利府町橋梁長寿命化計画(平成27年度)

利府町 橋梁長寿命化計画
平成27年6月
□ 宮城県利府町
目 次
1.長寿命化計画の目的
P.1
2.長寿命化計画の対象橋梁
P.1
3.健全度の把握及び日常的な維持管理に関する基本的な方針
P.2
4.対象橋梁の長寿命化及び修繕・架け替えに係る費用の縮減に関する基本的な方針
P.3
5.対象橋梁ごとの概ねの次回点検時期及び修繕内容・時期又は架け替え時期
P.3
6.長寿命化計画による効果
P.4
7.計画策定担当部署及び意見聴取した学識経験者等の専門知識を有する者
P.4
8.利府町橋梁長寿命化計画 対象橋梁一覧表
P.5
9.利府町橋梁箇所図
P.6
橋 梁 長 寿 命 化 計 画
1.長寿命化計画の目的
1)背景
日本の道路橋は、昭和30年代に始まる高度経済成長を中心に急速に整備されました。近年、こ
れらの橋梁の老朽化が進み、架け替えや大規模修繕の時期を迎えようとしています。
自治体を取り巻く厳しい財政状況の中で長期的な視点から橋梁を効率的・効果的に管理し、維
持管理コストの縮減を図っていく取り組みとして「橋梁長寿命化計画」の策定が必要となっていま
す。
2)現状
本町が管理する橋梁は平成27年3月現在で34橋あり、建設後50年を経過する橋梁は現在のとこ
ろ0%です。しかし、10年後には約44%に達し、20年後には約76%に達する見込みであり、急速に
橋梁の高齢化が進みます。今後、増大が見込まれる橋梁の修繕・架け替えに要する経費に対し、
計画的なコスト縮減への取り組みが不可欠となります。
50年未満
19橋
56%
50年未満
34橋
100%
現在
平成26年度
50年未満
8橋
24%
50年以上
15橋
44%
50年以上
26橋
76%
10年後
平成36年度
20年後
平成46年度
図1.建設後50年以上の橋梁の推移
3)目的
従来の損傷・劣化が大きくなってから対策を実施する事後保全(大規模修繕 高コスト)から、損
傷・劣化が小さいうちから対策を実施する予防保全(小規模修繕 低コスト)へと移行することでラ
イフサイクルコストの縮減を図るとともに、適切な維持管理を継続的に行うことで安全性・信頼性を
確保することを目的とします。
2.長寿命化計画の対象橋梁
利府町が管理する34橋を対象とします。
一級町道 二級町道
全管理橋梁数
うち計画の対象橋梁数
平成27年度計画策定橋梁数
合計
6
5
23
34
6
5
23
34
6
5
23
34
□ 宮城県利府町
-11 -
その他
橋 梁 長 寿 命 化 計 画
3.健全度の把握及び日常的な維持管理に関する基本的な方針
橋梁を適正に維持管理するため、通常点検・定期点検・異常時点検等の点検を実施していま
す。
点検
維持管理
清掃
通常点検
道路の保全
(日々のパトロール)
応急措置
清掃
橋梁維持管理
定期点検
詳細調査
(5年毎に 1回)
補修工事
障害物除去
異常時点検
道路の保全
(地震の発生など)
緊急措置
図2.橋梁の点検および維持管理の体系
1)健全度の把握の基本的な方針
国土交通省道路橋定期点検要領に基づいて定期的(1回/5年)に橋梁の状態を把握します。
2)日常的な維持管理に関する基本的な方針
橋梁を良好な状態に保つため、道路パトロールを主体として目視による観察を行い、橋梁の状
態を把握します。
写真1.路面
写真2.支承部
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写真3.下部工
橋 梁 長 寿 命 化 計 画
4.対象橋梁の長寿命化及び修繕・架け替えに係る費用の縮減に関する基本的な方針
長寿命化計画を策定する場合、「事後保全型」と「予防保全型」の維持管理シナリオによるライ
フサイクルコストを比較し、検討を行います。
シナリオ
説明
予防保全型
損傷が顕在化する前の軽微なうちに計画的に行う橋梁の修繕。
小規模工事。工事期間が短く、低コスト。
事後保全型
損傷が顕在化した段階になって行う橋梁の修繕及び架け替え。
大規模工事。工事期間が長く、高コスト。
予防的な修繕・補修などの実施を徹底することにより、修繕・架け替えに係る費用の低コスト化
を図り、ライフサイクルコストの縮減を目指します。
健
全
度
点検結果
5
4
予防保全
小規模補修
劣化予測
3
大規模補修
2
事後保全
落 橋 の 恐れ
1
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
110
120
経過年数
図3.維持管理シナリオ
5.対象橋梁ごとの概ねの次回点検時期及び修繕内容・時期又は架け替え時期
1)点検
今年度計画を策定した34橋について次回の点検時期は平成30年度を見込みとし、定期点検を
5年に1回実施します。
2)修繕又は架け替え対策
対象橋梁34橋について、今回の点検では、架け替えや大規模修繕が必要な橋梁はありません
でしたが、今後、計画的かつ、予防的な対応による維持管理を行い、橋梁の長寿命化を図りま
す。
また、5年毎に実施する定期点検の結果に基づき、優先的に修繕工事を要する場合もあり、定
期点検毎に見直しを図ります。
□ 宮城県利府町
3
橋 梁 長 寿 命 化 計 画
6.長寿命化計画による効果
以下に、今後の修繕及び架け替えにかかる費用についてシミュレーションを行ったものを示しま
す。
2064年までに事後保全型による補修費用は約19億円かかるのに対し、予防保全型による補修
費用は約12億円(7億円の縮減)となり、約36%の縮減が見込まれます。
シナリオ
対象年
補修費用
試算シミュレーション①
予防保全型
50年
1,241百万円
試算シミュレーション②
事後保全型
50年
1,935百万円
百万円
百万円
予防保全と事後保全の将来事業費概算予測
900
2500
799
800
2000
700
600
約7億円縮減
500
400
300
1000
275 251
205 212
248
200
212
107
100
100
0
1500
90
6 5
15
2019
2024
200187
2029
2034
予防保全
2039
2044
事後保全
62
85 85
2049
2054
予防累計
25 5
2059
500
0
2064
事後累計
7.計画策定担当部署及び意見聴取した学識経験者等の専門知識を有する者
1)計画策定担当部署
宮城県利府町 都市整備課 施設管理班 Tel:022-767-2121
2)意見を聴取した学識経験者等の専門知識を有する者
東北大学大学院工学研究科 教授 鈴木基行
□ 宮城県利府町
4
橋 梁 長 寿 命 化 計 画
8.利府町橋梁長寿命化計画 対象橋梁一覧表
諸元
番号
橋梁名
1
橋長
径間
上部工
使用材料
上部工
構造形式
新山路橋
38.00m
1径間
PC橋
T桁
2
在加瀬橋
35.40m
1径間
PC橋
3
金生橋
58.80m
1径間
鋼橋
4
川袋橋
25.50m
1径間
5
蓮沼橋
23.20m
2径間
6
関根橋
25.70m
7
東後山2号橋
8
東後山1号橋
9
緊急
輸送路
町道
交差物
7.50m 2004年 指定なし
1級
砂押川
T桁
6.80m 1980年 指定なし
1級
勿来川
箱桁
6.75m 1985年 指定なし
1級
三陸縦貫自動車道
鋼橋
I桁
4.00m 1967年 指定なし
2級
勿来川
鋼橋
H桁
3.00m 1970年 指定なし その他
勿来川
1径間
鋼橋
H桁
4.50m 1968年 指定なし その他
勿来川
40.20m
3径間
PC橋
ラーメン
6.55m 1992年 指定なし その他
三陸縦貫自動車道
63.50m
3径間
PC橋
ラーメン
6.50m 1992年 指定なし その他
三陸縦貫自動車道
青山大橋
28.00m
1径間
RC橋
アーチ桁
9.00m 1988年 指定なし その他
町道内ノ目北1号線
10
加瀬橋
25.40m
2径間
鋼橋
H桁
4.50m 1967年 指定なし その他
勿来川
11
高嶋橋
23.40m
1径間
PC橋
床版橋
7.00m 1983年 指定なし その他
砂押川
12
新風音橋
28.30m
2径間
PC橋
床版橋
7.40m 1980年 指定なし その他
砂押川
13
風音橋
19.40m
1径間
鋼橋
H桁
6.00m 1982年 指定なし その他
砂押川
14
津幌橋
44.00m
3径間
PC橋
床版橋
6.00m 1982年 指定なし その他
県道塩釜吉岡線
15
大沢橋
37.00m
1径間
PC橋
T桁
7.00m 1990年 指定なし その他
県道利府岩切停車場線
16
八ケ森橋
43.00m
4径間
RC橋
アーチ桁
4.00m 1991年 指定なし その他 町道しらかし台12ー6号線
17
東後山3号橋
72.54m
3径間
PC橋
ラーメン
6.51m 1991年 指定なし その他
18
北沢橋
4.10m
1径間
RC橋
床版橋
5.00m 1971年 指定なし
1級
横枕川
19
神谷沢橋
3.80m
1径間
RC橋
床版橋
7.50m 1979年 指定なし
1級
横枕川
20
藤田橋
7.40m
1径間
RC橋
床版橋
7.00m 1979年 指定なし
2級
藤田川
21
向田1号橋
2.60m
1径間 ボックスカルバート ボックスカルバート 7.80m 1974年 指定なし
1級
水路
22
塚元橋
3.40m
1径間
RC橋
床版橋
4.45m 1974年 指定なし
2級
横枕川
23
金沢橋
4.60m
1径間
RC橋
床版橋
3.45m 1974年 指定なし
2級
横枕川
24
宮ケ崎橋
3.90m
1径間 ボックスカルバート ボックスカルバート 6.40m 1974年 指定なし
2級
横枕川
25
新洞風橋
3.00m
1径間 ボックスカルバート ボックスカルバート 7.70m 1974年 指定なし その他
26
東浦橋
4.00m
1径間
27
深山前橋
3.60m
1径間 ボックスカルバート ボックスカルバート 3.40m 1974年 指定なし その他
水路
28
本郷Bb橋
5.10m
1径間 ボックスカルバート ボックスカルバート 6.50m 1980年 指定なし その他
水路
第一砂押川Bb橋 13.00m
2径間 ボックスカルバート ボックスカルバート 6.00m 1980年 指定なし その他
水路
29
RC橋
床版橋
幅員 竣工年
4.10m 1974年 指定なし その他
三陸縦貫自動車道
水路
種捨川
30
町頭Bb橋
9.20m
2径間 ボックスカルバート ボックスカルバート 7.50m 1979年 指定なし その他
水路
31
寺前橋
3.10m
1径間 ボックスカルバート ボックスカルバート 17.30m 1974年 指定なし その他
水路
32
勝負沢橋
13.80m
1径間
PC橋
床版橋
5.00m 1974年 指定なし その他
水路
33
並松橋
3.20m
1径間
RC橋
床版橋
7.60m 1974年 指定なし その他
水路
34
白石沢橋
10.30m
1径間
PC橋
I桁
7.00m 1981年 指定なし その他
砂押川
□ 宮城県利府町
5
利 府 町 橋 梁 箇 所 図
向田1号橋
八ヶ森橋
金生橋
白石沢橋
勝負沢橋
青山大橋
津幌橋
風音橋
藤田橋
寺前橋
新風音橋
並松橋
川袋橋
大沢橋
高嶋橋
関根橋
東後山3号橋
蓮沼橋
深山前橋
宮ヶ崎橋
北沢橋
新洞風橋
金沢橋
東後山2号線
町頭Bb橋
加瀬橋
東浦橋
東後山1号橋
在加瀬橋
第一砂押川Bb橋
神谷沢橋
塚元橋
本郷Bb橋
新山路橋
6