「もう一段」(PDF)

展望
JAの進むべき道
情勢を契機に「もう一段」
将来を左右する大きな節目を迎える
易く行うことは誠に難いのですが、
改正農協法とりわけ「 5 年間のう
われわれは頭や体に汗をにじませな
ちに組合員の事業利用、改革の実施
がら「さらにもう一段」という努力
状況等を調査し、准組合員の事業利
を続けなければなりません。
用規制の在り方に結論を得る」旨の
他者からの発議で「自己改革」
条文により、JAグループは過去に
昨年来、JAグループに対する
ないリスクに直面しています。 5 年
無理解、誤解、中には意図的とも
後「結論」ですから事実上およそ 3
年後でしょうか、組合員の皆さん方
比嘉政浩
思える曲解のなかで政治的な「農協
(JA全中専務理事)
から、「JAはよくやっている」と
改革」の議 論 が 進 め ら れ ま し た。
怒 り、 焦 り、緊迫……そして、J
言っていただけているかどうかによって、J
Aグループが求めなかった農協法改正が行わ
Aグループの将来の姿が定まってくると考え
れました。これを受けての、他者からの発議
ています。
での「自己改革」
。しかも、求められている
自主・自立の協同組合として「さらにもう一段」
ことはこれまでも強く意識し、自らやろうと
協同組合であるJAの役割(使命)を最も
してきた、けれど簡単ではないことばかり。
抽象的に表現すれば「組合員の願いやニーズ
環境や政策変更の影響もあったではないか、
を実現しその延長で地域に貢献する」です。
なぜJAグループだけを悪しざまに言うのだ
そのための手段が事業・活動で、それらは組
……憤りはゼロにはなりません。
合員による意思決定に基づき、自らの事業収
それでも前を向きたい
益をもって実施されます。このことをもって、
以上の経過をどのように受けとめるのか、
われわれはJAグループを「自主・自立の協
それぞれの方で異なると思います。
同組合」と自己規定しています。
私はこうした経過を理解しつつも前を向き
いかなる協同組合、企業も完全無欠の組織
たい。現在の情勢を契機にしなければ将来展
はありません。良い組織とは年々「さらにも
望が拓けない、と思うからです。求められて
う一段」良くなっている組織のことでしょう。
いる努力の方向が本来の使命を果たすための
ましてやJAグループは人口減少、高齢化と
努力の方向だからです。
いう避けがたい環境変化をもろに強く受ける
そして、このことは全中において全く同様
体質で、下りのエスカレーターに乗っている
です。会員の皆さん方に「よくやっている」
ようなものです。懸命に登り続けてようやく
と言っていただける組織となるよう、頭と体
明日にバトンを渡すことができます。言うは
に汗をかいて努力します。
あ
ひら
2015/10
月刊 JA
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