授業に関する諸注意と説明 最初に この授業では線形代数学続論2と

授業に関する諸注意と説明
落合 理 (OCHIAI, TADASHI)
最初に
この授業では線形代数学続論2と演習と連携しつつ線形代数を中心とした補修を行います。
これらの授業でカバーできない部分、これらの授業を受けていても理解が抜け落ちてしまっ
た部分を補うことが目的です。ただ、人によって理解度の階層や直面している問題のレベル
も違うと思います。一番ベーシックな部分では
(1) 様々な概念の「定義」や「主要な定理のステートメント」が正しく頭に入っているで
しょうか?
(2) 数学的なステートメントを正しくアウトプットできる「表現力」はあるでしょうか?
(3) 数学的な文章を読んだり講義を聞いて理解する「理解力」はあるでしょうか?
(4) 様々な概念の「具体例」はどれくらい知っているでしょうか? などのチェックポイントがあるでしょう。
自分には欠けている点や課題は何でしょうか?
どうやって補えばよいでしょうか?
様々な問題点は有機的に絡まっていますが、解きほぐしていかないといけないと思います。
そもそも、
「数学がわかる」
「数学ができる」とはどういうことでしょうか? 低学年のうち
では、上から与えられた問題が解けるということも指針になりますが、それだけではないと
思います。答えはすぐに見つかるものではありませんが常に考え続けていつか自分なりの答
えを見つけてください。
人それぞれ抱えている問題や悩みは多種多様で、他人からはすぐに全てを把握してあげら
れないこともあります。まず、自分自身で問題を認識してそれをもとに積極的に人と関わっ
て解決策を探っていきましょう。
数学の勉強自体で全体的につまづいている人のためのヒントがあるかもしれない本を幾つ
か挙げてみます。
(1) 「大学数学ベーシックトレーニング」 和久井道久著 日本評論社
学びの心構えから始め、記号や慣習、数や集合などの基本概念、数学に欠かせない厳
密な論証方法などについて解説 (データベースより)
(2) 「数学ビギナーズマニュアル」 佐藤文広著 日本評論社
教科書に書かれていない、講義でも教えられない、しかし数学を理解するのに重要
なポイントをやさしく解説したロングセラー (データベースより)
(3) 「新・数学の学び方」 小平邦彦編 岩波書店
数学者はどのように数学に向き合うのか。その理解の仕方はどういうものなのか。ど
うしたらそのような理解に到達できるのか。13 人の数学者が実体験をもとに、それ
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ぞれの学び方を綴る。1987 年刊の『数学の学び方』に新エッセイ 5 篇を加えた新版
(データベースより)
この授業の受講者のレベルに大きなばらつきもあると思います。ときにある程度線形代数
がわかっていると思う人にとってはときに簡単で退屈に思えることもあるかもしれません。
それでも気づいていなかった取りこぼしがあるかもしれません。また、一応わかっている状
態からでも、より上の状態を目指してください。例えば、ただ証明できるだけでなくセンス
がある線形代数の使い方、人にもわかりやすい洗練された数学表現、常に謙虚な姿勢でより
上のレベルを内省して目指してください。
授業に関するお願い
この授業は必修です。また、この授業の補修的な性格から、遅刻等も考慮した出席状態も
評価に入れます。授業中にいろいろ調べたりしてもらうこともあるかもしれないので、必ず
授業の指定教科書「線形代数の世界」と線形代数続論の授業のノートは携帯してきてくださ
い。「手ぶら」でくることがないようにお願いします。
オフィスアワーとホームページ
月曜日 15:00-16:00 が研究室にて授業の質問を受け付ける時間です。
出張による不在などもあり得ますので、研究室 (B 棟 422) に来室のときは前日までに
ochiai (ここにアトマークを入れてください) math.sci.osaka-u.ac.jp
宛てに, subject: オフィスアワー
でメールをください。もちろん、時間が許せば、授業の前後(特に授業直後)や授業中にも
積極的に質問してください。
ホームページ http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/˜ochiai/kyouiku.html
に授業の配布物は全てアップする予定です。また、配布時にエラーがあったものは手が回る
限りにおいて修正し、最新版を置いておくようにします。必要ならここにアクセスして参考
にしてください。
TA
この授業には, 以下のティーチングアシスタント (TA) の方がつきます。
情報科学研究科 情報基礎数学専攻 博士後期課程2年 森 亜貴
授業の進行の仕方と評価方法
20 人強という中途半端な人数のため黒板にでてもらう演習形式では全員に手が回りませ
ん。そのため、課題に取り組んでもらってその最中に教員と TA が教室をまわって、質問に
答えたり気づいた問題点をアドバイスします。(考える前に答えを聞くなどは良くないです
が) 自分から積極的に質問などのコミュニケーションを試みて多くのことを学んでください。
私自身この授業は久しぶりで授業形態はまだ確定していません。なので試行錯誤になりま
す。今のところ、
定義や例の確認小テスト =⇒ 教科書をみながら本課題 =⇒ まとめと補足
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という流れを考えています。特に最初の方は毎回大きく変わる可能性もあります。補修とい
う性格上、受講者のニーズも大事です。(全員の要望には応えられるかわかりませんが) 何か
意見や要望、気づいた点があれば教員や TA にどんどん伝えてください。
この授業の評価方法は完全には確定していません。特に, 中間テストや期末テストを実施
するかなどは未定です。様子を見ながら考えていく予定です。しかしながら、いずれにして
も毎回の提出課題の評点や受講態度など通常評価点が大きな割合を占めることは確かです。
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