マスタタイトルの書 マスタタイトルの書 式設定

2015
6
トップインタビュー「株式会社セントラル 代表
取締役社長 杉江 伸様」
船井総合研究所 島田 雄一郎
トップインタビュー2015年3月号
注目企業インタビュー
株式会社シティコミュニケーションズ 代表取締役社長 三田 大明氏
プロフィール
1995年株式会社セガ・エンタープライズ入社。
1998年有限会社ザ・シティ入社。
2000年には漫画喫茶のチェーン展開のため有限会社ディスク
シティエンタテイメントを設立、 代表取締役に就任。
2002年株式会社シティコミュニケーションズ代表取締役就任。
現在はパーラー事業部・ネットカフェ事業部・おもてなし事業部・デ
ザイン事業部・スマートフォンアプリ開発事業部・ネットオークション事
業部・不動産事業部と幅広い事業内容を関東中心に展開する。
マスタ タイトルの書
式設定
【 ポイントその① 】・・・ 一番大切な要素は、「気持ち」
島田:神奈川県を中心にパチンコ、スロット、インターネットカフェ、エステ、スマホアプリ、ネットオークション、カプセ
ルホテル、飲食店、デザイン事務所、アニメ関連事業など、様々な事業を展開されている三田社長にお話を伺
います。これだけ展開していらっしゃいますが、創業は1995年と比較的新しいですね。
株式会社シティコミュニケーションズ代表取締役三田大明氏(以下:三田社長):シティグループは19
95年12月に創業となった未だ揺籃期の会社です。長所は「若さ」であり、その若さを生かして、数々の事業
に進出してきました。
マスタ サブタイトルの
書式設定
島田:1996年にザ シティの本店が開業されていますが、三田社長は開業当時には入社なさっていたので
すか。
三田社長:私は大学卒業後、株式会社セガ・エンタープライゼスに入社しました。1998年の1月に退社
し、4月に(有)ザシティに入社しましたので、1店舗目は企画に立ち会いました。
島田:入社当時は色々大変な思いをされたのではないでしょうか。
三田社長:現在も毎日出社している会長が社長の時代に入社しました。二代目や三代目の方が苦労されて
いるのはどこの会社でも同じだと思いますが、入社当時は誰も挨拶すらしてくれませんでした。そのような中、毎朝
開店前に店舗に行くうちに、少しずつ会話をしてくれるようになりました。
島田:当時の店舗は昔ならではの「ぱちんこ店」だったんですね。
三田社長:当時はお客様に挨拶をするという習慣さえありませんでした。当時は高設定を入れておけば、売上
や稼働がついてくる時代でした。なので、社員も“なんで俺たちが頭を下げなくてはならないんだ“なんて感じでした
よね。その中で、同じ神奈川県企業の店舗が綺麗な店舗で、しっかりとした接客を行っているのを横目で見て、
こういう方向に進まなければならないと感じていました。
0
Copyright©2015 Funai Consulting Inc.All rights reserved.
2015
6
トップインタビュー「株式会社セントラル 代表
取締役社長 杉江 伸様」
トップインタビュー2015年3月号
島田:そのような状況から変わるきっかけとなったのは何があったのでしょうか。
三田社長:2004年暮れの相模大野店の開店ですね。この店舗の出店に際しては、以前から在籍する多くの
社員が反対しました。「絶対上手くいかない!ここに出店するなら辞める!」という古参の社員もいました。しかし
ながら、現在は営業部長となっている若手社員2人が、「絶対に上手くいく!絶対やれるから出店しましょう!」
という強い意志を示しました。
相模大野店の出店は当時としては大型の投資でしたから、失敗したら会社が潰れるレベルの話でした。しかし、
今後の会社の成長の事を考えると、若手の意見に賭けるしかないと思い出店に踏み切りました。結果としては、
駅からつながるデッキに開店時間前から人が溢れ、平均稼働パチンコ53,000発、スロット21,00
0枚をたたき出す店舗になりました。この体験からも、「商売において一番大切なのは気持ち」だということを強く
学びました。ここから社内の人間の入れ替わりもあり、会社が劇的に変わっていきました。
島田:当時の相模大野店の盛況は自分も体感しました。とにかく凄まじい人でしたね。相模大野店の成功の
要因は若手社員の気持ち以外に何かありましたか。
マスタ タイトルの書
式設定
三田社長:特に変わったことは何もしていません。「基本」を徹底して見直しました。具体的には、「挨拶」「清
掃」「時間を守ること」です。これは全て前職のセガ時代に教わったことです。お客様に100円玉をゲーム機に
入れて頂くには、いかに基本が大切かという事を、3年間のゲームセンターでの現場体験で徹底的に体に叩きこ
まれました。
ゲーム業界でも同業他社が多数入ってくることによる過当競争を体験していました。アミューズメント業界はどの
業種も必ず同じサイクルをたどるので、現状の常識の一つ先の形を提供するという考えが生き残るためには必要
です。ですから、パチンコ店舗においても当時の常識の一つ先の形、大型で接客や環境の優れた店舗を展開す
べきだと思いました。
【 ポイントその② 】・・・ 事業の成功体験が人を成長させ、企業の成長につながる
マスタ サブタイトルの
書式設定
島田:パチンコ以外にも色々な事業を展開していらっしゃいますね。
三田社長:パチンコ事業の環境が厳しくなったからということで始めた業種は一つもありません。ほとんど全て、社
員がやってみたい、という意見から始まっています。
島田:飲食事業やデザイン事業はわかりますが、ネットオークション部門やウェディング部門もありますね。パチン
コ店舗を展開している企業とは思えません。
三田社長:私も謎です(笑)。ただ社員から「やりたい」という声が上がったことから始めました。基本的に私が
やれといって始まったものはありません。やりたいと思ったことを徹底的に考えて実現してもらいたいので、最初こそ
声をかけますが、あとは全て自分たちでやってもらいます。もちろんその過程で失敗もありますが、失敗という貴重
な経験を体験してもらい、どんどん成長してもらいたい。ですから各事業の決算には、本音をいうと私はあまり興
味がありません。事業を立ち上げ、苦労をしてモノになったという体験を積んで人が成長して行く事が重要です。
社員が成長していく姿を見るのが最も嬉しいことですし、人が成長しない限り企業の成長はあり得ません。
島田:それで色々なことに挑戦してみたいという方々が入社されてくるのですね。
三田社長:そうですね。色々なことをやりたい!やってやる!という人間が入社してきます。入社してきた人間を
あたたかく育てていけば必ず良い影響を及ぼす人間になる。最後は人です。テクニックは長続きしません。根本で
ある人を成長させることが強い企業になる事だと信じています。
1
Copyright©2015 Funai Consulting Inc.All rights reserved.
2015
6
トップインタビュー「株式会社セントラル 代表
取締役社長 杉江 伸様」
トップインタビュー2015年3月号
島田:人を育てるという意味で多種多様な社員研修を実施されているのですね。
三田社長:社員研修は年間150本程度行っています。研修の人件費はとてつもないですが(笑)。しか
し、この研修も私がやれといってやったものは一つもありません。外部に依頼している研修もありません。社内の人
間がやりたいと思ったものを実現し、講師となって研修を行っています。実際に講師をやってもらうと、研修の内容
を勉強しますよね。これが一番、人を成長させるんです。
島田:研修以外にも社内のイベントも数多く実施されていますよね。
三田社長:「社内イベント 日本一」で検索すると、当社が一番上にヒットします(笑)。社内イベントを行うこ
とで社員が笑顔になります。お客様の笑顔を増やすためには社員の笑顔を増やす必要があります。私の考えで
は、優先順位はお客様よりも社員のほうが上です。社員の笑顔が増えればお客様の笑顔も増えるはずです。私
は社員が笑顔になることには全力を尽くします。更に言えば、私の最大の仕事は「社員の笑顔を増やす事」と
言っても過言ではありません。
マスタ タイトルの書
式設定
島田:御社だと自分の考えが実現できそうですね。
三田社長:どんどん実現してもらいたいです。その過程で大事なのは、自由と責任はセットであるという事をしっ
かりと認識すること。様々な期待と責任もしっかりと背負ってやってもらいたいです。皆が経営者意識を持つ集団
こそが強い集団です。色々なチャレンジをして、成長してもらうことが企業を強くすることにつながります。
島田:今後の展開を少し教えていただけませんか。
三田社長:どんどん新規事業にチャレンジしていきたいですね。Cool Japan関連事業を推し進めて
いきます。日本のCool Japan戦略の実現のためにも、Cool Japanとは何であるかを弊
社から発信していきたいですね。そしてIR法案が成立した暁には、統合リゾートの中にぜひCool Jap
anゾーンを弊社で造らせてもらいたいです。
それに必要なものは人です。人・物・金+情報と言われますが、私の考えでは、人・人・人+人・・・。どこまで
いっても人が大事です。お金は人が生みだし、物も人が作ります。情報も人が発信します。つまり、どこまでいって
も人なんです。人の気持ちが一番大切。
最終的な夢は、人の夢が沢山詰まった「街(CITY)」を造り上げる事です。
マスタ サブタイトルの
書式設定
島田:これからの成長が楽しみです。ありがとうございました。
本原稿のポイント整理
【 ポイントその① 】・・・ 一番大切な要素は、「気持ち」
→大型出店に際して、反対する人が多い中、若手社員が「絶対に成功する!」と主張した。結果
的に出店に成功し、「気持ち」が商売で最も大事であると再確認した。
【 ポイントその② 】・・・ 事業の成功体験が人を成長させ、企業の成長につながる
→新規事業は、社員から「やりたい」という声が上がり立ち上げたものがほとんどである。事業を立ち上
げ、苦労をしてモノになったという体験を積んで人が成長して行くことが重要である。
2
Copyright©2015 Funai Consulting Inc.All rights reserved.