曲げ荷重を受ける鉄筋コンクリート部材 1. 一般 等曲げ荷重を受ける

曲げ荷重を受ける鉄筋コンクリート部材
1. 一般
等曲げ荷重を受ける鉄筋コンクリート梁
コンクリート
M
M
鉄筋
・鉄筋コンクリート梁が曲げ荷重を受けると,引張側には曲げひび割れが発生する.
・ひび割れ発生後は,軸方向の鉄筋のひずみ分布が一様でなくなり,部材の曲率も一様で
はなくなる.
・ひび割れ発生後も,鉄筋とコンクリートの付着により,コンクリートは引張力の一部を
負担する.→一軸引張の場合と同じ
・圧縮側のコンクリートはほぼ一様に変形する.
2. モーメント-曲率関係
曲げモーメント M
部材平均の M- 
ひび割れ断面での M-φ
ひび割れの発生
0
曲率φ
・ひび割れ発生前は,どの断面も一様な変形.
・ひび割れ発生後,ひび割れ位置ではコンクリートは引張力を負担しない.
・モーメント-平均曲率関係は,どうすれば予測できるか.→ 一軸引張の応用(平均化手
法)
3. 計算に用いる仮定
b

CC
x
Z1
d
TC
Z2

2c
c
S
断面
断面のひずみ分布
 
曲率
・平面保持の仮定

x

2c
TS
応力
 
S 


x  d  x
力
力のつりあい N=CC-TC-TS=0
曲げモーメント M=TC・Z1+TS・Z2
S
dx
・鉄筋の周辺 2c(かぶりの 2 倍)のコンクリートが付着による引張力を負担
・ひび割れていない領域のコンクリートの引張力(TC)を考慮
Ⅰ)圧縮側コンクリートの応力-ひずみ関係
Ⅱ)単体鉄筋の応力-ひずみ関係
材料定数:
S
f y  400 MPa 
E S  2.0  105  MPa 
y  f y ES
fy
Eu
 yu  20000  10 6
ES
0
y
 yu
E u  0.2  105  MPa 
S
Ⅲ)鉄筋周辺のコンクリートの平均応力-平均ひずみ関係
応力σc
ひび割れの発生
ft
 
c  f t  u 
  
c
ft=3N/mm2
εu=200×10-6
Ec=ft/εu
c=0.4
Ec
0
εu
ひずみε
鉄筋コンクリート中のコンクリートの平均応力-平均ひずみ関係
4. アルゴリズム
 0
    
中立軸の位置 x を仮定
 
鉄筋の平均ひずみ s
コンクリートのひずみ分布  c y
 
コンクリートの応力分布  c y
前回の課題と同じ計算
コンクリートの圧縮力 CC,引張力
鉄筋と周辺コンクリートの
TC,それらの作用中心 Z1,Z2
引張力 TS
力のつりあい
No
N=CC-TC-TS=0
Yes
曲げモーメント M= TC・Z1+TS・Z2
M-  関係を得る
No
圧縮縁のひずみ
   cu
Yes
圧縮側コンクリートの破壊
・中立軸 x の仮定,修正には,前回同様,収束計算が必要となる.
・コンクリートの応力分布から,力 CC,TC を計算するには,前回同様,解析的積分,数値
積分の両方が可能である.
問題:
以下の鉄筋コンクリート梁のモーメント-平均曲率関係を,平均曲率が 0~400[10-6/cm]の
範囲で描け.
断面寸法
b
b=150mm
d=300mm
c=50mm
d
As
鉄筋比  
As
を 0.5%,1.0%,2.0%と変化させる.
bd
必要な材料定数は,本冊子の中の値を用いる.
c