2011年4月号 単発記事 抗ウイルス作用を持つ不織布を使ったマスク

2015/6/18
抗ウイ ルス作用を 持つ不織布を 使ったマスク
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2011年4月号
単発記事
抗ウイルス作用を持つ不織布を使ったマスク
京都産業大学と企業が共同開発した抗ウイルス作用を持つ素材。それを使
ってマスクを製造している。
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国立研究開発法人 科学技術振興機
構
産学連携展開部 産学連携プロモーショ
ングループ
問合せ先
〒102-0076
東京都千代田区五番町7 K's五番町
TEL:(03)5214-7993
FAX:(03)5214-8399
産学官連携ジャーナル編集部
田井、萱野
編集責任者:野長瀬 裕二
山形大学大学院
理工学研究科 教授
ISSN:1880-4128
山中伸弥教授が発明したiPS細胞(人工
多能性幹細胞)はさまざまな応用が期
待されている。最も早く実用化されそう
な応用の一つがiPS細胞を使用した血
小板の大量製造である。
5分でわかる水素エネルギー
2015年めどに電気自動車開発
第3回 ドイツ製造業高度化プロジェク
ト「インダストリー4.0」
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ヒトiPS細胞由来血小板の大量製造法
志は強く、岐路では柔軟性を―「クモ
の糸」に賭けた起業家の決意―
繊維製造技術を活用
第2回 「不実施補償」要求の法的根
拠
地域創生を担う地方自治体の役割
は大きい
眞野 耕治
(まの・こうじ)
ダイワボウポリテック株式会社
工業素材部長
5分でわかる水素エネルギー
2015年めどに電気自動車開発
弊社は京都産業大学との共同研究で開発した銅イオンを担持(微量固定) した
抗ウイルス不織布を使用して、平成20 年にマスクの販売を開始した。
銅は抗菌性の高い金属として知られ、現在欧州の病院では、感染を抑制 する
目的でドアノブ等を銅あるいは真ちゅうにしている例もある。弊社が 開発したの
は、弊社特有の繊維製造技術の活用により、銅イオンを担持し たレーヨン繊維の
不織布を使ったマスクである。
マスクの名称は「プロテクシールド®」。通気性を考慮しながらバクテリ アろ過効
率99%を確保したサージカルマスクで、5 層構造である。マスク に使われている銅
イオン担持不織布は非常に安定している。
◆ 顔にフィットさせる工夫
「プロテクシールド®」マスクは、企業備蓄用として製品設計をしており、 持ち運
び、保管が容易な1 枚ごとの個包装になっている。
第3回 ドイツ製造業高度化プロジェク
ト「インダストリー4.0」
技術移転機関は企業の多様なニー
ズに応えるコンサルタント業キャンパ
スクリエイト社長 安田 耕平氏に聞く
志は強く、岐路では柔軟性を―「クモ
の糸」に賭けた起業家の決意―
第2回 「不実施補償」要求の法的根
拠
● PDFファイルをご覧いただくためには、
Adobe Readerが必要です。以下のサイト
にてご用意ください(無償)。
● WMA形式の音声を聞くためには、
Windows Media Playerが必要です。以下
のサイトにてご用意ください(無償)。
マスク開発過程での課題は、人それぞれの顔の形や大きさに、マスクを いかに
フィットさせるかであった。「プロテクシールド®」マスクは呼吸の しやすいプリーツ
型を採用しており、ほおと鼻筋の空隙が、飛沫(ひまつ) 飛散の抑制や侵入のブロ
ックを著しく損ねる可能性がある。それらの空隙 をなくし顔にフィットさせるために、
①ノーズピースに金属を使用 ②耳ゴ ムの接着をマスク表面に移行した。これによ
り、ほおや鼻筋の空隙が大幅 に減少した。
また、従来の機能性マスクはフィ
ルター部が2 層構造となっ ている
ものがほとんどであるが、「プロテ
クシールド®」マスク は3 層にする
ことにより、マスクのフィット性と呼
吸の快適性 の両立を成し遂げた
(図1)。
「プロテクシールド®」マスクは、
平成20 年10 月から企業 備蓄用と
して販売を開始し、これまでに一般
企業100 社余り、 学校法人、官公
庁、病院などへの販売実績があ
る。
図1 「プロテクシールド®」マスクの構造
平成21 年の新型インフルエンザ発生より、飛沫のブロック および「咳エチケッ
ト」などでマスクの着用率は増えている傾 向にあり、新たな市場を確立したと考え
る。
https://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2011/04/articles/1104­05/1104­05_article.html
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2015/6/18
抗ウイ ルス作用を 持つ不織布を 使ったマスク
この銅イオン担持不織布は、現在病院内の様々な場面でも活 用が期待でき、
われわれの生活環境改善に役立つ可能性があると考える。
鳥インフルエンザウイルスの感染を防ぐ
物部 剛
(ものべ・たけし)
京都産業大学 リエゾンオフィス
事務長
京都産業大学*1は2006 年に、鳥インフルエンザに特化した研究組織と して、生
態学、病原体解析および防疫の3つの研究部門を設けた鳥インフ ルエンザ研究セ
ンター(センター長:大槻公一教授)を設立した。鳥インフ ルエンザの国内侵入経
路の解明やアジア地域での発生状況の調査などのほ か、ウイルスの性状解析な
どを行っている。2010 年には、同センターに バイオセーフティレベル(BSL)3の実
験室も完成し、強毒性鳥インフルエ ンザウイルスも扱える環境が整った。鳥インフ
ルエンザウイルスの対策に ついては、公的機関や民間企業などとの連携を積極
的に行っている。
ダイワボウポリテック株式会社とセンター長の大槻教授は、鳥インフル エンザ研
究センターが設置される前から、鳥インフルエンザウイルスをは じめとした抗ウイ
ルス作用を持つ素材の開発を目指して共同研究を進めて きた。共同研究は平成
20 年に、抗ウイルス作用を持つ素材の発明として 実を結び、同年、ダイワボウポ
リテック、その親会社のダイワボウホール ディングス株式会社および京都産業大
学の3 者が共同で特許出願を行った。 この発明を利用した素材を含むマスク「プ
ロテクシールド®」も、同年、ダ イワボウポリテックから発売された。現在、この発明
は日本で特許となり、 中国でも特許申請中である。
本発明は、本学鳥インフルエンザ研究センターに蓄積された研究成果と、 ダイ
ワボウポリテックが持つ繊維製造技術を融合し、抗鳥インフルエンザ ウイルス活
性が期待できる銅等の金属イオンを担持できる新素材を開発し たことによるもの
である。特に、抗鳥インフルエンザウイルス活性を測る 実験は、特定の研究機関
でなければ行うことはできず、同社の技術を基盤 にしつつ、より実効性のある新素
材開発に向けて実験を繰り返し行えたこ とが、当該素材の開発に成功した要因の
1 つである。
◆ 鳥インフルエンザ研究センターの産官学連携の実績
本学鳥インフルエンザ研究センターは、アジア諸国との国際共同研究も 押し進
め、世界的規模で流行する鳥インフルエンザの発生状況等のデータ をいち早く取
得している。こうした基礎研究に裏付けされた成果をもって、 産学官連携を行って
いる。同センターは設立以来、30 社以上の企業と抗鳥 インフルエンザウイルス活
性を持つと期待される素材の検証や共同実験を 行っており、その中から、特に高
い効果が期待される新素材については共 同で特許出願を行っている。
鳥インフルエンザウイルスを直接扱える研究機関は日本に非常に少なく、 当セ
ンターの産学共同研究は、社会にとっても非常に大きな意味を持つ。 今後も、可
能な限り企業との共同研究を推進する方針である。
*1:
京都市北区上賀茂の地に、 1965(昭和40)年、理学部と 経済学部の2 学部
で開学した 京都産業大学は、現在、9 学部 (2010 年に工学部を再編し、
総合生命科学部を開設。現在、 工学部は募集停止)・8 研究科 からなる一
拠点総合大学として 人文社会科学分野から、ICT、 ライフサイエンス分野ま
での教 育・研究活動を行っている。
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