクス アンチロック ブレーキ システム装備車の 電気自動車やハイブリッド車向けとして採 と CO2 排出量の削減に貢献しています。 場合には、機械式ブレーキアシストが、急 用されています。この iBooster は、圧力 なフルブレーキング時にドライバーを支援 を著しく上昇させ、精度の高い圧力調整 します。 を可能にする一方、その動作は非常に静 かです。さらに、ドライバー アシスタンス マスターシリンダー: システムと組み合わせれば、iBooster は スペースを節約し、安全性も確保 ブレーキダイナミクス、安全性や快適性 マスターシリンダーは機械的な力に応じ に関する高い要求を満たすソリューション てブレーキフルードをブレーキ回路内に流 となります。 入させ、それを制御することで、ブレーキ ブースターによって増幅されたドライバー 10 | Chassis Systems Control | アクティブ セーフティ システム アクティブ セーフティ システム 危険な状況下で車両の安定化を図る 1978 年にボッシュが乗用車用アンチロック ブレーキ システム(ABS) を市場に導入したことは、アクティブ セーフティ システム開発におけ る重大な出来事でした。この技術は画期的で、近代のブレーキ コン トロール システムすべての出発点となったのです。ABS の機能は、 1986 年にはトラクション コントロール システム(TCS)へ、1995 年 にはエレクトロニック スタビリティ コントロール(ESC)へと発展しまし た。これらのシステムもボッシュが生んだ革新技術です。 ボッシュは、1995 年から二輪車用のアンチロック ブレーキ シス テムの生産を行ってきました。2013 年、モーターサイクル用 スタビリティコントロール(MSC)を発表し、二輪車の走 行安全性を高める上での重要なマイルストーンとなり ました。このブレーキ制御システムにより、初め てあらゆる走行状況下で最善の安定性を提供する ことが可能になりました。MSC は、直線走行時だけで なくカーブ走行時においても、ライダーのブレーキングと 加速をサポートします。 アクティブ セーフティ システム | 11 ボッシュのエレクトロニック スタビリ ティ コントロールは横滑りを防止し ます。 アンチロック ブレーキ システム(ABS) : 車輪のロックを防止し、安全なブレーキ トラ ク ション コントロ ー ル シ ス テ ム (TCS) :加速時の車輪の空転を防止 ESC の可能性を広げる付加価値機能 ESC には走行安全性と快適性をいっそう 濡れた路面や滑りやすい路面などの危険 TCS は ABS の機能を拡張したシステム 高める付加価値機能があります。これに な運転状況下では、ブレーキをかけると です。TCS は発進時や加速時に適切な は、例えば上り坂での発進時にドライバー 車輪がロックすることがあります。車輪が エンジン制御を行い、必要に応じて空転 の負担を軽減するヒル ホールド コント ロックすると車両を操舵できなくなり、安 している車輪にブレーキをかけることで ロールや、積載状況に応じて ESC の介入 定性も失われてしまいます。ABS は 1 つ 駆動輪の空転を防止します。これにより、 や ABS、TCS 機能を最適化する小型商 または複数の車輪がロックしそうになる TCS は滑りやすい路面や濡れた路面と 用車用ロード アダプティブ コントロール 兆候を早い段階で検知し、適切にブレー いった好ましくない道路状況下でも最適 などが含まれます。 キ圧を制御します。これによりドライバー な加速を可能にします。また、この機能 はフルブレーキ時でも障害物を回避でき、 は不安定な走行状態を防いでトラクション 車両がトレーラーを牽引する場合、トレー また迅速かつ安全に車両を減速させたり、 を改善し、車両の安全性を高めます。 ラー スウェイ ミティゲーションが ESC セ 停止できるようになります。 ンサーを用いてトレーラーの揺れを検知 エレクトロニック スタビリティ コントロール 特に二輪車の場合、車輪のロックは危険 (ESC) :横滑りを防止 な状況を招きます。モーターサイクル用 ESC は ABS と TCS の両方の機能を備え ABS はライダーが安全に制動できるよう ています。さらに、このシステムは横滑り 支援し、転倒の危険を大幅に低減します。 の危険の兆候を早い段階で検知し、適切 にブレーキとエンジンに介入してそれを 防止します。 国際的な研究によると、ESC は横滑りに よる事故を最大 80%防止することができ るとされており、人命を救うためにシート ベルトに次ぐ重要な装備となっています。 し、牽引する車両に適切にブレーキを介 入することで、牽引中のふらつきを防止し ます。 12 | Chassis Systems Control | パッシブ セーフティ システム パッシブ セーフティ システム 事故による被害の程度を軽減 万一事故を避けられなかった場合には、エアバッグやシートベルトといっ たパッシブ セーフティ システムが乗員を最大限保護します。これらは、 事故の際に乗員に加わる加速度や衝撃を可能な限り低減し、負傷の度 合いを低く抑えるシステムです。さらに、パッシブ セーフティ システ ムは歩行者や自転車利用者が自動車と衝突した時に負傷する危険も低 減させます。 パッシブ セーフティ システム | 13 パッシブ セーフティ システム : 乗員保護 歩行者保護 歩行者保護システム ポール衝突早期検出 進化した横転検出 二次衝突被害の軽減 14 | Chassis Systems Control | パッシブ セーフティ システム パッシブ セーフティ システム 乗員と歩行者を保護 ボッシュは早くも 1980 年に世界で初めて運転席エアバッグを展開する ためのセンサーを組み込んだ乗員保護システムを市場に導入しました。 1990 年代にはこのシステムに側面衝突検出を加え、さらに 1988 年に は世界で初めてオープンカー向けの横転検出技術を市場に導入しまし た。この技術は今ではオープンカー以外の車にも採用されています。 パッシブ セーフティ システム | 15 歩行者保護システムは、衝突時により効果 的な衝撃吸収ゾーンを作り出し、歩行者が 負傷するリスクを低減させます。 乗員保護 歩行者保護 歩行者保護システム: ボッシュの乗員保護システムは、周辺加 歩行者や自転車利用者は、道路交通上、 電子制御による歩行者の守り神 速度センサーと圧力センサー、そしてシ 特に危険にさらされています。それに応じ ボッシュの歩行者保護システムは、安全・ 安価なソリューションであり、車両におけ ステムの中核を成すエアバッグ コント て、交通事故死亡者数に占める割合も高 ロール ユニットから構成されています。こ くなっています。この数字を減らすために、 る歩行者保護の法的要件を満たしていま のシステムは、センサーの信号をもとに いくつかの国々では歩行者保護のための 衝突の激しさと方向を検知し、シートベル 法律が制定、または計画されています。 れた複数の周辺センサーとコントロール トプリテンショナーやエアバッグといった その目的は、歩行者との衝突時に車両が 乗員保護装置を、最大限乗員を保護でき 衝撃エネルギーを吸収するゾーンを設け、 を起動することでボンネット等を瞬時に るよう作動させます。これにより、車両の 歩行者が負傷するリスクを最小限に抑え 持ち上げることができます。これにより衝 乗員を正面衝突や側面衝突、追突、さら ることにあります。 突時に歩行者の身体を守る衝撃吸収ゾー に車両の横転時の負傷から可能な限り守 ることができます。 す。このシステムは、車両前面に配置さ ユニットから構成され、アクチュエーター ンを確保し、歩行者の傷害リスクを低減 歩行者との事故が起きないようにするた め、ボッシュは、ビデオによる歩行者検知 や自動緊急ブレーキシステムの開発に取 り組んでいます。こうしたシステムは、歩 行者との衝突防止に役立ち、衝突する前 に車両のスピードをできるだけ落として、 重傷のリスクを最小限に抑えます。 します。 16 | Chassis Systems Control | パッシブ セーフティ システム パッシブ セーフティ システム 迫りくる事故を早期に検知 エアバック制御ユニットとエレクトロニック スタビリティ コントロール (ESC) 、ならびに / またはサラウンドセンサーのいずれかをネットワー ク化させることにより、迫りくる事故の危険を早期に検知できる新しい機 能が生まれます。その結果、乗員保護装置の作動をミリ秒単位で短縮 することができるようになります。これにより、衝突の発生前であっても、 乗員をより最適な形で保護できるようになります。 パッシブ セーフティ システム | 17 進化した横転検出機能は横転前に危 険を検知し、早い段階で乗員保護シ ステムを作動させることができます。 ポール衝突早期検出: 進化した横転検出: 二次衝突被害軽減システム: 側面衝突時の保護を強化 車両横転時の保護 最初の衝突後に車両を減速 側面衝突は、さまざまな事故の中で乗員の 乗員が死亡する事故の多くが、車両の横 事故が起きると、最初の衝突の後にドラ 負傷するリスクが最も高くなります。特に 転によるものです。 イバーが車両コントロールを失うなどし 危険なのは、樹木や支柱に側面から衝突 て、更なる衝突を引き起こす場合があり する事故です。こうした場合、事故をどれ 進化した横転検出機能は、エアバッグ用 ます。こうした二次衝突は、車両の乗員 ほど事前に検知してサイドエアバッグを作 コントロールユニットに収められたロー にとっても、また他の道路利用者にとっ 動させることができるかが重要になります。 ル オーバー センサーのデータのほかに、 ても非常に危険です。 ESC からのデータも使用します。エアバッ そこで、ポール衝突早期検出機能が ESC グ用コントロールユニットは車両の動きを 二次衝突被害軽減システムはそのような のセンサー信号を使用して車両の危険な 分析し、危険な走行状況を車両が横転す 事故を防ぐ上で大いに役に立ちます。衝 横方向の動きを検知し、エアバッグのコン る前に検知します。それによりロール オー 突が発生すると、エアバッグ用コントロー トロールユニットが側面衝突の危険性に バー バー、シートベルトプリテンショナー、 ルユニットはその情報を ESC コントロー 備えます。そして、実際に事故が発生し サイドエアバッグとヘッドエアバッグを一 ルユニットに伝えます。ESC はブレーキ た場合には、サイドエアバッグとヘッドエ 瞬早く作動させることができます。こうし またはエンジンを制御して車両を減速 アバッグが従来より早く作動し、保護性能 た事故では、このわずかな時間が非常に し、必要に応じて車両を停止させます。 が格段に向上します。 貴重となるのです。 その結果、二次衝突の被害を軽減また は回避することができます。 18 | Chassis Systems Control | ドライバー アシスタンス システム ドライバー アシスタンス システム 安全でリラックスできるドライビングを実現 ドライバー アシスタンス システムは、レーダー、ビデオまたは超音波 などのサラウンドセンサーを用いて車両の周囲を検知し、分析します。 このシステムは、迅速・確実な対応が必要となる複雑な状況や危険な 状況下でドライバーを適切に支援して、より高い走行安全性を提供しま す。さらにこのシステムは、単調で退屈な運転をドライバーの代わりに 引き受け、快適性を高めます。 今日、そして将来のドライバー アシスタンス システムでは、車両に搭載 した各種センサーからの情報を組み合わせて利用します。送られてきた センサー情報をインテリジェントに融合し、さまざまな原理に基づくセン サーの利点を最適な方法で組み合わせることで、車両の周囲に関する 情報を単独のセンサーと比べてより詳細に把握できるようになります。 ドライバー アシスタンス システム | 19 ドライバー アシスタンス システム : ダプティブ クルーズ コントロール ア 標識認識システム 居眠り運転検知システム リア クロス トラフィック アラート トラフィック ジャム アシスト パーキングエイド 駐車支援システム 自動駐車支援システム 近距離カメラ バレットパーキング インテリジェント ヘッドライト コントロール 車線逸脱警報 車線維持支援システム 車線変更支援システム 衝突予知緊急ブレーキシステム 20 | Chassis Systems Control | ドライバー アシスタンス システム ドライバー アシスタンス システム 快適性を改善 長距離運転や混雑した道路での運転、また前走車との車間距離を適 切に維持する場合には、高い集中力が必要となり、思っている以上 に疲労してしまいます。ドライバー アシスタンス システムはこうした ドライバーの負担を和らげ、より快適で安全なドライビングを可能に ア ダ プ ティブ ク ル ー ズ コントロ ー ル (ACC) :交通の流れに速度を合わせる ACC はドライバーをアクティブに支援し、 前走車との間に安全な車間距離を保つシ ステムです。 します。 走行中、ACC はドライバーがあらかじめ設 定した速度を保ち、絶えず変化する交通状 況に合わせて自動的に加減速を調整しま す。ACC Stop&Go では、さらに停車する まで減速し、ドライバーの簡単な操作のあ と再び自動的に発進することもできます。 標識認識システム : 道路標識を運転席に表示 標識認識システムは、ビデオカメラで道 路標識を読み取り、ダッシュボードに表示 します。 さらに表示に加えて、速度制限超過、追 い越し禁止ゾーンでの追い越し、停止や 進入禁止の標識を通り過ぎてしまった際の 警告機能も備えています。標識認識シス テムは、車両のナビゲーションシステムと ドライバー アシスタンス システム | 21 見通しの悪い駐車スペースでバックを することは、ストレスに感じるだけでな く危険でもあります。リア クロス トラ フィック アラートは、自車の後方を横 切る車両を検知して、衝突の危険があ る場合には警告を発することで、ドラ イバーのストレスを軽減します。 あわせて、ドライバーに必要な道路標識を アなど、次の休憩場所をドライバーに伝 ムが、車両の加速と減速を行い、車線内 判断します。 えることができます。 走行を維持できるように制御します。現 在、システムの作動下においては、常に 居眠り運転検知システム: リア クロス トラフィック アラート : ドライバーが監視し、必要があればすぐ ドライバーの眠気を検知 駐車場からバックで出庫する時に に車両を操作できるようにしておく必要が 高速道路などでの単調な運転は眠気を催 横切る車両を検知して警告 あります。将来的には、トラフィック ジャ しやすく、集中力が途切れてしまいがちで 見通しの悪い駐車場、とくに後方を横切 ム アシストはより高速度域で複雑な走行 す。そこで、居眠り運転検知システムが る車両をしっかりと確認できないような場 状況下でも機能できるようになり、車線 操舵角情報をもとにドライバーの操舵挙 合、適切な角度で、バックで出庫するこ 変更操作も対応可能になる予定です。ト 動を常に分析します。眠気によって集中 とは難しいことがあります。リア クロス ト ラフィック ジャム アシストのようなシステ 力が途切れたことを示す指標として、ドラ ラフィック アラートにより、ドライバーは ムにより、完全な自動運転の実現に向け イバーが短時間操舵しなかった後に急に 容易に並列駐車からバックで出庫するこ て、着実に道筋がつけられています。 操舵を修正する局面を検知します。この とができます。左または右から横切る車 システムはそのような反応の頻度と強さ 両を検出すると、このシステムが警告音、 を車速や時刻、まばたき挙動といった他 警告ランプのいずれか、または両方によっ のデータと組み合わせ、そこから疲労イ てドライバーに衝突の危険があることを知 ンデックスを算出します。このインデック らせます。 スがあらかじめ定義されている値を超え ると警告表示や警告音で警報を発し、疲 トラフィック ジャム アシスト : れて居眠りをする危険があることをドライ 渋滞時に自動で車両を誘導 バーに知らせます。 トラフィック ジャム アシストは、混雑す る道路や渋滞でも、ドライバーが快適に さらにナビゲーションシステムと組み合わ 目的地に到着できるように支援するシス せると、パーキングエリアやサービスエリ テムです。部分的に自動化されたシステ 22 | Chassis Systems Control | ドライバー アシスタンス システム ドライバー アシスタンス システム 快適で安全な駐車と車両操作を実現 ドライバーの多くは、駐車操作で大きなストレスを感じています。運転 パーキングエイド : 席からの視界は限られ、駐車場が混雑していたり、駐車スペースが狭 駐車操作中の周囲の障害物を検知 く、またせわしない状況では、駐車はますます困難な作業になるだけ でなく、危険も伴います。駐車支援システムは、駐車をより安全で快 バンパーに組み込まれた超音波センサー を使用して、車両の前方と後方の近距離 エリアを監視し、障害物をリアルタイムで 適にするために必要な操作を自動で決定し、誘導することで、ドライ 認識します。障害物を検知すると、シス バーを駐車時のストレスから解放してくれます。 テムがドライバーに信号を送り、障害物と さらに技術が進歩することにより、ドライバーの監視が不要な、完全 な自動駐車が可能になっていきます。 の距離を知らせます。 駐車支援システム : 適切な駐車スペースに車両を誘導 フロントバンパー側面に組み込まれた超 音波センサーを使用して、道路脇を検知 し、縦列および並列駐車に適した駐車ス ペースがあるかどうかを検知します。駐 車スペースを検知すると、ドライバーに知 らせ、ドライバーがシステムを起動すると、 駐車スペースへの最適な進入経路や必要 なステアリング操作を算出します。算出 が完了すると、駐車支援システムが進行 方向の制御を行うため、ドライバーはアク セルとブレーキを踏むだけで駐車を行うこ とが可能となり、ステアリング操作をする 必要はありません。 ドライバー アシスタンス システム | 23 自動駐車支援の技術により、指定した 駐車スペースに自動で車両を入出庫 することが可能になります。ドライバー は車内に留まるか、または降車して遠 隔操作で自動駐車を監視することが できます。 さらに、 駐車スペースから出庫する際にも、 必要があり、ドライバーがボタンを押して バレットパーキング : システムが支援します。駐車支援技術は、 いる間だけ作動するようになっています。 指定された駐車スペースにシステムが 必要となるすべてのステアリング操作を 自動で車両を誘導 行い、ドライバーが車両を安全に出庫で 近距離カメラ : 将来的には「バレットパーキング」という きる駐車位置に誘導します。 駐車と車両操作に新たな可能性を ソリューションが、駐車スペースの探索 現代の多くの車両の場合、運転席から見 や駐車、出庫という作業からドライバーを 自動駐車支援システム : た周囲の視界は非常に狭くなっています。 完全に解放してくれる存在となっていきま 駐車スペースからの車両の入出庫を サイドとリアウィンドウはますます小さくな す。駐車場に近づくと、車両は空いてい 自動で操作 り、エアロダイナミクスと歩行者保護の影 る駐車スペースに関する情報を受けとり、 自動駐車支援システムは、指定された駐 響を強く受けた車両のボディ形状とあい 駐車スペースの決定後、ドライバーは駐 車スペースに自動で車両の出し入れを行 まって、安全で正確な操作を行うことはま 車場の入り口で停止し、降車します。シス います。車両が駐車をしている間、ドライ すます難しくなってきています。車両後方 テムが起動すると、車両は指定された駐 バーは車内に留まるか、降車するかを選 に取り付けた近距離カメラは、車両のダッ 車スペースまで自ら移動し、ドライバーが 択することができます。ドアがやっと開くよ シュボードにライブ画像を表示し、バック 指示した場合には、自動的に駐車スペー うな非常に狭いスペースでもまったく障害 時にドライバーを支援します。車両後方 スから指定された乗車位置まで戻ってき になりません。この場合、ドライバーは指 のカメラは、リバースギアを選択すると自 ます。 定した駐車スペースの前で降車し、車両 動的に起動し、ドライバーは進路上に障 のキーまたはスマートフォンのボタンを押 害物がないことをディスプレイ上でリアル して、遠隔操作で駐車を開始することが タイムに確認することができます。オプ 可能です。たとえドライバーが運転席にい ションとして、ライブ画像の中に車両の進 ない状態でも、システムが自動で駐車な 行経路を色付きの線で表示すこともでき、 らびに駐車スペースからの出庫を行いま 現在のステアリング角度での車両の進行 す。システムが駐車操作を行っている間、 方向と、ハンドルを切り返す適切なタイミ ドライバーは車両の周辺を常に監視する ングを確認できるようになります。 24 | Chassis Systems Control | ドライバー アシスタンス システム ドライバー アシスタンス システム 暗闇で視界を改善 カメラベースのヘッドライトコントロールや赤外線ナイト ビジョン シ インテリジェント ヘッドライト コントロー ステムは、他の道路利用者を眩惑することなくドライバーの視野を広 ル:路面を最適に照らし出す げます。視野が改善されると、ドライバーは夜間でもより安全・快適 に走行できるようになります。 インテリジェント ヘッドライト コントロー ル機能は、ビデオカメラを使用して周囲 の明るさを検知し、前走車や対向車との 距離を算出します。そして、これらのデー タをもとにさまざまな灯火機能が作動し ます。 ロービームアクティベーション機能は車 両のロービームを照明状況に合わせて自 動的にオン/オフし、ハイビームコント ロールは、道路状況に応じて、自動的に ハイビームのオン / オフを切り替え、夜 間のドライバーの視野を改善します。 ドライバー アシスタンス システム | 25 インテリジェント ヘッドライト コント ロールは、他の道路利用者の視界を 妨げることなく、最適な道路の照明を 提供します。 ビデオデータをもとにして、ハイビーム/ 連続ハイビームコントロール機能により、 ロービームの到達距離が自動的に調整さ 他の車両のドライバーを眩惑することな れます。アダプティブ ロービーム コント く、常にハイビームで走行することがで ロール機能は、ロービームのレベルを常 きます。この機能は、水平と垂直に回転 に道路状況に合わせます。特に起伏や凸 可能なヘッドライト、または全体の光源の 凹のある路面では、他のドライバーを眩 配分を、自由にコントロールできるフル 惑することなく路面を良好に照らします。 LED ヘッドライトにより実現可能です。光 を適切に分散させ、他の道路利用者の視 アダプティブ ハイビーム コントロールは、 界を防げることなく、路面を最適に照らし ハイビームの到達距離や配分を調整する つつ、ハイビームは実質維持したままな だけでなく、道路状況に応じて、ビーム ので、ドライバーの視野は大幅に拡大し の幅も制御することが可能です。より広く ます。 確保された照明範囲により、進行方向に あるカーブや都市部の道路の端まで効果 的に照らすことが可能になるため、ドライ バーが歩行者を認識できるようにサポー トします。 26 | Chassis Systems Control | ドライバー アシスタンス システム ドライバー アシスタンス システム 走行レーンの維持と車線変更で ドライバーを支援 ドライバーのほんの一瞬のよそ見や不注意で、意図していなくても走 行レーンから外れてしまうことがあります。また、ドライバーが追越し や車線変更を行いたい時、サイドミラーで確認していても死角に車両 が入っていて危険な場合があります。 ドライバー アシスタンス システム | 27 車線変更支援システムは、車線変更を する上で危険なゾーンに車両がいるこ とをドライバーに警告します。 車線逸脱警報: 車線維持支援システム: 車線変更支援システム: 意図しない車線からのはみ出しを警告 車線内走行を維持できるように 車線変更時の衝突の危険を警告 車線逸脱警報機能は、ビデオカメラを使 ドライバーをアクティブに支援 車線変更支援システムは、車線変更時の 用して前方の車線を検知し、走行レーン 車線維持支援システムも、同じくカメラを 危険な状況を未然に防ぎ、事故のリスク 上の車両の位置と比較します。意図せず 使用して前方の車線を検知します。車線 を軽減します。このシステムは、車両の 走行レーンを逸脱しそうなことをシステム と車両との距離がある一定を下回ると、シ 横と斜め後ろをモニターするレーダーセ が検知すると、警告表示や警告音、ステ ステムが介入します。電動パワーステアリ ンサーに基づいて機能します。死角にあ アリングホイールの振動などの触覚シグ ングを装備している車両では、ゆっくりと、 る車両または後方から急速に接近してく ナルのいずれか、もしくは両方によって ただしドライバーが確実に認識できるよう る車両をシステムが検知すると、サイドミ 警告を発します。このような方法でドライ に操舵力を加えて、車両を車線内に維持 ラー周辺に表示灯などを点灯させ、ドライ バーが車線からの逸脱に早期に気づくよ する支援をします。電動パワーステアリン バーに警告します。ドライバーが車線変更 う警告し、正しいコースに戻るステアリン グを装備していない車両の場合、個々の のために方向指示器を操作すると、シス グ操作を促します。 なお、ドライバーが 車輪にブレーキをかけてカウンターステ テムはさらに警告音、触覚による警告の 方向指示器を使用して意図的に車線変更 アの効果を出します。もちろん、システム いずれか、または両方によってドライバー や右左折を行う場合には、この機能は警 の作動環境下においても、常にドライバー が潜在的な危険に気づくよう警告します。 告を発することはありません。 の操作がシステムに対して優先されるよう 設計されています。車両を運転する責任 は常にドライバーにあるからです。 28 | Chassis Systems Control | ドライバー アシスタンス システム ドライバー アシスタンス システム 追突事故の危険が迫っている状況で ドライバーを支援 衝突事故は、ほんの一瞬の不注意や、危険な状況下での判断ミスによ 衝突予知緊急ブレーキシステム り発生します。ダッシュボードに手を伸ばしたり、同乗者との会話に気 危険な状況においては、ほんの数秒間が、 を取られたりするだけで、ドライバーは前方不注意になります。 ドライバーが衝突事故を回避できるかど うかを左右します。衝突予知緊急ブレー キシステムは、サラウンドセンサーとエ レクトロニック スタビリティ コントロール (ESC) とのネットワーク化をベースにした もので、他の車両やあらゆる交通弱者と の衝突事故を防止し、事故の被害を軽減 することで、ドライバーを支援します。 ドライバー アシスタンス システム | 29 衝突予知緊急ブレーキシステムは、他の車 両やあらゆる交通弱者との衝突のリスクを 低減し、事故の被害を大幅に軽減する支援 をします。 時速 30 km 以上での走行時 の踏力が不十分だった場合には、できる が衝突を回避するために、自動でフルブ 衝突予知緊急ブレーキは、時速 30 km だけ障害物の手前で車両が停止するよ レーキを作動させます。万が一、追突事 以上での走行中に、障害物に危険なほど う、必要なレベルまでブレーキ圧を高め 故が回避できない場合にも、事故の被害 接近していることを検知すると、予想され ます。 を最小限に抑え、他の道路利用者が負傷 る緊急ブレーキに備えてブレーキシステ するリスクを軽減します。 ム作動の準備を行います。危険な状況に それでもドライバーが反応せず、追突が ドライバーが反応しない場合には、シス 避けられないとシステムが判断した場合 あらゆる交通弱者を守る テムはまず警告表示や警告音のいずれ には、フルブレーキをかけ、事故の被害 NCAP(新車評価プログラム)などの消 か、または両方で、その次に短くともはっ を最小限に抑えます。 費者保護団体が車両を評価する際、事故 きりと感じられるブレーキジャークでドラ 予防システムを考慮していることも、道 時速 30 km 以下での走行時 路交通の安全性の向上を推し進める大 多くの追突事故が市街中心部やのろのろ きな要因となっています。2016 年以降、 衝突予知警報に続いて、システムはパー 運転時など、時速 30 km 以下の速度領 Euro NCAP から最高評価である 5 つ星 シャルブレーキをかけます。これにより 域で発生しています。このような事故の を獲得するためには、包括的で緊急予知 車両が減速し、ドライバーが反応するた 被害は幸いにして車体の損傷程度で済む 可能な歩行者保護システムの装備が必要 めの時間をより多く確保できるようになり ことが多いのですが、修理費用が高くつ となってきます。 ます。 いたりすることがあります。 ドライバーがブレーキペダルを踏み込む 衝突予知緊急ブレーキは、時速 30 km と、システムは直ちにブレーキを適切に 以下での走行中に、障害物に危険なほど サポートします。そのため、システムは 接近していることを検知すると、予想され 衝突を回避するためには車両をどの程度 る緊急ブレーキに備えてブレーキシステ イバーに警告します。 減速させる必要があるかを常に計算し、 ムの準備を行います。危険な状況にドラ 例えばドライバーが行ったブレーキング イバーが反応しない場合には、システム 30 | Chassis Systems Control 自動化、そしてネットワーク化された 移動手段の今後 今後数年間で、自動車は大きく変わっていくと考えられています。 運転に必要な操作を、ドライバーに代わって部分的に自動で行うシステ ムの中には、すでに市場に投入されたものもあります(例 :トラフィック ジャム アシスト) 。将来的に、より高度なシステムが、ドライバーに強力 で広範なサポートを提供してくことにより、完全な自動運転の実現への 道を切り拓くことになるでしょう。 | 31 そのために重要となる前提条件は、デジ 正確な情報を提供します。この「ネットワー タルマップ素材や高精度 GPS 位置デー ク化された車両」により、ドライバーは更 タに基づいて車両の位置を正確に確認で に充実したサービスや新しいサービスを きることと、周辺にいるすべての車両や 利用できるようになります。 物体を検知するレーダー、超音波、カメ ラといった各種のセンサー技術の連携で すでに今日、専門家の一致した意見とし す。また、車両の周辺、交通インフラ、イ て、車両相互のネットワーク化と交通イン ンターネットなどの外部の世界と車両との フラとのネットワーク化が、今後数年のう ネットワークも欠かせません。こうしたネッ ちに交通の安全性と輸送効率を飛躍的に トワーク化により、将来的に車両は信号と 向上させると言われています。 通信できるようになるだけでなく、他の車 両とも相互に連絡を取り合い、工事現場 ネットワーク化がこのようなかたちで利用 やカーブ後の渋滞最後尾など、交通障害 されることで、ドライバーのワークスペー に関する情報をいち早くドライバーに伝え スもまた次第に変化する可能性がありま るほか、霧やアイスバーンなどの気象条 す。直観的な操作が可能な、便利なヒュー 件による危険も早期に警告できるようにな マン マシーン インターフェース(HMI) ります。 により、多様な情報の整理と使用が可能 になります。こうしたインターフェースは、 新しい交通サービス/システムは、現在 他に目をそらすことなくジェスチャーや音 の交通状況に関する詳細な予測、道路の 声で操作できるため、ドライバーのストレ 変化、さらにルート上の地形などに関する スや負担を取り除くことができます。 ボッシュ株式会社 シャシーシステム コントロール事業部 〒 224-8501 横浜市都筑区牛久保 3-9-1 www.bosch-mobility-solutions.jp www.bosch-motorcycle.jp Printed in Japan 292000P1DA-C/CCA-201411-JA 交 通事故による死亡者 数は毎年およそ 130 万人、負傷者数は何百万人にも上り ます。 「交通安全のための行動の 10 年」 の目標は 2020 年までにこの死亡者数を 減らして安定させることであり、これに よって、世界中の道路を利用するすべて の人々にとっての安全なモビリティ、とい うビジョンを実現します。 www.decadeofaction.org 本パンフレットは、弊社製品の一般的な技術的説明を提供することを目的と するものであり、 何ら法的な拘束力を有するものではなく、 また、 製品の品質、 商品性、特定の目的への適合性に関して暗黙の同意や保証を構成するも のでもありません。個々の性能特性に関しては、当事者間において、予め 契約等で明確に取り決めた場合にのみ法的拘束力を有します。予告なく製 品の改良のために技術的な適合や仕様の変更を行う場合があります。ここ で説明している製品は、一般的な自動車メーカーの仕様や車両への搭載 要求に基づいて設計されたものです。実際の車両に対しての個々の製品設 計については、本説明に示された仕様や機能とは異なる場合があります。
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