Vol.005 試合で勝つためには、食事も大切!

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Vol.005 試合で勝つためには、
食事も大切!
試合前に必要な食事
試合前に必要な栄養素とは?
試合前の食事では、エネルギー源となる「糖
質」、脱水を防ぐ「水分」を意識して摂取す
ることが大切です。
試合の前日と当日は、糖質を多く含む米や麺
類などの主食、糖質と水分が同時に摂れる果
物を多めに摂るように心がけましょう。食べ
物が消化・吸収されるには時間がかかるの
で、消化が良いものを食べるようにすること
も大切。消化の悪い脂肪の多い食べ物は控え
めに、糖質は消化が良いのでシンプルなおに
ぎりなどを食べると良いでしょう。
試合当日は、試合の3時間前までに食べること
が原則です。
食事の摂り方も練習しよう!
試合前にふさわしい食事には、個人差があり
ます。試合前は緊張やプレッシャーから食欲
がない人もいれば、特に普段と変わりなく食
べられる人もいます。
「米は無理でもパンなら食べられる」「おに
ぎり2個なら、お腹にもたれない」など、自分
に合った食事内容や量を、練習試合などを通
して把握しておきましょう。
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Vol.005 試合で勝つためには、
食事も大切!
コンディショニングワンポイント
試合前は、糖質と水分の摂取が特に重要。
試合前に何をどれだけ食べられるか、食事の摂り方も練習しよう!
試合間にしっかりエネルギー補給!
試合間に必要な栄養素とは?
ブカツでは1日に数試合こなしたり、1日がかり
で大会が行われることも珍しくありません。試
合前と同じく、エネルギー源となる糖質、脱水
を防ぐ水分を試合間にも摂取することが大切で
す。
試合間の時間が短い場合も多いですが、短い時
間の中でエネルギーになりやすいバナナなどの
果物、消化の良いシンプルなおにぎりやパンを
少しずつ食べると良いでしょう。胃の中に消化
しきれない食べ物が残っていると、お腹が痛く
なることがあるので、食べ過ぎには注意。
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Vol.005 試合で勝つためには、
食事も大切!
スポーツ飲料とゼリー飲料を上手に利用しよう!
糖質が適度に含まれているスポーツ飲料やゼリ
ー飲料は、手っ取り早いエネルギー源となりま
す。
固形物に比べ、飲料やゼリーは胃への負担も少
なく、消化吸収が速いので、短時間で効率良く
栄養を摂りたい時に適しています。
エネルギー不足になると、疲れを感じやすくな
り、身体が動かなくなるので、大事な試合前の
プレッシャーで食べ物を受け付けにくい時もス
ポーツ飲料やゼリー飲料を活用すると良いでし
ょう。
コンディショニングワンポイント
試合までの時間やコンディションに応じて、
「食べやすいもの」を選択しましょう。
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食事も大切!
試合後の食事で、もっと強くなる!
できるだけ早く 食事 をしよう!
試合後は、筋肉や肝臓のグリコーゲンを消耗
し、さらに筋肉たんぱく質も分解されダメージ
を受けています。それらを回復させるために
は、試合後、できるだけ早く消費した糖質とた
んぱく質を補給し、こわれた筋肉をつくり直さ
なくてはなりません。それには、主食とおかず
の 食事 をすることが一番。糖質、たんぱく
質、ビタミン、ミネラルなど、様々な栄養素が
含まれる食事が、エネルギーをつくり、身体を
つくります。スポーツ栄養に関するICO(国際
オリンピック委員会)の合意声明(2010)に
も「多くの種類の普通の食品から必要なエネル
ギーを摂れば、練習や試合に必要な糖質、たん
ぱく質、脂質、そして微量栄養素が摂れる。正
しい食事によって、スポーツで勝つための望ま
しい体格や体組成が得られる」と述べられてい
ます。あるJリーグのサッカーチームは、試合
会場から帰るバスの中でお弁当を食べているそ
うです。
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Vol.005 試合で勝つためには、
食事も大切!
試合後にすぐ食事ができない場合は?
試合が終わってから食事まで時間が空きそうな
場合は、夕食が食べられなくならない程度に補
食を摂ると良いでしょう。
テレビでスポーツ中継を見ていると、試合後の
ストレッチをしながらバナナやゼリー飲料を補
給している選手をよく見かけます。ゼリー飲料
には様々なタイプがあります。効率良くたんぱ
く質と糖質を摂取できるタイプや五大栄養素が
バランス良く含まれるタイプなどがありますの
で、栄養成分表示をチェックして目的に合わせ
て選びましょう。
持ち運びに便利なブロックタイプの栄養補助食
品などをうまく活用しても良いでしょう。
次回は、「暑さを乗り切るために心がけたいこ
と」についてお話します。
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Vol.005 試合で勝つためには、
食事も大切!
コンディショニングワンポイント
試合後に限らず運動後には、できるだけ早く様々な栄養素が
摂れる食事をしよう!
食事をすぐにできない場合は、栄養価の高い補助食品を活用しよう。
岡村 浩嗣さん
大阪体育大学
体育学部 大学院スポーツ科学研究科 学術博士/教授
筑波大学大学院体育研究科卒。専門は、スポーツ栄養学、運動栄養学。
著書に『 親子で学ぶスポーツ栄養( 八千代出版)』
『ジムに通う人の栄養学
スポーツ栄養学入門」
( 講談社 ブルーバックス)』
『市民からアスリートまでの
スポーツ栄養学(八千代出版)』