スライド - 東京工業大学土木計画・交通計画系研究室

2015年3月9日
土木学会土木計画学研究 土木計画学ワンデーセミナー No. 73
ここ数年の間につくばの街は日々刻々と変化しています。
6年間で人口が1万2千人増加。
2008年
都市構造や交通網も大幅に変化。
2014年
20.7万人※
つくば市における
交通関連ビッグデータの
収集・活用の取り組み
21.9万人※
2013年 環境モデル都市に選定
2011年 つくバス路線網の大改編
つくタク運行開始
2010年 つくばJCT~つくば中央IC間が開通
つくば市役所新庁舎完成
つくば市
筑波大学
国土交通省国土技術政策総合研究所
今井龍一・橋本浩良
つくば環境スタイルの策定
2006年 つくバス運行開始
2005年 つくばエクスプレス開業
※ 4/1時点の常住人口
1
2000年の道路ネットワーク(DRM1200)
2006年の道路ネットワーク(DRM1800)
つくば駅
圏央道
TX
2
3
2014年の道路ネットワーク(DRM2603)
交通実態の把握は?
そもそもどんな交通関連データがあるのか?
つくば市役所
つくば駅
圏央道
TX
地図の鮮度・精度・網羅性を確保し、
経年変化にも対応した
分析・可視化基盤の必要性
統計資料があったな・・・
4
統計調査は、5年や10年毎に実施されています。
つくば市は自動車利用が6割を超えるクルマ社会です。
4年前の調査結果。次回の調査予定は2015年。
区域別の夜間人口
5
ただし、これは
6年前(2008年)の統計調査の結果です。
路線別の交通量
つくば市の発生集中交通量の手段構成比
自動車
64%
国勢調査(2010年)
二輪車 自転車
14%
1%
鉄道 バス
6% 1%
道路交通センサス(2010年)
徒歩
13%
出典:平成20年度 東京都市圏パーソントリップ調査
6
7
私たちは「人の移動情報(動線データ)」に注目しました。
そこで、「つくばモビリティ・交通研究会」を設置しました。
24時間365日取得可能な動線データと統計資料と
を組み合わせて都市活動を把握しよう。
都市活動を継続的に把握する手法と
PDCAサイクルの運営手法の確立を目指して・・・
カーナビゲーションシステム
「モビリティ・交通」のPDCAサイクル(イメージ)
クルマの移動
各種施策の実施
行動計画の策定
携帯電話
人の移動
動線データ
統計資料
• 現状特性を踏まえたアク
ションプランの策定
• 改善検討を基にした改訂
都市活動の
把握
Action Check
改善 評価
• 分析結果を基に課題を
抽出
• 改善策の考案
GPSロガー
公共交通の移動
計画 実行
Plan Do
そして・・・
継続的に実施するには?
• アクションプランに基づき
モビリティ・交通の各種施
策を実施
• 動線データの収集・蓄積
• 組合せ分析による都市活
動の見える化
改善検討
分析評価
8
9
私たちが取り組んだこと
つくばモビリティ・交通研究会の体制
1. 産学官体制を構築
産
2. ユースケースを分析

~どの施策で都市活動の何を分析して対策を講ずるべきか~

学
つくば都市交通センター

筑波大学

筑波都市整備

3. 都市活動を把握できる交通関連データを調査

~何があって、我々が扱える・収集できるのは何か~
4. 都市活動を把握(分析)する手法を検討中
~施策共通の分析と個別施策の分析~
関東鉄道

インテル

インクリメントP

計量計画研究所

関彰商事

ゼンリン

日本総合研究所

日立製作所
官


石田東生 教授
谷口守 教授
岡本直久 准教授
研究室の学生

つくば市

国土技術政策総合研究所





土木研究所


5. 継続的に実施できる運用モデルを検討中
~産学官の協業によるサステナブルな運用に向けて~
10
道路研究室
都市施設研究室
ITS研究室
メンテナンス情報基盤研究室
塚田幸広 研究調整監
国立環境研究所
(順不同)
11
私たちが取り組んだこと
ユースケース分析~どの施策で都市活動の何を分析して対策を講ずるべきか~
1. 産学官体制を構築
はじめに、各施策で必要な分析内容
換言すると、分析に対する要件を議論
2. ユースケースを分析
■「環境モデル都市・つくば」のモビリティ・交通に係わる施策の一覧
~どの施策で都市活動の何を分析して対策を講ずるべきか~
3. 都市活動を把握できる交通関連データを調査
~何があって、我々が扱える・収集できるのは何か~
4. 都市活動を把握(分析)する手法を検討中
~施策共通の分析と個別施策の分析~
5. 継続的に実施できる運用モデルを検討中
~産学官の協業によるサステナブルな運用に向けて~
出典:つくば環境スタイル“SMILe”(つくば市環境モデル都市行動計画)
講演で示した施策毎の分析内容の詳細一覧は本公開資料から省略
12
13
都市活動を把握できる交通関連データを調査
私たちが取り組んだこと
~何があって、我々が扱える・収集できるのは何か~
つくば市と一緒に様々な機関と対面で意見交換
1. 産学官体制を構築
2. ユースケースを分析
交通関連データの取扱いを大別すると・・・
~どの施策で都市活動の何を分析して対策を講ずるべきか~
 売品/非売品
3. 都市活動を把握できる交通関連データを調査
 提供可能/提供不可
~何があって、我々が扱える・収集できるのは何か~
例えば?
 自分たち(官)が持っているもの
/自ら収集できる(している)もの
4. 都市活動を把握(分析)する手法を検討中
~施策共通の分析と個別施策の分析~
5. 継続的に実施できる運用モデルを検討中
Win-Winの関係を築くことで(汗をかくと)、
~産学官の協業によるサステナブルな運用に向けて~
 売品が無償あるいは安価に!
 非売品が入手可能に!
 提供不可のものが提供可能に!
(具体例)
• 携帯電話(基地局)
• 携帯電話(GPS)アプリ
• GPSロガー
• 車載型カーナビ
• 配車システム
• 施設入館・駐車場カウンタ
• 交通量トラカン
• 交通系ICカード(鉄道乗降)
• ポイントカード等(購買履歴)
•
•
•
•
•
•
道路交通センサス
パーソントリップ調査
公共交通輸送実績
国勢調査
観光動態統計
行政区別年齢別人口統計
• 電子地図
• 車・歩行者ネットワーク
 自分たちの持っているものが使い易く加工されて提供!
 自ら収集できる(している)ものがより効率よく実行!
14
15
様々なデータ保有者の様々な視点
私たちも交通関連データを集めました
勘所のひとつは、コンテンツ授受
何を組み合わせると、
自分たちのデータの価
値を高められるのか一
緒に議論してくれるな
ら提供してもいいよ。
どこから来て、どこへ
行くのかを教えてくれ
るならデータ提供して
もいいよ。
駐車場/入館カウンタ
データ保有者
道路開通・車線拡幅
等の地図の更新箇所
を教えてくれると、鮮
度ある地図を提供して
もいいよ。
●●保有者
データの取扱いの
方向性が定まった
ら協力できそうだ
よ。
交通事業者
交通事業者やつくば市民の協力を得てデータ収集を実施
電子地図・ネットワーク
データ保有者
つくバス・つくタクのプローブデータ
プローブパーソン調査
■■を提供してほし
い。これを自社データ
に組み込んで商用して
もよいなら分析の一部
をサポートしますよ。
■■保有者
平成25年度、26年度につくバス、つく
タク全台と関鉄バスの一部路線で延べ
平成25年11月、26年10月、11月、1
月、2月の計5回の調査を実施し、
108台の移動履歴を収集
延べ404名のつくば市民が参加
(平成25年度:バス28台、つくタク19台 平成26年度:バス42台、つくタク19台)
17
16
バスプローブ調査の概要

バスプローブデータの特性
プローブ調査の目的

 つくば市内の公共交通(つくバス等)の⾛⾏実態の把握


調査期間
■ つくば市内バスネットワーク ■ プローブデータ取得(例)
 平成25年11⽉20⽇(⽔)〜12⽉31⽇(⽕)

つくバス各系統上の走行履歴(位置情報)を取得。 ※⼀部、その他路線および回送区間も取得
バスNWへのマップマッチングにより、区間別の走行(取得)サンプル数および旅行速度を算出。
■ 区間別の走行サンプル数(左)および平均旅行速度(右)
調査対象路線およびロガー搭載台数
 つくバス全路線、関鉄バス路線の⼀部を対象に合計28台のロガーを設置

幹線道路では、
バスの平均旅⾏
速度が概ね⾼い
調査方法
 GPSロガー(BCALs)を利⽤し、バス⾞両の移動履歴情報を取得

エンジンOFF後にスリープモードになってから、60秒後にデータを送信
取得データ
写真 GPSロガー(BCALs)
マ


加速度は、周波数16Hz にてGPS 測位間隔と連動して計測。測位間隔毎の3軸それぞれの最⼤加速度、最⼩加速度、平均加速度と3
軸合成加速度の最⼤値、平均値を取得。
チング処理

プマ
 時刻、緯度・経度、3軸加速度(測位間隔2秒)
調査の流れ
①GPSロガーの準備
②運⾏事業者との調整(調査対象バス⾞両にシガーソケットがないため、電源の供給⽅法等について複数回協議)
③GPSロガーの設置(つくば市、運⾏事業者)
④バス通常運⾏時の⾛⾏データを⾃動取得


エンジンON/OFFに連動して機器の電源もON/OFF(バッテリー交換等は不要)
取得された⾛⾏データは通信により⾃動的にサーバーに送信(データの回収作業は不要)
⑤取得データを道路ネットワークにマップマッチング処理し、⾞両毎/道路区間毎の所要時間情報に変換
18
※バスNW:国⼟数値情報(H23) (データ)H25.11.20(⽔)の
をもとに作成
全28台の⾞両の⾛⾏履歴
※バス停:国⼟数値情報(H23)、
※ファイルサイズ:約200MB/⽇
つくば市資料をもとに作成
※測位数:約70万レコード/⽇
都⼼部や住宅街で
は平均旅⾏速度
が低い区間がある
(データ)H25.11平⽇10⽇間計、旅⾏速度は全時間帯の平均
※マップマッチングに際して、1⽇分(全28台)の処理に要する
時間は数時間。ただし、マップマッチング対象リンクはバス路線に
限定(対象リンクを抽出)して実施。
19
つくば市におけるプローブパーソン(PP)調査の概要
スマホアプリの概要
 平成25年度は、Android版アプリを活用
 調査目的


 平成26年度は、Android版アプリの改良版と、iPhone版アプリを活用
つくば市の低炭素社会実現に向けて、都市活動の継続的な把握(モニタリング)によ
るPDCAサイクルの確⽴と着実な運営が重要
個⼈の交通⾏動のモニタリングを⽬的とし、スマートフォンのアプリケーション(以下、調
査アプリ)によるプローブパーソン調査(以下、PP調査)を実施することで、各種交通
モードの動線データ(ヒト、クルマの移動履歴)を収集
<アプリの操作画面 (Android版:今年度改良版)>
 調査対象者(募集対象者)

つくば市に在住、在勤(在学)されている⽅
 調査実施期間


平成25年度: 11⽉(約1か⽉間)
平成26年度: 10⽉、11⽉、1⽉、2⽉(いずれも約2週間)
トップページ
移動⽬的の選択画⾯
移動⼿段の選択画⾯
マップ画⾯
20
PP調査実施に際しての工夫
21
スマホアプリの工夫の例
 認識されている課題に対応してアプリや参加者募集方法などを工夫
 操作性の向上(インターフェースの簡略化)
 操作忘れの防止、減少(毎朝の通知(リマインド)機能)
課題
課題解決に向けた方向性
・機能や操作⽅法、トリップ定義等を丁寧に説明
1)アプリの操作 ・アプリの操作忘れに対する注意喚起
忘れが多い
・アプリの操作を減らす、あるいは、なくすような改良
2) トリップ修正 ・トリップ修正機能を丁寧に説明
機能が十分 ・間違いに気づいた際のトリップ情報修正を依頼
に活用されて
・アプリのトリップ修正機能を改良
いない
3) 電池消費量 ・電池の消費量を減らすようなアプリの機能改良
が多い
・バッテリーの性能を向上させる
4) 継続的調査 ・操作負担軽減の軽減に向けたアプリの改良
参加が難しい ・調査継続のインセンティブとなる情報を提供
5) 被験者属性
・被験者募集⽅法、登録⽅法の⼯夫
の偏り
2年間の調査に
おける工夫
 調査参加インセンティブの付与(個人別の情報提供機能)

①操作忘れの防止機
能、操作説明資料の
充実
②アプリ操作性の向上
③インセンティブの付与
(CO2排出量、カロリー消
費量の情報提供)
④参加者の募集方法の
工夫
22
前⽇の交通⾏動に伴うCO2排出量や消費カロリーを通知(個⼈ダイアリへ誘導)
<通知機能の追加>
<個人別のWEBページ(ダイアリ)>
毎朝(6時)
にメッセージを
通知し⾏動記
録画⾯に誘導
昨⽇のトリップ毎のCO2に
加え、徒歩・⾃転⾞の消費
カロリー※を計算し表⽰
※消費カロリーは、METSを⽤いて算出
【消費カロリー】
= METS x 運動時間(時間) x 体重(kg) x 1.05
(METS値の例→徒歩=3、⾃転⾞=6)
23
継続的な調査実施に向けた被験者募集の工夫
継続的な調査実施に向けた被験者募集の工夫
・つくば環境スタイルサポーターズ(個人会員、法人会員)への依頼
つくば市との ・ホームページへ掲載(国総研およびつくば市HP、Facebook)
協働による ・つくば市内のバス車両へのポスター掲示
周知・募集 ・つくば市庁舎の来庁者への口頭説明と募集活動
・リビング紙への掲載 等
ポータルサイトへのアクセス
参加者登録
その他、新聞掲載や「ラジオつくば」
でのスポット放送などを実施
つくば環境スタイルサポーターズ
調査参加者登録
調査参加者へのID、Passwordの配布
調査実施
調査の実施
つくば環境スタイル実現のため
に、市民、企業、教育機関、行政
等が緩やかに連携して地球温暖化
防止や環境保全のための様々な取
り組みを、「気軽に」「自由に」
「楽しみながら」みんなで活動し
ていくことを目的とした組織
継続的に実施することで
市民参加型の交通調査の
仕組み構築への兆しが見えてきた
(計5回の調査で延べ404名が参加)
25
24
私たちが取り組んだこと
各施策に関連する共通分析項目(使用データ)
1.居住⼈⼝
1. 産学官体制を構築
2. ユースケースを分析
【国勢調査メッシュデータ、
⾏政区域別夜間⼈⼝】
2.滞留⼈⼝
【モバイル空間統計、混雑統計】
3.交通量
【⾃転⾞⾛⾏空間調査、道路交
通センサス、プローブパーソン調査】
4.旅⾏速度
【⾃動⾞プローブデータ、
バスプローブデータ】
~どの施策で都市活動の何を分析して対策を講ずるべきか~
3. 都市活動を把握できる交通関連データを調査
~何があって、我々が扱える・収集できるのは何か~
4. 都市活動を把握(分析)する手法を検討中
~施策共通の分析と個別施策の分析~
5.トリップ数
【東京都市圏パーソントリップ調査、プローブ
パーソン調査】
講演で示した施策毎の分析内容の詳細一覧は本公開資料から省略
6.交通⼿段分担率
【東京都市圏パーソントリップ調査】
7.移動経路
【プローブパーソン調査、⾃転⾞
⾛⾏空間調査】
5.継続的に実施できる運用モデルを検討中
~産学官の協業によるサステナブルな運用に向けて~
26
27
公共交通利用実態の可視化
公共交通利用可能圏域と人口カバー率の可視化

メッシュ別夜間人口とバスNW(バス停利用圏域:約300m、500mの2ケース)を重ねあわせて、
公共交通利用可能圏域人口およびカバー率を算出。

 公共交通利⽤可能⼈⼝カバー率は、バス停利⽤圏域を300mとすると、つくば市全⼈⼝の57.2%を カバーし
ており、バス停利⽤圏域を500mとすると、同76.1%をカバーしている。
 65歳以上⼈⼝で⾒ると、それぞれのカバー率は45.9%(300m)、64.5%(500m)である。
■ メッシュ別夜間人口
■ バス停圏域(例:300m)
■ 重ね合わせによる分析

つくバス・つくタクの利用実績データからメッシュ別の公共交通利用実態を可視化。
つくば市内の面的な利用エリアは補完関係にある。
(両者で乗降者数の多い同一箇所を詳細に分析することにより、乗り換え促進箇所を抽出できる可能性有)。
■ 1kmメッシュ別つくバス乗降者数
→つくタク停別乗降者数をメッシュに対応づけ
■ 公共交通利用可能人口カバー率
57.2%
300m圏域
0%
20%
40%
圏域内
つくバス+つくタク乗降者数
大穂窓口センター周辺
は、つくバス・つくタクの
乗降者数が多いエリア
42.8%
76.1%
500m圏域
■ 1kmメッシュ別
■ 500mメッシュ別つくタク乗降者数
→バス停別乗降者数をメッシュに対応づけ
23.9%
60%
80%
100%
圏域外
■ 65歳以上人口のカバー率
45.9%
300m圏域
鉄道
つくバス路線
54.1%
<つくバス:乗降者数>
64.5%
500m圏域
0%
20%
40%
圏域内
(データ) 国勢調査メッシュ統計[H22]
35.5%
60%
80%
100%
圏域外
(データ) バスNW&バス停位置情報
28
公共交通サービスによる等時間圏域の可視化

■ 地域メッシュ図
(500mメッシュ)
500 ⼈/⽉〜
〜5,000 ⼈/⽉
〜500 ⼈/⽉
〜1,000 ⼈/⽉
〜100 ⼈/⽉
〜
500 ⼈/⽉
〜 50 ⼈/⽉
〜
100 ⼈/⽉
〜 10 ⼈/⽉
(データ) つくバス利⽤実績[H26.11](バス停別乗降者数をメッシュに対応づけ)
つくタク利⽤実績[H26.9](⾃宅+つくタク停別乗降者数をメッシュに対応づけ)
29
公共交通サービスによる移動時間別の人口カバー率の可視化
バスNW(バス停座標)とメッシュ図を対応付け、区間別のバス旅行速度(前述のマップ
マッチング結果)に基づく経路探索分析を行い、公共交通利用による主要拠点(市役
所、病院等)からの等時間圏域を可視化。
■ バスの区間別旅行速度
<つくタク:乗降者数>
5,000 ⼈/⽉〜
■ 主要拠点(例:市役所)からの
バス利用による時間圏域メッシュ図

公共交通利用による主要拠点(市役所、病院等)からの等時間圏域と、メッシュ別の
夜間人口を掛け合わせて、主要拠点からバス利用による移動時間帯別人口を把握
■ 主要拠点(例:市役所)からの
バス利用による時間圏域図(前述)
■ メッシュ別夜間人口
■ 主要拠点(例:市役所)からの
バス利用による移動時間帯別の人口
→市役所までバス利⽤で30分で⾏ける⼈は市⼈⼝の4割
100%
※時間帯別
に図化する
ことも可能
90%
80%
70%
60%
バス停座標から
500m以内の
メッシュ(メッシュ
の中⼼座標)
とを対応づけ
50%
×
+
(最短所要時間)
分析を実施
<凡例:夜間人口>
1,000人 以上
800~1,000人
600~800人
400~600人
200~400人
200人 以下
30
65.3%
64.0%
64.0%
31.3%
44.4%
30%
(データ)国勢調査メッシュ統計[H22]
(データ)バスプローブ[H25.11(平日)]
65.3%
41.1%
40%
主要拠点から
のバス所要時
間と夜間⼈⼝
を掛け合わせ
主要拠点から
の経路探索
51.8%
27.7%
20% 12.3%
10%
15.3%
0% 3.4%
~10分
~20分
~30分
総人口
~40分
~60分
65歳以上人口
60分~
※バス停利⽤圏域外のメッシュは、つくバスが
利⽤できないと仮定したため、⼈⼝カバー率は
100%にならないことに留意
※また、つくば市外居住者(市内への流⼊)
のカバー状況は加味していない
(データ)バスNW、バスプローブ
31
公共交通への転換促進候補エリアの把握
公共交通の改善・促進エリアの抽出

公共交通利用および自動車利用による主要拠点(市役所、病院等)からの等時間圏
域をもとに、公共交通利用が自動車利用と比べ遜色ない所要時間のエリア(→公共
交通利用促進候補)と差が大きいエリア(→路線見直し候補)の把握が可能
■ 主要拠点(例:市役所)からの時間圏域図
メッシュ別夜間人口、モバイル空間統計の居住地分布、PT調査の交通手段分担率を
組合せて、自動車から公共交通への転換促進候補(詳細調査対象)を抽出

■高齢の居住者が多いエリア
(メッシュ別夜間人口の65歳以上分布)
■ 主要拠点(例:市役所)からの所要時間差および比
(左:公共交通利⽤時の所要時間-⾃動⾞利⽤時の所要時間)
(右:公共交通利⽤時の所要時間÷⾃動⾞利⽤時の所要時間)
(左:公共交通利⽤、右:⾃動⾞利⽤)
公共交通の所要時間が
⾃動⾞の2倍以上
↓
路線⾒直し候補エリア
■主要拠点への自動車利用が多いエリア
(平日14時台・研究学園駅エリア滞留者の
自動車利用分布)
⾃動⾞から公共交通への
転換促進候補
公共交通と⾃動⾞の
所要時間の差がわずか
↓
公共交通利⽤促進
候補エリア
<⼈⼝>
<⼈⼝>
100⼈ 以上
50⼈ 以上
80〜100⼈
40〜50⼈
60〜80⼈
30〜40⼈
40〜60⼈
20〜30⼈
20〜40⼈
10〜20⼈
20⼈ 以下
10⼈ 以下
(データ)モバイル空間統計×東京PT調査
(データ) 国勢調査メッシュ統計[H22]
(データ)バスプローブ+TX、⾃動⾞プローブにより算出
(データ)左:バスプローブ+TX、右:⾃動⾞プローブ
32
検討対象路線のサービス状況の可視化

筑波山観光入込客数に関する複数データの組合せ分析に向けた検討
つくバスプローブ(1週間分)とつくバス時刻表から、吉沼シャトルの朝時間帯の運行ダイヤと運
行実績の関係とを可視化。
■ 吉沼シャトル(上り) サービス状況
時刻表
6
1/10
1/11
モバイル空間統計の時間帯別滞留人口と、
つくば市筑波山・観光客動態調査結果(時間帯別の駐車場利用=入庫人数)とを比較

⇒時間帯によって計測された⼈数に差が⽣じているため、組合せ分析を⾏う際は精査が必要。
雨天日(32.5mm/日)
■吉沼シャトル路線図
1/12
7
1/13
1/14
1/15
■ 滞留人口(カウント調査との比較)
1/16
8
吉沼駐在所
田倉
33
9
10
7便は、始発時点で
遅れが発生
→下りの遅れを引き継
いでいる可能性
1便は、
ほぼダイヤ
通り運行
(人)
1200
1000
上郷
「手子生」付近から
日常的に遅れが発生
通過者もカウント?
<平日>
携帯電話を持っていな
い高齢者や中学生以
下(遠足?)が多い?
<休日>
(人)
1200
つくば市統計
モバイル空間統計
つくば市統計
1000
800
800
600
600
400
400
200
200
モバイル空間統計
テクノパーク豊里中央
手子生
豊里中学校
■吉沼シャトル乗降者数(人/月、H26.11)
豊里の杜
1便
3便
乗降者数(人/月 2014年11月実績)
7便
5便
0
吉沼
学園の森2丁目
研究学園3丁目
つくば市役所
研究学園駅
春日二丁目
雨天日(1/15)は
特に大きな遅れが発生
(最大約10分:豊里の社)
→「上郷」での折り返し運⾏
を⾏う場合、遅れを引き継ぎ
可能性に留意が必要
田倉
上郷
200
400
600
800
1便
3便
5便
7便
0
テクノパーク豊里中央
手子生
(データ) モバイル空間統計[H26.11平均]
※4次メッシュ別滞留⼈⼝の合計値(⼭頂駅・宮脇駅・⼭麓・つつじが丘)
研究学園3丁目
つくば市役所
春日二丁目
つくばセンター
※3便、7便は、下り路線の「上郷バス停」からの折り返し運⾏
(データ) バスプローブデータ[H27.1.10〜16]
8時台 9時台 10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台
豊里の杜
学園の森2丁目
研究学園駅
つくばセンター
0
8時台 9時台 10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台
豊里中学校
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(データ) 筑波⼭・観光客動態調査[H26.11]
※観光案内所前でのカウント調査
※平⽇・休⽇ともに11⽉の調査⽇2⽇分の平均値
35
官民連携による分析・可視化基盤の構築に向けて・・・
官民連携による分析・可視化基盤の構築に向けて・・・

DRMリンクで集計された自動車プローブ(平均旅行速度)データを分析・可視化基盤を介して異
なる3社の地図に重畳。
⇒適切にデータ変換ができ、概ね同⼀の可視化表現が可能であることがわかった。
様々な動線データ
■ 変換の試行結果
自動車プローブ(平均旅行速度)
H25.4
道路NW
鉄道NW
ゼンリン
インクリメント・
ピー
社の地図にて試作
2
ポリゴン
分析・可視化基盤
メッシュ
行政界
統一的な変換テーブル
ゼンリン
DRM
インクリメント・ピー
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私たちが取り組んだこと
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継続的なモニタリング、そしてPDCAサイクルの実現に向けて・・・
1. 産学官体制を構築
2. ユースケースを分析


都市活動の見える化及びモニタリングを持続可能にするためには、データ分析・可視化
に係る仕組み(簡易なシステム)やつくば市を中心とした協業モデルの構築が不可欠
次年度も引き続き模索していく予定
~どの施策で都市活動の何を分析して対策を講ずるべきか~
分析や可視化に係る技術支援
3. 都市活動を把握できる交通関連データを調査
(補完関係)
(またはコンサルティング)
~何があって、我々が扱える・収集できるのは何か~
• 筑波⼤学・国総研の連携⼤学院制
度の活⽤等、2者による分析を実施
• 国環研と連携したCO2算出に着⼿
分析⽀援・
研究成果の提供
4. 都市活動を把握(分析)する手法を検討中
民間企業・
コンサル
~施策共通の分析と個別施策の分析~
システム開発、
検証⽤データ
つくば市
(検証フィールド)
の提供
または 業務発注
5. 継続的に実施できる運用モデルを検討中
~産学官の協業によるサステナブルな運用に向けて~
データ提供
研究⽤データの提供
筑波大学・
国総研・
国環研
データ保有主体へのメリットの提供
(利⽤規約締結)
データ利⽤
の許諾
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各種データ
保有主体
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本講演に関する参考文献
つくばモビリティ・交通研究会のメンバ
(2015年3月9日時点)
1. ⼭崎恭彦,橋本浩良,⾼宮進,⽮部努,今井⿓⼀,塚⽥幸広,⼭王⼀郎,⽯⽥東⽣:スマートフォン
アプリを活⽤した交通⾏動調査⼿法に関する基礎的研究〜つくば市におけるプローブパーソン調査を通して〜,
⼟⽊計画学研究・講演集,Vol.49,2014
2. 松島敏和,橋本浩良,⾼宮進:スマートフォンアプリを利⽤した⼈の交通⾏動調査とその分析技術,⼟⽊技
術資料,平成26年8⽉号,pp24-27,2014
3. 今井⿓⼀,⽥嶋聡司,⽮部努,塚⽥幸広,重⾼浩⼀,橋本浩良,⼭王⼀郎,⽯⽥東⽣:動線データ
を活⽤した都市活動のモニタリング⼿法に関する研究〜「環境モデル都市・つくば」におけるつくばモビリティ・交通
研究会の取り組み〜,⼟⽊計画学研究・講演集,Vol.50,2014
4. 橋本浩良,⼭崎恭彦,松島敏和:スマホアプリを利⽤した交通⾏動調査の今後の⽅向性,⼟⽊学会全国
⼤会,第69回年次学術講演会,2014
5. 松島敏和,橋本浩良,⾼宮進:スマートフォンによるプローブパーソン調査の⾼度化に向けた移動⼿段判別
⼿法の開発,⼟⽊計画学研究・講演集,Vol.50,2014
6. 今井⿓⼀,深⽥雅之,宮下浩⼀,⽮部努,橋本浩良,重⾼浩⼀:交通データの分析及び可視化基盤
の基礎研究,⼟⽊計画学研究・講演集,Vol.50,2014
7. 今井⿓⼀,深⽥雅之,宮下浩⼀,⽮部努,橋本浩良,重⾼浩⼀:多様な交通データの分析及び可視
化のための基図に関する研究,ITS シンポジウム,Vol.12 ,2014
8. 今井⿓⼀,深⽥雅之,重⾼浩⼀:交通データの分析・可視化基盤に関する取組み,機関誌「交通⼯学」
,Vol.50,No.1,pp18-21,2015
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