こちら - 四国経済産業局

省エネルギー政策の動向について
平成27年度エネルギー使用合理化シンポジウム
資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
Ministry of Economy, Trade and Industry
Agency for Natural Resources and Energy
Energy Conservation and Renewable Energy Department
目次
1.我が国のエネルギー需給事情
2.省エネ政策の現状
2-1 工場等における対策
Ⅰ)産業部門におけるベンチマーク制度
Ⅱ)業務部門におけるベンチマーク制度(新規)
Ⅲ)事業者クラス分け評価制度(新規)
Ⅳ)未利用熱活用制度(新規)
2-2 トップランナー制度
2-3 住宅・建築物における対策
2-4 運輸における対策
3.省エネに係る支援措置(27年度補正・28年度予算)
1.我が国のエネルギー需給事情
現状(2013年度)
我が国の最終エネルギー消費の推移
• 2013年度の最終エネルギー消費は、前年に比べ▲0.9%と減少。家庭部門・運輸部門
が減少する一方で、生産活動の増加等により産業部門・業務部門が増加。
(兆円、2005年価格)
600
(原油換算百万kl)
450
400
350
実質GDP
1973→2013
1973→2013
2.5倍
500
運輸部門
300
16.4%
250
9.2%
200
(82百万kL)
400
業務部門
家庭部門
20.6%
300
14.0%
150
200
1973→2013
2012→2013
1973→2013
2012→2013
1.8倍
2.9倍
1973→2013
産業部門
100
50
▲0.9%
▲3.7%
(76百万kL)
(51百万kL)
100
1.3倍
2012→2013
22.5%
8.9%
65.5%
最終エネルギー消費量
2.0倍
+1.9%
2012→2013
▲3.0%
43.0%
(158百万kL)
0
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
0
(注1)部門別最終エネルギー消費のうち、業務部門及び産業部門の一部(非製造業、食料品製造業、他業種・中小製造業)については、産業連関表(2005年実績が最新)
及び国民経済計算等から推計した推計値を用いており、統計の技術的な要因から、業務部門における震災以降の短期的な消費の減少は十分に反映されていない。
(注2)「総合エネルギー統計」は、2015年の改訂前のデータを使用。(2013年は速報値)
【出所】「総合エネルギー統計」、「国民経済計算年報」、「EDMCエネルギー・経済統計要覧」より作成。
1973→2013
0.8倍
2012→2013
+0.1%
5
徹底した省エネルギーの推進の意義
 これまでの省エネ努力によって、我が国は経済成長と世界最高水準の省エネを同時に達
成。既に、各部門ともに、エネルギー消費量の増加傾向には歯止め。
 省エネの徹底は、
①我が国のエネルギー需給の安定化
②事業者・家庭のエネルギーコストの低減
③事業者のエネルギー生産性の向上
にも貢献。
【我が国の実質GDPとエネルギー効率
(エネルギー供給量/実質GDP)の推移】
原油換算量
百万kL/兆円
【エネルギー効率の各国比較(2013年)】
9
2.0
1.9
600
7
500
6.2
6.1
6
【実質GDP】
1.8
4.8 4.9
5
5.5
5.3
4
1.7
400
1.6
3
2
1.5
300
1.4
200
1.2
【エネルギー効率(エネルギー供給量/実質GDP)】
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
0
出所)資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」、内閣府「国民経済計算年報」を基に作成。
0.8
2.3
2.5
0
英 日
国 本
ド
イ
ツ
フ
ラ
ン
ス
E
U
2
8
O
E
C
D
豪 米
州 国
カ
ナ
ダ
韓 中
国 東
イ
ン
ド
ネ
シ
ア
非
O
E
C
D
タ
イ
イ
ン
ド
中
国
含
ロ
シ
ア
世
界
香
港
)
1.0
100
1
1.6
1.0 1.1 1.1 1.2 1.4 1.4
2.0
( 、
1.3
1.1
7.8
8
兆円(2005年価格)
出典:IEA「Energy Balances of OECD Countries 2014 Edition」、「Energy
Balances of Non-OECD Countries 2014 Edition」、日本エネルギー経済研究
所「エネルギー・経済統計要覧」を基に作成
(注)一次エネルギー供給(石油換算トン)/実質GDPを日本=1として換算。
6
将来(2030年度)
長期エネルギー需給見通しにおけるエネルギー需要・一次エネルギー供給
エネルギー需要
一次エネルギー供給
489百万kl程度
経済成長
1.7%/年
徹底した省エネ
5,030万kl程度
(対策前比▲13%程度)
361百万kl
電力
25%
最終エネルギー消費
326百万kl程度
電力
28%
程度
再エネ13~14%
自給率24.3%
程度
程度
原子力11~10%
程度
天然ガス18%程度
石炭25%程度
熱
ガソリン
都市ガス
等75%
熱
ガソリン
都市ガス
等72%
程度
LPG 3%程度
石油30%程度
※合計が100になるよう
内訳を調整している
2013年度
(実績)
2030年度
(省エネ対策後)
2030年度
8
長期エネルギー需給見通しにおける電力需要・電源構成
電力需要
電源構成
(総発電電力量)
徹底した省エネ
1,961億kWh程度
経済成長
1.7%/年
(対策前比▲17%)
12,780億kWh程度
(送配電ロス等)
省エネ+再エネ
で約4割
省エネ17%程度
(総発電電力量)
地熱 1.0
~1.1%程度
10,650億kWh程度
バイオマス
3.7~4.6%程度
風力 1.7%程度
再エネ19~20% 再エネ22~24%
程度
程度
太陽光 7.0%程度
水力 8.8
電力
9666
億kWh
電力
9808
億kWh
程度
原子力18~17% 原子力22~20% ~9.2%程度
程度
程度
LNG22%程度 LNG27%程
度
石炭22%程度
2013年度
(実績)
2030年度
石炭26%程度
石油 3%程度
石油 2%程度
2030年度
ベースロード比率
:56%程度
9
長期エネルギー需給見通しにおけるエネルギー消費効率
 省エネルギー対策を徹底して進めた後のエネルギー需要の見通しは、最終エネルギー消費
326百万kL程度(対策前比▲13%)。
 これらの対策の積み上げにより、石油危機後並みの大幅なエネルギー効率改善を実現。
【エネルギー効率の改善】
110
100
90
35%改善
80
1970-1990
70
1990-2010
2012-2030
60
0
5
10
15
20
(年)
エネルギー効率 = 最終エネルギー消費量/実質GDP
10
エネルギーミックスにおける省エネ対策
長期エネルギー需給見通しにおける省エネルギー対策
 各部門における省エネルギー対策の積み上げにより、5,030万KL程度の省エネルギーを実現する。
<各部門における主な省エネ対策>
産業部門
<▲1,042万KL程度>
 主要4業種(鉄鋼、化学、セメント、紙・パルプ)
低炭素社会実行計画の推進
業務部門
⇒
<▲1,226万KL程度>
 建築物の省エネ化
⇒ 新築建築物に対する省エネ基準適合義務化
 工場のエネルギーマネジメントの徹底
 LED照明・有機ELの導入
⇒ LED等高効率照明の普及
 革新的技術の開発・導入
 BEMSによる見える化・エネルギーマネジメント
 業種横断的に高効率設備を導入
⇒ 低炭素工業炉、高性能ボイラ、コジェネレーション 等
 国民運動の推進
⇒
製造ラインの見える化を通じたエネルギー効率の改善
⇒ 約半数の建築物に導入
家庭部門
運輸部門
<▲1,607万KL程度>
 次世代自動車の普及、燃費改善
⇒ 2台に1台が次世代自動車に
⇒ 燃料電池自動車:年間販売最大10万台以上
 交通流対策・自動運転の実現
<▲1,160万KL程度>
 住宅の省エネ化
⇒ 新築住宅に対する省エネ基準適合義務化
 LED照明・有機ELの導入
⇒ LED等高効率照明の普及
 HEMSによる見える化・エネルギーマネジメント
⇒ 全世帯に導入
 国民運動の推進
12
エネルギーマネジメントの全体像
エネルギーマネジメントの実現 ~「我慢の省エネ」から「スマートな省エネ」へ
現場における情報収集
新しい省エネ・ソリューションの実現
工場
【省エネ量 67万kL】
◆スマートな工場の実現
○製造状況に応じた最適なエネルギー管理を実現し、エネル 製造ライン
のデジタル
ギー消費効率を最大化。
化の推進
(同時に、より高付加価値な製品の製造も実現。)
◆センサー・カメラを用いた情報収集
(FEMSの導入)
・エネルギー使用状況(設備の温度、電力
量 等)
・製品の製造ラインの状況把握
IoTを活用した、競争力のある先端的な工
場を国内に実現
ビル・家庭
◆センサー・カメラを用いた情報収取
(BEMS・HEMS・スマートメータの導入)
・エネルギー使用状況(電力量 等)
・活動環境の状況(室温、湿度 等)
・消費者の行動把握
自動車
◆センサー・カメラを用いた情報収取
・エネルギー使用状況(実際の燃費)
・走行環境の把握(渋滞状況、他車の行
動 等)
情報の
蓄積
データ解
析
【省エネ量 414万kL】
◆スマートなビル・住宅の実現
エネマネ・
・使用者や電力供給の状況に応じた最適なエネル
サービス提
ギー管理サービスを提供し、エネルギー消費効率
供ビジネス
を最大化
の拡大
(同時に、より快適な活動環境を提供)
電力システム改革をきっかけとして、
新たなサービス提供ビジネスを活性化
【省エネ量 52万kL】
◆スマートな自動車・交通流の実現
・交通状況に応じた最適運転を実現し、燃費を最大化
(同時に、より安全でスムーズな走行環境
を提供)
・ 不要な加減速の低減等に資する自動走行
技術を活用
自動走行技術等の先端技術を国内にて活用
自動走行
社会実装プ
ロジェクトの
実施
13
産業部門における徹底的なエネルギー管理の実施
(FEMS等を用いたエネルギーマネジメントによる運用改善)
•
•
工場における生産設備のエネルギー使用状況・稼動状況等を把握し、エネルギー使用の合理化および工場内設備・機
器のトータルライフサイクル管理の最適化を図るためにFEMS(Factory Energy Management System)の普及が
必要
生産設備等をセンサーなどで計測・診断・解析するなどIoT(Internet of Things)を活用することで、柔軟な生産や
設備の予知保全を行うことでエネルギー原単位の向上を図る。
FEMSの適用範囲
FEMSの
適用範囲
=
BEMSの
適用範囲
FEMSの活動サイクル
+
生産エネルギー
の最適化
出典:日本電機工業会
<省エネ改善>
<計測・診断>
IoT等の活用に
より効率化を図る
PLAN
DO
方針と計画
実施および運用
サイクルの繰り返し
ACTION
CHECK
(Analysis)
見直し・是正
監視・監査
<見直し>
導入後
BEMSの
適用範囲
FEMSの
適用範囲
改善
<EMS>
14
業務部門における徹底的なエネルギー管理の実施
(BEMSの活用、省エネ診断等)
 見える化による意識改革、設備更新による効率化、さらに設備運用改善が省エネルギーの
構成要素。BEMSはこれらに必須なシステム。
 BEMSの効用を最大限発揮させるため、エネルギーマネジメント支援サービスの活用を促
進することが、BEMSの普及と併せて重要。
BEMS※1
意識改革効果
省エネ改修
設備改修効果
平均ベンチマーク
ESCO※2
EMSv※3
ダウンサイジング
チューニング
運用改善
最適水準ベンチマーク
対策前
見える化
効率化
最適化
対策後
BEMSの効用
実運転データの活用
※1 BEMS:Building Energy Management System
※2 ESCO:Energy Service Company
※3 EMSv:Energy Management Service
ダウンサイジング:
熱源等の最適な容量を計算し、設備を小型化する。一般的な
設備改修の場合、熱源容量が過剰であってもダウンサイジング
によるリスクを避け、同容量で設計するケースが多い。
出所)第2回長期エネルギー需給見通し小委員会
資料4アズビル株式会社発表資料より
15
家庭部門のおける徹底的なエネルギー管理の実施
(HEMS・スマートメーターの活用)
 電力小売自由化を一つのきっかけとして、一歩進んだ「家庭部門の省エネ」が実現。
③ 民間主導のサービス拡大
App
le
グローバルプラット
フォーマも、電力見える
化、家電制御に参入
の動き
新たな電力小売事業者参入の動き
HEMS情報基盤を
構築し、新たなサービ
スビジネスを創出する
ためのデータフォーマッ
ト統一、プライバシー
対応など環境整備等
を実施
携帯電話とクリーン電
力のセット販売を検討
アイピーパワー
システムズ
(PPS)買収
エネルギーに限らない
サービスに拡大
電力小売全面自由化
② スマート家電の普及
家庭内のあらゆる機器の制御コマンドを定義(90種類以上)
特にエネルギーマネジメント効果の大きい重点8機器から市場投入が開始
エアコン
照明
太陽光
蓄電池
エネファーム
EV
充電器
石油ガス給器
① スマートメーターの導入
スマートメーターの本格導入開始、
2024年までに全世帯(約5,000万世帯)へ設置
(例:東電:2014年度(190万台))
現在
2030年
16
省エネ New ビジネス
 あらゆる部門において、新たな省エネビジネスの萌芽が出現
 エネルギー管理におけるビックデータの情報収集/活用/提供基盤の構築が鍵
工場向け
業務向け
製造プロセス間最適化システム導入ビジネス
ライフサイクル管理省エネ設備導入ビジネス
プロセス間のエネルギー使用状況をこれまでにないレベルで収集
ビックデータ解析によるプロセス最適化を実現
ライフサイクルであらゆる情報を管理、リース活用
初期コスト低減、メンテナンス、エネルギーコストを同時管理
家庭向け
運輸向け
エネ消費情報提供/管理サービスビジネス
高度運行管理システム導入ビジネス
家庭におけるエネルギー消費の見える化を超えたサービス提供
将来的には、家庭エネ消費の群管理まで到達
移動体情報を直接収集
ビックデータ解析による運行管理最適化を実現
エコドライブ、事故未然防止、保険適用
17
省エネバリアの存在
 現実には経済性のある省エネ対策であっても実施されていないケースがある。この要因として、
「省エネバリア」の存在が指摘されている。
 ESCOやBEMSアグリゲータ等のエネルギーマネジメント支援ビジネスは、こうした省エネバリア
の解消に有効に機能することが期待される。
【省エネルギーバリアの例】
資金調達力
リスク
情報不足
動機の不一致
省エネのための初期投資が調達できない
先のことはよくわからないため、短期間に投資回収できる省エ
ネしか実施しない
どうすれば省エネできるかについて情報が不足
オーナー・テナント問題など、主体間の思惑が一致しないため、
省エネが進まない
限定合理性
時間や気持ちの余裕がなく、検討能力にも限界があるため、
最適な選択が出来ない
隠れた費用
惰性
見過ごされやすい費用の存在(取引費用、機会費用)
関心・意識
省エネへの関心が欠けていると、省エネが進まない
(特に経営者が関心を持つか持たないかは重要)
組織構造
従来からのやり方を変えることへの抵抗
これらの解消には、
ESCO、エネマネ事
業者等のエネルギーマ
ネジメント支援ビジネス
の活用が有効
組織の縦割り構造などのために、すべき対策はわかっている
のに、省エネが進まない
(出所)平成23年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(省エネ行動とエネルギー管理に関する調査事業)報告書における電力中央研究所 木村宰氏資料より抜粋
18
エネルギーマネジメント支援ビジネスの活用
 省エネノウハウの不足等により十分に省エネができていない中小ビルや小規模事業所等を
対象に、設備更新のアドバイス、電力使用量の見える化、接続機器の制御、過去実績と
の比較等を内容とするESCO(Energy Service Company)等のエネルギー管理支
援サービスが浸透しつつある。さらに、複数の需要家を対象とする多拠点一括管理や、デマ
ンド監視・制御も含めたアグリゲータビジネスも発展。
 将来的には、電力供給の逼迫時等において、電力会社が設定する電気料金またはインセ
ンティブの支払に応じて、需要家側が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化さ
せる(ディマンドリスポンス:DR)サービスへの展開も視野。
エネルギーマネジメント支援ビジネス
需要家
(中堅・中小企業等)
多拠点一括管理
BEMS等EMS機器
省エネコンサルの提供
エネルギー管理支援
サービス事業者
主なサービス内容
電力の見える化
接続機器の遠隔制御(ON/OFF、設定変更等)
多拠点一括管理
ディマンド監視・警報
過去の電力使用実績との比較、運用改善アドバイス
その他(機器の劣化監視、需給予測通知)
・スマートメータや蓄電池等の省エネ機器
・省エネコンサルやアフターサービス等
19
第2回長期エネルギー需給見通し小委員会
(平成27年2月13日)資料
大規模・中小規模建物別の省エネ対策
大規模建物
運用改善・最適化による更なる省エネの推進
省エネ設備導入済の建物
・省エネ達成状況の確認。
・長期的な設備運用管理・チューニングによる
更なる省エネを推進。
エネルギー管理者
中小規模建物
BEMS導入建物
大規模と同じ対策が必要。ただし、
・エネルギー専門の技術者が不足。
・ESCO実施には経済的に不合理。
・省エネポテンシャルに
気付く事が出来ない。
今後省エネ設備導入する建物
・BEMSデータの有効活用による
省エネ設備の最適設計(ダウンサイジング)
を推進。
建物規模に応じた建物・設備管理の実現と
潜在省エネポテンシャルの顕在化
専門家の診断
データ
センター
負荷装置に通信装置
を付加。
定期巡回
20
第2回長期エネルギー需給見通し小委員会
(平成27年2月13日)資料
エネルギーマネジメントサービスの更なる可能性
-需要家の利用状況を反映した需給調整-
EMSvのインフラ
データ
センター
環境情報
・室内環境
・外部環境
設備運転状況
・運転設備種別
・運転負荷率
運営情報等
需給調整操作
アグリゲーション
センター
サーバー
エネルギー消費量
DR受け入れ可能レベル
(状況により可変)
需給調整要求
EMSv提供業者がエネルギー消費量に加え、各需要家の特性や設備の運用状況情報等を一次加工し
て需給調整に介入することにより、きめ細やかな、調整幅を最大限とする需給調整が可能となる。
21
2.省エネ政策の現状
2-1.省エネ法に基づく措置
エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)の概要
 省エネ法は、我が国の省エネ政策の根幹。石油危機を契機として1979年に制定。
 産業・業務・家庭・運輸の各部門におけるエネルギーの効率向上を求めている。
工場・事業場
対象:工場等を設置して事業を行う者
(エネルギー使用量1,500kl/年以上)
・エネルギー管理者等の選任義務
・エネルギー使用状況等の定期報告義務
・中長期計画の提出義務
・事業者の努力義務
運輸
住宅・建築物
対象:貨物/旅客の輸送を業として行う者
(保有車両数 トラック200台以上、鉄道300両以上
等)
・中長期計画の提出義務
・エネルギー使用状況等の定期報告義務
・事業者の努力義務
・計画の提出義務
・委託輸送に係る
エネルギー使用状況等の定期報告義務
・事業者の努力義務
エネルギー消費機器等
・新築、大規模改修を行う建築主等の省エネ措
置に係る届出義務・維持保全状況の報告義務
・建築主、所有者の努力義務
対象:自らの貨物を輸送事業者に輸送さ
せる者(荷主)
(年間輸送量が3,000万トンキロ以上)
対象:住宅・建築物の建築主・所有者
(延べ床面積300㎡以上)
対象:建売戸建住宅の供給事業者
(年間150戸以上)
・供給する建売戸建住宅における省エネ性能
を向上させる目標の遵守義務
・事業者の努力義務
平成29年から
新法に移行
一般消費者への情報提供
対象:エネルギー消費機器、熱損失防止建築材料の製造又は
輸入事業者
事業者の一般消費者への情報提供の努力義務
<トップランナー制度>(31品目)
・家電等の小売業者による店頭での分かりやすい省エネ情報
(年間消費電力、燃費等)の提供
・電力・ガス会社等による省エネ機器普及や情報提供等
(乗用自動車、エアコン、テレビ等のそれぞれの機器などにおいて商品化されて
いる最も優れた機器などの性能以上にすることを求める制度)
・事業者の努力義務
24
省エネ法の変遷
工場
事業場
運輸
住宅・建築物
1947 熱管理法制定(石炭・重油)
1979 省エネ法制定
石油危機を
契機に制定
 エネルギー(熱・電気)管理指定工場の指定
 住宅・建築物分野、機械器具分野の判断基準制定
1983 省エネ法改正
エネルギー管理士試験の導入
1993 省エネ法改正
基本方針の策定
定期報告書制度の導入
1998 省エネ法改正
エネルギー管理指定工場の拡充
2005 省エネ法改正
熱・電気一体管理の導入
1993 省エネ法改正
原単位の年平均1%以上
改善の努力目標
特定建築物(住宅を除く)の
新築増改築に係る指示・公表
の対象化
1998 省エネ法改正
 機械器具や自動車へのトップランナー制度の導入
【民生部門対策(製品規制)、運輸部門対策(燃費規制)】
2002 省エネ法改正
 業務部門(事業場)の定期
報告導入
2008 省エネ法改正
 事業者単位の導入(フランチャイズチェーンの規制対象化等)
 セクター別ベンチマーク制度の導入【産業部門対策】
2005 省エネ法改正
 輸送部門に規制対象拡充
特定の業種・分野について、中長期
的に目指すべき水準=ベンチマーク
を設定
2013 省エネ法改正
2002 省エネ法改正
特定建築物(住宅を除く)の
省エネ措置の届出義務化
2005 省エネ法改正
特定建築物に住宅を追加
大規模修繕の追加 等
2008 省エネ法改正
特定建築物の規制強化
※第1種:命令の追加、第2種:勧告の追加
住宅事業建築主の性能向上
努力義務の追加
 需要家の電力ピーク対策
 建築材料等へのトップランナー制度の導入【民生部門対策】
今後の
展開方向
セクター別ベンチマーク制度
の見直し・拡大【工場・事業場】
自動車トップランナーの燃費規制
の強化【運輸】
2015 建築物の省エネ基準適合
義務化【住宅・建築物】
※大規模非住宅から段階的に実施。
25
省エネ法の変遷のポイント
 規制対象客体の拡大
• 「工場・事業場」単位から「事業者」単位へ
• 「産業・業務部門」に加えて、「運輸部門」の事業者規制も導入
• エネルギー多消費産業への「ベンチマーク制度」の導入
 規制対象行為の拡大
• 「エネルギー使用の合理化」に加えて、「電力負荷平準化」も対象に
規制対象:9割
 トップランナー制度対象品目の拡大、制度の拡充
• 「家庭用エネルギー使用機器」に加えて、「業務用機器」「産業用機器」も対象に
• 「エネルギー使用機器」に加えて、「熱損失防止建築材料」も対象に
規制対象:4割
 建築物分野に対する規制強化
• 「建築物」に加えて、「住宅」も対象に
• 「省エネ基準遵守努力義務」から「省エネ基準適合義務」へ
(建築物省エネ基準適合義務化新法にて手当)
26
省エネ法の補足率について
 省エネ法において、エネルギー使用量ベースで産業部門の約9割、業務部門の約4割を
規制対象(年間エネルギー使用量が原油換算で1,500kl以上)。
 省エネ法の規制対象外(年間エネルギー使用量が原油換算で1,500kl未満)の工場及
びビルのエネルギー使用量は、我が国全体のエネルギー使用量の16%程度を占める。
 運輸部門のうち、荷主制度においては、運輸全体のエネルギー消費量の約19%を、輸
送事業者制度のうち、旅客輸送では約11%、貨物輸送では約13%をカバー。
規制対象:9割
産業部門
省エネ法規制対象外:
エネルギー使用量の16%
ほとんどが中小企業
規制対象:4割
業務部門
0%
20%
40%
60%
80%
100%
省エネ法の規制対象のカバー率(エネルギー使用量ベース)
27
省エネ政策の実施状況
 実施体制
 省エネルギー対策課:29名、経産局省エネ関連課:約90名、国交省他
 省エネ法施行状況
 特定事業者・特定連鎖化事業者:約12,500事業者
 指定工場:約14,800工場(第一種・第二種)
 産業用ベンチマーク対象業種:6業種10分野(全176事業者)
 業務用ベンチマーク対象業種(検討中):6業種
 トップランナー制度対象機器:28機器(約620事業者)
 トップランナー制度対象建材:3建材(全18事業者)
 特定輸送事業者(貨物・旅客・航空): 約550事業者
 特定荷主事業者: 約850事業者
 特定建築物:約18,000棟(うち義務化適用:約3,500棟)
 住宅トップランナー対象事業者: 約60事業者
 省エネ法施行関連ワーキンググループ
 現在、同時並行で9WG及び研究会を開催中
 省エネ課予算
 H27補正及びH28当初予算合計:約1,351億円
28
我が国の省エネルギー政策の全体像(規制措置)
産
業
部
門
業 務 部 門
家 庭 部 門
運
輸
部
門
●全てのエネルギー使用者に対して
・エネルギーの使用の合理化への取組の努力義務
製品等における省エネ
規制措置 省
(エネ法)
事業活動等に
おける省エネ
●輸送事業者に対して
・輸送事業者へ原単位削減目標等の
判断基準を提示
・特定輸送事業者(トラック200台以上
保有等)への定期報告義務
●産業・業務部門の事業者に対して
・事業者へ原単位削減目標等の判断基準を提示
・特定事業者(年間エネルギー使用量1,500kl以上)への定期報告義務
●荷主に対して
・輸送事業者のエネルギーの使用の合
理化に資する取組への努力義務
・荷主へ原単位削減目標等の判断基
準を提示
・特定荷主(年間輸送量3000万トンキ
ロ以上)への定期報告義務
●エネルギー多消費産業の事業者
に対して
・ベンチマーク指標と目標水準の設
定(定期報告)
●住宅メーカーに対して
・新築住宅に係るエネルギーの使
用の合理化に資する取組への努
力義務
・住宅メーカー(年間150戸以上
供給)の住宅に対するトップラン
ナー規制
●住宅・建築物の建築主・所有者に対して
・建築物に係るエネルギーの使用の合理化に資する取組
への努力義務
・建築主等へ住宅建築物の断熱材や空調機器等の性能
に関する判断基準を提示
・特定建築物(300㎡以上)の新築・改修時の届出義務
平成29年から
新法に移行
・新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準適合義務化
●自動車・家電・建築材料等の製
造・輸入事業者に対して
・トップランナー規制
●自動車・家電等の卸・小売事業
者に対して
・省エネ性能の表示義務
住宅の所有者の省
エネに貢献
家庭やオフィスにおける自動車・家電・建築材料等の
使用者の省エネに貢献
29
産業部門のエネルギー消費状況(全体の状況)
 製造業のエネルギー消費原単位(生産一単位当たりの最終エネルギー消費量)は、1973 年度に比べて2012
年度は43%改善。ただし、80年代後半以降は、改善が停滞しており、一層の対策が求められている。
 業種別にエネルギー消費の構成をみると、素材系産業である鉄鋼、化学、窯業土石(セメント)及び紙パルプが
製造業全体のエネルギー消費の8割弱を占める。
製造業のエネルギー消費原単位の推移
製造業業種別エネルギー消費
(注)
(注)
「総合エネルギー統計」では、1990年度以降、数値の算出方法が変更されている。
1.原単位は、製造業IIP(付加価値ウェイト)一単位当たりの最終エネルギー消費量 化学業のエネルギー消費には、ナフサ等の石油化学製品製造用原料を含む。
で、1973年度を100とした場合の指数である。
(出所)資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」を基に作成
2.このグラフでは完全に評価されていないが、製造業では廃熱回収等の省エネルギー努力
も行われている。
3.「総合エネルギー統計」では、1990年度以降、数値の算出方法が変更されている。
(出所)(一財)日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧」、資源エネル
ギー庁「総合エネルギー統計」、経済産業省「鉱工業指数」を基に作成
30
省エネ法の工場・事業場規制の骨格
 工場・事業場にて年間1,500kL以上のエネルギーを使用している事業者に対して、毎年、エネ
ルギーの使用状況とエネルギー管理の状況の報告を義務付け。
※H22~H25における行政措置
指導:1181件、報告徴収:88件、立入検査:10件
指示に
従わない場合
罰則
 省エネ措置の取組状況
 エネルギー消費原単位の推移
 ベンチマーク指標の状況(対象業種のみ)
公表、命令
<定期報告書記載内容>
取組が著しく
不十分な場合
合理化計画の
作成・提出指示
報告内容の評価
報告徴収・
立入検査など
指導
経済産業省
事業者
定期報告書の提出
命令に
従わない場合
○判断基準 :
事業者の管理体制や個別機器の管理方法に関する
遵守事項を、判断基準(告示)で規定。
例)運転履歴の記録、保守点検
○努力目標 : 年平均1%以上低減
○ベンチマーク指標と目指すべき水準:
現在の設定業種:鉄鋼、電力、セメント、紙、
石油精製、化学
目指すべき水準:各業界で最も優れた事業者
(1~2割)が満たす水準
31
エネルギー消費原単位の変化率の分布と業種別の状況
 エネルギー消費原単位の中長期的な年平均1%以上低減が未達成の事業者は全体の1/3にあたる3893社。
 現状は、これらの事業者の中から特に原単位が大きく増加した事業者を中心に、様々な方法で事情聞き取りを行い、定期報告の
記載内容や判断基準の遵守状況を確認し、指導・助言、報告徴収、立入検査を行う必要性を判断しているところ。
<直近5年間におけるエネルギー消費原単位の平均年間変化率別の事業者数>
エネルギー
消費原単位
平均年間変化率
改善
うち3年間にわたって
原単位が継続的に低
減した事業者数
うち4年間にわたって
原単位が継続的に低
減した事業者数
うち5年間にわたって
原単位が継続的に低
減した事業者数
25%以上低減
26
(0.2%)
16
13
11
25%~20%低減
40
(0.4%)
27
23
18
20%~15%低減
77
(0.7%)
49
44
38
15%~10%低減
315
(3.0%)
202
178
148
10%~5%低減
1626 (15.3%)
916
819
591
5%~1%低減
4640 (43.7%)
2006
1579
735
6724 (63.3%)
3215
2656
1541
うち3年間にわたって
原単位が継続的に増
加した事業者数
うち4年間にわたって
原単位が継続的に増
加した事業者数
うち5年間にわたって
原単位が継続的に増
加した事業者数
合計
エネルギー
消費原単位
平均年間変化率
悪化
該当事業者数
(割合※1)
該当事業者数
(割合※1)
1%~0%低減
1212 (11.4%)
234
23
-
0%~5%増加
2262 (21.3%)
710
205
70
5%~10%増加
291
(2.7%)
142
74
46
10%~15%増加
68
(0.6%)
42
25
11
15%~20%増加
29
(0.3%)
18
11
4
20%以上増加
34
(0.3%)
20
14
9
3896 (36.7%)
1166
352
140
合計
3年間にわたって原単位が継続的に低減した事業者が
同業種に占める割合 上位10業種 ※2
(カッコ内は該当事業者数)
放送業
映像・音声・文字情報制作業
各種商品小売業
情報サービス業
飲食料品小売業
鉄道業
宗教
家具・装備品製造業
銀行業
飲食料品卸売業
60.0% (15社)
59.3% (16社)
54.0% (136社)
51.8% (43社)
50.6% (134社)
50.0% (7社)
50.0% (6社)
47.1% (8社)
44.4% (40社)
44.4% (45社)
3年間にわたって原単位が継続的に増加した事業者が
同業種に占める割合 上位10業種 ※2
(カッコ内は該当事業者数)
鉱業,採石業,砂利採取業
電子部品・デバイス・電子回路製造業
飲料・たばこ・飼料製造業
ゴム製品製造業
化学工業
窯業・土石製品製造業
非鉄金属製造業
電気業
輸送用機械器具製造業
学校教育
24.2%
16.6%
16.4%
15.9%
15.8%
15.5%
15.5%
15.4%
14.6%
14.6%
(8社)
(48社)
(24社)
(14社)
(97社)
(51社)
(32社)
(10社)
(78社)
(51社)
省エネ法に基づく平成26年度提出(平成25年度実績)分定期報告書より資源エネルギー庁作成
※1 定期報告において過去5年分のエネルギー消費原単位を報告した事業者を分母とする。
※2 日本標準産業分類細分類ベース。10事業者以上が定期報告を行った業種に限る。
32
エネルギー管理指定工場等単位の工場等判断基準の遵守状況
 管理標準の設定状況(省エネの観点からの運転管理・計測・保守等のマニュアルの策定状況)を
指定区分別・部門別にみると、第二種エネルギー管理指定工場等よりも第一種エネルギー管理指定
工場等の方が設定している割合が高い。
 設備の種類毎にみると、第一種エネルギー管理指定工場等でも、設定率が比較的低いものがある
(例:廃熱の回収利用、熱の損失の防止、照明設備等)
管理標準の設定状況
(オフィスビル等に関する基準を適用するもの)
管理標準の設定状況
(工場に関する基準を適用するもの)
工場等判断基準の対象項目(設備)
第一種
第二種
(1)燃料の燃焼の合理化
86%
85%
(2-1)加熱設備等
77%
78%
86%
(2-2)空気調和設備、給湯設備
80%
79%
88%
86%
(3)廃熱の回収利用
75%
75%
(4)受変電設備
90%
89%
(4-1)発電専用設備
81%
83%
(5)発電専用設備、コジェネ設備
90%
89%
(4-2)コジェネ設備
83%
82%
(5-1)熱の損失の防止
76%
75%
(5-2)電気の損失の防止
86%
87%
(6-1)電動力応用設備、電気加熱設備等
80%
79%
(6-2)照明設備、昇降機、事務用機器、民生機器
77%
77%
工場等判断基準の対象項目(設備)
第一種
第二種
(1)空気調和設備、換気設備
89%
88%
(2)ボイラー設備、給湯設備
88%
(3)照明設備、昇降機、動力設備
(6)事務用機器、民生用機器
77%
76%
(7)業務用機器
70%
69%
出所:平成26年度工場等判断基準遵守状況等分析調査
注)該当設備を保有していない場合は、各項目の集計対象から除いている。
33
エネルギー管理指定工場等においてエネルギー消費原単位を年平均1%以上改善できなかった理由
 上記工場等のうち、エネルギー消費原単位を5年度間平均のみならず前年度比でも改善できなかった工場等に
ついてその理由を部門別にみると、産業部門では、生産量の減少と製品構成の変化等を挙げたものが半数を超え、
設備に関する要因と合わせて約8割を占める。
 業務部門では、空調負荷の増加を挙げたものが最も多く、設備要因及び建物利用状況要因とを合わせて約8
割を占める。
産業部門
業務部門
(回答工場数446、複数回答)
(回答工場数217、複数回
答)
出所:平成26年度工場等及び荷主の判断基準遵守状況等分析調査
34
定期報告書における記載ミスの傾向
 昨年度提出頂いた定期報告書における記載ミスの件数を見ると、35%の事業者に記載ミス有り。
 記載ミスの発生箇所を見ると、原単位の計算に関わる特定3表、4表や指定6表、判断基準の遵
守状況を報告する指定8表に間違いが多く発生。
 間違いの原因としては計算ミスや前年度に提出したものからの転記ミスなどが多い。
定期報告書における記載ミス発生箇所
定期報告書において
記載ミスのあった事業者数
特定8表,
470, 6%
指定9表,
14, 0%
特定12表, 特定2表,
369, 4%
107, 1%
指定8表,
3389, 34%
エラー有,
4370, 35%
エラー無,
7952, 65%
特定4表,
3334, 40%
特定3表,
4102, 49%
特定2表
その他,
15, 0%
指定2表,
1452, 15%
指定6表,
4547, 46%
指定4表,
407, 4%
指定5表,
109, 1%
指定2表
指定4表
指定5表
特定3表
指定6表
特定4表
指定8表
特定8表
指定9表
特定12表
その他
出所:平成26年度工場等及び荷主の判断基準遵守状況等分析調査
35
Ⅰ)産業部門におけるベンチマーク制度
ベンチマーク制度の概要
 ベンチマーク制度とは、事業者の省エネ状況を絶対値で評価する指標(ベンチマーク指標)を定めることで、事業
者の省エネ取組をより公平に評価する制度であり、エネルギー消費原単位とは別の評価軸から事業者の評価を行
うもの。
 「目指すべき水準(各業界での上位事業者(1~2割)が満たす水準)」を設定し、これを満たす事業者は省
エネ優良事業者として、定期報告上でプラス評価を行う。
 なお、目指すべき水準を満たさない事業者には、引き続き従来の評価(エネルギー消費原単位の年平均1%以
上低減)が適用される。
産業部門のベンチマーク指標(平成21,22年に制定)
製造業の約8割をカバー
6業種10分野で設定
非素材系
15.3%
鉄 鋼
紙・パルプ
5.7%
窯業土石
8.2%
30.5%
2013年度
5,929(PJ)
化 学
40.2%
【出典】資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」を基に作成
37
ベンチマーク指標の状況(平成25年度実績)
 平成25年度実績のベンチマーク達成状況は以下のとおり。
<平成26年度定期報告書(平成25年度実績)におけるベンチマーク報告結果>
事業
1A 高炉による製鉄業
目指すべき水準
報告事 達成事
業者数 業者数
平均値
達成事業者
0.531
kl/t以下
0.588
kl/t
3
1B 電炉による普通鋼製造業 0.143
kl/t以下
0.173
kl/t
32
5 15.5%
(株)トーカイ、(株)城南製鋼所、山口鋼業(株)、岸和田製鋼(株)、
関東スチール(株)
0.36
kl/t以下
0.57
kl/t
19
5 26.3%
アイシン新和(株)、愛知製鋼(株)、山陽特殊製鋼(株)、新東工業
(株)、他1社
99.0
%
11
0
1C 電炉による特殊鋼製造業
0
達成率
0% なし
2
電力供給業
100.3
%以上
3
セメント製造業
3,891
MJ/t以下
4190 MJ/t
17
5 29.4%
麻生セメント(株)、住友大阪セメント(株)、太平洋セメント(株)、(株)デイ・シ
イ、電気化学工業(株)
4A 洋紙製造業
8,532
MJ/t以下
14083 MJ/t
20
4 20.0%
(株)エコペーパーJP、王子製紙(株)、北越紀州製紙(株)、中越パルプ
工業(株)
4B 板紙製造業
4,944
MJ/t以下
8549 MJ/t
31
5 16.1%
いわき大王製紙(株)、(株)エコペーパーJP、(株)岡山製紙、大豊製紙
(株)、特種東海製紙(株)
0.876
以下
13
4 30.8%
極東石油工業(同)、昭和四日市石油(株)、東亜石油(株)、東燃
ゼネラル石油(株)
11.9
GJ/t以下
12.5 GJ/t
10
1 10.0% 東燃化学(同)
3.45
GJ/t以下
3.45 GJ/t
22
8 36.4%
5
6A
石油精製業
石油化学系基礎製品製
造業
6B ソーダ工業
0.913
0% なし
鹿島電解(株)、(株)カネカ、関東電化工業(株)、 住友化学(株)、東
北東ソー化学(株)、(株)トクヤマ、日本軽金属(株)、日本曹達(株)
注)達成事業者については公表に同意した事業者を五十音順に記載。
38
Ⅱ)業務部門におけるベンチマーク制度
未来投資に向けた官民対話(第3回
官民対話
平成27年11月26日)
総理発言抜粋
製造業向けの省エネトップランナー制度を、本年度中に流通・
サービス業へ拡大し、3年以内に全産業のエネルギー消費の7
割に拡大いたします。
「『日本再興戦略』改訂2015」(平成27年6月30日閣議決定)に基づき、グローバル競争の激化や急速な技術革新により不確実性の高まる時代
に日本経済が歩むべき道筋を明らかにし、政府として取り組むべき環境整備の在り方と民間投資の目指すべき方向性を共有するため、未来投資に向け
た官民対話を開催。第3回ではエネルギー関連の投資と課題を議論。
全産業の7割を対象とすることを目指す
現状で53%をカバー
鉄鋼
化学
22%
24%
高炉・電炉
エチレン・ソーダ等
セメント
洋紙・板紙
【出所】(一財)日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧2015」
事務所・ビル
卸小売・デパート・
スーパー
ホテル・旅館
2013年度 2.03億kl
窯業土石
その他
産業部門
5% 5%
その他
4%
2% 業務部門
紙パルプ
10%
3%
25%
ホテル
貸事務所業
スーパー
ショッピングセンター
百貨店
コンビニ
40
今後のベンチマーク制度の見直しの考え方について
 昨年度業務部門におけるベンチマーク制度について検討する研究会を開催。
 研究会では、業界ごとに適切な評価指標・評価水準の設定に向けた検討を実施。
 評価指標は、業界ごとの特徴を踏まえる必要があり、引き続き各業界団体と個別に検討中
研究会で評価指標・基準を検討した団体
 日本ショッピングセンター協会
 日本チェーンストア協会
 日本百貨店協会
 日本ビルヂング協会連合会
 日本フランチャイズチェーン協会
 日本ホテル協会
 不動産協会
2500
(PJ)
2000
その他
8%
飲食店
業務部門の約5割を
カバー
16%
事務所・ビル
娯楽場
2013年度
1,701(PJ)
病院
11%
1500
飲食店
22%
3%
9%
その他
学校
娯楽場
学校
最終エネルギー消費量の推移
1000
卸小売・デ
パート・スー
パー
ホテル・旅館
10%
病院
ホテル・旅館
500
卸小売・デパー
21%
ト・スーパー
0
事務所・ビル
【出所】(一財)日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧2015」
41
コンビニエンスストア業界のベンチマーク制度
■対象事業
日本標準産業分類:コンビニエンスストア(5891)
主として飲食料品を中心とした各種最寄り品をセルフサービス方式で小売する
事業で、店舗規模が小さく、終日または長時間営業を行う事業所をいう。
■ベンチマークの指標
*低炭素社会実行計画にて採用している原単位指標を採用
ベンチマーク指標 =
コンビニエンスストアの全事業所(店舗のみ)
における総電気使用量(kWh)
コンビニエンスストアの全事業所(店舗のみ)
における総売上高(百万円)
※コンビニエンスストアの全事業所(店舗のみ)は、直営店舗及び加盟店舗の数値。
■目指すべき水準
目指すべき水準 : 845kWh/百万円
42
Ⅲ)事業者クラス分け評価制度
事業者クラス分け評価制度の概要
 本制度は、省エネ法の定期報告を提出する全ての事業者をS・A・B・Cの4段階へクラス分けし、
クラスに応じたメリハリのある対応を実施するもの。
 優良事業者を業種別に公表して称揚する一方、停滞事業者以下はより厳格に調査する。
 事業者は、他事業者と比較して自らの立ち位置を確認することができる。
 平成28年度より制度開始予定。
Sクラス
省エネが優良な事業者
6,734社(54.6%)※1
Aクラス
一般的な事業者
4,240社(34.4%)※1
Bクラス
省エネが停滞している事業者
1,364社(11.1%)※1
Cクラス
注意を要する事業者
【水準】 ※2
①努力目標達成
または、
※3
②ベンチマーク目標達成
【水準】
SクラスにもBクラスにも該当
しない事業者
【水準】
※2
①努力目標未達成かつ直近
2年連続で原単位が対前
度年比増加
または、
②5年間平均原単位が5%
超増加
【水準】
Bクラスの事業者の中で特に
判断基準遵守状況が不十分
【対応】
優良事業者として、経産省
HPで事業者名や連続達
成年数を表示。
【対応】
特段なし。
【対応】
注意文書を送付し、現地調
査等を重点的に実施。
【対応】
省エネ法第6条に基づく指導
を実施。
※1 平成26年度定期報告(平成25年度実績)総事業者数12,338社より算出
※2 努力目標:5年間平均原単位を年1%以上低減すること。
※3 ベンチマーク目標:ベンチマーク制度の対象業種・分野において、事業者が中長期的に目指すべき水準。
44
事業者クラス分け評価制度の概要
①Sクラスの事業者公表
省エネ取組が進んでいる優良事業者として、経産省HP上で、業種別に事業者の公表を
行う。同業他社の努力目標達成状況を把握することで、自らの立ち位置を確認することが
できる。
②Bクラスへの措置の集中
省エネ取組が停滞している事業者の代表者へ注意文書を送付し、経営層へ自社の省エ
ネが停滞しているという自覚を促し、さらに、現地調査、立入検査等を集中的に実施する。
Sクラスの事業者公表
Bクラスへの措置の集中
Sクラスの事業者を業種別に公表し、連続
在位年数を★の数で表示。
Bクラスの事業者に対し、注意文書送付、
報告徴収、現地調査、立入検査を集中実
施。
○○業 (※日本標準産業分類中分類ベース)
事業者名
省エネ五ツ星
トップランナー業種
★★★
-
事業者C
★
□□分野
事業者D
-
-
事業者E
Sクラス連続在位年数を五
-
ツ星上限で記載。
Aクラス以下は星なし。
-
ベンチマーク目標を達成して
いる場合に記載。
報告徴収
指導
事業者B
立入検査
△△分野
注意文書
★★★★★
Bクラス
事業者
事業者A
現地調査
45
平成27年度提出の定期報告に基づくスケジュール(予定)
月
指導の順次実施(Cクラス)
検査結果の精査
立入検査の順次実施
報告徴収の順次実施
調査結果の精査
6月
現地調査の案内送付開始
Bクラスへの注意文書送付
定期報告の提出期限
定期報告の内容精査
5月
7月末
Sクラスの事業者公表
以降のBクラスへの措置内容検討
6月
月
3
12
5月
平成28年度
平成27年度
46
Ⅳ)未利用熱活用制度
エネルギー消費原単位の概要
 エネルギー消費原単位は、事業者ごとに、エネルギー使用量から販売した副生エネルギー量を差し引いた量を分
子、生産数量等を分母として算出する値。
 エネルギー消費原単位を年平均1%以上低減させることが、努力目標として求められる。
電気
エネルギー
消費原単位
=
ガス
油
0
2
年平均1%
以上低減
4
6
8 10 12 14 16 18 20 22
エネルギー使用量
- 販売した副生エネルギー量
燃料
原油、揮発油、重油、石油製品(ナフサ、灯油、軽油、石油アス
ファルト、石油コークス、石油ガス)、可燃性天然ガス、石炭、コー
クス、石炭製品(コールタール、コークス炉ガス、高炉ガス及び転炉
ガス)
熱
燃料を起源としない熱(太陽熱、地熱など)のみを発生させる設
備から発生した熱は除く。(外部から供給される場合には、その供
給事業者が燃料を熱源としない熱のみを供給する事業者である必
要がある。)
電気
燃料を起源としない電気(太陽光、風力など)のみを発生させる
設備から発生した電気は除く。(外部から供給される場合には、そ
の供給事業者が燃料を起源としない電気のみを供給する事業者
である必要がある。)
生産数量 等
(エネルギーの使用量に密接な関係のある値)
販売した副生エネルギー
他者に販売したエネルギー。
なお、熱供給業や電気業のようにエネルギー供給を主たる事業としている工場
等において、販売のために生産された熱又は電気は除く。
販売した副生エネルギーの対象例:
 高炉ガス、転炉ガス、コークス炉ガスなどの副生ガス
 化石燃料の燃焼で発生させた余剰熱・副生熱・廃熱
 化石燃料の燃焼や廃熱から発生させた余剰電気
販売した副生エネルギーの対象外例:
 バイオマスなどの非化石燃料に分類される副生物
 太陽熱や地熱などの燃料を起源としない余剰熱・副生熱・廃熱
 太陽光発電や風力発電などの燃料を起源としない余剰電力
※上記の対象と対象外が混在する場合には、対象となる副生エネルギーのみを適切な
方法で算出する。
※省エネ法上では、副生エネルギーは化石燃料と化石燃料起源の熱・電気のみが対
象。
48
エネルギー消費原単位の算出における未利用熱活用の考え方
 熱提供側が未利用熱であると区分した分のエネルギーについて、熱使用側の定期報告のエネルギー消費原単位
の算出にあたって、エネルギー使用量から差し引くこととしてはどうか。
電気
エネルギー
消費原単位
=
ガス
油
0
2
年平均1%
以上低減
4
6
8 10 12 14 16 18 20 22
エネルギー使用量
- 販売した副生エネルギー量
- 購入した未利用熱の量
生産数量 等
エネルギーの使用量に
密接な関係のある値
エネルギー使用量
エネルギー供給事業者から
購入したエネルギー
他事業者が販売した
副生エネルギー
購入した副生エネルギーのうち、
未利用熱以外のエネルギー
購入した副生エネルギーのうち、
未利用熱
燃料
熱
電気
49
未利用熱の定義の考え方


本制度の創設にあたって、対象となる「未利用熱」の定義を明確にする必要がある。
本制度の対象となる未利用熱は、「他事業者へ提供しなければ、省エネ法判断基準に従って取組を行っても発生を抑制できず、
廃棄することが見込まれる熱」と定義してはどうか。この定義に沿うと、具体的な事例としては、以下のとおり。
① 従来通り生産を継続する中で生産設備(ボイラなどのエネルギー供給のための設備を除く。)から発生する廃熱は、本制度の
活用の有無にかかわらず発生を抑制することができないため、未利用熱となる。
② ボイラから得た熱の全部又は一部を直接他事業者へ供給している場合、熱の供給を止めると、ボイラの停止又は出力調整に
よって熱の発生を抑制することができるため、当該熱は未利用熱ではない。
③ ボイラからの排気熱は、従来通りボイラを稼働する中で、本制度の活用の有無にかかわらず発生を抑制することができないため、
未利用熱となる。
④ 発電設備から電気と熱を得るコージェネレーションについては、一律に対象/対象外とはできず、定義に沿って判断する。
事例③
廃熱回収
工場・事業所
廃熱回収設備
未利用熱
事例②
直接供給
本制度の対象外の熱
熱
熱供給事業者
燃料
事例①
廃熱回収
エネルギー供給設備
(ボイラ、発電設備など)
生産設備
電気供給事業者
電気
未利用熱
廃熱回収設備
燃料
50
(参考)未利用熱活用の事例
事例① 2工場間の廃熱共有による省エネ
熱供
給
事業者
石油精製会社
廃熱の種類
石油精製プラントの廃熱
熱需
要
事業者
化学製品製造会社
廃熱の用途
ボイラー給水の加温
廃熱利用の概要
 富士石油袖ヶ浦製油所では、石油精製の過程で生じる80
~150℃の熱を、廃熱としてクーラーで廃棄していた。
 この富士石油における廃熱を、隣接する住友化学千葉工場
まで1.5kmの配管で輸送し、ボイラー給水の加温に活用する
ことでボイラー用の化石燃料を削減。
事例② 変電所廃熱と大型電算ビルの冷房廃熱の活用
熱供給
熱需要
事業者
電力会社の変電所
大型電算ビル
廃熱の種類
変電所廃熱・電算機廃熱
事業者
熱供給事業会社
廃熱の用途
ヒートポンプの熱源水の加温
廃熱利用の概要


新川地区熱供給センターは、東京都中央区に所在する地域熱供給施設
であり、変電所の変圧器冷却水をセンタープラントの蓄熱式ヒートポンプの
熱源水に使用し、温水製造に有効活用している。
また、地域内に年間を通じて冷房を使用する大型電算ビルが存在すること
から、冬期においては、この冷房廃熱を他プラントのヒートポンプの熱源水に
使用し、温水製造に有効活用している。
供給地区と供給配管の概要
2工場間の廃熱輸送配管の状況
(出典)国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構資料より作成
(出典)平成24年度新エネルギー等導入促進基礎調査 (省エネルギー・再生可能エネルギーに関連
する熱の有効利用促進施策に関する調査)報告書より作成
(出典)東京都市サービス株式会社HPより作成 (http://www.ttskk.co.jp/area/shinkawa.html)
51
2-2.トップランナー制度
トップランナー制度の概要
• これまで、機械器具分野においてトップランナー制度を導入し、その効率の改善に大きな成
果
• 従来のトップランナー制度はエネルギーを使用する機器のみが対象であったが、民生部門の
更なる省エネ対策のため「自らはエネルギーを使用しなくとも、住宅・ビル等のエネルギーの消
費効率の向上に資する製品」を新たにトップランナー制度に追加(2013年省エネ法改
正:建材トップランナー制度の創設)
トップランナー制度対象品目(31品目)
1.乗用自動車
2.エアコンディショナー
3.蛍光灯器具及び
電球形蛍光ランプ
4.テレビジョン受信機
5.複写機
6.電子計算機
7.磁気ディスク装置
8.貨物自動車
9.ビデオテープレコーダー
10.電気冷蔵庫
11.電気冷凍庫
12.ストーブ
13.ガス調理機器
14.ガス温水機器
15.石油温水機器
16.電気便座
17.自動販売機
18.変圧器
19.ジャー炊飯器
20.電子レンジ
21.DVDレコーダー
22.ルーティング機器
23.スイッチング機器
24.複合機
25.プリンター
26.ヒートポンプ給湯器
27.三相誘導電動機
28.電球形LEDランプ
29.断熱材
30.サッシ
31.複層ガラス
53
トップランナー制度による効率改善の例
 トップランナー制度の導入により、ガソリン乗用自動車は約74.4%(1996→2012年
度)、エアコンは約30%(2001→2012年度)の効率改善が図られた。
【乗用車】
燃費
(km/L)
【エアコン】
平均新車燃費の推移
期間消費電力量の推移
期間消費電力量
(kWh)
1300
1241
1200
1100
1000
900
1174
1220
1212
1157
1048
約30%
改善
1028
997
1027.5
924
966
896
884
800
860
700
年度
○ガソリン乗用車の10・15モード燃費平均値の推移
○出所:国土交通省
年度
○冷房能力2.8kW(8~12畳)のエアコンの単純平均値の推移
○期間消費電力量は、日本工業規格JIS C 9612:2005に基
づいたもの
○出所:各年度の省エネ性能カタログ(夏・冬)
54
2-3.住宅・建築物に関する対策
未来投資に向けた官民対話(第3回
平成27年11月26日)
総理発言抜粋
住宅の省エネを促進します。来年度にトップランナー制度を白熱
灯へ適用します。2020年までに、ハウスメーカー等の新築戸建て
の過半数をZEH化するとともに、省エネリフォームを倍増します。
住宅の省エネを強力に推進
照明等のトップランナー化
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス
全産業の7割を対象とすることを目指す
太陽熱利用
夏期
日射遮蔽
」
冬期
高効率空調設備
高効率照明設備
涼風
高断熱窓
省エネ換気設備
HEMS
排出
熱
省エネリフォーム市場の拡大
高効率給湯設備
高断熱仕様
56
民生部門の対策強化(住宅・建築物の省エネ性能向上)
 業務・家庭部門ではエネルギー消費量が大幅に増大。業務・家庭部門において無理なく、持続的な
省エネを進めるためには住宅・建築物の省エネ性能を上げることが必要。
 熱の出入りが大きい開口部や壁等に、高性能の窓や断熱材等を導入することで、住宅におけるエネ
ルギー消費量の約6割を占める冷暖房や給湯の一部のエネルギー消費効率を改善することが可能。
住宅の熱の出入り
夏
住宅におけるエネルギー消費の内訳
冬
屋根11%
換気
6%
屋根5%
外壁
15%
夏の冷房時(昼)に開口部や壁から熱が入る割合
外壁、窓、
エアコン等
動力他
36%
換気
15%
外壁
7%
94%
照明、
パソコン、
冷蔵庫等
ガスコンロ等
厨房用
8%
暖房用
25%
冷房用
2%
給湯用
29%
給湯器等
冬の暖房時に開口部や壁等から熱が流出する割合
85%
出所)2011年12月省エネルギー部会社団法人日本建材・住宅設備産業協会提出資料
出所)(一財)日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧。」推計
<建築物のリフォーム例:窓の交換>
57
ゼロエネビル(ZEB)とゼロエネハウス(ZEH)
2020年までに新築公共建築物等で、2030年までに新築建築物の平均でZEB(ネット・ゼロ・
エネルギー・ビル)を実現することを目指す。(エネルギー基本計画)
太陽熱利用
夏期
日射遮蔽
」
冬期
高効率空調設備
高効率照明設備
涼風
高断熱窓
省エネ換気設備
HEMS
排出
熱
高効率給湯設備
高断熱仕様
2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・
エネルギー・ハウス)の実現を目指す。(エネルギー基本計画)
58
ZEB/ZEHロードマップの策定
ZEB ロードマップ
ZEH ロードマップ
59 59
建材トップランナー制度のカバー率
 建材トップランナー制度の対象建材(特定熱損失防止建築材料)は、住宅・建築物からの熱損失を防止する
建築材料を想定。
 一般的な住宅において、昨年度までに導入された断熱材で住宅からの熱損失の約31%をカバー。サッシ・ガラスの
追加により、住宅からの熱損失の約81%をカバー。
 残り20%は換気に伴う熱損失であり、建材の高性能化では対応困難。
住宅からの熱損失の割合
※東京地域の標準的住宅の例
参考:世帯あたりエネルギー消費量における
機器トップランナーのカバー割合
60
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律 (平成27年法律第53号、7月8日公布)
背景・必要性
○他部門(産業・運輸)が減少する中、建築物部門のエネルギー
●消費量は著しく増加し、現在では全体の1/3を占めている。
⇒建築物部門の省エネ対策の抜本的強化が必要不可欠。
法案の概要
10,000
5,000
0
[%]
シェアの推移
▲12.5% 100%
1973
1977
1981
1985
1989
1993
1997
2001
2005
2009
2013…
○我が国のエネルギー需給は、特に東日本大震災以降一層逼迫
しており、国民生活や経済活動への支障が懸念されている。
産業
エネルギー消費量の推移
1973
建築物
+33.5%
運輸
▲0.7 %
80%
60%
43.0
26.5
34.5
16.4
23.2
22.5
1973
1973
1990
40%
20%
(1990-2013) 0%
2013 [年]
1990
50.3
65.5
18.1
(速報値)
2013
2013
(速報値)
● 基本方針の策定(国土交通大臣)、建築主等の努力義務、建築主等に対する指導助言
その他の建築物
特定建築物
一定規模以上の建築物(政令: 300㎡ )
一定規模以上の非住宅建築物(政令: 2000㎡ )
※特定建築物を除く
届出
省エネ基準適合義務・適合性判定
規 制 措 置
① 新築時等に、建築物のエネルギー消費性能基準(省エネ基準)への適合義務
一定規模以上の新築、増改築に係る計画の所管行政庁への届出義務
② 基準適合について所管行政庁又は登録判定機関(創設)の判定を受ける義務
<省エネ基準に適合しない場合>
③ 建築基準法に基づく建築確認手続きに連動させることにより、実効性を確保。
必要に応じて所管行政庁が指示・命令
建築主事又は
指定確認検査機関
所管行政庁又は
登録判定機関
建築確認
着工
適合性判定
適合判定通知書
検査
建築物使用開始
誘 誘
導導
措 措置置
エネルギー消費性能の表示
住宅事業建築主*が新築する一戸建て住宅 *住宅の建築を業として行う建築主
住宅トップランナー制度
住宅事業建築主に対して、その供給する建売戸建住宅に関する省エネ性能の基
準(住宅トップランナー基準)を定め、省エネ性能の向上を誘導
<住宅トップランナー基準に適合しない場合>
一定数(政令:年間150戸)以上新築する事業者に対しては、必要に応じて大臣が
勧告・公表・命令
[省エネ性能向上のための措置例]
建築物の所有者は、建築物が省エネ基準に適合することについて所管行政庁の
認定を受けると、その旨の表示をすることができる。
省エネ性能向上計画の認定、容積率特例
断熱窓サッシ・ガラス
高効率空調設備
新築又は改修の計画が、誘導基準に適合すること等について所管行政庁の
認定を受けると、容積率の特例*を受けることができる。
*省エネ性能向上のための設備について通常の建築物の●床面積を超える部分を不算入
● その他所要の措置(新技術の評価のための大臣認定制度の創設 等)
LED照明
高効率給湯設備
61
省エネ基準適合率の推移
 非住宅建築物については、これまでの規制強化により、省エネ基準適合率が約9割に達している。
 住宅については、従前は20%未満であった省エネ基準適合率が、住宅エコポイントの効果により約5割に向上。
2,000㎡以上の新築建築物における
省エネ判断基準適合率(推計値)※の推移
(平成11年[1999年]基準)
新築住宅における
省エネ判断基準適合率(推計値)※の推移
(単位:%)
(平成11年[1999年]基準)
住宅エコポイント効果によ
り2011~2012年度は
約5割に上昇
2003年4月より省
エネ措置の届出を
義務付け
2010年4月より省
エネ措置の届出対
象を拡大
※ 当該年度に建築確認された建築物(2,000㎡以上)のうち、省エネ
判断基準(平成11年基準)に適合している建築物の床面積の割合
2006年4月より省
エネ措置の届出を
義務付け
2010年4月より省
エネ措置の届出対
象を拡大
※ 住宅の断熱水準別戸数分布調査による推計値(戸数の割合)
62
2-4.運輸部門における対策
運輸部門のエネルギー消費状況
 2013年度の運輸部門のエネルギー消費構成は、貨物部門が35%、旅客部門が65%。
 エネルギー消費原単位は、旅客部門は増加傾向にあったが2000年代後半より減少傾向、貨物部門は減少傾
向にある。
 旅客・貨物部門ともに、エネルギー消費量は1975年頃よりも増加しているが、1999 年度にピークに達し、それ以
降は景気後退などと連動して減少。なお、旅客・貨物部門ともに8割以上を自動車が占める。
貨物部門のエネルギー消費原単位、消費量の推移
旅客部門のエネルギー消費原単位、消費量の推移
(kcal/人/km)
<エネルギー消費原単位>
450
200
150
1,500
700
100
1,000
650
500
600
350
1,500
300
自家用乗用車
営業用乗用車
バス
旅客鉄道
旅客海運
旅客航空
旅客部門計
1,000
250
500
50
0
0
75
80
(1010 kcal)
70,000
85
90
95
00
05
10
13
(年)
750
0
75
30,000
50,000
25,000
88.0 %
40,000
84.8 %
30,000
旅客航空
旅客海運
旅客鉄道
バス
乗用車
20,000
80.4 %
0
75
80
85
90
80
(1010 kcal)
35,000
<エネルギー消費量>
60,000
10,000
<エネルギー消費原単位>
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
2,000
400
2,000
(kcal/トン・km)
95
00
05
10
20,000
15,000
85
90
95
00
05
10
550
13 (年)
<エネルギー消費量>
82.5 %
88.2 %
69.8 %
貨物航空
貨物海運
貨物鉄道
貨物自動車
10,000
5,000
0
13 (年)
75
80
85
90
95
00
05
10 13
出所) エネルギー経済統計要覧を基に作成 (年)
64
トラック輸送 エコドライブの省エネ効果
 平成25年度省エネ型ロジスティクス補助金では、平均6.1%の省エネを達成。
 トラックのエコドライブにはEMS(エコドライブ管理システム)の導入が重要。EMSの普及割合は約45%であること
を踏まえると、残り55%のトラックはエコドライブによる燃費向上の可能性大。
 貨物自動車の年間エネルギー消費量は原油換算で約2,600万[KL/年]※1であることから、エコドライブの省エネポ
テンシャルは、原油換算で約2,600万[KL/年] x 55[%] x 6.1[%] = 約87万[kl/年]※2
※1: 「2013年エネルギー・経済統計要覧(EDMC)」より、原油換算1L=9,250kcalで換算。
※2: EMS普及率について、営業用貨物自動車と自家用貨物自動車で同じ割合と推計。
最大積載量
~2t未満
~5t未満
~10t未満
~20t未満
~25t未満
25t以上
全車両サイズ
地域別の燃費改善率(H25年度実績)
幹線輸送
N=5
5.03%
N=188
9.53%
N=46
5.82%
N=585
6.59%
N=0
N=85
6.06%
N=909
7.37%
集配輸送
N=621
6.93%
N=2635
6.11%
N=222
4.85%
N=374
6.25%
N=0
N=127
4.82%
N=3979
6.24%
貸切輸送
N=42
3.51%
N=391
6.16%
N=117
4.17%
N=536
6.63%
N=0
N=144
5.96%
N=1230
5.96%
その他
N=49
-1.13%
N=340
4.07%
N=84
4.43%
N=155
5.94%
N=0
N=160
5.58%
N=788
3.82%
全運行形態
N=717
6.13%
N=3554
6.09%
N=469
4.71%
N=1650
6.47%
N=0
N=516
5.59%
N=6906
6.06%
運行形態別、車両積載規模別の燃費改善率(H25年度実績)
65
省エネ法における荷主規制
運輸分野において、輸送事業者に加えて、荷主となる事業者に対し省エネルギーの取組についての義務付けを行う。
義務対象者
・全業種を対象とし、自らの事業活動に伴って委託している貨物の輸送量(自ら輸送している量も含む。)※が年度間3000
万トンキロ以上の者
※出荷貨物ごとの【貨物重量(トン)】×【輸送距離(キロ)】の合計
1.計画の策定(主務大臣への提出)【年1回:毎年度6月末】
項目(例)
義務の内容
・省エネ責任者の設置
・社内研修の実施
・鉄道や船舶の利用(モーダルシフト)の推進
・自家用貨物車から営業用貨物車への転換
・3PL(サードパーティーロジスティックス)の活用の検討 ・他企業との共同輸配送のマニュアルの策定
・積載率を向上させるための商品の標準化・小型化
※判断基準(告示)の中から事業者自身の判断によって実施可能な取り組みを選定
2.定期の報告(主務大臣への提出)【年1回:毎年度6月末】
報告の内容
・輸送モード※1ごとの貨物の輸送に係るエネルギー使用量(kl)
=出荷貨物ごとの【貨物重量】×【輸送距離】×【トンキロ原単位】の合計等により算定
・貨物の輸送に係るエネルギーの使用に係る原単位=貨物の輸送に係るエネルギー使用量(kl)÷ 売上高or輸送コスト等※2
・貨物の輸送に係るエネルギーの使用に係る原単位が中長期で年平均1%以上改善できなかった場合その理由
等
※1:トラック、鉄道、船舶、航空等
法的措置
※2:貨物の輸送に係るエネルギーの使用量と密接な関係をもつ値:どの値を選択するかについては、報告者自身が決定する。
○取り組みが著しく不十分な場合 → 必要な措置をとるべき旨勧告。
○その勧告に従わなかった場合 →
企業名等を公表。
○正当な理由がなくてその勧告に係る措置を講じなかった場合 →
その勧告に従うように命令(罰則あり)
66
今後の荷主施策①
効率的な物流システムの構築
荷主主導で物流効率化に向けた仕組みを構築するため、コンテナラウンドユースや共同輸配送の実証・支援を実施。
コンテナラウンドユースの促進
地域における共同輸配送の促進
【背景】
輸出入における海上コンテナ輸送の非効率の発生
○輸出入における海上コンテナ輸送では、輸入時に、港でコンテナを引き
取り、内陸の輸入企業工場で輸送・荷詰めした後、空コンテナを港に
返却している。一方、輸出時には、空コンテナを港で引き取り、内陸の
輸出企業工場まで輸送・荷詰めした後、港へ運び輸出しており、恒常
的に空コンテナ輸送が発生。
【対応策】
○輸入で使用した海上コンテナを港に回送せずに、内陸部で輸出事業者
が使用(ラウンドユース)するパイロットプロジェクトを実施。
○荷主、船社、物流事業者、インランドデポ、官公庁等の関係者による
協議会を設立し、現状把握、課題整理、課題解決の方策等について
議論。
輸出
荷主
調達
【背景】
地方における非効率な輸送形態の存在
○地方においては、個々の企業が個別に輸配送を行うため、積載効率の
低い状態で複数の重複した輸送が発生している。
【対応策】
○地域中小企業の貨物を混載して積載効率を上げて輸送する仕組、物
流拠点を共同化し複数企業の貨物を共同で輸配送する仕組を構
築。
○共同輸配送モデルを構築することにより、地域企業の物流コスト及び
リードタイムを低減。
○地域の共同輸配送モデルを他の地域への横展開を図ることにより、地
域創生を実現。
輸出
荷主
調達
返却
返却
荷主
輸入
・・・中身入りコンテナ
荷主
輸入
・・・空コンテナ
67
今後の荷主施策②
コンテナラウンドユースの取組事例
 コンテナラウンドユースの取組について、物流事業者と荷主が連携するベストプラクティスを表彰する「平
成25年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」において経済産業大臣賞を授与。
事業概要
○往路及び復路のいずれかが空となる海上コンテナのトラッ
ク輸送において、茨城県つくば市の内陸コンテナターミナル
を活用し、効率的にコンテナの往復利用(ラウンドユース)を
行うことで、物流の効率化及び二酸化炭素の排出量削減
(CO2排出削減量725.0トン、CO2排出削減率40.0% )を
達成。
○行政機関・自治体・埠頭会社・船会社・海貨業者や異業種
の荷主企業を巻き込みコンテナ利用荷主企業のマッチング
を行い、効率的なコンテナ輸送を実現。
イメージ図
内陸コンテナヤード(つくば市)
荷主:輸入者(東芝等)
工場・倉庫
荷主:輸出者(クボタ)
工場・倉庫
実施事業者(太字:代表者)
株式会社クボタ、株式会社東芝、株式会社イトーヨーカ堂、キ
リンビール株式会社、サントリービジネスエキスパート株式会
社、シャープトレーディング株式会社、ナイキジャパングルー
プ合同会社、株式会社アシックス、SABICイノベーティブプラス
チックスジャパン合同会社、株式会社オートウェイ、株式会社
ジョイフル本田、NYK CONTAINER LINE株式会社、株式会社
MOLJAPAN、株式会社ケイラインジャパン、株式会社韓進海
運、AMERICAN PRESIDENTLINES,LTD.、ORIENT OVERSEAS
CONTAINER LINE LIMITED、ケービーエスクボタ株式会社、み
なと運送株式会社、山九株式会社、吉田運送有限会社、茨
城県(合計22事業者)
東京港 コンテナヤード
トラックの輸送距離低減による輸送コストの削
減、慢性的な東京港周辺道路混雑緩和、二酸化
炭素排出量の削減等を実現
68
3.省エネに係る支援措置
我が国の省エネルギー政策の全体像(支援措置)
産
業
部
門
業 務 部 門
予
導
支
入
省エネ補助金(設備更新、省エネ改修、電力ピーク
対策、エネルギーマネジメント・システム導入)
支
省エネ設備、トップランナー機器導入の際の
利子補給
運
家 庭 部 門
家庭用燃料
電池(エネ
ファーム)
輸
部
門
省エネ補助金(設備更新、省エネ
改修、電力ピーク対策、エネルギー
マネジメント・システム導入)
省エネ設備、トップランナー機器
導入の際の利子補給
援
援
算
省エネ設備導入の際の融資制度
省エネ設備導入の際の融資制度
リチウムイオン蓄電池
既築住宅・建築物への高性能建材
クリーンエネルギー自動車
措
措
置
実 証 気付き 技 術 開 発
個別機器の導入補助
住宅・建築物のネット・ゼロ・エネル
ギー化(ZEB・ZEH)への補助
トラック・タクシー、海上輸送
分野の省エネ実証
中小企業向けの省エネ診断
製造プロセス改善に
資する技術開発への補助金
省エネ技術開発への補助金(蓄電池、自動車等)
税
制
置
生産性向上設備投資促進税制
(エネルギー効率向上)
省エネ設備の導入や省エネビル建築に
際しての税制(特別償却)等
住宅リフォー
ム減税
エコカー減税
70
中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業
平成27年度補正予算額 442.0億円
資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
03-3501-9726
事業の内容
事業目的・概要
省エネルギー設備への更新等を支援
 導入する設備ごとの省エネ効果等で簡易に申請が行える制度を創設し、
中小企業等の省エネ効果が高い設備への更新を重点的に支援します。
ボイラ
 「長期エネルギー需給見通し」(平成27年7月)における省エネ量の根
拠となった産業・業務用の設備を中心に対象とします。なお、対象設備が
トップランナー制度対象の場合は、トップランナー基準※1以上の設備を補
助対象にします。
 高効率な省エネ設備への更新により、中小企業等の事業の生産性や省
事業イメージ
FEMS※2
空調
例 高性能ボイラ
例 高効率空調
炉
エネ性能を向上させ、競争力の強化につなげます。
※1 指定された製品のうち、その時点で最も省エネ性能に優れた製品の省エネ水準、
技術進歩の見込み等を参考に定められたエネルギー消費効率の基準
成果目標
 長期エネルギー需給見通しにおける省エネ目標(5,030万kl)の達成に
寄与することを目指し、省エネ設備の更新を支援することで、約1,200
億円を超える国内設備投資を創出するとともに、エネルギーコストの削
減を通じて、中小企業等の生産性を向上させ、企業の競争力を強化
します。
条件(対象者、対象行為、補助率等)
補助
国
 補助対象者
全業種、事業活動を営んでいる法人及び個人事業主
給湯
照明
例 高効率照明
例 ヒートポンプ式
給湯器
生産性・省エネ性の向上
補助(1/3)
民間団体等
例 低炭素工業炉
事業者
競争力強化
※2 FEMS(ファクトリー・エネルギー・マネジメント・システム
:工場におけるエネルギー管理を支援するシステム
71
製造産業局 住宅産業窯業建材課
資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
03-3501-9255(住宅産業窯業建材課)
住宅省エネリノベーション促進事業
平成27年度補正予算額 100.0億円
事業の内容
事業イメージ
 住宅の省エネ化を図るリノベーションを促進するため、高性能※1な窓、
住宅の窓・サッシ・断熱材等の外皮改修、集合住宅の窓の改修
事業目的・概要
サッシ、断熱材等を用いた、住宅の所有者等による断熱改修を支援しま
す。
 戸建住宅においては、上記の断熱改修と同時に高性能※1な家庭用
設備(給湯設備等)を入れ替える場合、同設備の導入費用を支援し
ます。
※1 トップランナー制度対象設備の場合は、トップランナー基準*以上の設備を補
ガラスの交換
窓の取替え
助対象にします。
天井・壁・床等
の断熱改修
*指定された製品のうち、その時点で最も省エネ性能に優れた製品の省エネ水準、
技術進歩の見込み等を参考に定められたエネルギー消費効率の基準
成果目標
 省エネ性能に優れた建材や家庭用設備を支援することで国内投資を促
戸建住宅において上記の改修を同時に行う場合
以下の設備の導入費用を支援
進し、高性能建材について2割の価格低減を目指すとともに、高断熱リ
ノベーション件数の倍増を目指すことにより、長期エネルギー需給見通し
における省エネ目標(5,030万kl)の達成に寄与します。
条件(対象者、対象行為、補助率等)
補助(定額、1/3)
補助
国
 補助対象者
民間団体等
既築住宅の所有者等
所有者等
家庭用蓄電池
高効率給湯設備
等
※1 トップランナー制度対象設備の場合はトップランナー基準以上を対象とする
72
平成28年度の主な省エネルギー関連当初予算案について
 エネルギーミックスを踏まえ、2030年度に5,030万klの省エネを実現することが必要。エネルギー消費量の4割を
占める産業部門における更なる省エネを進めるとともに、特にエネルギー消費量の増加が著しいオフィス・家庭、運
輸部門における省エネ取組の強化が重要。
産業・業務部門における省エネ設備等の導入促進
エネルギー使用合理化等事業者支援補助金
【515億円(410億円)】
工場・事業場等における省エネ設備・システムへの入替や製造プロセスの改善
等に向けた改修、EMSの導入により省エネ・電力ピーク対策や事業者間の省エ
ネ対策を行う際に必要となる費用を補助する。
エネマネ事業者の
活用
事業者間で一体となった
省エネの取組
住宅・建築物の省エネ対策推進
住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業費補助金
【110億円(7.6億円)】
エネルギー消費量が増大している住宅・ビルの省エネ化を推進するため、ZEHの導
入及びZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物の導入を支援する。
※ZEH /ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス/ビル):
年間の1次エネルギー消費量がネットでゼロとなる住宅/建築物
ZEH
ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物
太陽熱利用
夏期
日射遮蔽
」
冬期
高効率空調設備
高効率照明設備
涼風
高断熱窓
省エネ換気設備
HEMS
排出
熱
高効率給湯設備
高断熱仕様
省エネルギー技術開発の一層の推進
戦略的省エネルギー技術革新プログラム
中堅・中小企業における省エネ取組の推進
エネルギー使用合理化特定設備等導入促進事業費補助金
【27億円(26.1億円)】
省エネ設備や目標年度前等のトップランナー製品の導入を促進するため、民間金
融機関等から融資を受ける事業者に対し、利子補給を行う。地域金融機関等と
の連携を強化し、地域の中小・中堅企業等の積極的な省エネ投資を後押しする。
省エネルギー対策導入促進事業費補助金
【7.5億円(5.5億円)】
中小・中堅事業者等に対し、省エネ・節電ポテンシャルの診断等を実施し、診
断事例や省エネ技術を広く情報発信し、横展開を図る。また、診断事業によって
提案された省エネの取組を促進するため、各地域できめ細かな省エネ相談を実
施するプラットフォームを構築する。
【77.5億円(75億円)】
開発リスクの高い革新的な省エネルギー技術について、事業化を
見据えた企業に対し、シーズ発掘から事業化までフェーズに応じて支
援を行う提案公募型研究開発を戦略的に実施する。
平成28年度からは、実現性の確度が高いテーマを重点支援する拡
充枠を導入する。
超高性能真空断熱材
運輸部門における省エネ対策推進
輸送機器の実使用時燃費改善事業費補助金 【62.5億円(新規)】
荷主・運輸部門の省エネを推進するため、トラック輸送事業者に対して、エコド
ライブに効果のあるEMS(エコドライブマネジメントシステム)用機器の導入を支援
すること等に加え、収集する実運行における省エネ効果のデータを活用・分析し、
その成果を展開すること等によって、効果的な省エネ対策の普及を図る。
※【】は平成28年度予算案額、()は平成27年度予算額
73
エネルギー使用合理化等事業者支援補助金
平成28年度予算案額 515.0億円(410.0億円)
資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
03-3501-9726
事業の内容
事業イメージ
事業目的・概要
省エネ・電力ピーク対策事業
 既設設備・システムの入れ替えや製造プロセスの改善等に向けた改修、
エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入により、工場・事業場単位
での省エネ・電力ピーク対策や事業者間の省エネ対策を行う際に必要と
なる費用を補助します。
 その際、省エネ法との連携を重視し、より高い水準の省エネの取組を促し
ます。また、トップランナー制度対象機器を導入する場合、トップランナー
基準※を満たす製品に対象を限定します。
 平成10年からの事業であり、申請時に計画された省エネ量が実績値とし
ても100%を超えて確実に達成されることにより、2030年省エネ目標
(5,030万kl)の達成に寄与することを目指します。
条件(対象者、対象行為、補助率等)
補助(1/2,1/3)
補助
国
民間団体等
事業者
 補助対象者
全業種、日本国内で事業活動を営んでいる法人及び個人事業主
 補助率
省エネ設備導入、電力ピーク対策事業 1/3以内
エネマネ事業者を活用した事業 1/2以内
B工場
廃止
存続
A製品
出荷
下工程
成果目標
A工場
上工程
※トップランナー基準
指定された製品のうち、その時点で最も省エネ性能に優れた製品の省エネ水準、技術進歩の
見込み等を参考に定められたエネルギー消費効率の基準
事業者間で一体となった省エネの取組
B製品
出荷
集約
新設
エネマネ事業者の活用
トップランナー制度
対象機器の例
<エアコン>
エネルギー管理支援
サービス事業者
(エネマネ事業者)
<業務用冷蔵庫>
IoTを活用した
更なる省エネ
工場
<電球形LEDランプ>
74
省エネ補助金の実績
※年度またぎ事業分を除く
 平成24年度以降、年度ごとに申請件数は1,000件以上増加。申請額が予算額を大幅
に上回っている。
申請及び採択件数の推移
(件)
申請及び採択額の推移
1200億円
6,000
申請件数
採択件数
申請金額
5,129
5,000
1000億円
4,000
800億円
予算額(新規案件分)
3,551
3,000
2,516
600億円
2,468
1,784
2,000
1,394
1,303
400億円
993
1,000
200億円
415 320
0
採択金額
平成23年度
平成24年度
※取下げられたものも含む。
平成25年度
平成25年度補正 平成26年度補正
&平成26年度
&平成27年度
億円
329億円
150億円
160億円
平成23年度
平成24年度
324億円
113億円
平成25年度
平成25年度補正 平成26年度補正
&平成26年度
&平成27年度
75
省エネ補助金の省エネ効果
 平成10年度から平成27年度までの本事業による省エネ量の累積(計画値含む。)は約
530万キロリットル。
 平成26年度補正、平成27年度当初の費用対効果は、1億円あたり2,000キロリットル及
び2,900キロリットル程度となった。
(万kl/年)
45
40
事業完了年度の省エネ効果推移
(kl/億円)
41.9
省エネ効果
(万kl/年)
39.5
4000
採択案件の費用対効果の推移
(億円)
800
費用対効果(kl/億円)
3500
700
補助金額(億円)
33.4
35
3000
600
2500
500
2000
400
1500
300
10
1000
200
5
500
100
30
25
23.1
20
17.4
15
0
H23
H24
H25
H26
※当該年度に事業完了した事業の省エネ効果
※平成26年度、平成27年度は計画値
※平成27年度は、平成26年度補正B類型を含む。
H27
0
0
H25年
H25年補
H26年
H26補正
H27
※当該年度に新規採択した事業の後年度も含めた補助金額
※費用対効果:1年あたりの省エネ効果(計画値)×法定耐用年数/補助対象経費
76
資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
03-3501-9726
エネルギー使用合理化特定設備等導入促進事業費補助金
平成28年度予算案額
27.0億円(26.1億円)
事業の内容
事業イメージ
省エネルギー設備の導入
事業目的・概要
 省エネ投資を行いたくても、資金調達がネックになり二の足を踏んでい
る事業者の省エネ投資を支援します。
 省エネ設備の導入や、目標年度到達前の一部のトップランナー製品
の設置等を促進するため、民間金融機関等から融資を受ける事業者
に対し、利子補給を行います。
 実施にあたっては地域の金融機関等との連携を強化し、省エネに積
極的に取り組む地域の中小・中堅事業者等の省エネ投資を後押しし
ます。
成果目標
 平成24年度からの事業であり、平成28年度は補助対象となる貸付
けを行う指定金融機関の数を前年度(26行)以上とすることにより、
地域金融機関等と連携して金融支援を行い、地域の中小・中堅事
業者の省エネ投資の増加を目指します。
高効率工業炉
条件(対象者、対象行為、補助率等)
国
民間団体等
補助
民間事業者等
定額
貸付
(利子補給金1.0%以内)
返済
民間金融機関等
高効率ボイラー
77
資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
03-3501-9726
省エネルギー対策導入促進事業費補助金
平成28年度予算案額 7.5億円(5.5億円)
事業の内容
事業イメージ
事業目的・概要
 診断事業
中小・中堅事業者等に対し、省エネ・節電診断事業等
を無料で実施します。
 省エネ相談地域プラットフォーム事業
中小企業等による省エネを
推進するために、地域毎にきめ細かな省エネ相談を実施します。
 講師派遣事業
地方公共団体等が参加費無料で開催する省エネ
等に関する説明会やセミナー等に、省エネ及び節電の専門家を無料
で派遣します。
 省エネ情報提供等事業
中小企業等の省エネ活動を支援するため
に、具体的な省エネ診断事例や省エネ技術を様々な媒体を通じて情
報発信します。
成果目標
 平成16年からの事業であり、地域の中小・中堅事業者等に対して省
エネ・節電診断等を無料で実施し、診断の結果、提案された省エネの
取組の9割以上※が実施されることを目指します。
※(省エネ実施量/診断時において提案した省エネ量)で算出
診断事業
(省エネ診断の例)
 オフィスの空調の運用改善
 工場の廃熱の有効利用 等
省エネ相談地域プラットフォーム事業
(プラットフォームの役割)
省エネ実施例の紹介
省エネ診断の案内、利用支援
Plan
計画の見直し支援
等
省エネの計画の策定支援
等
計画
等
Act
改善
フォローアップ 等
省エネ
PDCA
サイクル
Do
実行
設備更新計画の策定支援
補助金、融資制度等の案内 等
Check
評価
講師派遣事業・省エネ情報提供等事業
条件(対象者、対象行為、補助率等)
診断・情報提供
補助
補助
事業者
(定額) 民間(定額) 民間団体等
相談・対応
国
団体
等
(地域プラット
フォーム)
講師派遣
地方公
共団体
等
(説明会の様子)
(ポータルサイトでの事例紹介)
78
未来投資に向けた官民対話(第3回
平成27年11月26日)
総理発言抜粋
地域での省エネ診断など、中小企業の省エネをしっかりと支援します。
「省エネルギー相談地域プラットフォーム構築事業」のイメージ
地域毎にきめ細かな省エネ支援を行う「省エネルギー相談地域プラットフォーム(PF)」の構築する。
省エネルギー相談
地域プラットフォーム(PF)
省エネ?
PF
補助対象
事業者
連
金融機関
中小企業・
個人事業主
PF
携
省エネ
専門家
PF
経営
専門家
PF
省エネルギー相談地域プラットフォームの中核を担う補
助対象事業者は、中小企業等に必要な省エネルギー
等に関する支援を見極め、アドバイスや専門家とのマッ
チング等を行う。
省エネルギー相談地域プラットフォーム運営事務局
PF
PF
補助対象事業者
自治体の外郭団体、
商工会議所、
商工会連合会
業界団体 等
79
業種別平均提案省エネ率(中小企業省エネ診断結果)
製造業 業種別平均提案省エネ率(%)
14.0%
12.0%
10.0%
8.0%
6.0%
4.0%
2.0%
0.0%
※平成21年度~平成25年度の提案省エネ量、省エネ率の平均。
80
資源エネルギー庁
中小企業庁 技術・経営革新課
省エネルギー対策課
製造産業局
03-3501-1816
住宅産業窯業建材課
03-3501-9726(省エネルギー対策課)
産業技術環境局 大学連携推進室
住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業
平成28年度予算案額 110.0億円(7.6億円)
03-3501-0075
事業の内容
事業イメージ
事業目的・概要
 【ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業】
2020年までに新築住宅の過半数をZEH(※)とすることを目指し、ZEHの価格低
減及びZEHの普及加速化のため、高性能建材や高性能設備機器、蓄電池等の組合
せによるZEHの導入を支援します。
ZEH
太陽熱利用
夏期
高効率空調設備
高効率照明設備
高断熱窓
2020年までにZEB(※)を実現することを目指し、そのガイドラインを作成するため、
トップレベルの省エネルギーを実現する先進的な取組に対し、その構成要素となる高性能
建材や高性能設備機器等の導入を支援します。
省エネ換気設備
HEMS
排出
熱
高効率給湯設備
※ZEH/ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス/ビル)
:年間の1次エネルギー消費量がネットでゼロとなる住宅/建築物
」
冬期
涼風
 【ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業】
日射遮蔽
高断熱仕様
ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物
成果目標
 住宅や建築物におけるエネルギーコスト削減に向け、省エネルギー性能の高い住宅や建築
物の普及を促進することで2020年までに新築住宅の過半数のZEH実現と建築物にお
けるZEB実現を目指します。
条件(対象者、対象行為、補助率等)
国
補助
民間団体等
補助(定額、2/3)
所有者等
81
資源エネルギー庁省エネルギー対策課
国土交通省総合政策局環境政策課
03-3501-9726(省エネ課)
輸送機器の実使用時燃費改善事業費補助金
平成28年度当初予算案額 62.5億円(新規)
事業の内容
事業イメージ
トラック輸送のエコドライブ実証事業
事業目的・概要
 荷主・運輸部門の省エネを推進するため、トラック輸送事業者に対して、
エコドライブに効果のあるEMS(エコドライブマネジメントシステム)用機器
の導入を支援すること等に加え、収集する実運行における省エネ効果の
データを活用・分析し、その成果を展開すること等によって、効果的な省エ
ネ対策の普及を図ります。
 トラック運送事業者に対して、専門のコンサルタント会社からのエコドライ
ブ指導の受講経費や、EMS用機器の導入に必要な経費等を支援
し、実運行における省エネ効果を実証
成果目標
 本事業及びその波及効果によって運輸部門におけるエネルギー消費量を
2030年までに原油換算で年間約94万kl削減することを目指します。
条件(対象者、対象行為、補助率等)
補助
その他輸送機器の実使用時燃費改善実証事業
補助
(定額,1/2,1/3)
民間団体等
国
民間企業等
補助
(定額、1/2)
 整備事業者に対して、次世代自動車に対応した
スキャンツールの導入に必要な経費等を支援し、自動車
の整備を高度化し、実運行時の燃費向上を図る
 内航海運事業者等に対して、革新的省エネ
船舶の設計・建造等の経費等を支援し、
船舶の実運航時の燃費改善を実証
82
資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
03-3501-9726
戦略的省エネルギー技術革新プログラム
平成28年度予算案額 77.5億円(75.0億円)
事業イメージ
事業の内容
 産学官連携による成果重視の研究開発を一層促進するため、ステー
インキュ
ベーション
研究開発
(2/3以内助成)
採
択
審
査
ジゲート審査の導入により目標達成を徹底し、事業化を見据え、企
業の参画と自己負担を求めることで、革新的技術の実用化を着実に
進められる有望テーマの支援を推進します。
 平成28年度からは、高い省エネ効果が期待され、実現性の確度が
高いテーマを重点支援するための拡充枠(テーマ設定型プロジェク
ト)を導入し、企業連携による省エネ1号機実証等を支援します。
実用化開発
(2/3以内助成)
採
択
審
査
原則2年又は3年
ステージ
ゲート審査
シーズ発掘から事業化まで一貫して支援を行う提案公募型研究開
発を戦略的に実施します。
ステージゲート審査
 具体的には、開発リスクの高い革新的な省エネルギー技術について、
原則2年又は3年
原則1年又は2年
採択審査
事業目的・概要
 第4次エネルギー基本計画にも記載のあるように、本事業において、
「業種横断的に、大幅な省エネルギーを実現する革新的な技術の開
発を促進」していきます。
採
択
審
査
実証開発
(1/2以内助成)
事
業
化
テーマ設定型プロジェクト
(2/3以内助成)
新規
最長5年
※インキュベーション研究開発フェーズ単独の実施は不可。
成果目標
 平成24年度から平成33年度までの10年間の事業であり、本事業を
開発成果として製品化された事例
通じて、省エネルギーの技術開発・普及が拡大されることにより、我が
国におけるエネルギー消費量を2030年度に原油換算で1,000万kL
削減することを目指します。
条件(対象者、対象行為、補助率等)
国
交付金
NEDO
補助
(2/3、1/2)
企業
大学等
ECMセメント
高効率ガスエンジン
小型化された
エコキュート
83
定期報告書等の電子化推進に係る今後の方向性
機密性○
電子政府の普及および省エネルギー・省資源の観点から、定期報告書及び中長期計画書又は計画書
(定期報告書等)の提出について、電子化への一層の推進にご協力をお願いします。
 定期報告書等の提出は電子申請または光ディスクによる電子データの提出を推奨します。※1
 提出いただく定期報告書の電子データは、xml形式(※2)を原則とします。※3
 電子データの正確性を期するため、「定期報告書作成支援ツール」のご利用をお願いします。
※1 紙媒体による報告を無効とするものではありません。可能な範囲で電子化へのご協力をお願いいたします。
※2 xmlとは、複数のシステムにおける情報のやりとりを容易にする電子データの形式です。支援ツールから出力することができます。
※3 データの差し替えが不可能なpdfその他の形式の電子データを、参考として添付いただいても結構です。
提出窓口
持参・郵送等の手間を省略
オンラインで修正が可能(※)
※修正がある場合
事業者単位の報告
特定-第1表 事業者の名称等
特定事業者番号又は
特定連鎖化事業者番号
特定排出者番号
事業者の名称
主たる事務所の
所在地
修正依頼(※)
xml
〒
主たる事業
細分類番号
職名
エ ネ ル ギ ー 管 理 統 括 者 の職 名・ 氏名
氏名
職名
氏名
エネルギー管理士免状番号又は講習修了番号
エ ネ ル ギ ー 管 理 企 画 推 進 者 の
勤務地 〒
職 名 ・ 氏 名 ・ 勤 務 地 ・ 連 絡 先
電話(
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)
FAX(
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-
)
メールアドレス
前回報告からの事業者の名称及び所在地についての変更の有無
定期報告書作
成支援ツール
光ディスク
(CD,DVD)
「省エネ法・温対法電子報告システム」は、
経産省以外の省庁(農水省等)にも
同時に報告書を提出することが可能です。
該当データ無
有の場合
変更前の事業者の名称:
地方経済産業局
変更前の事業者の所在地:
事業者の皆様
受付・内容チェック
修正済データ返送
定期報告書等の電子化において必要な様式・ツール等
機密性○
■光ディスク提出票(様式第22)
→定期報告書、中長期計画書及び計画書については、当該提出票を添付することで
光ディスクによる電子データでの提出が可能です。
■電子情報処理組織使用申請届出(様式第23)
→電子申請の利用をご希望の方は、本届出を事前に所管の地方経済産業局へご提出ください。
利用に際し必要なID/パスワードを発行し、通知いたします。
※届出からID/パスワードを発行するまでには日数を要します。ご希望の方はお早めにお手続きください。
■定期報告書作成支援ツール:http://www.enecho.meti.go.jp/notice/topics/003/
→本ツールを利用することで、定期報告書の電子データを簡易に作成することができます。
※平成28年度提出用の最新版ツールへの更新は、3月上旬を予定しています。
■電子政府の総合窓口(e-Gov):http://www.e-gov.go.jp/shinsei/index.html
→従前どおり、経済産業省宛の定期報告書等が提出できます。
■省エネ法・温対法電子報告システム:http://ghg-santeikohyo.env.go.jp/system
→経産省を含む複数省庁宛の省エネ法の定期報告書等及び温対法の報告書が提出できます。
※上記システムはそれぞれID/パスワードが異なりますので、利用時にはご留意ください。
各種届出及び報告書等の様式、手続きの詳細については、以下のHP等をご参照いただくか、
資源エネルギー庁省エネルギー対策課もしくは最寄りの地方経済産業局までお問合せください。
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/