の先にあるもの・・・

わたしたちの毎日の生活の中でも、ときには「もう無理!!」と思うことに
の先にあるもの・・・
もう無理!
突然ですが、みなさんはこの夏、海に行きましたか?
7月29日放送の、NHKおはよう日本のニュースによると、最近海に行ったことがない若者が増えている
遭遇することがあります。そんなとき、あなたはどうしますか?
すぐにあきらめて、楽で、苦しくない「船」に乗ろうとしていませんか?
実は、初めて何かに挑戦するよりも、失敗したこと、できなかったことに再挑戦するほうが、勇気もエネル
ギーも必要です。だからこそ、「もう無理!!」と思っても、簡単にあきらめないでほしいのです。
そうです。
このニュースでは、海についてさまざまな研究を行っている海洋大学新入生が参加する、1時間の遠
泳実習が取り上げられていましたが、参加する学生の半分が、海で泳ぐのが初めてということでした。
その中に、全く泳げない学生Sさんがいました。彼はまずはプールで泳ぐことから始め、なんとか泳ぐこ
もちろん、無理は禁物です。場合によっては取り返しのつかない事故につながることもあるからです。
実際この遠泳実習の前には、海の怖さを知ったうえで、それを克服し、自分を守る方法を学ぶ時間もあ
りました。
とはできるようになりましたが、実際の海は冷たく塩辛く、また潮の流れがあって思うように泳げないの
で、なかなか浮き輪から離れられず、恐怖心さえ抱いていました。
そんな彼が、特に泳ぐのが苦手な仲間たち18人と遠泳実習に挑戦しました。Sさんは最後尾です。
「みんなの体には、肺という浮き袋がある。だから息を大きく吸ってじっとしていれば
泳がなくても沈むことはない。まずは自分の体を信じてください」
苦しく長く、先が見えない遠泳の途中で、ついにSさんは叫びました
津波で流されながらも生還した人のメッセージです。
「無理です!」
溺れそうになったら、やみくもに泳ごうとして体力を消耗するよりは、息を大きく吸って落ち着いて、力を
「大丈夫!できるよ!!!」先生たちからの励ましを聞いてなお彼は叫びました。
抜けばいいのです。怖いのはパニックになってしまうこと、体中に力が入ってしまい、息を十分に吸えなく
「無理です!!!助けてください!!!!」
なることなのです。
しかし船に乗って付き添っていた先生たちは、彼を助けることはしませんでした。
もしあなたが、苦しく長く、先が見えないようなつらいことに出会ったらまずは深呼吸してみましょう。
そのかわりに一緒に泳いでいた仲間たちから
そして、解決を急いであせったり落ち込んだりするのではなく、まずはそこに浮いていること・・・
「ファイト!」「あともうちょっと!がんばれよ!!」という応援と励ましの言葉がかけられました。
つまり、とりあえず今をどうすごすかを考えましょう。
浮いているうちに、どこからか助けが来るかもしれないし、いつの間にか岸(解決)に近付いているか
その言葉に力づけられてSさんは泳ぎだし、最後には周りを気遣いながら泳げるまでになり、1時間20
分かけて、2kmを泳ぎ切ったのでした。
後日Sさんはインタビューにこう答えていました。
♪
「泳ぎきって、気持ちよかったです。
次何かあれば、また同じようにがんばれると思います」
もしれないし、つかまるものが流れてくるかもしれないからです。
またできれば・・・励ましあえる仲間、友だちをみつけましょう。「自分もつらいけど、あの子もがんばって
る」そんな友人の存在は、どんな言葉よりも心強く、自分を強くしてくれます。
ちなみにわたしは・・・
みなさんがSくんのように「無理です!助けてください!!!」と言ってきたときに、
その表情は、泳ぐ前の不安に満ちたおどおどしたものとはうってかわって、自信に満ちた、いい笑顔でし
すぐに船に助け上げるのではなく、ちょっと一休みして息を整え、もう一度泳ぎ
た。
だすためにつかまれる浮き輪のような存在でありたいと思っています。
Sさんが「もう無理!!助けてください!!」といったときに、船に引きあげて助けるのは簡単でした。
つらかったら、疲れたら、もう無理だと思ったら、いつでもつかまっていいから、もうちょっとがんばってみ
しかしもしあのとき彼が泳ぐのをあきらめてしまったら・・・
よう!ゴールをめざしてみよう!そして、もう無理!の先にあるものを一緒に見てみよう!
この笑顔も、彼がみつけた小さな自信もなかったことでしょう。
そんな気持ちで、保健室でみんなを見守っています。。
それどころか、海を見るたびに挫折した自分、だめだった自分を
もちろん、「これはもう無理だな」と思えば、すぐに助け上げる準備もしていますから、
思い出してしまい、海について学ぶ海洋大学の生活は苦しく
たった一人で先の見えない「広い海」で、悩んだり、困ったり、苦しんでいる人がいたら・・・
つらいものになったかもしれません。
「もう無理!!助けてください!!」と声をかけてくださいね。