生命の源を守る！

るのが特徴です。たとえば当直一つとっ
の管理までの時間がスピーディに運べ
で、検査から診断、治療、手術、術後
からチームワークも密にしていますの
に顔を突き合わせていますし、日ごろ
院は専門病院として内科と外科が常
かわることはいくらでもあります。当
素早く治療するかで患者さんの命にか
「循環器の疾患は、ある意味時間と
の勝負です。いかに早く診断をつけて、
生命の源を守る！
循環器のプロ集団の
総合力。
心臓血管センター金沢循環器病院は、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患
をはじめとする血管疾患や不整脈、高血圧の専門病院として北陸でも有数
の治療実績を誇る。特にカテーテル治療や外科的心臓手術においては民間
病院の機動力を生かし、時間３６５日対応できる体制を整えている。
化を促進する糖尿病や高脂血症、高血
管センター金沢循環器病院では動脈硬
心疾患は、動脈硬化の合併症として
起こるケースが多いことから、心臓血
塞栓症）
、肺梗塞などがある。
て
ようになっています。急性期病院とし
関係の先生方を呼び出して対応できる
患者さんや急な手術が入ってもすぐに
に手間取ることもなく、緊急性の高い
ドクターが担当していますので、診断
ても、当院は基本的に循環器が専門の
日本人の死亡率でがんに次いで多い
のが心臓病だ。生命の源ともいえる心
圧なども同時に関連疾患として診療を
時間３６５日、患者さんの状態に
臓は、血液を全身に行き渡らせる重要
強みは、
専門病院としての
スピード感
24
め、心臓弁膜症、不整脈、拡張型心筋
症や心筋梗塞などの虚血性心疾患はじ
る。主な対象疾患は、心臓系では狭心
内で唯一の民間の循環器専門病院であ
心臓血管センター金沢循環器病院
は、その心臓と血管に関する石川県
のが循環器の領域である。
出される血液、心臓と全身の臓器や組
な働きをしている。その心臓から送り
大病院に比べて内科と外科のスムーズ
のようにも思えるが、総合病院などの
チーム医療が進んでいる今、当たり前
は、心臓血管外科がそれぞれ担当する。
侵襲の大きな手術が必要とされる場合
胸手術や大動脈解離・動脈瘤のように
判断された場合は主に循環器内科、開
ルを使った侵襲の小さな治療が可能と
かれる。診断の結果、薬物やカテーテ
心臓や血管などの疾患は、一般的に
治療手段によって「内科」と「外科」に分
行っている。
副院長として着任以来、カテーテル検
に心臓血管センター金沢循環器病院に
カテーテル治療が専門で、１９９９年
高経営責任者）である。冠動脈疾患や
専門病院としてのスピード感の重要
性を強調するのは、名村正伸ＣＥＯ（最
きな強みだと思います」
門的な診療をトータルに行えるのが大
揃っていますので、スピーディかつ専
まで含めてそれぞれスペシャリストが
応じた適切な診療を速やかに行える体
性動脈硬化症、大動脈解離、大動脈瘤、
に伴なう心不全など。血管系は、閉塞
強みといえよう。
血管センター金沢循環器病院の大きな
な連携が実現できていることは、心臓
の一人である。
査や治療を飛躍的に向上させた当事者
制を整えています。回復期のリハビリ
症や肥大型心筋症、感染性心内膜炎、
静脈血栓症、心臓由来の動脈塞栓（脳
織を繋ぐ血管に対する診療を担当する
心筋炎、心膜炎、さまざまな基礎疾患
24
当時の名村院長が予測したとおり、
年もすると心臓血管センター金
カテーテル検査、
治療で飛躍
年が経過した心
金沢市内には大学病院はじめ急性期
の基幹病院や公立病院が数多く集中す
る。今年で開設から
臓血管センター金沢循環器病院は、今
でこそ専門病院として不動の地位を築
いているが、名村ＣＥＯが着任当時は、
揮できずにいた。
民間の専門病院としてまだ存在感を発
開設当時、２３０床の急性期病院と
してスタート。当初から循環器内科医、
心臓血管外科医、コメディカルスタッ
フはいずれも十二分に揃っており、し
かも設備は最新のものが整えられてい
た。
「しかし残念ながら循環器専門病院
としての機能は果たせていなかった」
と名村ＣＥＯは振り返る。
「まだ患者さん中心の検査、医療に
なっていなかったように思います。副
院長で入職して半年後に院長に就き、
真っ先に取り組んだのは、手首から
カテーテルを挿入する検査、治療で
す。当時、カテーテルといえば足の付
け根から挿入するのが一般的で、手首
からのカテーテル治療は日本ではま
だ新しい治療でした。私が始めたのは
日本で導入された１９９５年の翌年、
た。この治療は患者さんにやさしいし、
１９９６年からで北陸では初めてでし
安全で確実なことから絶対に普及する
と思って始めました」
フが血管造影の画像が見れるように
し、患者の情報が瞬時にわかるよう
に動画の閲覧システムを院内に導入。
先に紹介した検査から診断、治療まで
のスピードアップに大きく貢献した。
循環器の診療は近年、カテーテル技
術や医療機器の進歩により、冠動脈は
的に派遣、研究発表させるなどレベル
や各種の研究会などにスタッフを積極
すために、病院が費用を負担して学会
り組んだ。最新情報を臨床現場に生か
めたスタッフの技術や知識向上にも取
一方で、ドクターやコメディカルを含
になり患者数も年々拡大していった。
医療にも取り組んでいる。
やロータブレーター治療など、高度な
画像診断装置を活用した冠動脈形成術
では北陸でも有数の実績を誇っており、
環器病院ではカテーテルを使った治療
なっている。心臓血管センター金沢循
対してもカテーテル治療を行うように
沢循環器病院は、患者に負担の少ない
アップを図った。
さらに、院内のどこにいてもスタッ
まさに開設当時からの地道な取り
組みが、年後、年後の心臓血管
管、下肢動脈など、さらには不整脈に
～
25
もとより頸動脈、腎動脈、シャント血
6
カテーテル検査、治療で知られるよう
5
P R O FI LE
うえやま・かつし
上山克史
心臓血管外科部長
【資格】
日本外科学会専門医
日本胸部外科学会専門医
（心臓、大血管）
日本心臓血管外科専門医
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化症、下肢静脈瘤手術などから、手指
脈瘤、心房欠損孔閉鎖、閉鎖性動脈硬
心臓血管外科では、冠動脈バイパス
手術をはじめ弁膜症、胸部・腹部大動
部長だ。
心臓血管外科部門を統括する上山克史
さも強みの一つ」だと強調するのは、
名村ＣＥＯが言う民間病院として
のスピード感に加えて「守備範囲の広
心臓血管外科の守備範囲の広さ
医療につながったといえよう。
センター金沢循環器病院の先進的な
10
「当院では、心臓血管外科の専門医は
循環器系だけではなく、末梢血管であっ
らゆる疾患にまで幅広く対応している。
炎）
、リンパ浮腫など血管系のありとあ
多汗症、バージャー病（閉塞性血栓血管
そして
循環器内科、不整脈科などの診療科
との緊密なカンファレンスによる連携、
ます」
しての機動力も大きな支えになってい
タッフはすぐに揃います。民間病院と
時間３６５日の体制が整って
ても対応できないといけないと考えて
の原因にまで迫れないと考えています。
いかトータルに診る視点がないと病変
域だけではなく、脈管系にも問題がな
し、私たちも外科や内科という担当領
ての守備範囲の広さはあると思います
す。そういう意味では、専門病院とし
治療が必要なものは全部対象になりま
動きも含まれます。脈管系で外科的な
なく、血液の流れを考えればリンパの
います。循環器は心臓と血管だけでは
もあらわれている。
は、こうした医師やスタッフの意識に
訴える。専門病院としての高度な医療
高水準の技術をめざすのが使命」だと
います。そのために最新の知識と、最
か。私たちは常にそのことを意識して
なって帰れるために一番良い方法は何
い。上山医師は、
「患者さんが元気に
いるのは、患者や家族にとっても心強
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心臓血管センター金沢循環器病院
では先進的な医療に加え、一方で療養
最高経営責任者
【資格】
日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
【所属学会】
日本内科学会・日本循環器学会・日本心臓病学会
日本心血管インターベンション治療学会
月からは「訪問看護」も
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るのだ。
病連携、病診連携も積極的に行ってい
タルにカバー。地域の医療機関との病
高度な循環器専門医療から高齢者
の慢性期医療、心臓リハビリまでトー
医療への対応にも努めている。
した」など、地域との連携による在宅
さんを対象に訪問看護で看るように
うならないように、主に心不全の患者
発や入退院を繰り返すことになる。そ
その後のケアがしっかりできないと再
懸命にやって患者さんが快復しても、
始めた。名村ＣＥＯは「急性期を一生
おり、昨年
治療についても、当院の手術室は専用
【略歴】
1981年金沢大学医学部卒業
1985 年〜石川県立中央病院循環器内科
1999 年〜心臓血管センター金沢循環器病院病院長
2009 年〜心臓血管センター金沢循環器病院 CEO
型病床、地域包括ケア病床も備えて
名村正伸
なむら・まさのぶ
で使用できますので、一声かければス
PR O F I LE

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