2015 年 12 月期 第 3 四半期 説明会 質疑応答集(概要) Q-1. 投資先の企業について、各企業が現在どのステージにいるのか教えてほしい。 A-1. すべて回答することはできかねるが、Tokyo Otaku Mode 社は、この 1 年程度の間に同社か ら発表されたリリースだけでも、10 億円規模の資金調達を行っている。 今後の収益化や上場するか否か等については、当社が関与するものではなく、Tokyo Otaku Mode 社が自身で判断されるものであるが、直近でもリクルート社や大手商社などが資本参 加するステージとなっている。 フォトシンスについては、直近では 5 億円近いファイナンスを行い、ジャフコ社等が資本参 加するステージとなっている。 Q-2 なぜ今回、新株予約権の発行による資金調達を選択したのか? A-2. そもそも、ファイナンスを実施すべきか否か、実施するとした場合のファイナンス・スキー ムは何が最善かを総合的に検討してきた。 その中で、今回の新株予約権という形態でのファイナンス実施を選択した理由は、①3 年間 という長期の行使期間を設定できること、②新株予約権行使について、行使停止を指定でき るオプションが当社側に有ること、の 2 点による。 当然、当社としても株価が低位の状況でファイナンスをしたい訳ではなく、一定の株価水準 以上での資金調達をしたいと考えている。 想定する株価水準は、事業の状況次第で日々変化するものであるが、当然に安い水準では新 株予約権の行使停止をかけ、想定する株価水準にある場合には行使を進めて資金調達を行っ ていく。 一方で、資金需要は増加している。 Facebook や Twitter の爆発的な成長以降、ここ数年で、インターネット業界の中では、 Uber や Airbnb に代表されるシェアリングエコノミー以外に、ビジネスがここまで大きく拡 大したジャンルはない。 当社は、今後このシェアリングエコノミー分野への投資を行っていくため、資金需要と当社 株価の状況を総合的に判断して、調達活動を進めていきたい。 Q-3. 上場した投資先の株式の売却での資金調達を選択せず、なぜファイナンスを行うのか? A-3. 株式の売却については、別途その時の状況により判断が必要となる。当社としては、 ・投資先の成長が継続している、株価評価が低いと考える場合はホールド ・投資先の成長が鈍化してきたと考える場合には売却 と考えている。 現金の取得=株式の売却、予約権行使等であるが、投資すべきシェアリングエコノミー企業 と出会い、投資するタイミングは、その企業とのタイミングであり、ケース・バイ・ケース と考えている。 現在、社内で専門に人を置いて、シェアリングエコノミー業界について調査を進めている が、恐らくベンチャーキャピタルや事業会社を含めて、シェアリングエコノミーと同業界の ベンチャー企業について、日本で1番詳しいのは当社であると考えている。 これだけ業界・会社に詳しく、事業状況をつかんでいる中で、投資できる金額が少ない状況 は非常にもったいないと考える。 状況が解っているからこそ、投資資金を確保できるようにしておきたいと考えており、ファ イナンスを実施するのもそのためである。 Q-4. 「伝統サポーターズ」や「TABICA」などのシェアリングエコノミー・ビジネスのマネタイズ に関して、将来のビジョンや夢はあるのか? A-4. 今、「伝統サポーターズ」や「TABICA」のような新規事業を 6~7 件進めているが、どの事 業についても年間 2,000〜3,000 万円程度の予算で、人員 2~3 名で進めている状況であり、 まだ本格的にアクセルを踏んで億円単位の投資を行うような状況ではない。ベンチャー企業 で言えば、ラウンド A の手前といったレベル。 本格的に投資を行えば「採算が取れる」「勝てる」と確信がなければ、大きな資金を投資す ることはない。当社としては、これらのいくつかの事業において、スピーディに検証を進め て、どこに投資すべきか、そのリターンはどれ位になるかを数字で読める段階に早く持って 行きたい。 シェアリングエコノミー・ビジネス全体を見た時に、その時代が来るのは間違いないが、ど の分野が最も成長するのかを見極めること、その分野で競合と戦って当社がトップシェアを 取ること、この 2 点について注力していきたい。 Q-5. 新株予約権の行使に対しては、すでに保有している自己株式を優先して活用するということ であるが、自己株式が足りなくなった場合は新株を発行するのか? A-5. 自己株式が無くなった場合には、新株を発行することになる。当社としては、自己株式の活 用であっても、新株の発行であっても、どちらが良い悪いということではなく、同じく資本 効率を悪化させるものだと認識している。 しかしながら、それを超えてファイナンス実施をした方が将来的な企業価値向上のために良 いと考えた場合には、ファイナンスを行っていく。今回は、当然に良いと考えたため実施し た。 既にガイアックスは、現預金、保有する営業投資有価証券、今回のファイナンスによる調達 資金に加え、役員・従業員向けストックオプションの行使なども含めれば、80~90 億円程 度の流動性を得る可能性のあるフェーズにまで来ている。 シェアリングエコノミー・ビジネスの時代が日本に本格的に到来した時に、潤沢な資金で投 資することでガイアックスの事業サイズを、さらに引き上げていきたい。 ソーシャルメディア産業の日本のトップ企業では、現在時価総額が 2,000~4,000 億円の規 模となっている。 シェアリングエコノミー・ビジネスは、ソーシャルメディア産業よりも大きくなると考えて いるので、トップ企業になれば 2,000~4,000 億円の規模ではなく、兆の単位となる。 実際に、アメリカでは Uber や Airbnb など、時価総額が兆の単位の会社ができている。 以上のような数字感・概要感を持って、ガイアックスを成長させていくことを考えて、現在 は事業を進めている。 シェアリングエコノミー・ビジネスが今から産業としてくる中で、当社として、どの領域・ 会社に、どれだけ投資していくのか、一方で3年間の期間で停止しようと考えれば停止でき るオプションも有ることも総合的に考えて、今回の新株予約権は発行した。 Q-6. シェアリングエコノミーの新規事業等が、決算の数字に寄与するには、どれくらいの時間が かかるのか? A-6. 通常のソーシャルメディア産業は、おそらく 7~10 年の単位で収益化まで時間がかかってい ると思うが、シェアリングエコノミーでは、それよりも断然早いと考える。1~2 年先でと いうことはないが、実際に Airbnb などは早期に立ち上がってきている。 問題は、投資できるだけの検証が進むか、投資できるビジネスとして確立できるかが重要で あり、収益化は更にその先と考えているが、ソーシャルメディア産業よりは早いと考えてい る。 Q-7. ソーシャルサービス事業など既存事業についての考え方は? A-7. 既存事業については、競合他社は居るものの当社も十分に強いポジションに位置していると 考えている。ただし、市場については、既に成長期から成熟期・収穫期に移行していると、 競合他社も考え、あまりチャレンジングな見通しを立てていないと思うが、当社も同様の考 え。 そのため、当社でも、過剰な投資を行わず、成熟期・収穫期にきた市場の中で確実にシェア を獲得していき、しっかりと収益化を図っていく。 しかし、通常の産業と異なる点は、ソーシャルメディア産業は、成熟したとはいえ、まだ成 長余地を残している点にある。 そうした成熟した市場の中で、既存事業ではキャシュフローを獲得し、収益化を図っていく ことが大事であると考えている。
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