島事研ビジョン 2015

島事研ビジョン 2015
はじめに
島根県公立小中学校事務職員研究会は、設立40周年の平成22年度に、新たな学校や
学校事務に求められている学校事務職員の役割を明らかにし、島事研の使命や活動の方向
性をまとめ、10年先を見据えた未来像と向こう5年間の行動計画として『島事研ビジョ
ン 2010』を策定しました。
このたび、
『島事研ビジョン 2010』の計画期間である平成22年度から平成26年度ま
での5年間の取組をまとめ、総括を行いました。
「島事研のミッション」や「学校事務職員のめざす姿」を明示することで、これまで会
員が個々に抱いていた意思を全体で共有することができつつあります。
さらに、「島事研の目標」を設定し、目標達成にむけて5つの取組の柱をたて活動を進
めることで、「学校経営の専任スタッフとして、校長の示す学校のビジョンや目標を具現
化するため、学校財務を中心として、これからの学校経営に必要な学校事務をマネジメン
トする」という学校事務職員のめざす姿に近づき、「島根の未来を切り拓く子どもたちの
豊かな育ちを支援する」というミッションの達成を実現しようとする意識が高まってきま
した。
しかし、
『島事研ビジョン 2010』についての丁寧な説明ができないまま中期活動計画に
そった新しい取組を進めたことや、
『島事研ビジョン 2010』と島事研組織、管内・市町村
の事務研等の組織、会員個人との関係が明確ではないことなどが要因で、取組が広まりに
くい状況でした。
一方、学校を取り巻く社会情勢の変化、環境の複雑化・困難化により学校に求められる
役割が以前にも増して拡大化し多様化しています。また、平成23年3月11日に起きた
東日本大震災により、これまでの人生観や価値観、効率や便宜を求めてきた社会システム
が問われるようになってきました。地域のあり方が見直され、コミュニティを再構築する
動きが高まってきました。国の教育改革の流れの中でも、学びを通じて自立・協働型の社
会づくり地域づくりを推進していくことが求められています。そして、地域とともにある
学校づくりの推進に関する動きも加速しています。その推進方策として、事務機能の強化
やマネジメント力を持った管理職・教職員の育成などが求められ、学校事務の共同実施を
通して事務機能の強化を図ることも有効な方策とされています。
こうした内外の状況を受けて、平成22年度に策定された『島事研ビジョン 2010』を
受け継ぎ、
『島事研ビジョン 2015』を提案します。
1
ミッション
島根の未来を切り拓く子どもたちの
豊かな育ちを支援する
私たちの働く小中学校の子どもたちは、未来の島根を支える大切な社会の宝です。学校
事務職員はこの変化の激しい社会の中で子どもたち一人ひとりが自立して心豊かに生活で
きるよう、また他の人と協働して希望のある地域社会を支え発展させることができるよう
成長してほしいと願っています。
島根県公立小中学校事務職員研究会はその活動を通じて、島根の未来を切り拓く子ども
たちの豊かな育ちを支援することを使命と考えます。
2
学校を取り巻く情勢
社会情勢の変化
少子高齢化社会や地域社会家庭の変容、社会格差の増大・固定化、産業構造・雇用の変
化、グローバル化の進展などを背景に、教育を取り巻く社会情勢は大きく変化しました。
こうした社会情勢を背景に起こっている社会の二極化は、教育にも二極化を引き起こし、
子どもの学力学習意欲の低下、規範意識の低下、体力の低下など、様々な課題となって表
れてきています。さらに、いじめや体罰などの教育問題が社会問題にも発展してきていま
す。
このような中で発生した東日本大震災により、これまでの人生観や価値観さえも、今ま
でのあり方に疑問符を投げかけるものとなり、地域のあり方が見直され、コミュニティを
再構築する動きが高まってきました。また、学校に対する考えが大きく変わる契機となり、
子どもを中心にした学校・地域や家庭のあり方や関係を構築し、地域全体で子どもを育て
ていく、地域とともにある学校づくりが推進されています。
島根の地域の状況と教育課題
人口減少---------------------------→学校の小規模化
高齢化少子化-----------------------→地域の規範や伝統の引継ぎの困難さ
地域の人間関係の希薄化-------------→地域の教育力の低下
家族関係の多様化-------------------→家庭の教育力の変化
3
これからの学校
学校を取り巻く環境の複雑化・困難化により、学校に求められる役割が、以前にも増し
て拡大し多様化しています。
学校の自主性自律性の確立が求められ、特色ある教育活動が展開されるよう学校への権
限の委譲や裁量権の拡大が進み、責任ある学校経営実現のための様々な制度がもたらされ
ています。学校は公教育として社会へ説明責任を果たすことも求められています。
教職員がチームとして力を発揮するとともに、保護者や地域住民の参画を得ながら地域
の特色や課題を見極め、地域を学び課題を克服しながら地域社会を支える子ども達の育成
をめざさなければならないと考えています。
(1)地域とともにある学校:保護者や地域住民の参画した地域協働の学校づくり。
(2)チーム学校:教員の専門性や職務の見直し、教員と事務職員との役割分担の見直しや
多様な職種との協働により学校の教育力を高める。
(3)特色ある教育活動:目標を明確にし、地域の状況を踏まえ特色ある教育活動を展開す
る。
(4)評価と情報公開:教育活動の結果を検証し保護者や地域へ公表する。
(5)教職員の資質能力の向上:教職員の質を高め、教育の質を高める。
4
これからの学校経営に必要な学校事務
これからの学校経営に必要となる学校事務は、従来にも増してその質の深まりが重要に
なってきます。地域とともにある学校づくりを推進し、教育力を向上させるためには、経
営的視点に立って人・もの・情報を効果的に配した組織的な教育が有効であると言われて
います。それを実現するための学校事務の重要性を認識し、強化していくことが必要とな
ってきます。
また、学校の自主性自律性の確立はかねてから言われていることですが、説明責任の果
たせる財務運営など、学校事務の課題としても求められています。
少子化等の社会環境の変化や地域・保護者のニーズの多様化等に対応し、地域の核とし
て学校が存在感を発揮し、教育効果を高めていくためには、安全・安心で質の高い教育環
境整備が求められています。そして、マネジメント力の強化を図り、全体として学校力を
向上させていくことや教員だけでなく専門性を持った様々な職種が協働して学校運営に
あたるチーム学校を組織することで、学校運営体制の強化を図る必要があります。
(1)地域とともにある学校を意識した教育支援
(2)学校の自主性自律性を支え、説明責任の果たせる財務運営
(3)安全・安心で質の高い公教育を支える教育環境整備
(4)効果的な学校事務システムの構築
5
学校事務職員に求められる役割とめざす姿
学校にはさまざまな教育課題への対応が求められていますが、その課題に対応していく
ためには、学校組織全体の総合力(学校力)を高めていくことが重要です。学校内におけ
る教職員の役割分担や連携のあり方を見直し改善していくことなどにより、学校組織全体
が一つのチームとして、力を発揮することが求められています。
学校事務職員として学校力の向上に資するためには、子どもの学びの環境を他の教職員
等とともに創造し、学びの質を高めること(=学びの環境をデザインすること)が重要で
あると考え、めざす姿を次のように示します。
学校力向上につながる
学びの環境をデザインする学校事務職員
授業を始め、様々な場面に積極的に関わり、質の高い教育を提供する学校づくりをめざ
す学校経営に積極的に関与し、学校組織運営の意思決定に参画していくことが重要です。
学校経営の専任スタッフとして、校長の示す学校のビジョンや目標を具現化するため、
学校財務を中心としてこれからの学校経営に必要な学校事務をマネジメントすることが
学校事務職員に求められる重要な役割であると考えます。それは、管理職や他の教職員等
との協働により実現するものであり、教育委員会事務局・公民館など地域の機関との連携、
地域学校間連携による事務職員の組織化により可能となります。
初期の決められた事務を処理する段階から、必要な事務を企画し創造できる段階に、そ
して学校経営のあらゆる事務を総括、すなわちマネジメントする段階へとキャリアアップ
を進めながら、めざす姿に迫ります。
※ここでいうデザインするとは
現状を少しでも望ましいものに変えようとするための一連の行為をいいます。課題を発見して、解
決するためのプランを考え実現することなどをいいます。
6
島事研の課題(「ビジョン 2010 総括」より)
(1)これからの学校経営に必要とされる学校事務の研究の継続・発展
(2)学校事務職員の研修の充実
(3)より効果的な情報共有
(4)世代交代による人材育成・学校事務の継承
(5)学校事務職員の役割の追及
(6)事務グループの活性化
(7)島事研組織の見直し
(8)島事研と諸団体との連携
7 島事研の目標
「学校力向上につながる学びの環境をデザインする学校事務職員」
をめざした諸条件の整備
8 目標達成に向けての取組
(1)学校事務の研究
これからの学校経営に必要とされる学校事務のあり方について研究を行います。
学校事務職員のめざす姿に向けてより具体的な職務について研究を行います。
(2)学校事務職員の研修の充実
文科省が提案するチーム学校では、学校事務職員はマネジメント職員としての
機能を発揮して学校力向上に努めることが求められています。そのための研修体
系の整備、キャリア形成高度化に向けての研修体系の整備を行います。
(3)広報活動の充実と情報収集・情報発信
学校事務の情報収集と情報提供と広報活動の充実をはかります。島事研の活動
状況を会員にわかりやすく知らせるとともに、外部への広報活動を充実します。
さらに会員の意識啓発につながる様々な情報を発信します。
(4)諸機関、諸団体との連携
・県教育委員会・教育センター等との連携
研修等学校事務職員の諸制度についてより良いあり方をともに考えます。
・全事研や中国地区事務研・他県研究会との連携
様々な研究団体との連携をとおして県外の情報の収集と情報の発信を行います。
・県校長会、教頭会等との連携
学校事務や学校事務職員の役割への理解を広め、効率的で説明責任の果たせる
学校事務をともに考えます。
(5)その他目標達成に必要な諸条件の整備
・事務グループ活動充実に関すること
・島事研組織に関すること
9 島事研の取組(年次別活動計画)
具体的取組内容
学
校
研
事
究
務
の
研事
修務
の職
充員
実の
報広
収報
集活
・動
整の
備充
実
と
情
携諸
機
関
・
諸
団
体
と
の
連
要そ
なの
諸他
条目
件標
の達
整成
備に
必
年 次 別 活 動 計 画
平成27年度
平成28年度
平成29年度
平成30年度
平成31年度
・第五次研究中計画の推進
・全事研中国ブロック大会
発表研究
・任命権者研修への提案
研修内容の検証と提案
・研修制度の確立
地教委・事務グループ・学校が連
携した研修プログラムの企画、検討
・島事研研修活動の充実
目標・テーマに沿った研究大会、セ
ミナーの内容検討
・島事研活動の会員への浸透 広報活動の検討
・関係諸機関・一般への情報発
広報誌・HPの内容充実
信
・各地域事務グループ活動の 関係諸機関への広報誌の送
情報収集・発信
付、原稿依頼
・研修情報・全事研・他県活動
全事研調査のとりまとめ
情報の収集・発信
・事務職員情報の収集・整備
・県教委と事務職員をつなぐ
・地教委・校長会・教頭会
・全事研・中国事務研・他県
事務研
・事務グループ活動充実に関
すること
・島事研組織に関すること
・その他アクションプラン
県教委へ事務職員及び
学校事務に関する情報
提供等
地教委・校長会・教頭会
への学校事務に関する
情報の提供と意見交換
・全事研島根支部として全事
研情報の提供
・他県事務研との情報交換
・中国地区事務研島根県開催
全事研大会【中国ブロック担当】
10
島事研の組織
研
究
理事会
隠岐島前
理事会は会長・副会長・理事・事業部長及び事務局長で
構成する。理事会は会長が招集し、会務を執行する。第
6条(1)について代議員会に推薦することができる。
隠岐島後
委
松江市
員
安来市
市
会
出雲市
雲南市
郡
仁多郡
飯石郡
理
大田市
(
代
議
員
浜田市
会
総
会
長
副
事
江津市
会
邑智郡
長
益田市
会)
鹿足郡
監
査
事 1.庶務・会計
1.研究中期計画に基づく研究及び検討
務 2.会議録・その他
事 研究部
局
業
部
長
2.事務職員制度の確立のための研究
1.研究大会の企画
研修部
2.その他研修に関すること
1.会報の発行・その他広報に関すること
広報部
2.情報収集・統計調査に関すること
役員会
県大会準備委員会
役員会は会長・副会長・事業部長及び事務局長で構成する。
但し、第4条により会長が必要と認めたものを加えることができる。
本会は研究会の運営に関する企画・立案にあたり、必要に応じ理事
会から委任された事項及び緊急事項を処理する。
第五次研究中期計画
1.研究テーマ
「学びの質の向上につながる学校事務の展開
~教育活動へのより深い関わりをとおして~」
2.研究テーマの設定
私たち学校事務職員は授業をすることはない。しかし学校で働く者として、学校教育目標を達成
し児童・生徒が豊かに育つため、教育活動の充実・学びの質を高めていくことは当然の責務である。
第五次研究中期計画では、“児童・生徒の学びの質の向上につながる学校事務職員の教育活動への
関わり”に焦点をあて研究を進めていきたいと考える。
第五次研究中期計画では、第四次研究中期計画のテーマであった“教育課程づくりへの参画”と
いう考えを継承し基盤に置きつつ、さらに取組の質を高め、広げ、また応用できるものへと発展さ
せていきたい。テーマを「学びの質の向上につながる学校事務の展開(*1)~教育活動へのより深い
関わり(*2)をとおして~」と設定し、経験やキャリアステージの違い、学校規模・市町村の環境等
の課題に応じて柔軟に取組を進めながらテーマにせまりたい。
学校事務職員ができる“教育活動へのより深い関わり”とは何だろうか? 最初に述べたように、
授業をする等の直接的な関わりを持つことはないが、児童・生徒が安全に学校生活を送るため、ま
た教員がより児童・生徒にとってわかりやすい授業を行うために、財務・情報等の学校事務職員の
職務をとおして教育活動に影響をもたらす間接的な関わり(*3)を持つことはできる。
間接的な関わりであるからこそ、ゴールである“学びの質の向上へのつながり”を明確にイメー
ジすることができなければ、どんな関わりを持つべきか、どんな取組をすべきかが見えてこない。
しかし、それがイメージできれば取組の幅は格段に広がり、児童・生徒の安全で快適な学習環境づ
くり、教員の授業環境の充実、学校と地域の連携等を実現し、そのことが“学びの質の向上”につ
ながるであろう。
このように考え、個人・または事務グループ等で連携し市町村単位で取組を進めていくことで、
教育活動へのより深い関わりが生まれ、児童・生徒の学びの質の向上につながる学校事務が展開さ
れるであろう。また学校事務職員の職務のやり甲斐をさらに高めることにも結びつくのではないだ
ろうか? 会員の共通理解のもと、研究テーマに沿った取組を進めて行くことを、島事研がめざす姿
として掲げている「学校力向上につながる学びの環境をデザインする学校事務職員」、そして島事
研ビジョン2015のミッションである「島根の未来を切り拓く子どもたちの豊かな育ちを支援する」
の達成のためのひとつの歩みとしたい。
3.研究の方法
(1)“学びの質の向上”についてのイメージ化 (ゴールイメージ)(*4)
テーマにせまる具体的な目標設定、目標達成のため、各学校、各市町村・事務グループの実
態にあわせ、“学びの質”や“学びの質の向上”についてイメージ化を行う。
(2)“教育活動へのより深い関わり”をとおした目標設定
テーマにせまるために2つの領域から“学びの質の向上”につながる目標を設定する。
①安心・安全な教育環境の整備(*5)
第四次研究中期計画で理解を深めた“財務マネジメント能力”を生かして、児童・生徒が安
心して安全に学校生活を送り授業を受けるための教育環境整備をする。
②地域とともにある学校づくりの推進
第四次研究中期計画で“情報共有によるつなぐ役割”を意識した取組を行ってきたが、それ
をさらに発展させ、地域とともにある学校づくりの推進に向けての具体的な取組を広げて
いく。
(3)課題解決のための共通視点の設定
島事研のみならず全県的に喫緊の課題としてあげられている“世代交代”を視野に入れて取組
を進めて行けるように「前向きな世代交代(*6)~実務をとおした指導・育成~、~実務をとお
して感じる成長~」という共通の視点を設定し、取組に組み込むことを提案する。
私たちは世代交代に直面しており、問題・課題としてあげられることによりマイナスイメー
ジでとらえてしまうことが多い。しかし第五次研究中期計画をとおして、指導・育成すること
で得られる自分自身の学びや気づき、教えられ挑戦することで得られる達成感等を生み出し、
経験年数や年齢、立場にかかわらず、誰にとってもプラスの要素をもたらす前向きな世代交代
に貢献したい。
(4)研究方針
①取組に対する評価の改善・充実を図る。
②会員の積極的な関わりを得る。
③実態にあった研究を推進する。
(5)具体的な取組の視点と方策
(4)研究方針をふまえ、会員が経験やキャリアステージに応じた達成感・成長感・有用感・
仕事自体の楽しみを感じることのできるよう、また内発的動機を生み出すことのできる仕掛け
を作りながら研究を進めていく。
①実態調査の実施
・わくわく実践ナビの活用追跡調査
・会員の研究に対する関心実態調査
・学校事務職員に対する外部(教育委員会・管理職等)からのニーズ調査
②新発想型の取組の提案
・島事研型アクティブラーニング:能動的学習(ミニ実践発表)
・逆転発想マネジメントシート(後付け方式)
③マネジメントシートの改善と利用法の工夫
④キャリアステージに応じた支援や手法の紹介
⑤具体的な実践例の紹介と収集(アプローチリストに追加)
⑥経験年数が浅い事務職員と対話できる機会の設定
⑦次につながるわかりやすい評価の研究・提案
⑧研究テーマに沿った取組を進めるためのマネジメント研修(研修部との連携)
4.第五次研究中期計画における言葉の解説と定義
(*1)学びの質の向上につながる学校事務の展開
「学びの質」とは、児童・生徒が学校生活で得る全てのことの中身・内容である。よっ
て「学びの質の向上につながる学校事務の展開」とは、児童・生徒が学校生活において得
る全てのことの内容が現状以上のものになるために、学校事務職員が職務をとおしてでき
ることを考え実践していくこととする。
(*2)教育活動へのより深い関わり
「教育活動」とは児童・生徒が関わるすべての活動、児童・生徒につながるすべての活
動ととらえる。
「より深い関わり」とは、自分の教育活動への関わりがキャリアステージに応じたもの
になっているのか等について振り返り、もう一歩踏み込んだ狙い・視点を持ち教育活動へ
関わりを持つとこととする。
また、さらに一段ギアを上げて“自分の関わり次第で学びの質が変わる”というぐらい
の意識をもって教育活動に関わっていきましょう!!というメッセージを 「より深い関わり」
という言葉に込めている。
(*3)教育活動に影響をもたらす間接的な関わり
「教育活動に影響をもたらす」とは、教育活動に良い変化や影響を生み、ひいては学び
の質の向上につながることととらえたい。
「間接的な関わり」とは、授業・指導等の主に教員が携わる直接的な関わりではなく、
財務・情報等事務職員の職務をとおして教育活動へ関わることとする。
★補足★
~幅広く積極的に「間接的な関わり」を考える~
例えば
○効果・成果をダイレクトに感じることができる関わり
児童・生徒対象にアンケートをとって備品を購入する
○効果・成果を把握しづらい関わり
HPで地域に学校の様子を発信する
○自分が前面に出る関わり
○自分が前面に出ない関わり
企画(企み)
・巻き込み・調整(操り)気配り(仕向け)、根回し
等々いろいろな手法、視点、効果をもつ「間接的な関わり」が考えられる。
実態に沿って、また場面によって、教育活動にどのような「間接的な関わり」を持つの
がベストなのか、その都度積極的に選択していくことが大切であると考える。
(*2)(*3)より、第五次研究中期計画で事務職員が行う「教育活動への関わり」は、
全て「間接的な関わり」を意味するものとする。
(*4)イメージ化(ゴールイメージ)
いつ、何が、どのような状態になっていれば、この取組(自分の学校・地域の児童・生
徒の実態から求められている「学びの質の向上」につながる学校事務の展開←ゴール)は
OK なのか?具体的にイメージすること。
(*5)安心・安全な教育環境の整備
「教育環境」とは、児童・生徒を取り巻く周囲の“人・物・事・情報”の状況や状態を
指す。
つまり「安心・安全な教育環境の整備」とは、児童・生徒にとって学校が安心・安全に
生活できる居場所になるために、教育環境を財務等事務職員の職務をとおして整備してい
くことである。
(*6)前向きな世代交代
「前向きな世代交代」とは、
“誰にとってもプラスの要素をもたらす世代交代”であると考
えている。
先輩の立場からは、指導することで後輩に知識を与えたり、実務の方法を伝えるだけで
はなく、自分自身の姿・あり方・生き方を見せることが大切だと考える。自身の姿から後
輩に何かを伝えるためには、自己研鑽を怠らず、新しいことにチャレンジするなど、常に
向上心をもち自分を成長させていくことが必要である。
後輩の立場からは、先輩からの教えをきちんと覚えることはもちろんのこと、受け身の姿
勢ではなく、先輩の姿から積極的に学ぼうとする意識をもってほしいと考える。
このように考えると“誰にとってもプラスの要素をもたらす世代交代”は、年齢、経験
年数に関係なく、ひとりひとりが常に成長し続けようとする意識をもつことから生まれる
ものではないであろうか?
そして単なる世代間のバトンタッチではなく、世代が重なり合い生み出されるものを大
切にしながらの「前向きな世代交代」が実現されていくことを願う。
※第五次研究中期計画
◆島事研ミッション
「島根の未来を切り拓く
子どもたちの豊かな育ちを支援する」
◆島事研目標
「学校力向上につながる学びの環
境をデザインする学校事務職員」
をめざした諸条件の整備
◆島事研研究テーマ
学びの質の向上につながる学校事務の展開
~教育活動へのより深い関わりをとおして~
安全・安心な
地域とともにある
教育環境の整備
学校づくりの推進
◆課題解決のための共通視点
前向きな世代交代
~実務をとおした指導・育成~
~実務をとおして感じる成長~
経験年数・キャリアステージ
学校規模・市町村・地域の実態
教育活動へのより深い関わり
島事研ビジョン
研究大会について(第五次)
「第五次研究中期計画」を受け、次のように研究大会を開催する。
1
持ち回り主管方式について
市郡単位での主管開催も検討しつつ、現行の事務所管内持ち回り主管方式で開催する。
2
「研究大会運営マニュアル」による企画・運営を行う。
研究大会の企画は研修部が行う。
「研究大会運営マニュアル」に従い研修部・準備委員会・役員会で連携して、準備・運営を
行う。
3
開催時期について
「しまね教育ウィーク」の間に開催することを原則として計画する。
(11月1日~7日)
4
研究発表について
(1)発表形態
全体会
(2)発表数
2
各管内持ち回りの研究発表は次のようにする。
開 催 年 度
大 会
主管管内
研 究 発 表
平成27年度
第46回
松
江
隠 岐・松
江
平成28年度
第47回
出
雲
出 雲・浜
田
平成29年度
第48回
浜
田
松 江・益
田
平成30年度
第49回
益
田
中国ブロック大会中間発表
平成31年度
第50回
松
江
大会総括
○各地区の研究発表については、島事研の研究テーマに沿った研究になるよう、研究部
と連携をとりながら研究をすすめる。
・各地区が発表に向けての取組をスタートさせた時点から、研究部は地区の要望に応じ
協力する。
・発表年度には、集録用の原稿を提出する前に、発表責任者と研究部で打合せを行い、
研究発表について最終確認をする。
○研究部は総括の年に研究発表を行う。
5
講演について
毎年実施する。
研究テーマに沿った講演講師を研修部で提案し、役員会にて決定する。