思う心は時を経てもなお続く

思う心は時を経てもなお続く
豊平区
彼女との出会いは 2007 年の初冬になる。我家
が受け入れをした日本語学校の生徒が、後日仲間達
と再訪してくれたときの一人だった。
小柄で、色白、寒がりなのか他の誰より厚着をし
ていた。香港から日本語を学びに来ている事、一人
っ子である事、彼が香港にいる事などを我家を訪れ
るたびに色々話してくれた。札幌滞在中は「お母さ
ん、明日行ってもいいですか?」と電話が来る。そ
香港の
香港の新婚さんと
新婚さんと
して、
「香港家庭料理」を作ってくれる。魚介や鶏肉
を使った野菜たっぷりの料理はとても美味しかった。
1 年間の語学留学の終わりを 3 月に控えて、2008 年の 2 月末には彼女の家族(両親、叔
母、従兄弟、従兄弟の子)が札幌を訪れた。時間のない中、皆さんで訪ねてくれて、雪遊び
を楽しんだ。それから 1 月後、香港に帰国する彼女を彼が迎えに来た!
帰国後しばらく音信が途絶えていた 2010 年の秋、「ごめんください」の声。我家の玄関
にはあの背の高いイケメンの彼と小柄な彼女の笑顔が!!「お父さんお母さん!来たよ」の
後は言葉にならず肩を抱き・・・話を聞くと、新婚旅行で北海道に来たとのこと。そして、
香港の色々な景勝地で撮影した、今流行の素晴らしいプロモーション写真も見せてもらった。
2011 年 11 月初旬、私たちは香港を訪れた。二人の住まいは、新香港国際空港に向かう
途中の島に新興住宅都市として開発された「パークアイランド」の高層マンションだった。
そこでは、3年前にあったご両親と叔母様が、手料理を準備して待っていてくれた。なんと
丁度旬の上海カニが!飲物にビールをお願いすると上海カニの時はビールを飲んではいけな
いとのことだった。彼女が食べないのでどうしたのかと聞いてみると「妊婦は食べちゃいけ
ないのぉ~・・・>_<」と残念そうに答えた。薬膳スープの鍋の中には黒い1羽の鳥が・・・
「鵜」だという。鵜の鳥肌が黒いことを始めて知った。上海カニを食べた後には生姜と黒糖
の暖かい飲物を飲むのもきまりだそうで、カニを買うとパウダーの生姜と黒糖のシロップが
付いてくるのだと言う。郷に入ってみて初めて知ったことだった。
ホストファミリーとなって早10年以上。沢山のゲストとの出会いがあったが、時を経て
もなお続いている交流に、来てくれたゲストと、受け入れをささえてくれた家族への感謝の
思いを、ゲストの住む街を訪ねることで伝えられたらと思っている。