「月刊不動産流通」2014年11月号より転載 vol.382 国土交通省 土地・建設産業局不動産業課 宅建業者が媒介業務以外の 業務を行う場合の注意点 について教えてください 宅地建物取引業者(以下「業者」といい る契約を締結することは、結果として国土 ます)については、不動産流通市場の活性 交通大臣の定める報酬の額を超える媒介報 化に向けて、不動産の取引において、媒介 酬を依頼者に請求することとなり、業法違 業務のみならず、金融機関、司法書士、リ 反となる可能性がありますので、注意が必 フォーム業者、インスペクション業者等の 要です。 不動産取引に関連する他の多くの専門家と 協働する中で、消費者の意向を踏まえなが また、ガイドラインにおいては、特に、 ら、不動産取引について全体的な流れを分 業者が不動産コンサルティング業務を行う かりやすく説明し、適切な助言を行い、総 場合には、媒介業務との区分を明確化する 合的に調整する役割が期待されています。 ため、あらかじめ契約内容を十分に説明し また、業者自らも積極的に媒介業務以外の て依頼者の理解を得た上で契約を締結し、 不動産取引に関連する業務の提供に努める 成果物は書面で交付することが必要である ことが期待されています。 としています。 これは、業者に期待される役割が多様化 国土交通大臣による宅地建物取引業法 し、コンサルティング業務の内容も幅広い (以下「業法」といいます。)の解釈・運用 業務が想定される中で、前述のようにコン の基準を示したガイドラインにおいては、 サルティング報酬と媒介報酬との関係が問 このような媒介業務以外の関連業務を業者 題になり、実体上は1つの業務と捉えて法 自らが行う場合には、媒介業務との区分を 令を適用することがありうることから、コ 明確化するため、媒介契約とは別に、業務 ンサルティング業務が媒介業務とは真に別 内容、 報酬額等を明らかにした書面により、 個の業務であると判断されるために満たす 契約を締結することが必要であるとしてい ことが望ましい要件を挙げたものです。 ます。 つまり、業者は媒介業務以外の業務につ 業者の皆様におかれては、これらの点に いて契約を締結することにより、その内容 注意した上で、消費者の方が安全に、安心 に応じた報酬を媒介報酬とは別途、依頼者 して取引することのできるサービスの提供 から受領できることを意味しています。 を行っていただくようお願いいたします。 ただし、売主と買主の間に入り契約条件 (文責:大内健太) の調整を行うなど、本来の媒介業務に含ま れるような業務について別途報酬を受領す 58
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