「 緊 急 事 態 条 項 」の 新 設 に 反 対 し ま す 要 請 書

「緊急事態条項」の新設に反対します
要請書
南無妙法蓮華経
安倍
晋三
様
平成二十八年二月十八日
安倍首相は憲法に「緊急事態条項」を新設しようとしています。憲法に「緊急
事 態 条 項 」を 新 設 す る と い う こ と は 、
「 緊 急 事 態 」を 理 由 に 、法 令 に よ っ て 、私
たちの基本的人権を奪い、憲法九条を骨抜きにしてしまうことです。
「緊急事態条項」改憲について、自民党の佐藤正久参議院議員は、東日本大震
災 の 例 を 出 し て 次 の よ う に 語 っ て い ま す 。(『 産 経 新 聞 』 二 〇 一 五 年 一 月 二 十 三
日)
「被災地ではガソリン不足が深刻だったが、福島県の郡山市まで行ったタンク
ローリーの運転手が、原発事故の影響がある沿岸部の南相馬へ行こうとしなか
った。そこで南相馬から資格を持った運転手を呼ばざるをえなかったが、憲法
に緊急事態条項があれば、元の運転手に『行け』と命令できた」と。
佐藤議員の議論は、憲法十八条にある「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けな
い。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられ
ない」の精神に真っ向から反しています。
この例からも、大災害に名を借りて、為政者に戒厳令的な権力を与え、基本的
人権を奪いさるねらいがはっきりしています。
いうまでもありませんが、憲法に「緊急事態条項」など加えなくても、現行の
「 災 害 対 策 基 本 法 」の 適 用 と 、応 用 で 十 分 に 事 態 に 対 処 で き ま す 。人 権 を 奪 い 、
民主主義を崩壊させ、
「 戒 厳 令 」そ の も の で あ る「 緊 急 事 態 条 項 」の 新 設 に 反 対
します。
合掌
内閣総理大臣
日本山妙法寺僧侶
武 田 隆 雄 拝
(東京都渋谷区神泉町八ー七)