Department of Computer Science 情報科学科 ■ 情報科学科の教育理念 ………………………………………………………… これからの情報技術者・研究者には、革新的な研究開発を遂行する能力に加え、社会とビジネス の動向を理解して製品・システム・サービスのビジョンを掲げることや、それを具現化するために 必要となる技術を見極める能力が求められます。 情報科学科では、情報通信技術における広い知識と高い専門性の獲得を基本とし、文工融合の理 念に基づいて人間や社会と調和した情報技術の創造と応用を推進する能力、情報科学を軸足としな がら新たな領域の開拓に挑戦する能力を育成します。 ■ カリキュラムの特徴 …………………………………………………………… 計算機科学領域をカリキュラムの軸として、知能情報科学領域や人間情報科学領域を横断的に学 ぶことが出来るようになっています。また、他分野と協調的に連携するための広い知識を身につけ るため、他学科で開講している科目の履修も推奨しています。まず、情報の数理的側面の学習を徹 底して進めるとともに、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データベースなどの技術要 素は少人数グループワークでの実験・演習を通じて理解を深めます。また、卒業研究では知識の活 用能力、批判的・論理的思考力、課題探求力、問題解決力、コミュニケーション能力などの総合的 な育成を行い、高度な研究活動にも従事できる基礎的能力の習得を目指します。 9 ■ 履修科目例 ……………………………………………………………………… 4年次 卒業研究 3年次 人工知能 オペレーティングシステム 言語理論 パターン認識 機械語と計算機械 ヒューマン インタフェース シミュレーション ソフトウェア品質管理 人間情報活用論 知能情報科学領域 計算機科学領域 人間情報科学領域 2年次 コンピュータ ネットワーク プログラミング方法論 離散数学 情報理論 アルゴリズムと データ構造Ⅰ&Ⅱ 論理回路 データベースシステム論 ディジタル信号処理 1年次 情報学総論 微分積分学Ⅰ&Ⅱ 認知科学 プログラミング コミュニケーションスキルズ 情報数学 学習マネジメント リーディング スキルズ 線形代数学Ⅰ&Ⅱ 10 Department of Computer Science 情報科学科 ■ 授業紹介 ………………………………………………………………………… 情報科学実験 現在の情報社会は情報通信システムに支えられています。では、その情報通信システムの核とな る要素技術がなにか知っていますか? それはハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データ ベースです。「情報科学実験」は、これら 4 つの要素技術について3つのパートに分けて学ぶ実験 科目です。 情報科学実験Ⅰでは、ネットワークとデータベースのメカニズムを学ぶことによって、コン ピュータ群が情報通信システムとして機能する仕組みを習得することができます。情報科学実験Ⅱ および情報科学実験Ⅲでは、CPU(コンピュータの中央処理装置)の構造と CPU 上で動くプログ ラムについて学ぶことによって、コンピュータをハードウェアとソフトウェアの両面から理解する ことができます。 これらの実験は、授業を聞くだけの講義ではなく、自らの手を動かして実習を行う実験という形 で進めるので、身についた知識として確実に獲得する ことができます。 今後、情報通信技術は益々成熟し、現在我々が着想 するような製品・システム・サービスはほぼすべて実 際に実現することが可能となっていくでしょう。情報 科学実験を通じ、情報通信システムの核を構成する要 素技術のすべてを習得することは、世界を創造するた めの無限のツールを手にすることに繋がります。皆さ んは将来の地球のために何を創っていきますか? ■ 卒業後の進路…………………………………………………………………… 情報科学科の研究室出身者の半数以上が、より高度な知識や技能を身につけるため大学院に進学 します。大学院修了生を含む卒業生の多くはメーカーや ICT(情報通信技術)サービス企業の技術 者としての道を進みますが、企業や大学の研究所において引き続き最先端技術の研究・開発に従事 する卒業生も少なくありません。 ■卒業生の進路 ICT分野の最先端を担う研究者 大学 公的研究機関 企業研究所 情報科学科 理系入試 情報技術 情報数理 大学院 進学 ICT産業を支える技術者 製造業 情報通信産業 ICTサービス業 ソフトウェア産業 その他あらゆる産業分野 11 青木徹 研究室 見えない情報を引き出す放射線情報学 スマホなど個人の持つ機器にも当たり前のように カメラが搭載され、一昔前の単純なリアルな写真や ビデオの撮像から、コミュニケーションツールとし て、さらには AR などの新しい情報入力デバイスと して活用されるようになってきています。そして、 赤外線や紫外線などの目に見えない領域の画像も私 たちに恩恵をもたらし、X 線などの放射線も医療や 工業、セキュリティーなどで大いに役立っています。私たちの研究室では、目に見えない「放射 線」のもつ情報を高度に引き出す画像入力デバイスを中心に、放射線イメージングから材料設計 にいたるまで一貫した研究を進めています。放射線情 報学の構築を目指し国内外の研究機関と連携して放射 線イメージングのパラダイムシフトを目指すと共に、 企業との連携やベンチャー企業を起業し、世の中に実 際に役に立つ研究を進めています。海外の研究室と学 生を含む交流も盛んに行っています。 竹内勇剛 研究室 インタラクションを通じて他者の心を知る 私たちが初めて会った人と一緒になったとき、たとえその 人と言葉を交わさなくても、「この人は今こんな気持ちだ」 「この人は今こんなことをしたいはずだ」とそれなりに予想 できてしまうのはどうしてでしょうか? 認知的コミュニケーション研究室(竹内研究室)では、人 間が情報を生み出す過程を研究する認知科学という学問領域 に基づいて、他者の心を「知る」ための研究に取り組んでい ます。コンピュータやロボットはその振る舞いのすべてを人 間が制御可能であり、そこには人間のような『心』はありま せんが、人間はしばしばそれらに私たちと同じような『心』 の存在を感じてしまうことがあります(エージェンシー認知) 。 当研究室ではエージェンシー認知が誘発される過程における 人間とコンピュータ・ロボットとのインタラクションに着目し、 さまざまな実験を通して人間同士のみならず人間とテクノロ ジーとが互いに「心を通わせる」ことの実現を目指しています。 12
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