政策情報 - 全国社会福祉協議会 政策委員会

政策情報
Vol.47
平成 28 年 2 月 24 日号
発行 社会福祉法人 全国社会福祉協議会 政策企画部
E-MAIL [email protected] ℡ 03-3581-7889
政策情報は、全社協理事・評議員、政
策委員会委員、幹事、都道府県・指定
都市社協に配信しています。
政策委員会レポート
❖ 政策委員会 幹事会(平成 27 年度・第 6 回)を開催:平成 28 年 2 月 19 日(金)
平成 27 年度補正予算及び平成 28 年度厚生労働省関係予算等への対応や社会保障、福祉政策の
動向と各分野の政策課題に関する全社協 政策委員会・構成組織での取組について協議・共有した。
開会中の第 190 回通常国会で審議予定である社会福祉法等の一部改正法案については、法成立後
に政省令で定められる事項の課題等を踏まえ、厚生労働省等に提案・要望を必要に応じて行うことを確
認した。
また、福祉・介護、子ども・子育て分野における人材確保等の喫緊の課題については、全社協 政策委
員会・構成組織が協働して緊急対策に取組むことを確認し、政策委員会として「地域を支える福祉人材
確保・育成・定着のための緊急対策(素案)」のとりまとめに向けて協議した。
政策動向・ピックアップ
 社会保障制度改革・税制
・一億総活躍国民会議:
「ニッポン一億総活躍プラン」の策定に向けて
 規制改革
・規制改革会議(第 58 回):重点的フォローアップ事項
 高齢者
・高齢者虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等・調査結果(平成 26 年度)
・社会保障審議会介護給付費分科会(第 127 回)
:経営実態調査等の実施
・療養病床の在り方等に関する検討会:新たな選択肢の整理案とりまとめ
 障害者
・障害福祉サービス等経営実態調査の見直しについて:報告書
 子ども・家庭
・子ども・子育て会議(第 27 回)
・同基準検討部会(第 30 回)合同会議:公定価格等
 予算
・平成 27 年度政府補正予算:参議院可決・成立
≪添付資料≫
政策動向 平成 27 年度 NO.7(2016 年 2 月 19 日)
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政策委員会レポート
平成 27 年度・第 6 回幹事会を開催(2/19)
~「地域を支える福祉人材確保・育成・定着のための緊急対策」の策定等について協議~
■社会保障、福祉政策の動向と政策課題、福祉関係諸制度の関係法改正等への対応
 平成 27 年度補正予算及び平成 28 年度厚生労働省関係予算等への対応や社会保障、福祉政策の動
向と各分野の政策課題に関する全社協 政策委員会・構成組織での取組について協議・共有した。ま
た、障害者総合支援法や児童福祉法などの一部改正が予定されている福祉諸制度・関係法の検討状
況等について確認した。
 社会福祉法等の一部改正法案については、開会中の第 190 回通常国会で審議予定であり、法成立後
に政省令で定められる評議員の選任方法、控除対象財産の考え方、衆議院の附帯決議で掲げられた事
項の具体化などの課題について、厚生労働省等に提案・要望を必要に応じて行うことを確認した。
■「地域を支える福祉人材確保・育成・定着のための緊急対策(素案)」について
 福祉・介護、子ども・子育て分野における人材確保等の喫緊の課題については、全社協 政策委員会・構
成組織が協働して緊急対策に取組むことを確認し、政策委員会として「地域を支える福祉人材確保・育
成・定着のための緊急対策(素案)」のとりまとめに向けて協議した。幹事会での意見等を踏まえ、平成 27
年度中にとりまとめる予定である。
ともに生きる豊かな福祉社会をめざして
:「全社協 福祉ビジョン 2011」第 2 次行動方針を策定
全社協 福祉ビジョン 2011「行動方針」について、
2015 年を起点としてさらに取り組んでいくために
「第 2 次行動方針」として改訂しました。
第 2 次 行動方針
いま、重点的に取り組む重要課題
~地域におけるセーフティネットの仕組みの強化~
【いま、取り組むべき 7 つの重要課題】
1.地域における総合相談・生活支援体制の強化、確立
2.地域での公益活動の展開強化
3.福祉サービスの質の向上と社会福祉法人・福祉施設、社会福祉
協議会の経営管理の強化
4.福祉の職場の社会的評価の向上、福祉人材の確保・育成・定着
の取組強化
5.大規模災害と防災への対応の強化
6.地域住民等の地域コミュニティへの参加環境づくり
7.地域での計画的な福祉基盤の確立と制度改革の働きかけ
:「全社協 福祉ビジョン 2011」実践事例集 vol.3 を発刊
社会福祉法人による地域での公益活動をテーマに
「全社協 福祉ビジョン 2011」実践事例集 vol.3
を発刊しました。
冊子データは、下記の政策委員会ホームページに掲載しています。
http://zseisaku.net/vision2011/
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政策動向・ピックアップ
社会保障制度改革・税制
・一億総活躍国民会議:「ニッポン一億総活躍プラン」の策定に向けて
1 月 29 日:一億総活躍国民会議は、「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策‐成長と分
配の好循環の形成に向けて‐」(平成 27 年 11 月 26 日、以下「緊急対策」)にもとづく、具体的なロードマップと
なる「ニッポン一億総活躍プラン」の策定に向けた議論を開始した。平成 28 年春頃のとりまとめに向けて、基本
的な考え方などを整理する予定としている。
緊急対策では、これまでのアベノミクスの取組(大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する
成長戦略)により、「日本経済はデフレ脱却までもう一息のところまできている」との認識のもと、これまでのアベノ
ミクス「三本の矢」を束ねて一層強化した新たな第一の矢(GDP600 兆円を的とする「希望を生み出す強い経
済」)を放ち、賃上げを通じた消費の拡大、生産性革命による民間投資の拡大等に取り組む必要があるとしてい
る。
そのうえで、新・第二の矢:「希望出生率 1.8」を的とする「夢をつむぐ子育て支援」、新第三の矢:「介護離職
ゼロ」を的とする「安心につながる社会保障」、とあわせた新・三本の矢の好循環を確かなものとし、長く継続する
ことにより、50 年後に人口 1 億人を維持することを目指している。
★
一億総活躍国民会議
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/
規制改革
・規制改革会議(第 58 回):重点的フォローアップ事項
2 月 10 日:規制改革実施計画の今期におけるフォローアップ等について議論した。規制改革実施計画(平
成 25 年 6 月 14 日、平成 26 年 6 月 24 日及び平成 27 年 6 月 30 日の閣議決定)において、内閣府は、毎
年度末にその実施状況に関するフォローアップを行い、その結果を規制改革会議に報告し公表することとされ
ている。これら 3 つの実施計画の平成 27 年度末時点のフォローアップについて実施要領を確認した。
平成 28 年 5 月までに所管省庁からの回答をもとにワーキング・グループ等で精査し、その後、調査結果のと
りまとめと規制改革会議への報告等が予定されている。健康・医療分野の重点的フォローアップ項目として、
「新たな保険外併用の仕組みの創設」、「介護・保育事業等の経営管理の強化とイコールフッティングの確立」
が掲げられている。
★ 規制改革会議
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/
3
高齢者
・高齢者虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等・調査結果(平成 26 年度)
2 月 5 日:厚生労働省は、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づき、
高齢者虐待の対応状況等を把握するため、各都道府県を通じて調査を実施し、平成 26 年度の調査結果を公
表した。
・社会保障審議会介護給付費分科会(第 127 回):経営実態調査等の実施
2 月 3 日:介護事業経営実態調査及び介護保険サービスに係る消費税等の取扱について議論した。
介護事業経営実態調査等については、各介護サービスの費用等についての実態を明らかにし、介護報酬設
定のための基礎資料を得ることを目的として実施するものである。また、平成 29 年 4 月に消費税率の 10%へ
の引上げが予定されていることから、介護保険サービスにおける消費税率引上げへの対応の検討に必要なデ
ータについても把握するものとなる。なお、調査は、平成 28 年 5 月に実施し、調査結果の公表は平成 28 年 12
月を予定している。
介護保険サービスに関する消費税等の取扱に係る検討は、介護事業経営調査委員会において関係団体ヒ
アリングを実施し、検討を進めることを確認した。
★ 社会保障審議会介護給付費分科会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698
・療養病床の在り方等に関する検討会:新たな選択肢の整理案とりまとめ
1 月 28 日:療養病床の在り方等について、「療養病床・慢性期医療の在り方の検討に向けて~サービス提供
体制の新たな選択肢の整理案について~」をとりまとめ・公表した。
とりまとめでは、新たな選択肢を考えるに当たっての基本的な条件等とともに、考えられる選択肢として、「現
行の介護療養病床・医療療養病床(25 対1)が提供している機能を担う選択肢として、新たな選択肢を考える
に当たって、「住まい」の機能の強化を中心とすると、①医療を内包した施設類型、②医療を外から提供する、
「住まい」と医療機関の併設類型の類型が考えられる」ことなどを示している。
今後、個別の制度や法律等については、社会保障審議会医療部会、介護保険部会等において議論が行わ
れる予定である。
★ 療養病床の在り方等に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=282014
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障害者
・障害福祉サービス等経営実態調査の見直しについて:報告書
12 月 24 日:厚生労働省の「障害福祉サービス等経営実態調査の見直しに関する検討会」が、報告書をとり
まとめた。次期報酬改定に向けて平成 28 年度に実施予定の障害福祉サービス等経営実態調査の調査手法
や調査項目等について、同様の報酬制度である介護保険制度における見直しの検討状況を踏まえつつ議論を
行い、基本的な見直しの方向性を示している。
これらをもとに、平成 30 年度に予定される次期報酬改定等に向けて実施される経営実態調査の具体的内
容が検討される。
★ 障害福祉サービス等経営実態調査の見直しに関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai.html?tid=300097
子ども・家庭
・子ども・子育て会議(第 27 回)・同基準検討部会(第 30 回)合同会議:公定価格等
1月26日:平成28年度予算案及び平成27年度補正予算についての報告とともに、公定価格等についての
議論が行われた。
公定価格における人件費の額は、国家公務員の給与に準じて算定していることから、平成27年度国家公務
員給与改定にともない、平成27年度(平成27年4月に遡及して)の公定価格・単価を改定することが示された。
具体的には、保育士及び幼稚園教諭等の人件費が平均で「1.9%程度」引上げられる。
平成27年度中の公定価格単価の引上げ率としては、①1号の施設型給付:1.49%、②2・3号の施設型給
子ども・家庭
付及び地域型保育給付:1.29%とされている。なお、これらの取扱いは平成27年度中に限るものであり、平成
・社会保障審議会児童部会 新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会
28年度の単価については、国家公務員給与改定の影響を受ける公定価格項目について個々に見直しをする
通常の方式により、単価改定が実施される。
その他の公定価格の改定事項として、賃料加算の充実、チーム保育推進加算の創設等が掲げられている。
チーム保育推進加算については、チーム保育体制の整備により、保育士の負担軽減や、キャリアに応じた賃金
改善による定着促進を通じた全体としての保育の質の向上をはかるものである。職員の平均勤続年数が15年
以上であることを含む4つの要件を満たした場合に、1名分の保育士人件費相当分が加算される仕組みであ
る。
★ 子ども・子育て会議
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/
予算
・平成 27 年度政府補正予算:参議院可決・成立
1 月 20 日:政府は、総額 3 兆 5,030 億円となる平成 27 年度補正予算が参議院で可決、成立した。
一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策等が 1 兆 1,646 億円とされており、このうち「希望出
生率 1.8」及び「介護離職ゼロ」に直結する緊急対策等として 3,951 億円が計上されている。
「希望出生率 1.8」(第二の矢)関連では、保育所等の整備〔511 億円〕、保育士修学資金貸付等事業〔566
億円〕、保育所等におけるICT化推進等事業〔148 億円〕、ひとり親家庭等の支援〔117 億円〕、児童虐待防止
対策の強化〔91 億円〕等がある。
また、「介護離職ゼロ」(第三の矢)関連では、介護基盤の整備加速化事業〔922 億円〕、介護人材の育成・
確保・生産性向上〔444 億円〕、サービス付き高齢者向け住宅の整備〔189 億円〕が計上されている。
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★ 平成 27 年度補正予算案 ※財務省HP
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2015/hosei271218.html
★ 平成 27 年度補正予算案 厚生労働省関連 ※厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/15hosei/
◇実践事例募集中◇
…すすめよう!発信しよう!働きやすく、やりがいの感じられる「ふくしの仕事」
●政策委員会では、「働きやすく、やりがいの感じられる福祉の職場づくり」にむけて、福祉
関係者の主体的な行動を促すための参考に資するため、社会福祉法人・福祉施設等
事業所の先進的な取り組み実践事例を引き続き募集しています。
◇実践事例をホームページに掲載しています◇
政策委員会ホームページ:http://zseisaku.net/fukushi-shokuba/
●応募いただいた事例は、全社協政策委員会のサイトに掲載しています。
また、政策委員会パンフレットやプレスリリース等に参考事例として掲載させていただきま
す(掲載する際には、事前に内容等確認のご連絡をいたします)。
皆さまの積極的なご応募をお待ちしております。
★公募要領および公募様式は下記URLよりダウンロードできます。
http://zseisaku.net/fukushi-shokuba/idea/
『権利擁護・虐待防止白書』のご案内
本会では、権利擁護・虐待防止に関する総合的な推進
事業として、毎年「権利擁護・虐待防止白書」を発行し
ています。白書は、研究者によるこの一年間の主要な動
向と課題、また活動団体による年次報告と関係省庁など
の関係資料を掲載しています。
2015 年版では、
「精神障害のある人の権利擁護・虐待
防止」を特集のテーマとし、精神障害のある人への、福
祉・医療など多様な社会資源を基盤とした地域における
支援の取り組みや実践事例を紹介し、今後の実践活動を
考察する内容となっています。
≪申込書の URL≫
http://www.shakyo.or.jp/news/20150331_hakusho.pdf
≪添付資料≫政策動向 平成 27 年度 NO.7(2016 年 2 月 19 日)
「社会保障・福祉政策の動向と対応~ともに生きる豊かな福祉社会をめざして~」
資料はこちらからダウンロードしてください ⇒ http://zseisaku.net/
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