点群データの施工図利用事例 - 第11回3次元計測フォーラム

点群データの施工図利用事例
染谷俊介
竹中工務店 技術研究所新生産システム部門
P.1
1
本日のご紹介内容
1.建築における活用事例
2.設備における活用事例
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
P.2
2
3次元計測の一般的な作業フロー
形
状
の
ス
キ
ャ
ン
デ
ー
タ
位
置
合
せ
・レーザー
・赤外線
・写真
ETC.
メ
ッ
シ
ュ
・
サ
ー
フ
ェ
ス
化
B
I
M
モ
デ
ル
化
市販ソフト
が充実
最終目的
数
値
化
・
図
面
化
・施工出来形
・既存形状
・数量
・断面線
ETC.
データの取扱い
が大変
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
P.3
3
3Dレーザースキャナーの原理
レーザー光
垂直305度
FARO社製
FOCUS 3D(当社保有)
レーザー距離計の
原理で計測
・レーザー光を用いて、
水平360度
対象の3次元座標データを取得
・「面」的な測量が可能
計測イメージ
・距離は最大120m(精度は2~3mm)
・大きさはティッシュ箱くらい
・重さは10キロ
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
P.4
4
1.建築における活用事例
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
P.5
5
既存地下躯体データの施工図反映事例
既存地下躯体を山留利用
新築地下擁壁を既存躯体に沿って施工する
⇒解体量・CON打設数量ともに減らしたい
平面図(一部抜粋)
新築躯体
既存躯体
課題
・躯体位置が既存図面と現実で異なる
・同一面でも位置が大きく異なる
断面図
3D計測を実施
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
P.6
6
既存地下躯体データの施工図反映事例
3Dモデル
(新築建物)
【3D計測における課題】
①作図スケジュールへの対応
②2次元施工図へのデータ連携
点群データ
(既存躯体)
3Dレーザースキャナーの活用
点群データと3Dモデルの重ね合わせ
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
P.7
7
課題1 作図スケジュールへの対応
スケジュール
解体工事期間
6か月前
5か月前
4か月前
3か月前
2か月前
1か月前
新築工事期間
現地調査1d 計測1d
設計部
作業
作業所
作業
作図期間は
地下解体の大分前
地下解体のかなり前
データ処理1w
設計検討
図面反映3w
先行解体2w
墨出し1d
計測部分の解体
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
P.8
8
課題1 作図スケジュールへの対応
作図スケジュールに乗せるための工夫
部屋の連結
躯体の露出
什器の撤去
解体前
一部先行解体工数
2w
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
P.9
9
課題1 作図スケジュールへの対応
計測工数
約1,000㎡ 24か所
2人×1d
複数データの位置合わせ工数
1d
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
P.10
10
課題2 2次元施工図へのデータ連携
ツール:点群処理ソフト
データ形式:FLS、PTS等
点群データの例
データ形式:DXF等
ツール:AutoCAD等
データ形式:DWG等
躯体図の例
【課題】
・最終アウトプットは2次元。
・点群データはそのままでは2次元図面に反映できない。
・点群データをCADデータに変換すると重すぎる。
・新築図面と位置合せするための基準が必要。
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
P.11
11
課題2 2次元施工図への反映
2次元施工図に反映するための工夫(軽量化)
メッシュデータ
点群データ
点群上のメッシュ作成
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
P.12
12
2次元図面化
1w
A
B
基準墨モデル
建物側
地盤側
メッシュの最外線をつなぐ
点群から作成したメッシュモデル
足元が100mm程度
はらんでいる
B断面
平面(メッシュのみ)
平面(メッシュ間補完)
A展開
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
P.13
13
新築図面と位置合せするための工夫(墨の計測)
基準墨のモデル化
寄り方向の墨2点、レベル墨1点以上
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
1.建築事例
施工図反映
1w
P.14
14
解体数量・CON打設数量がともに減となるよう修正
新築側で対応
既存側で対応
赤:設計図の既存躯体位置
青:点群データの既存躯体位置
新築側で対応
既存図面と実測の重ね合せ
既存側で対応
検討図の作成、施工図の修正
効果
概算効果:解体数量5㎥、CON打設数量5㎥削減
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
P.15
15
2.設備における活用事例
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
2.設備事例
P.16
16
【プロジェクト概要】
・延床面積約13万㎡複合施設の熱源改修工事
・既存設備の一部撤去、新設設備の搬入作業
・施工計画では設備BIMツールを使用。
【プロジェクト課題】
・既存設備機器の3Dモデル化が必要。
(2Dでは搬出入経路の検討が困難)
・既存図面が現実と一致していない。
3D計測を実施
【3D計測における課題】
①設備BIMツールへのデータ連携
(施工図のためには属性付きモデルが必要)
②BIMモデル入力コストの削減
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
P.17
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課題1 設備BIMツールへのデータ連携
*.FLS
作業フロー
(設備設計)
作業手順
作業内容
取得データ
*.DXF
*.DGN
*.DWG
等
*.FLS
属性なし
(1)計測
・スキャナー操作
・計測範囲指示
属性あり
(2)点群データ作成
(3)下図用サーフェ
スモデル作成
(4)BIMモデル作成
複数点群データの合成
点群データをガイドに
サーフェス作成
サーフェスおよび心線をガイ
ドにBIMツール内でモデル
化、図面化
点群データ
(位置合せ後)
サーフェスorメッシュデータ
直管の心線データ
(属性なし)
BIMモデル、図面
点群データ
(位置合せ前)
外注
内作
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
2.設備事例
P.18
18
課題1 設備BIMツールへのデータ連携
点群データそのままでは
重すぎて設備BIMツール
では取り扱えない
計測は外部委託
受領した点群データ(形式:FLS)
手 順
(1)計測
(2)点群データ作成
(3)サーフェスモデル作成
(4)BIMモデル作成
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
2.設備事例
P.19
19
課題1 設備BIMツールへのデータ連携
サーフェスモデルを
ガイドにトレース
⇒属性入力
サーフェスモデルそのまま
では業務で使えない
ポイント
中心線もモデル化する
専門ソフトによって作成した
サーフェスモデル(形式:DXF)
BIMツール内で入力した設備モデル
(形式:設備BIMツールネイティブ)
手 順
(1)計測
(2)点群データ作成
(3)サーフェスモデル作成
(4)BIMモデル作成
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
2.設備事例
P.20
20
課題2 BIMモデル入力コストの削減
・トレースだけでも膨大な時間がかかる。⇒コスト増
・BIMツールのオペレータはまだ少ない。⇒追い込みが利かない
出来る限りの処理を自動化したい
手 順
(1)計測
(2)点群データ作成
元々工数を要さない
(3)サーフェスモデル作成
自動化のターゲット
(4)BIMモデル入力
人の判断が必要
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
2.設備事例
P.21
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課題2 BIMモデル入力コストの削減
サーフェスモデル作成を自動化
市販ソフトを使用
(処理:数時間)
点群データ
自動作成されたサーフェスデータ
手 順
(1)計測
(2)点群データ作成
(3)サーフェスモデル作成
(4)BIMモデル入力
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
2.設備事例
P.22
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課題2 BIMモデル入力コストの削減
削減効果
サーフェスモデル作成工数151h
点群処理ソフト費用(イニシャル)のみ
Research & Development Institute, Takenaka Corporation
P.23
23
まとめ
【考察】
・3D計測は、現況計測作業を大きく効率化する。
(レーザー、赤外線、写真・・・)
・ただし業務は計測だけではない。後業務での使い方がカギ。
【市販ツールへの期待】
・点群データの後処理の高度化に期待。(メッシュ化、図面化)
・複数ツール間のデータ連携は必須。
・「コスト」と「時間」にメリットが見出せれば、一気に広まる。
Research & Development Institute, Takenaka Corporation