フレッシャーズ取引 獲得のポイント

学・就職の季節を迎え、読
者各位の周囲や取引先等か
を含む﹁人の
まるところ、個別金融機関によっ
げにつながる融資であり、そのた
引は、何よりも健全な資産の積上
シルバー層との取引の重要性につ
少子高齢化時代を迎える中で、
の裏側の金融面から支える﹂とい
い。ま た、﹁各 種 の 経 済 活 動 を そ
る若年 層 と の 接 触 が 避 け ら れ な
めには、日常より融資対象者であ
いて指摘・示唆が各所でみられる
費用対効果を踏まえたロー
2
う金融機関の根源的な性格を鑑み
に、
勢
ようになって久しい。他方、誤解
て も、︵入 学・入 社 ほ か︶季 節 要
よ っ て、個 人 ロ ー ン 等 と 同 様
実際のところ、フレッシャーズ
を怖れずに言えば、現役世代、そ
場︵ mass market
︶自 体 に 向 き 合
うべきものである。
取引の獲得にあたっては、○
ア年明
開拓・深耕に取り組む際の姿
信頼できる担当者
と
巡り会うことを潜在的に欲しても
談できる
取引は難解に映るため、本音で相
大多数の一般顧客の目には金融
ぶ。
く知らない﹂等の理由が上位に並
い﹂﹁勧誘されたことがない﹂﹁よ
調 査 結 果 で も、﹁き っ か け が な
取引していないのか﹂についての
に実施した﹁なぜあの金融機関と
のコンサルティング時に取引顧客
らない。実際に、地域金融機関へ
たキャンペーンも、決定打とはな
る高額商品のプレゼント等を含め
有り体に言えば、大手が実施す
表2に示す。
ズに対する基本的な取組姿勢を 図
これらを踏まえ、フレッシャー
切に喚起すべきでもある。
コスト・オペレーションの実現が
め複数の方策を実施すべき
・効果的な組合せにより相乗効果を計ることが有効
・あらゆる施策は費用対効果の判断基準に則って実施
何が“決定打”となるか不明である以上、小さなことも漏らさ
ず実施すべき
・声かけは基本中の基本
・店内全員が「給与振込や公共料金口座振替等を受け付けてか
らの(日付を含めた)流れ」等を分かりやすく説明でき、質
問にも答えられるようにしておく
“移り気”な顧客の性格を逆手に取るべき
・
“好機”の可能性が常にあることに他ならない。アプローチ
し続けることが必要である
・
「もう遅い」ということはない
が競争相手に成り得る、という特
・ごく簡単なポスターや
チラシでアピール
・
「各種説明会実施中」
「お客様の声」等を紹
介
+
・業界団体等での説明会
実施
・商店街等での説明会実
施
・個別企業(集団)での
説明会実施
イ プラスαとしてマスへ
○
も働きかける
ア クローズド内での囲い
○
込みを行えるよう働きか
ける
.
どの方法が有効かどうか(=訴求効果)は受け手次第であるた
もしない金融機関が混在する。つ
現在の金融機関が最も欲する取
因に伴って生ずる各種ニーズを適
るのが実態だ。
て取組姿勢に大きな差異が見られ
4月から支店のエリア内の企業・学校には
新入社員や新入生が入社・入学しているはず
だ。若年層との取引深耕は金融機関共通の課
題。本特別企画では、見込客であるフレッシ
ャーズとの取引獲得のポイントを解説する。
就業者フレッシャーズへのアプローチ例[イメ
ージ/例示]
図表3
○
性についても理解しておく必要が
図表2
×
方向
64
2014・ 5月1日号
進
らも、新規入学者・就職者の話題
を耳にする頃だと思う。金融機関
新たに加わる人
の 担 当 者 と し て は、こ の よ う な
入れ替わる時期﹂に適切なアピー
ルを図り、取引の開拓や深耕に結
実させることが不可欠だ。
そこで以下、フレッシャーズ取
引の獲得にあたっての一助となる
ような視点を簡潔に解説したい。
アプローチを行う際の
基本的な考え方
ひと口にフレッシャーズといっ
てもその中身は様々であることか
ら、ある程度共通する性格に則っ
てアプ ロ ー チ を 行 う こ と が 有 効
だ。この際、特に理解しておくべ
き事項は以下の2点となる。
1 開拓・深耕にあたっての基本
的な捉え方
最初に理解しなければならない
事 項 は、﹁フ レ ッ シ ャ ー ズ 自 体 を
ど う 捉 え る か?﹂と い う 方 向 感
あろう。
顧客目線 提案 解説 行
白井克幸
シドー・コンサルティング
パートナー
の中でも若年層との取引の重要性
が有効
取引先や来店顧客への声かけでニーズを喚起
はシルバー世代の比ではない。
信頼 獲得
フレッシャーズ取引
獲得のポイント
けころより積極的なキャンペーン
い
だ。これを 図表1に示す。
ごく簡単に言えば、フレッシャ
ーズは、個別事業者に対する事業
で
す
る
こ や
と
に取り組む金融機関と、○
イ特段何
フレッシャーズへのあるべき取組姿勢[順不同]
求められる、 すべての金融機関
資金の開拓や深耕とは異なり、市
いま取り組みたい
を
不特定多数/mass
“市場”自体に向き合
うことで全般的な訴求
力を高めることが有効
個人向け取引商品
(融資・年金受取口
座指定ほか)
個/individuals
(最終的には)
実権者への
訴求力を高めて満足度向
上に結実させる必要あり
事業者向け取引商品
(融資ほか)
分類
基本ア
プロー
チ
合致す
る商品
等
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65
を
.
捉えるべき方向感
図表1
特 別 企 画