製番管理システムをユニケージで つくってみた

製番管理システムをユニケージで
つくってみた
2015年2月18日
ヤンマーエネルギーシステム株式会社
企画部企画グループ
大坪 啓二
はじめに
 ユニケージを使ってのアジャイル開発(高速開発)
手法の一端をご紹介できればと思います。
 今回は私自身(ユーザ部門)で開発しましたが、
ユニケージのひな形プログラム、難しいロジックは
USP研究所さんに作っていただきました。
 実際に開発したものとしては、以下の通りです。
①自社の基幹システムの過去データをWEBで検索する仕組み
②グループ内の他社の基幹システムから頂くExcelファイルを
WEB検索する仕組み
③製番管理システムの部品発注部分の仕組み
まだ、使ってませんが、これから検証して使用します。
これらを説明していきたいと思います。
1/ Copyright©2014
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
本日の内容として





当社の概要説明(事前の予備知識として)
弊社でのユニケージの経験履歴
今回ITの課題解決に、なぜユニケージを選んだのか?
先ほどの①②のWEB検索画面の紹介
先ほどの③製番管理システムの紹介
 実際に使ってみて、ユニケージで良かったことは?
紹介する事例は当社の事例であり、また当社はITに関して決して
先進的な企業でありません。
当然のことながら、今回の内容は解決済みである企業の皆様も多いこととは思います。
また弊社の特殊事情ばかりかもしれませんが、こういうことで悩んでいる企業もあると
いう一例としてお恥ずかしい内容ですが、お話ししていきたいと思います。
2/ Copyright©2014
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
当社の概要説明
3/ Copyright©2014
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
当社の概要①
商号
設立
平成15年3月3日(同3月21日営業開始)
本社所在地 大阪市北区大淀中5丁目12番39号
資本金
9千万円
株主
ヤンマー株式会社100%出資
売上高
697.4億円(平成25年度実績)
生産工場
空調商品(岡山)、発電商品(大阪・福岡)
エネルギーシステム事業
舶用事業
発電・空調
エンジン事業
農業機械事業
建設機械事業
マリン
プレジャー事業
 ヤンマーグループの中で発電・空調事業を行っているヤンマーの子会社です
 ヤンマー本体に情報システム部、グループにシステム会社があります。
 子会社の当社には情報システムの組織はなく、企画部でシステム関係を
取りまとめています。
4/ Copyright©2014
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
当社の概要②
基幹システム関係以外の当社独自のシステム、
各拠点の構内LAN、各拠点のファイルサーバーなどを
本社企画部のうち3名で対応しています。
本社、2支社/8支店
札幌支店
17営業所/サービスセンター
道東CS
道南CS
工場 3箇所(生産委託先含む)
青森営業所
約1,000名弱
盛岡営業所
秋田CS
ヤンマーエネルギー
システム製造
仙台支店
金沢支店
北関東営業所
いわき営業所
山陰CS
山口CS
福岡支店
大阪支社
広島支店
長崎CS
大分CS
宮崎CS
南九州営業所
5/ Copyright©2014
東関東営業所
名古屋支店 静岡営業所 東京支社
高松支店
コーリン本社工場
熊本CS
神奈川営業所
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
本社
オーハツ
沖縄支店
取扱い商品・サービス
以下の商品の開発・製造・販売・据付・保守サービス(遠隔監視)を行っています。
機器製造メーカーであるとともに、
据付・保守サービスを行う建設業法上の特定建設業会社です。
ガスヒートポンプ(GHP)
ガス空調
マイクロコージェネ
5kvA∼35kvAの小さい
コージェネです
メタンガスで発電する製品はよく売れています
6/ Copyright©2014
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常用発電装置
コージェネレーションシステム
非常用発電装置
当社のシステム概要
基幹システムのほとんどはグループ共通です。
事業で共通でないところ基幹システムのは対象外と
なっていることが多い。
当社
設計
個別
販売
サービス
補用部品
人事
7/ Copyright©2014
舶用事業
建機事業
エンジン事業
農機事業
グループ共通のPDMシステム
生産
会計
マリン・プレジャー
既存のシステムを改修して機能追加を行いたいのですが
グループ全体で共通のため変えてもらえないのが現状です。
共通の生産管理システム
共通の販売物流システム
個別
共通のサービスシステム
個別
グループ共通会計システム
グループ共通の人事システム
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
基幹システムは何度か変わったけれども
年々、コンプライアンス・内部統制の対応が高度化していますが、
基幹システムはなかなか変わりません。
例えば、決裁は全て紙の伝票が前提だったので、
対応するためには更に紙の伝票が増えて… と悩むところです。
8/ Copyright©2014
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基幹システムとユーザ部門で作るシステムの線引き
基幹システムはグループ共通のため、1つの事業の要件ではなかなか
変更できません。
また、本体の情報システム部門やグループのシステム会社が各事業の
細部まで、事細かにシステム対応するのは現実的には難しいです。
残念ですが人員も予算もそこまで無いです。
事業環境の変化に追随するためには、ある程度の部分は事業領域ごとに
自前でシステムを準備するほうが現実的です。
しかし、自前で準備するとは言っても、すべてをベンダーさんに
お願いできるほど予算もありません。
よって自前で開発することになりますから開発期間は短い方が
いいということでアジャイル(的)開発には非常に興味があります。
そのなかで、今回はユニケージで作ってみました。
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基幹システムとユーザ部門でつくるシステムの線引き イメージ
円の大きさが各事業の成長度合い。小さい円は成熟市場、大きな円は
成長事業。赤い破線は基幹システムがカバーしている範囲。
本体に近いところや、成熟市場は十分にカバーできます。
成長事業や本体と遠い事業領域はなかなかカバーできません。
全てをカバーする
大きな仕組みでは
無駄も多いです
基幹システム
C事業
領域
破線の外側を
独自で実施
しています
D事業
領域
A事業
領域
ヤンマー本体
サッカーチームも
ありますが、
さすがにカバー
できないです。
エネルギー
システム領域
弊社
10/ Copyright©2014
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B事業
領域
セレッ
ソ大
阪
本当は事業環境の変化に合わせてITもカイゼンしたい
当社の基幹システム(グループ共通)
巨大な仕組みで投資額も大きいため、
簡単には変えることができない
不満足度
初期
投資
費用
次期
投資
保守費用
PDCA型(こうありたい)
初期
投資
難しいところは
外部を利用する
技術支援
カイゼンのサイクルも早いし回数も多い
費用
保守費用
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定期
投資
不満足度
弊社でのユニケージ経験
12/ Copyright©2014
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弊社でのユニケージ開発手法の経験履歴(私のUSP歴)
 ユニケージは以前にこのESD21で紹介されて、
知ってはいましたが、使い始めたのはほんの最近です。
 手始めに昨年11月に5日間特別に、弊社の題材を使った
研修を弊社の東京の事務所で実施していただきました。
 それからは、自身で少しだけ独自に検索画面を開発しました。
 また2月の初めから今回の「製番管理システム」に
取りかかっています。部品の注文関係はおおよそ動く
ところまでできました。これからユーザーと実際の
データを使って検証作業に入るところです。
 と、まだまだ使い始めたばかりです。それでも、ユニケージ
でシステム構築にチャレンジしています。
2014/11月
5日間の特別
研修実施
13/ Copyright©2014
12月∼1月
自分で検索
システムを
開発
2月
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
製番管理シ
ステム開発
3月
ユーザーと
検証
4月∼
更らにPDCAサイクルを回して
完成度を上げる
私たちは普段はプログラミングに何を使っているのか?
 基幹システムの対象外となっている事業独自の
システム開発を手掛けています。
 Linux PHP Vi や Access Excel VBAで遊んでいます
 社内の他のユーザよりほんの少しだけプログラムを
書いたりします。
 本社の企画部門でITのことを中心に対応していますが、
毎日プログラムを書いているわけではありません。
全国の各拠点の構内LANの管理、各自のPCのリースの
管理、各拠点に設置している文書サーバーの管理のほか
社内のプロジェクトの事務局、基幹システムのマスター登録
などITに関係することを何でも業務としています。
 残念ながらプログラムを専業ではやってません。
14/ Copyright©2014
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
事業独自で取り組んでいること(これまでの実績)
①空調商品の生産・販売・在庫検索システム(PHP)
・生産管理システムの生産予定、生産実績、販売管理システムの引合、
受注、在庫データをひとつの画面で検索できる画面です。
・空調商品は見込み生産を行っていますので、在庫切れを早期に
発見して生産計画を変更するのに使っています。
②空調事業向け保守管理システム(Access+SQLServer)
・グループの中では、弊社は保守メンテナンスを中核事業として位置付けて
います。保守契約を管理する仕組みは弊社独自で開発、運用しています。
③空調事業向けエンジン管理システム(Ruby on Rails)
・協力会社さんとの情報のやり取りに使っています。弊社初のクラウド
環境で運用されているシステムです。
④基幹システムから出るExcel帳票の整形マクロ(Excel VBA)
・各拠点のニーズに合わせて整形用のマクロで簡単に処理をしています。
やっていることは簡単なことですが、効果はあります。
15/ Copyright©2014
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今回ITの課題解決に、
何故ユニケージを
選んだのか
16/ Copyright©2014
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ユーザ―部門でのアジャイル開発手法の狙い
 課題・問題点を解決できるかを逐次確認できる方法で
開発を進めたい。
 具体的には紙上での検討だけでなく、
動くものを見ながら、実際に触って検討したい。
 架空のテストデータでなく実際のデータを使って、
より実際のイメージに高めたい。
 ただし、IT企業ではないので色んな意味のリソースは無い。
できるだけ安く簡単に早くやりたい。
17/ Copyright©2014
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
CSVファイルの積極的な利用
 一般的な基幹システムなら比較的簡単にCSVファイル
としてデータを取り出すことができると思います。
 難しい設定に無しに、このCSVファイルを利用して
ユーザー部門で独自にシステムを作りたい
 データの処理には自動化にも取り組みたい。
 処理結果はWEBの画面で検索したい。ブラウザ以外の
特別なアプリを必要としない仕組みがいい
 ユニケージ開発手法なら、実現できそう。
 CSVというところが面白いです。昔の汎用機時代には
同じテキストデータでも固定長でした。固定長は案外
面倒だった記憶があります。それ以上に日本語の扱いも
大変だったような… ユニケージなら大丈夫でしょう。
18/ Copyright©2014
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基幹システムの過去、現在データの検索を行いたい
 基幹システムでも売上などのデータを検索できるのですが、
各事業共通(建機、舶用など)の基盤のため、検索範囲に
制限があります。
→ 一度に検索可能なのは過去1年分という制約あり
 私たちには弊社だけのデータでいいので
CSVファイルで累積データをいただいて、
任意の期間を簡単に検索したい。
 今までは基幹システムで何分割かで検索して
ハンドで合算していたので、かなり楽ができます。
19/ Copyright©2014
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基幹システムの過去、現在データの検索を行いたい 画面
検索範囲は可変です。累計も表示。
20/ Copyright©2014
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系列の違う基幹システムの情報を同じように検索したい
 基幹システムは製品システム、保守・修理システム、
生産とそれぞれ別々です。それぞれの仕組みで検索は
可能ですが、検索できる項目も少しずつ違います
。
 別々のシステムで検索して、ハンドで合算しています。
保守・修理分野の協力企業さんへの毎月の仕事量を管理
するための資料をつくる時には製品、保守・修理システム
から個別にデータを抽出しないといけません。
 最終的には会計の支払帳票からハンドで拾い上げるという
方法でデータを集計していました。
これはもっと面倒ですが確実に数字は拾えます。
21/ Copyright©2014
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系列の違う基幹システムの情報を同じように検索したい 画面
保守サービス管理システムで
サービス部門が仕入した結果
販売管理システムで
営業部門が仕入した結果
22/ Copyright©2014
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他社の基幹システムから頂くデータを使う仕組み
 グループ内の他社の基幹システムから頂くExcelファイルを
WEBで検索する仕組みを作ってみました。
 グループ内とは他社なので、マスターが
異なることがあります。
 今回は弊社が契約しているリース契約のデータです。
 データの一部です。契約先コードが弊社ではリース契約
している部門(拠点)ですが、コード体系が異なります。
 そこでユニケージで変換マスターを作って検索できるように
しました。
23/ Copyright©2014
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他社の基幹システムから頂くデータを使う仕組み 画面
弊社の拠点コードで検索できるように
しています。
負担先コードと拠点の対照マスターを
使ってコード変換を行っています。
物件種類も同じように実施してます。
24/ Copyright©2014
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他社の基幹システムから頂くデータを使う仕組み 画面 その2
同じように、車両リースのデータも検索できるようにしました。
この辺りは、簡単に実現できました。毎月最新データが取れますから
管理部門では少し楽ができます。
25/ Copyright©2014
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他社の基幹システムから頂くデータを使う仕組み 工夫
 毎月のCSVを前回のマスターとマッチングさせて
ユニケージで変換マスターを作っています。
新しい拠点コードが登録されると、画面で検索できますので
対応する弊社の拠点コードを登録できます。
 ちょっとしたことですが、運用は楽になります。
26/ Copyright©2014
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ユニケージを選んだポイント まとめ
 CSVファイルをそのまま利用できる。
 検索スピードが速い。
 別々の基幹システムであっても、CSVファイルを
使って1つの仕組みとして運用できる。
 我々ユーザー部門でもWEB検索システムが
作れるという期待が持てる。
 これなら、もう少し大きな仕組みにも使えるのではという
大きな期待があります。(導入事例から考えたら当然ですが)
27/ Copyright©2014
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
製番管理システムの検討
対象製品と工場の概要
28/ Copyright©2014
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対象製品:防災用非常用発電機
APシリーズ
【
特
徴
】
・小型・軽量・コンパクト
・20KVA∼625KVA
・低騒音・長時間運転
豊富なオプション
防災用:火災停電時に非常照明やスプリンクラーポンプに給電、
保安用:停電時重要負荷に給電
オプション(付帯工事)を選択できます。
工事№(受注№)ごとに仕様が異なります。
よって、同じ型式でも中身が違います。
29/ Copyright©2014
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発電機工場の概要
 非常用発電装置やガス発電機を作っている工場です。
 お客様の仕様に合わせて受注生産を行っています。
 標準的な仕様をあらかじめオプションとして設定して
その組み合わせでお客様の要望に応えますが、
細部は毎回図面を引きなおして生産しています。
 また、すべてが毎回変わるわけではなく、
どのオーダーでも変わらない部分もあります。
 年間800台ほど生産しています。
 年度末が一番忙しくて、1日4台生産で月80台強
生産しています。
30/ Copyright©2014
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オプションの例
分類
全般
項目
min
パッケージ防音仕
様
1
設置場所
1
燃料
max
1
1
1
1
エンジン
A重油オプション
0
1
灯油オプション
0
1
選択肢
min
max
条件1
標準防音タイプ
0
1
85dB
0
1
75dB
0
1
屋外
0
1
屋内
0
1
ディーゼル軽油
0
1
A重油
0
1
灯油
0
1
A重油フィルタ付
0
1
エンジン / 燃料 / A重油
A重油フィルタ付・冷却ヒータ付
0
1
エンジン / 燃料 / A重油
燃料電磁弁
0
1
エンジン / 燃料 / 灯油
 上記にほかにも全体で100項目ほどのオプションが
あらかじめ準備されています。
 準備されたオプションではできない場合は、新規に
図面を作成して対応します。
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発電機工場の概要 工程
【製缶】
溶接
脱脂
切断(NC)
曲げ
ドアハンドル(購入)
【塗装】
取り付けは運転試験後
排気消音器(購入)
塗装
粉黛塗料(購入)
亜鉛鍍金鋼板(購入)
排気フード上面
(組立)
排気管(購入) 品管
【運転試験】
【出荷検査】 【出荷・梱包】
パッケージ被せ
パッケージ組立
グラスウール貼り
排気管ラギング
パッケージのコーキング
ラベル貼付
【組立】
分解出荷準備など
同梱品など
【電装】
制御BOX(購入)
ラジエータ(購入)
配線(電装)
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エンジン(無償支給)
発電機(無償支給)
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【艤装】
エンジンと発電機のドッキング
その他燃料などの配管
ベースとパッケージのコーキング
工場内の風景①
弊社ではパネル組み立て方式で
防音パッケージを作っています。
組立途中のパッケージ
組立工程風景
写真は夏場ですので、
少々生産台数は少なく
場内も余裕があります。
33/ Copyright©2014
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工場内の風景②
制御盤BOX
バッテリ
エンジン
ラジエター
ベース
34/ Copyright©2014
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発
電
体
工場内の風景③ 部品置き場
製番ごとに
都度発注した
部品は納入されると
製番ごとに保管
在庫として運用する
部品は所定の棚に
保管されています。
35/ Copyright©2014
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発電機工場での課題・問題点の整理
問題点
在庫補充発注をハンドで実施、全てをカバーできてない
調達リードタイムが一定でない
課題
システムに在庫ころがし
機能を実装し自動化する
在庫がなかなか減らせない
帳簿在庫と実在庫の差が大きい
見做しで引き落としているタイミングが不明確
出庫指示書により在庫の引き落し
タイミングを合わせる
調達リードタイムが長い部品が多い
在庫からの引き当てが全てハンド作業(引き当てていいか?)
棚卸に時間が掛かる
在庫から引き当てる運用を
システムに実装する
オーダー別に部品表の確定か分らない(合ってるのか?)
BOMが切替日ベースの運用で原価モレが多い
部品注残がどの製番向けなのかが分らない
製番別のBOMで管理する
受注単位で本当に利益が出ているか分らない
部品の欠品が直前にならないと分らない
内外作の切り替えがシステムでは簡単にできない
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発注形態に合わせた管理の実現
そのような中で、生産管理システムの再構築の話があります
 個別受注生産を行っているが、グループのシステム会社で
作ったMRP専用のパッケージシステムを導入
 システムと実務が合わないので、実際にはシステムの本来の
機能は使わずに、高価な伝票清書マシーンとなっている。
 色々課題はあるが、その中でも部品発注の部分をほとんど
手作業で実施している現実がある。
→個別受注生産に合致した仕組みを使って
今よりも効率よく管理したい
 製番管理システムの中でも部品発注のところを
ユニケージでつくってみる。
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資材調達部門の課題
発注形態に関連する問題点
・個別発注方式で全てハンドで起票しているため、事務工数が大きくて対応が追いつかない。
・上記に関連して、長納期の部分は別途ロットをまとめて発注しているが、
引き当て管理がうまくできずに、在庫切れが使用直前でしか分からない。
・現行システムで使っている部品表とは別の管理資料で発注しているため、発注時点で部品表の誤りを
修正できず、そのまま組完・出荷までいってしまい在庫が合わない。
部品の在庫管理について
・部品が入荷してから組完時点での引き落としまでに在庫の工程間移動等をしていないので、
システム上の在庫が精確でない。引き当て可能な在庫かどうか分からない。
・鉄板などの材料の在庫管理がうまくできていないので、発注する時には現物を確認する必要がある。
(これに関しては通常の生産以外の消費、仕損・製品以外への振替なども生産管理システムに
きちんと入力する必要がある)
部品手配方法の見直し。
在庫補充発注・在庫引き当て処理のシステム化
生産管理システムの部品検索について
・工事単位で部品が揃っているかをすぐに確認できない。
・上記ができれば、生産する前に部品の納入状況を確認できるのでは?
製番単位での発注、製番単位での検索など製番管理の機能をシステム化
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MRPと製番管理
一般的に、MRPと製番管理は以下のような特徴があります。
MRP
製番管理
市場の需要量を予測する
顧客ニーズを直接聞き取る
製造のために完璧なデータベースを構築
データベース作成は最小限度
期間にどのくらい在庫が必要かといった
計画全体でのリソースを管理
オーダーごとに在庫や計画が紐付け
られる
オーダーに紐付けされない形で、品目グ
ロスで管理する
オーダー単位の手配・進捗管理や製
品原価を把握しやすい
 弊社の発電機工場は製番管理、空調機工場はMRPが
それぞれ合っていそうだ。
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製番管理システムの検討
具体的なシステムの説明
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今回の生産管理システムで実現したいこと① まずはこれ
 お客様のオーダー(以下、製番)毎にBOMを作られること
 BOMはお客様の特殊な仕様がない標準のBOMを
コピーして、仕様部分を改廃できること
 製番毎のBOMを使って材料・部品の手配や社内への
製作指示ができること
 部品の発注等は仕様・生産日程が確定した物件から
順次可能なこと
 部品等は共通部品など予め在庫を持って運用するものと
製番毎に都度手配するものを併用できることこと
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今回の生産管理システムで実現したいこと② 在庫のころがし
 在庫を持って運用する部品等は在庫や使用予定を勘案して
在庫の補充計画が立案できる機能を有していること
 各担当者で、上記のようなころがし表を作って管理している。
ただし、ハンドで作成しているため全数できてない。
今回は、ころがし表をシステムで自動作成したい。
 仕様が変わっても、部品があるかなどを見える化できたらいい
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今回の生産管理システムで実現したいこと③ もっと検討
 仕様変更や日程変更による影響を見える化できること
 部品等の手配は一律でなく、その部品などの調達リード
タイムを加味して行えること(すぐに手に入るものは
直前に入手する。自由度を増やす方向)
 部品等の納期遅延を事前に発見できるように、
未納部品を簡単に検索できること(ルーチン処理化)
 製番BOMからの部品手配時にマスターの不備を事前に
チェックできる仕組みを備える。
 通常は内製だけど、生産量が多いときに簡単に外注に
切替ができるような仕組みを備える
 システムは現場の改善(運用を含む)に追随できること
→アジャイル開発手法の出番。ユニケージでチャレンジ。
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製番管理システム(部品手配)の検討
仕様の情報の
チェック、登録
営業
A01:
受注登録
受注データ
(製番付与)
E-BOM(基本)
型式-部品-部品
A02:
製番-BOM作成
B01:構成マスター
製番-BOM(仮)
製番-部品-部品
仕様情報
A03:
製番-BOM修正作
業後、確定
製番-BOM(確)
製番-部品-部品
部品在庫
A05:在庫運用部
品の手配処理(こ
ろがし)
在庫補充用部品の
発注データ
出庫指示
(在庫運用分)
今回のシステム化の範囲
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A04:
手配処理
注残データ(部
品・材料・外注)
製作指示
仕様のチェックのところは
今回検討の対象外とする
仕様によって部品の
プラス、マイナスを行う
手配情報をフィードバック
最終的には製番別の
原価情報とする
B03:購買マスター
B04:加工マスター
外注製作分は購買マスター
購買マスター
部品マスター
手配・運用
B02:部品マスター
加工マスター
(社内、工数)
今回作った画面の一覧
画面名
説明
1 B01:構成マスター(正展開)検索
構成を正展開で1段階だけ展開し表示します。
2 B01C:構成全展開検索(正展開)
構成を正展開で全て展開し表示します。
3 B02:部品マスター検索
部品の基本情報を登録します
4 A01:受注検索
受注情報を管理します
5 A02:製番BOM作成
製番用のBOMを作ります
6 A03:製番BOM更新
製番BOMの更新画面です
7 A04:製番BOMからの部品発注
製番BOMを使って、製番単位に部品発注を行ういます
8 A05:在庫運用部品ころがし検索
部品のざいこをころがします。
9 C01:購入部品検索
購入部品の検索画面
10 C02:出庫指示書検索
出庫指示書の検索画面
11 C03:製作指示書検索
社内で作成する部品の検索画面
12 H01:棚番検索
棚番、在庫を検索します
13 H04:購買マスター検索
購買マスターを検索します
マスターの検索画面は他にもあります
45/ Copyright©2014
YANMAR ENERGY SYSTEM Co.,Ltd.
実際の処理の順番に画面を説明していきます
 主に、部品発注担当が使うところを説明します。
 営業部門で受注登録を行って、生産管理部門が製番を
取って生産予定日を決定します。
 営業部門でお客様の仕様を聞き取り、設計部門がBOMに
展開します。この時に標準のBOM(型式-部品の構成)を
製番BOM(製番-部品)にコピーします。
 設計では製番のBOMに対して、仕様の追加や削除を
行って、最終的にBOMを確定させます。
 製番BOMが確定されると、部品発注を行います。
 部品発注画面で製番を指定して、発注処理を行います。
 発注結果を見ながら、注文内容を確定(承認)させます。
 以上が簡単な流れです。では、各画面を見ていきます。
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画面の説明:【 A01 】受注登録
受注を登録して、製番を付与します。
ここで、生産予定日を決定します。
コンフィグレーション機能は今回は対象外とします。
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画面の説明:【 B01 】標準構成の部品表の確認
標準構成のBOMを検索します。標準構成はグループ共通の
PDMシステムからデータを連携します。この画面は1階層下を正展開します。
製品型式での検索
部品コードでの検索
48/ Copyright©2014
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画面の説明:【 B01C 】標準構成の部品表の確認(フル展開)
この画面は検索対象のアイテムの下位を全て正展開します。
ユニケージでは簡単にできました。案外SQLだと面倒です。
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画面の説明:【 B02 】部品マスター検索
個々の部品の運用形態を登録します。在庫として運用するとか、
都度発注するとかを登録します。
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画面の説明:【 A02 】製番BOMの作製
製番と型式を入力して、標準構成のBOMを製番BOMとして
コピーします。以後、仕様の追加、変更はこの製番BOMに
対して実施します。
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画面の説明:【 A03 】製番BOMの修正
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画面の説明:【 A04 】部品・材料の手配処理
在庫区分
調達区分
発注処理時の動作
1 在庫運用 手配不要以外
出庫指示書の発行
2 都度発注 購入品
注文書の発行
3 都度発注 製作品
社内制作指示書の発行
4 なし
手配不要
何もしない
5 全て
なし
エラー
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画面の説明:【 A05】部品発注状況の確認
在庫補充用の注残、製番にひも付いた出庫指示、在庫をころがして
検索できる画面です。直近1か月は日別に在庫をころがします。
この画面で在庫がマイナスにならないように補充の注文を検討します。
これをシステム化したかった。
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画面の説明:【 C01】購入部品の発注状況の確認
製番(工事No)を入力して、未納入の部品を検索することで
注残の督促をする部品リストを作成します。
また普通に注残・受入を検索できます。
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画面の説明:【 C02】倉出指示書の確認
製番(工事No)を入力して、棚番順に並べると
そのままピッキングリストにもなります。
未来の在庫(2/26)で過不足をチェックできたらどうでしょうか?
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実際に使ってみて、
ユニケージで
良かったことは
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アジャイル開発手法として見たときでも
 ユニケージを用いたアジャイル開発手法として、
実際に動くものを見ながら、スパイラルに開発できた。
まだ検証前で100%完成はしてないですが。
 今回は簡単なパワーポイント1枚とHTMLのイメージ
現行の基幹システムのデータを使って開発をスタート
させました。(もう少し紙上での検討はあってもよかった
かもしれません)
 特別なツールを使わなくても、すぐに開発に取り掛かれる、
成果物のやり取りも簡単なところは良かった。
 それに、基幹システムのデータを簡単に取り込めることは
開発スピードを高める上では非常に効果があった。
 CSVデータを使うというのが案外新鮮でした。固定長より
断然いいですし、DBみたいにスキーマー定義をしなくて
いいのは楽でした。ただしモデルベースの考え方とは
少々相容れないかもしれないですね。
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今回の生産管理システムの開発スタイル
 適宜弊社の東京の事務所で打ち合わせ
 それ以外は、各々の職場で開発。成果物をメールで
やりとりして、それぞれの環境で検証。
 難しいツールは使わなくてもできます。
 環境設定が楽にできます。
 基本となるディレクトリーのコメントアウトでいい。
 私の場合はターミナルの文字コードをEUCからUTF-8に
するだけ。(普段はPHPでEUCです)
コメントアウトすれば完了
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PHPでゴリゴリ書いたりもしましたが
生産計画、販売予定、在庫を ころがしなら検索するシステムです。
PHPでゴリゴリと自作してみました。今回のA05画面とほぼ同じ構成です
生産管理システム、販売管理システムのデータをもらって、バッチ処理でデータを作って検索しています。
これでもExcelで作表していた頃よりはずいぶんと便利になりました。
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ユニケージでの同じような画面
先ほどの、【A05】部品発注状況の確認画面がころがしのレイアウトです。
PHPの方は毎晩夜間バッチでデータを作り込んで、表示だけをさせています。
今回は、リアルタイムに在庫、出荷指示、在庫補充用の発注を検索して
画面表示をさせています。
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ソースの比較から見て
 上段:ユニケージ
 下段:PHP
 ユニケージの方が少ない
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基幹システムとマスターデータの連携も簡単にできます
 今回のように後づけでシステムを運用する場合には
基幹システムとのデータ連携、特にマスター連携が
必要となってきます。
 ユニケージの場合はCSVファイルで連携できれば
簡単に処理の自動化もできます。
 ITカイゼンを用意にするためには、自律分散型の
仕組みが欲しいところです。ユニケージを使うと、
比較的簡単に自立分散型の仕組みを構築できそうです。
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さらに良かったと思うこと
 今回みたいな有償でのサービスは
アジャイル開発手法ではいい方法かもしれないです。
 特に弊社のようにユーザー部門が自ら開発したい場合には
今回のような技術支援は有償であっても利用価値あります。
 今回は教育要素も多分にありました。
PDCA型(こうありたい)
初期
投資
難しいところは外部を利用する
(今回の技術支援)
不満足度
カイゼンのサイクルも早いし回数も多い
費用
技術利用料(ユニケージコマンドの費用)
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定期
投資
最後に
 今回はユニケージをユーザー部門の独自システムの
開発ということで使いましたが、ユニケージは
ユーザー部門の仕組みだけでないことはお断りしておきます。
 私たち(と言っても社内では他にもう1名だけですが…)
のように開発業務が専業でない何でも屋さんでも、
ユニケージを使うとシステムが作れます。
情報システム部門やベンダー企業で使えば、もっと成果が
出せると思います。
 ユニケージを使いこなせるとプログラミングテクニックでなく
もっと本質的なところ、どのようにシステムで処理させて
成果を出すようにするのか、業務も一緒にどう変えるのか?
といったことに、もっと注力できると思います。
 何せ、チューニングしないでも十分な速度がでますし、
開発時間も短いですから
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