平成27年度 交通遺児友の会 絵画コンテスト審査を終えて 【審査員】 宮城教育大学教育学部准教授(美術教育専攻) 平垣内 清 今年も力のこもったたくさんの作品に出会えるこの日を、本当に楽しみにしていまし た。特に今年は「私の好きな○○○」というテーマを設けると同時に、描いた理由やモ チーフへの想いについてコメントが添えられ、コメントを読みながらじっくりと作品を見さ せてもらいました。友の会で経験した一場面、運動会や身近な何気ない情景を描いた 作品、楽しかった思い出、想像の世界を描いたものなど皆さんの心をとらえたワンシー ンに圧倒されっぱなしでした。毎回、皆さんの作品を前にして思うことですが、すべて の作品に、作者の思いがギュッと詰まった素晴らしいコンテストになったと思います。 総応募数 327 点の中から、徐々に作品を絞り込み最終的に審査員 7 人の投票により 選んだ結果、今年度の最優秀賞(国土交通大臣賞)に選ばれたのは、可児李音さん (岐阜県中 3)の「友」でした。最終選考に残った作品はどれも楽しさや熱意の 伝わる作品ばかりでしたが、可児さんの作品はしっかりとした主張を丁寧に描 ききったことが決め手になったように思われます。他の優秀賞では、杉浦花恵 さん(愛知県小 5)の「自分達で育てたお米」は強い色調で楽しい学校の行事を 描き、稲村茜なさん(福島県 3 歳)の「♡ママ♡」は見ている私たちまでが笑顔 になってしまう作品でした。他にも挙げるときりがないのですが、その中でも特に私 のお気に入りの一枚は金賞の冨岡優衣さん(滋賀県小 3)の「みんなでたべるカ レーライス」でした。構図や表現力など最後まで気になる作品でした。 毎回感心させられることなのですが、全国からこれだけ多くの力作が寄せられること は本当に驚きです。入賞を逃した作品の中にも印象深いすばらしい作品がたくさんあ りました。次回もまたたくさんの元気な作品に出会える事を楽しみにしています。 ふなばし美術学院 【審査員】 総合主任講師 佐藤 孝志 今回の絵画コンテストのテーマは、「私の好きな○○○」でした。作品に作者 のコメントも添えられていましたので、どんな思いが込められているのかを文 章からも読み取る事が出来ました。 全国から集まった作品は、小さなお子様からお年寄りまでそれぞれの年齢層 ならではの心に響く作品でした。中には兄弟で応募してくれた人や複数出品し てくれた積極的な人もいて審査は大いに盛り上がりました。また、すばらしい 作品が数多くあり、選定する難しさを感じました。 そんな中、最優秀賞に選ばれたのは、岐阜県中学三年、可児李音さんの「友 」でした。バスケット部で一緒に頑張った友達をあえて後ろ姿に描き、ベスト メンバーの番号でベストフレンドを表現したのでしょう。友達の大切さと青春 をすがすがしく表現している素晴しい作品です。 優秀賞は、愛知県の小学校五年生の杉浦花恵さんの「自分達で育てたお米」、 福島県の三歳の稲村茜なちゃんの「❤ママ❤」、高知県高校一年生の伊藤優香さ んの「思い出の道」、青森県の小学校三年の鳴海龍士くんの「強いぞクワガタ」 は、本当に僅かな票差で最優秀になりませんでしたが、それぞれの世代観を反 映する良い作品でした。 金賞、銀賞、銅賞、ファミリー賞も良い作品が沢山ありました。また、賞に 入らなかった作品の中にも、私たち審査員がドキっとするようなお子様のすば らしい感覚を感じました。 絵画には不思議な力があるものですね。また、皆さんの作品に会える日を楽 しみにしております。
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