(様式2) 平成 27 年度 講座名 連携機関名 内容 SSH 外部機関連携講座 実施報告用紙 ナノテクノロジー 千葉大学大学院融合科学研究科 私たちは,日常生活でもよくナノという言葉を聞くことがある が,果たしてその内容を十分に理解しているであろうか。実際に 最先端の研究者からの講義・実習により,論理的に考察し,実験に よって確かめることは重要である。 午前の講座はまず,落合先生による講義である。 Fullerene や CNT(Carbon Nanotube)の黒炭やダイアモンドと の構造の違い,CNT の作成法と分類(単層型と多層型:断面の炭 素の結びつき方の違いによるアームチェア型,ジグザグ型,キラ ル型),微細加工について教えていただいた。 その後,青木先生から午後の実習の説明並びに簡単な電気分野 の講義(2 端子法と 4 端子法)をいただいた。 少し早めの昼食の後,午後は 2 班に分かれて CNT や Fullerene の模型製作と,Graphite(黒鉛)の電気伝導特性評価を行った。 模型製作ではまず,六員環構造の炭素がどのようにチューブ上 で結合しているかの説明の後,各自 Graphene sheet を用い,3 つの型の中の一つを作成した。その後,製作した模型を使い,結 合構造によってチューブの直径の大きさや電気的な性質がどう異 なるか学習した。次に,CNT の端の閉じ方や CNT 本体の結合構 造の因果関係(六員環のどの部分が五員環になるかで端の形が異 なる),fullerene C60 の大きさと CNT の直径との関係を説明して いただいた。 Graphite の電気伝導特性評価では,粘着テープで HOPG から Graphite を取り出し,2mm×4mm 程度の大きさに切ってガラス 基板上の両面テープの上に貼り付ける。その後,メタルマスク(覆い)をの せ,スパッタ法(Ar と金粒子の吹きつけによる薄膜形成)により金膜を堆積 させ,メタルマスクをはがし 4 つの平行な金電極と Graphite がつながった 状態をつくる。そして,それぞれの電極間の抵抗値を 2 端子法と 4 端子法で 測定した。 実習の前後ではクリーンルーム内の見学もさせていただ き,各生徒は興味津々でいろいろ尋ねていた。 最後に実験のまとめとして,青木先生から考察をいただいた。接 触抵抗という,生徒には聞き慣れない言葉も出て,生徒は戸惑いが ちであったが,最後まで真剣に取り組んでいた。 実施日 主担当教諭 参加生徒 平成 27 年 6 月 20 日 齋藤 伸二 普通科 1 年 6 名(男子 2 名,女子 4 名),理数科 1 年 4 名(男子 2 名,女子 2 名), 普通科 2 年 4 名(男子 2 名,女子 2 名) (様式2) 生徒の感想 ・自分たちの身近にある炭素は,意外にもたくさんの可能性を秘めているものであることがわかった。また実際 に大学に来て講義を受け,実験をし,大学の設備の見学ができることはとても貴重で参加して良かった。特に, 大学の設備を使っての実験は,学校ではできない内容で,自分の興味を刺激してくれたと思った。 ・まだまだ理解できない部分がかなり多く,学力不足を感じた。実験や研究に関してはもちろんのこと,千葉大 学についての情報も得ることができとても良かった。授業では教えてくれないことが多く知ることができるの で,是非また参加したい。 ・大学の研究室の雰囲気を実際に感じることができて良かった。接触抵抗を考えることの大切さが,実験結果と その考察から分かりました。模型の説明がわかりやすかった。 ・はじめは化学の授業の深いところまで学びたいと思い参加しようと思っていたので,それよりも細かいところ まで学べてたくさん新しいことが知ることができて良かった。クリーンルームが凄く印象に残った。 フラーレンやカーボンナノチューブなど授業で習うものを今回の講座で実際に模型をつくったことで,より理解 が深まって良かったです。(3 名) ・初めて SSH の講座に参加して,知らなかったことをたくさん知ることができて良かった。実際に模型をつく ったときは,小さいものを大きいもので再現することで少し理解できた部分が増えました。電流や電圧を測る実 験は器具を自分で触って取り組むことができたので良い経験になった。また機会があったら参加したい。 ・カーボンナノチューブやフラーレンなどの言葉は何となくは知っていたのですが,さらに理解が深まり,ナノ の世界に興味がわいてきた。 ・図などを見るだけでは理解ができなかった構造なども講座や模型作りを通してイメージできるようになった。 また,実験室などを見て(英語であふれていたので)英語の重要性をより感じた。 HP 用メッセージ
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