『ワーキングマザーの生活時間』

2015 年 10 月 27 日
シチズンホールディングス株式会社
■時間意識調査
『ワーキングマザーの生活時間』
シチズンホールディングス株式会社
・子どもとのコミュニケーション 「夫婦そろって」が育児・仕事両立のカギ
・帰宅時間「19 時以降」は遅いと感じる。独身女性と 3 時間の差
・ほっと一息つける時間は「子どもが寝た後」。「ランチタイム」という人も
今夏「女性活躍推進法」が成立するなど、女性の社会進出が注目されています。その中で、子
育てしながら働く「ワーキングマザー」の存在があります。最近では、時短勤務や企業内保育所
など、育児支援制度を導入する企業も増えてきました。しかし、多くのワーキングマザーが仕事
と育児・家事の両立に苦労を抱えています。
そこで、シチズンホールディングス(本社:東京都西東京市、社長:戸倉敏夫)では、
「ワーキン
グマザーの生活時間」をテーマに調査を実施しました。仕事と育児・家事の両立のため、どのよ
うに時間を使っているのか?削らざるをえない時間は?夫に協力してほしい時間は?ほっと一息
つける時間は?など『時間』を切り口に、ワーキングマザーたちの生活実態や意識を探りました。
なお、調査項目の一部については、過去に実施した「働く独身女性」に聞いた調査データ(※)
との比較も行いました。
※シチズンホールディングス「働く独身女性の生活時間調査」2011 年 10 月調査
調査対象:全国の 20 代~40 代の独身女性会社員 600 人
【調査概要】
◆期間 2015 年 9 月 24 日~9 月 28 日
◆方法 インターネットによる調査
(インターネット調査会社を通じてサンプリング・集計)
◆対象 未就学児(0 歳~5 歳児)をもつ全国のワーキングマザー400 人(会社員・会社役員)
※夫婦共働き
20 代
30 代
40 代
合 計
60
271
69
400
文中・表内の百分率(パーセント)の数値は小数点第 2 位を四捨五入しています。
そのため、合計が 100%にならない場合があります。
この件に関するお問い合わせは下記までお願いします。
シチズンホールディングス㈱ 経営企画部 広報課 青木、大舘
℡042-466-1232(直通)
1
<< サマリー>>
働いている日の必要時間 ···························································································································· 3P
◇ 睡眠時間は平均 6 時間半 日本人女性の平均より 1 時間短い
◇ 身じたくの時間は 30 分以下 子どものために後回し?
◇ 出産前より 42 分早起き、35 分早寝に
子どもとのコミュニケーション時間 ········································································································· 4P
◇ 1 日の子どもとのコミュニケーション時間は 3 時間 10 分
削らざるをえない時間・増やしたい時間・減らしたい時間 ····················································· 4~5P
◇ 削らざるをえない時間は「睡眠」と「子どもとのふれあい」
◇ 増やしたい時間も「睡眠」と「子どもとのふれあい」
ご主人に協力してもらいたい時間 ········································································································· 5P
◇ ご主人に協力してもらいたいのは“子どもの世話”時間
理想の勤務時間 ·········································································································································· 6P
◇理想の勤務時間は 6 時間。現状より 1~2 時間減らしたい
帰宅の時間 ···················································································································································· 7P
◇ 仕事で遅くなる日は「ない」という人が 3 人に 2 人
◇ 帰宅時間、「19 時以降」は遅いと感じる。独身女性と 3 時間の差
◇ 平日は毎日子どもと一緒に夕食
ほっと一息つける時間 ······························································································································· 8P
◇ ほっと一息つける時間は「子どもが寝た後」。 「ランチタイム」という人も
2
働いている日の必要時間
◇ 睡眠時間は平均 6 時間半 日本人女性の平均より 1 時間短い
◇ 身じたくの時間は 30 分以下 子どものために後回し?
問 1.下記について、あなたの働いている日、1 日あたりの所要時間は平均どのくらいですか。
<平均時間>
ワーキングマザー
働く独身女性(※1)
睡眠時間
6 時間 36 分
6 時間 05 分
食事時間(3 食合計)
1 時間 23 分
1 時間 26 分
27 分
36 分
通勤時間(往復)
1 時間 20 分
1 時間 23 分
勤務時間
6 時間 58 分
8 時間 19 分
身じたくの時間
※1 シチズンホールディングス「働く独身女性の生活時間調査」2011 年 10 月調査
睡眠・食事・通勤・勤務などの「必要時間」について、働いている日の所要時間を聞きました。
「睡眠時間」は 6 時間 36 分でした。独身女性(6 時間 5 分)より 30 分長いのは、夜更かしが
しやすい独身女性と、子育てと仕事の両立のため少しでも睡眠をとりたいワーキングマザーとの
差と言えるかもしれません。ただ、日本人女性の平均睡眠時間 7 時間 36 分(※2)と比べると 1 時
間短く、睡眠が削られていることが分かります。(※2)総務省統計局「平成 23 年社会生活基本調査」
「身じたくの時間」は 27 分と、独身女性と比べると約 9 分短くなっています。朝(出勤前)
の限られた時間に子どもの身じたくや朝食の準備などやることが多く、結局、自分の身だしなみ
は後回しにせざるをえない、というのが現状のようです。
「勤務時間」
(6 時間 58 分)は 7 時間をわずかに切りました。独身女性の 8 時間 19 分と比べ 1
時間以上短いことがわかりますが、子どもが未就学児のため、時短勤務の人が多いのかもしれま
せん。ただし、およそ半数(49.0%)の人が、一般的な勤務時間以上の「8 時間以上」と回答して
います。
◇ 出産前より 42 分早起き、35 分早寝に
問 2.現在と子ども(第一子)が生まれる前の「起床時刻」と「就寝時刻」を教えてください。
<平均時刻>
現在
子どもが生まれる前
起床時刻 平日
6 時 04 分
6 時 46 分
就寝時刻 平日
22 時 53 分
23 時 28 分
起床時刻 休日
7 時 08 分
8 時 28 分
就寝時刻 休日
23 時 19 分
24 時 03 分
子育てをしている現在と、子どもが生まれる前の起床時刻と就寝時刻を聞きました。
働いている日(平日)を見ると、子どもが生まれる前と比べて、起床時間は 42 分、就寝時間は
35 分早くなっています。ちなみに、休日も起床時間は 1 時間 20 分、就寝時間は 44 分早くなって
います。休日も子どもの世話があるためか、全体的に「早寝早起き」になっています。
3
子どもとのコミュニケーション時間
◇ 1 日の子どもとのコミュニケーション時間は 3 時間 10 分
問 3.働いている日、お子様と実際にコミュニケーションをとっている時間(会話をする、ご飯
を食べる、絵本を読む、着替えをする、お風呂に入るなど)は 1 日平均どれくらいですか。
忙しく働いていても子どもとのコミュニケーショ
ンは欠かせません。会話やお風呂、絵本を読むなど、
7 時間
6 時間 1.5%
2.5%
1.8%
2.5%
子どもと直接コミュニケーションをとっている時間
1 時間
9.8%
5 時間
10.3%
を聞いてみました。
「2 時間」
(25.0%)
、
「3 時間」
(27.0%)
、
「4 時間」
(19.8%)にほぼ集中しています。平均はおよそ 3 時
間 10 分でした。
2 時間
25.0%
4 時間
19.8%
3 時間
27.0%
削らざるをえない時間・増やしたい時間・減らしたい時間
◇ 削らざるをえない時間は「睡眠」と「子どもとのふれあい」
◇ 増やしたい時間も「睡眠」と「子どもとのふれあい」
問 4.様々な生活時間において、子育てと仕事を両立するために、「削らざるをえない時間」は何ですか。
また、「増やしたい時間」、「減らしたい時間」は何ですか。
(複数回答)
「削らざるをえない時間」は「睡眠時間」
(40.5%)
、
「子
順位
削らざるをえない時間
%
どもとのふれ合い時間」
(23.8%)がトップ 2 でした。子
1
睡眠時間
40.5
育て・仕事の両立の難しさを象徴する生活時間と言えるで
2
子どもとのふれあい時間
23.8
しょう。
“大切なことなのに、なかなかできない”という
3
身じたくの時間
22.0
もどかしさが伝わります。
4
友人とのつき合い時間
20.3
5
趣味の時間
19.0
では、子育てと仕事を両立するために、
「増やしたい」
(複数回答)
あるいは「減らしたい」と思っている時間は何でしょうか。
「増やしたい時間」トップは「子どもとのふれ合い時間」
順位
増やしたい時間
%
(55.5%)でした。問 3<子どもとのコミュニケーション
1
子どもとのふれあい時間
55.5
時間>平均 3 時間 10 分では、まだ足りないと思っている
2
睡眠時間
40.8
人が半数以上います。2 位は「睡眠時間」(40.8%)です。
3
趣味の時間
20.8
「睡眠時間」と「子どもとのふれあい時間」は、
「削らざ
4
友人とのつき合い時間
17.0
るをえない時間」と順位が入れ替わっています。自分の睡
5
入浴時間
12.5
眠時間よりも子どもとのふれあいを優先したい、という母
親の気持ちの表われでしょうか。
4
次点 身じたく時間 11.5%
3 位以下は「趣味の時間」
(20.8%)
、
「友人とのつき合い時間」(17.0%)と、自分のプライベ
ート時間がランクインしました。
「削らざるをえない時間」3 位の「身じたくの時間」は女性にとって大切な時間ですが、
「増や
したい時間」とする人は 1 割(11.5%)にとどまっています。“当面は仕方がない、我慢しよう”
ということでしょうか。
(複数回答)
一方、
「減らしたい時間」のトップは「通勤時間」
順
位
(30.8%)ととも
(36.8%)でした。3 位「勤務時間」
1
通勤時間
36.8
2
家事時間(炊事・掃除・洗濯)
31.0
3
勤務時間
30.8
4
スマートフォン操作時間
10.5
5
会社仲間とのつき合い時間
9.3
になかなか自分では変えられない時間ですが、子どもの
送り迎えなどもあって、特に減らしたい時間のようです。
2 位は「家事時間」
(31.0%)でした。
減らしたい時間
%
ご主人に協力してもらいたい時間
◇ ご主人に協力してもらいたいのは“子どもの世話”時間
問 5.ご主人に協力してもらいたいと強く願う時間は何ですか。
(複数回答)
順位
%
1
子どもと遊ぶ時間
42.3
2
子どもの入浴時間
41.3
3
掃除時間
33.5
4
子どもを寝かしつける時間
32.5
5
炊事時間
31.5
仕事と育児・家事の両立のためにはご主人の協力は不可欠です。結果はベスト5のうち「子ど
もと遊ぶ時間」が1位、
「子どもの入浴時間」が2位、「子どもを寝かしつける時間」が4位とい
うように、
“子どもの世話時間”が上位に入りました。子ども相手は気を使うだけでなく体力も使
います。ここはご主人の力を借りたいところです。また、
「掃除」や「炊事」など家事も3人に1
人が挙げています。
育児に積極的な「イクメン」
、家事に積極的な「カジメン」の両方を併せ持つ「イクカジメン」
が理想なのでしょうか。
問 3~問 5 をまとめると、子どもとの「ふれあい時間」
「遊ぶ時間」
「入浴時間」
「寝かし
つける時間」といった、いわゆる『子どもとのコミュニケーション時間』は、“仕事など
の事情からある程度「削らざるをえない」が、本当はもっと「増やしたい」
。そのために
も「ご主人に協力してもらいたい」時間”ということがわかります。
やはり、夫婦が協力して子どもとコミュニケーションをとることが、育児と仕事を両立
するために大変重要だということが言えます。
5
理想の勤務時間
◇ 理想の勤務時間は 6 時間。現状より 1~2 時間減らしたい
問 6.育児、仕事どちらも過不足なく実行できる「理想の勤務時間」は何時間ですか。
“理想の勤務時間”を聞きました。
1 時間 1.0%
0.5%
2 時間 0.0%
トップは「6 時間」
(43.5%)、次いで「5
3 時間 1.8%
9 時間 0.8%
時間」
(23.0%)でした。現在の勤務時間の
平均は 6 時間 58 分(問 1 参照)でしたので、
8 時間
9.3%
育児、仕事を過不足なく行うには、現状より
4 時間
8.0%
7 時間
12.3%
「1~2 時間程度減らしたい」というのが本
音のようです。
5 時間
23.0%
「夕食の準備や買い物にもゆっくり時間
を費やせるし自分の時間も少しはある。
」
(6
時間・30 代)、
「家事に余裕が持てる分、子
6 時間
43.5%
供とも心にゆとりをもって接し育児をする
事ができる。
」
(5 時間・30 代)と、5~6 時
間が余裕を持って家事や育児ができる勤務
時間のようです。
3 番目に多い「7 時間」
(12.3%)の人は「6 時間の時短勤務だと仕事が進まないし、8 時間のフ
ル勤務だと帰宅後が慌しすぎる。
」
(30 代)
、
「7 時間の時短勤務だったが、仕事の疲れもさほど強
くなく家事をする余裕があった。
」
(20 代)と答えています。
また、約 1 割ですが「8 時間」以上とした人がいます。理由としては「時短だと仕事のストレ
スが半端ではない。
」
(8 時間・30 代)
、
「もっと働きたいが、子供との時間を優先するにはこれ位
が限界。
」
(9 時間・30 代)という回答もありました。
6
帰宅の時間
◇ 仕事で遅くなる日は「ない」という人が 3 人に 2 人
◇ 帰宅時間、「19 時以降」は遅いと感じる。独身女性と 3 時間の差
◇ 平日は毎日子どもと一緒に夕食
問 7.働いている日のうち、比較的帰宅が遅くなるのは何曜日が多いですか。
(%)
帰宅が遅くなる曜日を聞きました。3 人に 2 人(62%)が
「遅くなる曜日はない」と回答しています。働く独身女性
の約2割(23.2%)と比べて大きな差があります。
多くが時短勤務制度を理由として挙げていますが、
「残業し
ないように帰れるよう周囲のサポートがある。」
(30 代)
、
「間
に合わなかったら、先輩が代わりにやってくれるから。」
(20
代)など勤務環境や周囲の理解によって早く帰れているよ
うです。
曜日
ワーキング
マザー
働く独身
女性
月曜
火曜
水曜
木曜
金曜
土曜
日曜
ない
8.3
2.5
2.3
4.5
17.0
2.5
1.0
62.0
16.2
11.0
8.8
17.8
44.0
20.3
5.2
23.2
曜日別では金曜日(17%)が最も多く、
「仕事を来週に持
ち越したくない。
」
(30 代)など一般的な理由が大半な中、「次の日が休みだから、子供の寝かし
つけが遅くなってもいいかなと思ってしまう。」
(30 代)とワーキングマザーらしい理由もありま
した。
(%)
問 8.働いている日のうち、あなたの考える“遅い帰宅時間”とは何時
時刻
以降の帰宅のことですか。
ワーキングマザーが「遅い」と感じる帰宅時間は何時頃なので
しょうか?
「19 時以降」
(39.5%)がトップでした。次いで「18 時以降」
(26.0%)も4人に 1 人が答えています。働く独身女性では「22
時以降」
(25.0%)がトップでしたので、3時間程度の開きが見
られます。子どものお迎えの時間とも関係があるようです。
問 9.働いている日のうち、お子様と夕食を一緒にとる日は平均して週
に何日ですか。
夕食も子どもとのコミュニケーションの大切な時間です。働いて
いる日に子どもと夕食を一緒に取るのは「5 日」
(47.8%)が最も
多く、次いで「6 日」
(36.5%)です。平日は 8 割以上がほぼ毎日、
子どもと夕食をとっています。
7
17 時以降
18 時以降
19 時以降
20 時以降
21 時以降
22 時以降
23 時以降
24 時以降
1 時以降
2 時以降
3 時以降
ワーキング
マザー
働く独身
女性
8.5
2.3
6.7
15.8
18.3
25.0
17.2
12.0
1.3
1.0
0.3
26.0
39.5
17.5
3.8
3.5
0.3
1.0
-
日数
%
1日
2日
3日
4日
5日
6日
なし
0.0
1.8
2.3
4.3
47.8
36.5
7.5
ほっと一息つける時間
◇ ほっと一息つける時間は「子どもが寝た後」。 「ランチタイム」という人も
問 10.働いている日のうち、1 日の中で「ほっと一息つける時間」は何時頃ですか。
順位
時刻
%
1
22 時頃
31.3
2
21 時頃
21.5
3
23 時頃
14.0
4
20 時頃
7.0
5
12 時頃
5.8
子どもが寝た後
ランチタイム
最後に、忙しい毎日の中でほっと一息できる時間はいつか聞いてみました。トップ 3 は「22 時」
(31.3%)
、
「21 時」
(21.5%)
、
「23 時」
(14%)でした。
「子供が寝た後にゆっくりできる」
(22 時・40 代)
、
「子どもも寝て自分の時間が作れるから」
(21 時・30 代)
、
「子供を寝かしけ、一通りの家事が終わるから」
(23 時・30 代)など、子ども
が寝静まり、家事も一段落する時間がほっとできるようです。
「子どもの寝顔を見るとほっとする。
」
(21 時・20 代)と言った声もありました。
中には、昼の「12 時」
(5.8%)を挙げている人もいました。「会社でのお昼休みだけが唯一 1
人だけの時間。
」
(30 代)
、
「子どものいない会社での休憩時間がほっとできる。
」
(20 代)といっ
たように、会社でのランチタイムもワーキングマザーにとって貴重な時間だということがわかり
ます。
少数意見では、
「朝早起きしてすぐ自分の時間にしている」
(5 時・30 代)
、
「子供が起きる前の
30 分が自分の時間」
(6 時・30 代)など、早朝の 5 時・6 時という人もいました。
一方「ほっと一息つける時間が無い。強いて言うなら子どもを保育園に送ってから私が会社へ
行くのに家を出るまでの 5 分ぐらいしかない。
」
(7 時・20 代)という人も。
いずれにしても、自分一人になれる時間が「ほっと一息つける時間」です。
以上
8