Vol.1 Vol.19 特集 洋上の鳥見Ⅱ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ネオポン 2015年8月 東海デジスコ倶楽部プラス 配信停止、登録アドレスの変更など、お問い合わせは [email protected] へご一報下さい。 洋上の 洋上の鳥見Ⅱ 鳥見Ⅱ ネオポン 今回は洋上の鳥見Ⅱと題して太平洋フェリーで行く関東沖から仙台港にかけての様子をレポート致します。 詳細はホームページ http://neopon.net/kadai/umidori02/umidori2.htm を参照して下さい。 この航路では房総沖から日立沖と冬場の福島県沖がおもしろいです。名古屋を 19:00 に出て翌日日の出と共に起き ますが、そのころフェリーが通っているのは野島崎沖から勝浦沖あたりです。ウミツバメはこの辺りから福島県の塩屋崎 沖くらいまでが期待できるエリアです。 5月~7月にかけて船首の方を小回り良く、且つ素早く飛んでいるやや小さめの黒っぽい海鳥がウミツバメです。速く て直ぐに見えなくなるので、とにかく縦横無尽に飛び回っている鳥を見たらシャッターを押してください。 <アシナガウミツバメ> <クロウミツバメ> <オーストンウミツバメ> ウミツバメの話から始めましたが、房総半島沖ではオオミズナギドリがメインでほぼ通年、他にミズナギドリ科、 アホウドリ科、トウゾクカモメ科、カモメ科、アビ科、ウミスズメ科の海鳥達を見ることが出来ます。 オオミズナギドリは中でも3月から8月が出会いの確率が高く、この頃は2~3百匹の大集団が鳥山をつくっている のを見ることも有ります。餌となる魚の集団が水面に集まっており鳥と魚の大捕物が展開されているところだと思 います。 運が良ければ魚群を追って来るイルカの集団を見かける事も有ります。また冬場で有ればアビ科やカモメ科の 海鳥達も我先にと捕り物に参加している事と思います。 デジスコでは全体を撮す事が出来ませんが海面から山の様に舞い上がっている様は圧巻です。 <オオミズナギドリ> <オオミズナギドリ> 朝日を浴びて白く見えるミズナギドリはオオミズナギドリでほぼ間違いないと思います。オオミズナギドリの腹側 が白く見えるのです。又、背面側になったら海と同化して一瞬見えなくなってしまいます。それでも500m圏内に入 ってくるとしっかり識別出来るので撮影チャンスとなります。 オオミズナギドリに気を奪われていると先述のウミツバメや他のミズナギドリ、アホウドリが近づいている事も有 るので満遍なく探鳥して下さいね! アホウドリは銚子沖から日立沖あたりまでが比較的良く出てくれます。オオミズナギドリより一回り大きい海鳥を 見かけたら注視してください。良く目にするのはアホウドリ幼鳥ですが、7月頃は成鳥を見かける機会も多いらしい です。 <アホウドリ幼鳥> 又、この付近から福島県沖にかけてはクロアシアホウドリやコアホウドリも出てくるので、アホウドリ科の海鳥に 興味が有る方はオオミズナギドリより大きい海鳥を意識して探鳥して下さい。 <クロアシアホウドリ> クロアシアホウドリとアホウドリの識別は嘴の大きさや色などで判断していますが、幼鳥同士は良く似ているの で注意が必要です、アホウドリとハッキリ違うのは名前の由来となっている足の色なので出来れば黒い足は押さ えてくださいね。尚、クロアシアホウドリには下尾筒が白い個体もいるので良く観察してください。 <クロアシアホウドリ> 大きい海鳥で白っぽく人相の悪いのがコアホウドリです。アホウドリ科の海鳥はゆっくり飛んでいる様に見えても 飛翔速度は速いです。でも目標が大きいのと比較的単純な動きをするので思ったより撮影しやすいかもです。 <コアホウドリ> 5月から6月にかけてよく見かけるようになるのがアカアシミズナギドリやハシボソミズナギドリです。オーストラ リア南部の島嶼で繁殖し、北米方面へ渡る途中日本付近を通過しますが、それがこの時期にあたります。 <アカアシミズナギドリ> 同じ時期にハイイロミズナギドリも通過して行きますがハシボソとの区別が大変難しいです。それぞれに特徴は 有るのですが撮影条件、角度によっては非常に酷似している事が有ります。ハシボソミズナギドリは良くフェリーと 併走してくれるのでデジスコには有り難い鳥さんです。 この航路ではこの時期全エリアで見ることが出来ます。 <ハシボソミズナギドリ?> ハイイロヒレアシシギやアカエリヒレアシシギは3月~5月と8月~9月によく見かけます。通常は数十羽~数百 羽単位で飛んでいる事が多いですが、塩屋崎沖で数万羽の大群に出くわした事もあり、一面ヒレアシシギで埋ま っていた光景が今も目に焼き付いています。 <アカエリヒレアシシギ> オオトウゾクカモメは南極大陸沿岸部で繁殖し、北太平洋、北大西洋まで渡ります。日本では5月~10月頃に 見られ特に5月~7月が出会いの機会が多いです。ズングリムックリの体型は一目で認識出来ます。 この航路では塩屋崎以北で見かける事が多いです。 <オオトウゾクカモメ> 冬場は今まで沈黙していた塩屋崎沖から仙台港にかけての福島県沖も賑やかになって来ます。ウミスズメ科や アビ科、カモメ科の海鳥が加わり益々楽しい海旅となります。勿論、関東沖は冬場も楽しむ事が出来ますよ! ウトウの飛翔姿はウミスズメと似ていますが嘴の色や飛び方群れの大きさを良く観察すれば識別出来ます。 <ウトウ> パタパタと慌ただしく羽ばたく姿がかわいいウミスズメです。ウトウより大きい集団で飛ぶことが多く原発沖から仙 台港にかけて良く見かけます。3月頃ですが300羽くらいの集団に膨れあがっているのを見かけた事も有ります。 <ウミスズメ> 冬場の主役はオオミズナギドリからミツユビカモメにバトンタッチされます。他のカモメ類より若干小さく集団を形 成する事が多いので区別出来ると思います。勿論、他のカモメ達と一緒に飛んでいる事も有るので要注意。 <ミツユビカモメ> フルマカモメはズングリムックリのカモメで、ミズナギドリ科に属しています。でも、カモメ科の鳥にも似ているので 微妙な海鳥を見かけたら要注意です。塩屋崎以北で見かける事が多いです。 <フルマカモメ> 冬場羽ばたきをしながら直線的に飛翔している事が多いトウゾクカモメです。勿論、カモメを襲撃する時は複雑な 動きを見せてくれます。カモメ科の鳥に似ている所も有りますが色が黒っぽいので一目でわかると思います。 しかし、暗色型、淡色型、幼鳥等バリエーションも多いので要注意! この航路では冬場全エリアで見ることが出 来ます。 <トウゾクカモメ> ミツユビカモメを追い回すトウゾクカモメです。 迫力有る見せ場を演じてくれますよ! 塩屋崎以北で見かける事が多いハシジロアビ です。嘴が太く反り気味になっており、「オヤッ?」 オオハムじゃ無いな!と思うのですぐわかるかと 思います。 <ハシジロアビ> アビ科の海鳥はフェリーに驚き潜ってしまう事が有ります。潜らない時でも背を向けて走るので非常に同定が難 しいです。更に飛翔時の姿は普段見ることが無いのでもうお手上げ状態ですが、唯一特徴が明確なシロエリオオ ハムを突破口に識別していきます。この航路では冬から春にかけて、伊良湖周辺と銚子沖~福島県沖で良く見か けます。 <シロエリオオハム> フェリーからは下のようなシーンを見ることが多いです。 <シロエリオオハム?> 宮城県北部の沿岸では冬場オジロワシが海岸沿いを飛んでいく姿を良く見かけますが、オジロワシは仙台港沖 でも狩りをしているようです。又、クロガモやシノリガモが飛んでいるのもたまに見かけます。 フェリーでの鳥見は時速40kmで動いている船からの鳥見となるので、鳥との出会いは時間、場所、気候との 偶然性に左右されます。それでも鳥を見かけない日は有りません。又、たまに甲板で見かける内陸部や沿岸部の 野鳥との出会いにも懐かしさを感じます。「洋上の鳥見」機会が有ればまた行ってみたいです。 <オジロワシ> <クロガモ> <シノリガモ> ★ ★★ 編集後記 ★★★ △ 渡りの季節が始まりましたね!干潟や浜辺には懐かしいシギチ達が顔を出しているようです。9月に入れば夏鳥 達も帰る準備を始め都市公園や里山等でも頻繁に見られる様になります。この時期は今年生まれの若鳥達が初 めての大遠征に向けて胸を弾ませている時期でもあり、日に日に成長を感じさせてくれます。その勇姿に新たな 活力を戴いているのは私だけでしょうか? さあ鳥見の季節到来ですよ(^_^)v △ 今年は台風が多いですね!聞くところによると50年ぶりの多さだとか? 今回特集した洋上の鳥見はフェリーを 利用しており、航路である名古屋~苫小牧は台風のコースでも有る事からその影響をもろに受けてしまいます。 欠航になるのではとヒヤヒヤものです。 △ 台風自体は被害が伴う為来て欲しくないのですが、台風の落とし子が毎年の様に現れ普段見ることが出来ない 鳥を目にしたり、台風を避けて避難してくる鳥達に出会う事も有る等、チョッピリ期待している面も有ります。 △ 年々目の衰えや動きの鈍さを感じる様になりました。又、物忘れも酷くなってきた様に思います。最近心がけてい る事はボケ防止への取り組みの一環で、いくつもの操作を同時に行うトビモノ撮影(デジスコ)を意識的に行ってい ます。 △ 今年はデジスコでハリオアマツバメにトライしましたが、結果は今一で幾つもの課題が浮き彫りになって来ました。 デジスコでトビモノ撮影をしていると、10年前のデジスコを始めた頃の事を思い出します。思ったように撮れない ジレンマと沸き上がってくる好奇心! これからもこのデジスコ一年生の特権を謳歌して行きたいと思っています。 ★★★ ネオポン ★★★ ツリスガラ 第19号 ★ 表題 「涼」 夏になるとツバメ、コシアカツバメ、ショウドウツバメ、イワツバメ、ハリオアマツバメによる それぞれのダイビング、水飲みシーンが真夏のテーマとしてクローズアップされて来ます。 中でもハリオアマツバメは高原まで遠征してトライしています。ツバメ達のダイビングは爽快で 私達に涼を感じさせてくれますね! そして洋上の鳥見でも海鳥に癒されています。 鳥見って素晴らしいですね! ★ 画像 洋上の鳥見Ⅱ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ネオポン 撮影機材 KOWA TSN-774+KOWA TE-17W+Nikon1 J3 又は Nikon1 J4 表紙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ネオポン 画像の著作権は画像提供者に帰属し、無断使用(転載・引用)は堅くお断り致します。 画像の著作権は画像提供者に帰属し、無断使用(転載・引用)は堅くお断り致します。 ★ 編集(文責) ネオポン ★ 発行 東海デジスコ倶楽部プラス [email protected] 2015 2015年8月24日発行 次号は2015年10月末に発行予定です。
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