デジタル教科書実践活用ガイド「お話をそうぞうしながら読もう」PDF

国語
2 年下
スーホの白い馬
お話をそうぞうしながら読もう
人物のしたことや言ったことから,気持ちを考えよう
第2次 ①
登場人物や人物像を捉えながら,
話の筋を読み取り,
人物の心情や人物同士の関わりを理解する。
B
教科書タブ :
書き込みツール(直線)
,
スクロール,
段落表示
● 学習のねらい ●
C
◎ 人物のしたことや言ったことから,そのときの様子を考え,想像を広げながら話を読む。
ただ、 ほしいだけ
はやいので手に入れたい
第3次
(1 時間)
▼
「スーホの白い馬」に書かれている内容を読み取る。
B●
C
① 登場人物や人物像を捉えながら,話の筋を読み取り,人物の心情や人物同士の関わりを理解する。●
心に残ったことを書き,交流する。
そのあと,線を引いたところからどんな気持ちが分かるのかを
▼
大きらい
にげだしたい
科書の叙述に鉛筆で線を引かせた(本時は第 3 場面)。
発表させた。その際,
スーホの白馬に対する気持ちが分かる言葉
① 話の筋に照らし合わせながら,馬頭琴の演奏を聴く。
② 一番心に残ったことを書き,交流する
ばらばらにした挿絵を各自で並べ替え,
隣の人といつだれが何をしたところかなどの観点から
互いに説明する。
A
大すき
そばにいたい
しんでも帰りたい
もう一回考えさせて!
を青,とのさまの白馬に対する気持ちが分かる言葉を赤,白馬の
児童の反応
B )。
色で色分けをしていった(●
デジタル教科書の書き込みをもとに,白馬,
とのさま,スーホの
本活動では,一度児童に考えさせてから,その考えをデジタル教
科書に書き込んでいった。そうすることで,一人一人の考えが全員
で共有できる。
「あー,そういう考えもあるんだ! 先生,もう一回考
えさせて!」という児童もいた。
気持ちが分かる言葉(スーホに対して・とのさまに対して)を黄
●「国語デジタル教科書」活用の具体例
第1次 ①
登場人物同士の関わりを理解するためには,登場人物の気持
ちや考えの読み取りが欠かせない。そこで,まずそれが分かる教
スー ホ
(5 時間)
A
① ばらばらにした挿絵を各自で並べ替え,隣の人といつだれが何をしたところかなどの観点から互いに説明する。●
大すき
馬
第2次
全文を通読し,
感想を発表し合う。
自分のものに
ならなければ
ころしてもかまわない
白
第1次
(1 時間)
とのさま
● 学習の流れ(全 7 時間)
大切に思っている
兄弟のよう
C )。
気持ちや関わりを考えさせ,板書で構造化していった(●
国語デジタル教科書
を活用した感想
▶
A )は,少しの工夫をすることで,だれか一人が発表するのではなく,全員がそれぞれ考えをもった
「挿絵並べ替え」
(●
り言語化したりすることができるワークシートに早変わりさせることができ,非常に便良く使えた。
B )ことが,全員
文章をまるごと読む際には,今どの叙述が話題となっているかを線を引くことなどで視覚的に示す(●
の理解を一致させる助けとなった。
column
● ふきだしの注意点
デジタル教科書は,挿絵にふきだしを付けて,ワークシー
トを作成することが簡単にでき,効果的です。ただし,いく
つか留意すべき点もあります。
挿絵タブ :
挿絵並べ替え
一つ目は,ふきだしに対応する会話文がすでに教科書に
ある場合。児童の思考がその会話文に限定されてしまい
通読後,内容のだいたいを捉えるために,
「挿絵並べ替え」を
ます。
A ),プリントアウトしたものを配布し,児童にハ
まっすぐ整え(●
サミで挿絵をばらばらにさせた。各自で挿絵を並べたあと,ペア
で「いつ」
「だれが」
「何をしたところか」などの観点から互いに説
明させた。
そのあと,説明し合ったことを発表させながら,デジタル教科
書で時を表す言葉などに線を引き,全体で理解を共有していっ
た。最後に,前話と後話のあること(由来話)を確かめつつ,挿絵
をノートに糊付けさせた。また板書にて,
「主人公はだれか」
など,
登場人物を整理していった。
児童の反応
自分×隣の友だち×クラス全員
本活動では,まず自分で考え,それを隣の友だちと説明し合い,
さらにクラス全員で交流させている。隣の友だちとは共通のワーク
シートで,全体ではデジタル教科書に書き込みながら交流させてい
るので,
「私は,
ここに○○と書いてあるから」
「私たちは,挿絵のここ
に注目して」といった交流が非常にスムーズに行えた。挿絵を動か
すときには「なんかタブレットで動かしてるみたい!」と言う児童も
おり,楽しく学習できているように見えた。
例えば,右の場面には「白馬,ぼくの白馬,しなないでお
くれ」という会話文があります。このため,スーホの気持ち
を考えさせようとしても,会話文を抜き書きするだけになっ
てしまいます。しかし,同じ場面でも「そして,つぎの日,白
馬は,
しんでしまいました。」の時点のふきだしを考えさせる
と,以下の3つのタイプの考えが出されます。
だしを考えさせるのか,明確な指示が必要です。それぞれ
③スーホ自身に対する気持ち
してもお互いに噛み合いません。接点が無ければ交流とは
②スーホのとのさまに対する気持ち
二つ目は,挿絵にまとまった時間の流れが表されている
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実践事例 ● 2 年下「スーホの白い馬」
場合。そのときは,挿絵に対応する文章のどの時点のふき
①スーホの白馬に対する気持ち
が,異なった時点でのふきだしを考えたのでは,いくら発表
ならず,読みを深めることにはつながりません。
実践事例 ● 2 年下「スーホの白い馬」
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