3.日光川2号放水路の変更計画 - 愛知県河川整備計画流域委員会

3.日光川2号放水路の変更計画
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3.日光川2号放水路の変更計画
■ 3.1 現整備計画の概要
凡 例
…市街化区域
北古川
 日光川水系では4本の放水路(農地分を合わせて200m3/secの排水)
を河川整備計画に位置付けている。
 現在までに<1号放水路(農地分)>、<日光川玉野放水路(3号放水
路)>、<日光川祖父江放水路(4号放水路)>の合計100m3/sec分の
供用が開始されている。
 日光川2号放水路は、野府川より60m3/secカットし木曽川へ排水する。
2号放水路
○流量配分図 (野府川、河川整備計画)
野府川
野府川
野府川
日光川
工事施工区間(河道改修)
○日光川放水路計画
放水路名
日光川1号放水路
日光川2号放水路
日光川玉野放水路
(3号放水路)
日光川祖父江放水路
(4号放水路)
分派河川(分派量)
日光川(40m3/s)
農地分(10m3/s)
野府川(60m3/s)
日光川(30m3/s)
領内川(25m3/s)
農地分(35m3/s)
整備済 100m3/s
野府川は主に矢板及びコンクリートブロック護岸で整備さ
れた掘込河道で、沿川には主に市街地が広がっている。
排水先河川
排水量
木曽川
50m3/s
木曽川
領内川
(木曽川)
60m3/s
90m3/s
木曽川
農地分整備済
平成22年度供用開始
平成20年度供用開始
200m3/s
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■ 3.2 現整備計画のルート
現整備計画の策定時点では、日光川2号放水路
の位置は厳密に確定しておらず、野府川から木
曽川へ洪水をカットすることを示すため、整備位
置のイメージを示している。
そのルートは、日光川改良工事全体計画(昭和
60年3月)において、野府川と木曽川を最短距
離で結ぶよう位置付けたものをそのまま踏襲して
いる。
図-19 野府川平面イメージ
(日光川水系河川整備計画P27より抜粋)
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3.日光川2号放水路の変更計画
■ 3.3 現整備計画ルートの課題
 日光川2号放水路の実施に向け、現整備計画ルートを確認した結果、以下の課題がある。
○流入施設、排水施設付近に家屋が多く、また、放水路函体上で、線的な用地買収が
必要となるため、事業期間が長期化する可能性がある。
○木曽川の排水地点付近に良好なワンドが形成されており、多様な動植物の生息地に
なっている。
北古川
豊かなワンドの形成
されている場所
現整備計画ルート
流入施設付近の状況
排水施設付近の状況
放水路函体上の状況
野府川
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■ 3.4 木曽川上流自然再生計画
 木曽川には、かつて良好な生物の生息場となるワンドが多数存在していた。
 『木曽川上流自然再生計画書』では、「タナゴ類をはじめとする在来魚類や二枚貝等の生
息・繁殖環境として、特に課題の見られるワンド等の湿地環境を保全・再生する」ことが目
標として定められている。
ワンド・たまり箇所数の変化
ワンド等の水際湿地再生の整備イメージ
現整備計画の排水先付近の良好なワンド環境
出典:『木曽川上流自然再生計画書(案) 平成21年11月
国土交通省 中部地方整備局 木曽川上流河川事務所』
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3.日光川2号放水路の変更計画
■ 3.5 変更ルート(案)の考え方
検討条件 ①下流側(南側)にいくほど、野府川と木曽川の距離(放水路延長)が長くなり、且つ、
野府川の追加改修が長くなるため事業費が高くなる。
→できるだけ上流側(北側)で検討する。
②函体ルートの用地取得や全体の物件補償数が少ないと事業期間の短縮
が期待できる。
→道路や水路などの公共用地が利用できるルートを検討する。
③木曽川の良好なワンドに影響を与えないルートを検討する。
④下流には名古屋市の朝日取水場がある。
※対象降雨など基本条件は変更しない。
北古川
現整備計画ルート
ワンド形成範囲
短い
野府川
長い
● 名古屋市朝日取水場
日光川
日光川玉野放水路
日光川祖父江放水路
野府川追加改修
※ 現整備計画ルートから変更ルート(案)の間で、
流量増に伴う野府川の追加改修が必要となる
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■ 3.6 変更ルート(案)
県道大垣江南線の地下空間を活用したルート案とする。
・公共用地を利用し、住宅地を極力避けた上で、距離ができるだけ短くなる
ルートとしている。
・木曽川の良好なワンドを避けている。
北古川
ワンド
現整備計画ルート
ワンド
現整備計画ルート
県道大垣江南線
写真撮影位置
県道奥音羽線
市街化区域
主要地方道岐阜稲沢線
変更ルート案
野府川
線的に活用できる
道路が無い
変更ルート案
県道大垣江南線
※ 変更ルートについては、地域有識者や河川工学等の学識者の専門的知見から助言を得るために開催した「日光川2号放
水路ルート検討会」(全3回)にて総合的な検討を実施している。
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■ 3.7 変更ルート(案)の確認(コスト)
 延長はやや長くなるものの、用地補償費が減少することから、全体事業費は現整備計画
ルートとほぼ同額となる。
 放水路函体上の用地買収が不要となり、全体の用地買収面積を約2割減らすことが可能。
 補償物件数122件から15件に107件削減でき、効果の早期発現が期待できる。
用地買収面積及び補償物件数
検討ルート(案)
放水路
(函体)
用地買収
面積(m2)
補償件数
(件)
概算事業費
現整備計画
変更
ルート
ルート(案)
4,700
大分類
中分類
L=1,250m
L=1,680m
機械設備(ゲート)
2
2
土木設備
25
35 ※1
機械設備(ポンプ)
75
75
土木施設
70
70
函体
40
57
立坑
10
12 ※2
機械設備(ゲート)
10
10
土木設備
20
20
合計
252
281
放水路(函体)
9
1 ※3
排水施設
排水機場
流入施設
57
22
合計
66
23
318
304
0
7
0
排水施設
排水施設
排水機場
流入施設
22,000
合計
26,700
22,000
放水路
(函体)
18
0
排水施設
排水機場
流入施設
104
15
合計
122
15
22,000
排水機場
工事費
放水路
流入施設
用地・補償費
概算事業費
その他
小分類
検討ルート(案)
現整備計画ルート 変更ルート(案)
野府川改修
(単位:億円) ※1:排水機場から排水樋管までの排水路(約150m)整備費を加
※2:流域カットのため合流施設整備費を加算
※3:名鉄尾西線交差部の補償を加算
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■ 3.8 変更ルート(案)の治水効果の確認
 野府川の計画規模を超える洪水であるが、日光川中流部の計画規模である年超過確率1/10の降雨
に対して、整備計画完了時点において、野府川の水位を計画堤防高以下にする計画である。
 変更ルート(案)による放水路整備及び、野府川の改修を行うと、水位は概ね現計画と同程度で計画堤
防高以下になり、現計画と同等の治水効果が確認できる。
2号放水路
(変更ルート案)
2号放水路
(現計画ルート)
いずれのルートでも
計画堤防高以下
いずれのルートでも
計画堤防高以下
野府川水位(変更ルート案)
野府川水位(現計画ルート)
現況河床
河床掘削
※放水路のルート変更に合わせて、上流部の河床高や横断形の一部見直しを行った。
※流域委員会における意見を受け、公表にあたり追加したスライドです。
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■ 3.8 変更ルート(案)の治水効果の確認
 野府川の計画規模である年超過確率1/5の降雨に対しては、水位をHWL以下とする計画である。
 変更ルート(案)による放水路整備及び、野府川の改修を行うと、水位は概ね現計画と同程度でHWL
以下になり、現計画と同等の治水効果が確認できる。
2号放水路
(変更ルート案)
2号放水路
(現計画ルート)
いずれのルートでも
HWL以下
野府川水位(変更ルート案)
野府川水位(現計画ルート)
現況河床
河床掘削
※放水路のルート変更に合わせて、上流部の河床高や横断形の一部見直しを行った。
※流域委員会における意見を受け、公表にあたり追加したスライドです。
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■ 3.8 (参考)当面の治水効果
 野府川の河床掘削は、日光川の改修が完了してから実施する必要があるため、当面は、現況河床の
まま、放水路を整備した場合の治水効果を確認した。(なお、シミュレーションにあたっては、野府川の
上流部の河道拡幅を見込んでいる。)
 この結果、日光川への負荷を増大させずに、かつ野府川全川で水位がHWL以下とすることができる
(現計画ルートと変更ルート(案)で同等の効果がある)。
2号放水路
(変更ルート案)
日光川への負荷は
増加していない。
水位縦断図(野府川、W=1/5)
※流域委員会における意見を受け、公表にあたり一部修正したスライドです。
2号放水路
(現計画ルート)
浸水頻発地区
野府川拡幅
現況の流域排水路整備状況、水田等への湛水を考慮したシミュ
レーション結果である。
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■ 3.8 変更ルート(案)の効果
 大きな浸水被害が発生した平成20年8月末豪雨(1/20、時間雨量)に対する効果を確認した。
 2号放水路の整備及び野府川上流部の拡幅を行うことで、平成20年8月末豪雨に対しても、野府川上
流部の市街地の浸水被害の軽減、解消など効果が期待される(現計画ルートと変更ルート案で同等)。
北古川
野府川流域に
おける浸水面積
最大浸水深図(現整備計画ルート)
野府川
野府川流域に
おける浸水面積
現況河道
浸水面積[ha]
最大浸水深
1m以上
最大浸水深
50cm以上
最大浸水深
20cm以上
現況河道
2.1
116.0
535.5
現整備計画ルート
1.3
89.3
492.3
差 分
-0.8
-26.6
-43.2
日光川
浸水面積[ha]
最大浸水深
1m以上
最大浸水深
50cm以上
2.1
最大浸水深図
(放水路無)
116.0
野府川流域に
おける浸水面積
最大浸水深
20cm以上
現況河道
535.5
最大浸水深図(変更ルート案)
浸水面積[ha]
最大浸水深
1m以上
2.1
最大浸水深
50cm以上
最大浸水深
20cm以上
116.0
535.5
変更ルート案
1.3
80.4
470.7
差 分
-0.8
-35.6
-64.8
※流域委員会における意見を受け、公表にあたり一部修正したスライドです。
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