Qlik Sense の概念

Qlik Sense の概念
Qlik® Sense
1.0.3
Copyright © 1993-2015 QlikTech International AB. 無断複写・転載を禁じます。
Copyright © 1993-2015 QlikTech International AB.All rights reserved.
Qlik®、QlikTech®、Qlik® Sense、QlikView®、Sense™ および Qlik のロゴは、QlikTech
International AB の商標で、複数の国で登録されています。本書で言及されている他の商標は、それぞ
れの所有者の商標です。
目次
1 本書について
6
2 連想選択モデル
7
2.1 選択ステート
選択ステート
絞込ステート
代替ステート
除外ステート
選択除外ステート
3 アプリ
7
7
8
9
10
11
13
3.1 ファンデーション
13
3.2 構造およびビジュアル
14
3.3 アプリに関する追加情報
14
4 シート
15
5 ビジュアライゼーション
16
5.1 棒グラフ
17
軸とメジャーの数
スクロールとミニ チャート
範囲外
棒グラフを使用する場合
棒グラフでの選択
5.2 コンボ チャート
17
18
18
19
19
21
軸とメジャーの数
範囲外
コンボ チャートを使用する場合
コンボ チャートでの選択
5.3 フィルター パネル
22
22
22
23
24
軸数
応答型の設計
全画面ビュー
選択ツール
フィルター パネルを使用する場合
フィルター パネルでの選択
5.4 ゲージ
25
25
26
26
27
27
29
軸とメジャーの数
ゲージを使用する場合
5.5 折れ線グラフ
30
30
31
メジャーと軸の数
スクロールとミニ チャート
範囲外
折れ線グラフを使用する場合
折れ線グラフでの選択
5.6 マップ
31
31
32
32
33
35
データのロード
.kml ファイルでのデータを使用したマップ作成
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35
35
3
目次
ポイント データによるマップの作成 (Excel ファイル)
背景マップの追加
軸とメジャーの数
ズームとパン
マップを使用する場合
マップでの選択
5.7 円グラフ
37
39
41
41
41
42
43
軸とメジャーの数
円グラフを使用する場合
円グラフでの選択
5.8 散布図
43
43
44
46
軸とメジャーの数
プロットの数
ズームとパン
散布図を使用する場合
散布図での選択
5.9 テーブル
46
46
46
47
48
49
行と列の数
データの配置
ソート
列ピッカー
合計
検索
テーブルを使用する場合
テーブルでの検索
テーブルでの選択
5.10 テキストと画像チャート
49
49
49
51
51
51
52
52
53
54
テキストと画像チャートを使用する場合
5.11 ツリーマップ
54
55
軸とメジャーの数
ツリーマップを使用する場合
ツリーマップでの選択
5.12 基準線
55
56
57
57
基準線の数式
5.13 ビジュアライゼーションの Null 値
58
58
6 軸
60
6.1 軸としての項目グループ
60
6.2 ドリルダウン グループ
61
ドリルアップ
6.3 計算軸
61
62
7 メジャー
7.1 一般的な関数
8 データ検索
8.1 検索ツール
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63
63
65
65
4
目次
8.2 テキスト検索
65
ワイルドカード
8.3 あいまい検索
66
67
8.4 数値の検索
67
8.5 数式の検索
67
9 ブックマーク
69
10 ストリーム
70
11 公開
71
11.1 アプリの公開
71
11.2 シートとストーリーの公開
71
12 承認とアクセス
72
13 さらなるコンセプト
73
13.1 データ モデル
73
13.2 データ ロード スクリプト
73
13.3 項目
74
13.4 関数
75
13.5 数式
75
13.6 マスター アイテム
75
13.7 ストーリー
76
13.8 スナップショット
76
13.9 Qlik Cloud
76
13.10 Direct Discovery
77
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5
1 本書について
1
本書について
Qlik Sense の重要なコンセプトについて理解を図ります。Qlik Sense 初心者でも、QlikView の使用経
験者でも、まず前半のトピックを参照して基本的な理解を深めてから、後半の高度なコンセプトや機能
へと進んでください。
本書は Qlik Sense のオンライン ヘルプをもとに作成されています。オフラインでの情報入手や印刷の
便宜を図った簡易版のため、すべての情報が掲載されているわけではありません。
詳細は、オンライン ヘルプや関連文書を参照してください。
関連文書:
l
アプリでの作業
l
ビジュアライゼーションの作成
l
発見と分析
l
データ ストーリーテリング
l
データのロードおよびモデリング
l
スクリプト構文およびチャート機能ガイド
これらのドキュメントおよびその他のリソースは、help.qlik.com で入手できます。
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6
2 連想選択モデル
2
連想選択モデル
Qlik Sense では、選択が主な操作です。選択により、Qlik Sense にロードされたデータのサブセットが
フィルターされます。選択は、特定の項目に焦点を当てたい場合に使用します。Qlik Sense は異なる状
態に基づいて、値を色分けします。
2.1
選択ステート
値を表す色は、選択に応じて変化します。フィルター パネルは、Qlik Sense 特有の色である緑、白、グ
レーに色分けされます。色により、どの項目値が選択されているのか、代替値となるか、そして可能な
値/除外値となるのかを把握できます。
次の表は、どの色がどの状態に使用されているのかを示しています。
選択値
緑 (選択されたことを示すチェックマーク付き)
可能な値
白
代替値
薄いグレー
除外値
濃いグレー
選択除外値
濃いグレー (選択されたことを表すチェックマーク付き)
選択ステート
フィルター パネルで 1 つまたは複数の値を選択すると、値が緑色に変わり選択ステートになります。下
記の画像では、値 1910s が選択されています。これで、ロードされたデータのサブセットがフィルター
され、フィルター パネルの Decade と Year が選択内容に応じて更新されます。
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7
2 連想選択モデル
フィルター パネルには合計 4 つのステートがあります。選択ステート (緑) についてはすでに説明しま
した。残りは絞込ステート (白)、代替ステート (薄いグレー)、除外ステート (濃いグレー) の 3 つで
す。それぞれのステートについて、次のセクションで説明します。
絞込ステート
Year フィルター パネルでは 1914 から 1919 までの年が白 (可能な値) で表示されています。これは、
これらの値が属する 1910s が Decade で選択されているためです。すべての可能な値は、値 1910 に
関連しています。つまり、可能な値から 1 つまたは複数の値を選択することで、現在の選択を絞り込む
ことができます。
下記の画像では、こうした絞込が行われています。Year フィルター パネルでは、値 1918 が選択され
ています。
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2 連想選択モデル
2 つのフィルター パネルで選択することで、絞込値は 1910s と 1918 に関連するものだけになります。
フィルター パネルの選択項目には論理的な AND 条件が含まれます。したがって、可能な値は 1910s と
1918 の両方に該当するものになります。
この段階で、Year フィルター パネルに絞込ステートの値は残っていません。これは 1910s と 1918 の
両方に関連する値が存在しないためです。
代替ステート
Decade フィルター パネルでは 1910s の値が選択されていますが、フィルター パネルのその他の項目
については選択値との関係に応じたステートが表示されます。
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2 連想選択モデル
Decade フィルター パネルの他の値はすべて、代替値を表す薄いグレーで示されています。代替ステー
トは、その項目で選択が行われていなければ、可能な値になり得た値を示します。1910s 以前の値を選
択すると、Decade フィルター パネルの値はすべて絞込値となります。
論理的に、代替値は除外されますが、同一のフィルター パネルの 1 回の選択 (1 つまたはそれ以上の値)
でのみ除外されます。Decade で 1910s の選択を解除すると、すべての値が絞込ステートとなります。
値が絞込ステートでも選択自体は可能ですが、その場合には元の選択内容を絞り込む代わりに、新しい
選択をすることになります。
除外ステート
選択すると、他のフィルター パネルの値は関連付けがないため、自動的に除外されます。下の画像で
は、1910s が選択されており、その結果として 1920、1921、1922 は除外されています。1920、
1921、1922 の年は 1910s に含まれないことから、除外されている理由は明らかです。Decade の他
の値は代替値となります。つまり、除外されてはいるものの選択可能であり、選択範囲を広げることが
できます。1920s を選択すると値が緑色に変わり、選択ステートになります。
ただし、Year フィルター パネルで可能な値の 1 つを選択すると、代替値として表示されていた
Decade の値が代わりに除外されます。これらの値は 1910s だけが選択されていた場合は代替値となっ
ていましたが、2 つ目のフィルター パネルでの選択により、1910s AND 1918 の条件に合わない値が除
外されます。
Year の代替値は 1918 を選択した場合にのみ除外されます。これらはすべて 1910s の値に関連付けら
れており、1918 が選択されるまでは絞込ステートでした。
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10
2 連想選択モデル
選択除外ステート
複数のフィルター パネルで選択を行った場合、「選択除外」という 5 つ目のステートが生じる可能性が
あります。
これは、それぞれの項目値に 2 つの異なるステートが存在するためです。
l
入力ステート: 実際に行った選択で、項目値が選択されているかどうかは関係ありません。
l
出力ステート: 選択の論理的推論を基に、項目値が可能な値がどうかを示します。
最初に選択された後に別の項目の選択で除外された場合、その値は選択除外ステートになります。
選択除外ステートはチェックマークで示され、値が最初に選択され、後に除外されたことを表していま
す。この点が、一度も選択されたことがない除外値とは異なります。チェックマークが付いた濃いグ
レーの項目は、対象の値が以前に選択されていたものの、新たな選択によって選択除外値として処理さ
れたことを意味します。
例:
下の画像では、1910s と 1920s の値が最初に選択されていました。1910s と 1920s の値はどちらも選
択されており (緑色)、Year フィルター パネル内の値はすべて白色 (絞込値) で示されています。これ
は、これらの年はすべて 1910 年代または 1920 年代に含まれているため、初回の選択後に論理的な絞
込値として認識されたためです。2 回目には、1914、1915、1916 の年が選択されています。その結果
1920s が論理的に除外されるため、1920s はアクティブな選択に含まれなくなります。ただし、1920s
が引き続き選択されているため、選択除外値として示されます。つまり、最初に選択されていたもの
の、後の選択で除外されたことを意味します。一度も選択されなかった除外値と区別するには、チェッ
クマークを確認します。
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2 連想選択モデル
チェックマークが付いた濃いグレーの値が選択除外値です。
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3 アプリ
3
アプリ
Qlik Sense アプリは、再利用可能なデータ アイテム (メジャー、軸、ビジュアライゼーション)、シー
ト、ストーリーの集合体です。これは内蔵エンティティで、構造化データ モデルで分析を行うための
データが含まれています。
アプリの目的は、データのビジュアライゼーションを活用し、選択することで、意思決定やデータの発
見を促すことにあります。
アプリの構成要素
3.1
ファンデーション
データ ロード スクリプトは、データをアプリに
ロードするためのものです。スクリプトはデータ
ソース (データベースや Excel シートなど) に接
続して、データを取得します。
データ ロード スクリプト
データ モデル
ロードされたデータは、データ モデル内で構築
されます。データ ロード スクリプトを編集し、
データをリロードして、アプリに最適なデータ
モデルを構築します。
データ モデル (73ページ)
数式
数式は Qlik Sense のさまざまな場所で使用でき
ます。関数や項目、演算子などを含む複雑な数式
もあります。メジャーと異なり、数式には名前も
数式 (75ページ)
データ ロード ス
クリプト
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(73ページ)
13
3 アプリ
説明データも存在しません。
メジャー
ビジュアライゼーションで利用する計算や数式。
メジャー (63ページ)
軸
ビジュアライゼーションで利用する項目。
軸 (60ページ)
項目 (74ページ)
3.2
構造およびビジュアル
シート
チャートやテーブルなど、データのビジュアライ
ゼーションを含むシート。目的に合わせて異なる
シートのビジュアライゼーションをグループ化す
ることで、アプリに構造を作成します。
シート (15ページ)
ブックマーク
指定のシートにある特定の選択セットへのショー
トカット。
ブックマーク (69ページ)
ストーリー
ビジュアライゼーションのスナップショットに基
づいたストーリー。ある時点でのデータのスナッ
プショットを選択ステートと組み合わせて表示す
ることで、新たな洞察をもたらすストーリーを作
成して、データを表示することも可能です。
ストーリー (76ページ)
3.3
アプリに関する追加情報
本アプリでは、ユーザーが抱える課題に基づき、アプリで定義済みの軸やメジャーを活用して新しいビ
ジュアライゼーションを作成することができます。このように進化させたアプリを個人的な利用や他の
ユーザーとの共有に生かすことも可能です。
アプリ作成者は、自動的にその所有者に指定されます。アクセス権に応じて、アプリの再利用や変更、
共有が可能です。アプリが公開済みであるかどうかによって、実行できる操作は異なります。
.qvf は当社独自のファイル形式です。
Qlik Sense Desktop アプリは通常、<user>\Documents\Qlik\Sense\Apps に <アプリ
名>.qvf として保管されており、<アプリ名> がアプリのタイトルになります。
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14
4 シート
4
シート
シートには、データ ビジュアライゼーションに用いるチャートとテーブルが配置されます。アプリに
は、1 つまたは複数のシートを含めることができます。
シートはロジックとは無関係で、どのシートを使用しているかに関係なく、選択した結果がビジュアラ
イゼーションに反映されます。
このシートの例では、左側のボックスでデータのフィルターを行うと、その結果が右側のビジュアライゼーショ
ンに表示されます。
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15
5 ビジュアライゼーション
5
ビジュアライゼーション
ビジュアライゼーションは、アプリにロードされたデータを表示するために使用します。アプリでの選
択が、すべてのシートの関連する全ビジュアライゼーションに反映されます。
Qlik Sense には、ビジュアライゼーションの作成で使用できるチャートが含まれています。新しい
チャートをシート上のビジュアライゼーションにドラッグすると、ビジュアライゼーションのタイプを
変換できます。
!
棒グラフ
棒グラフは、棒 (バー) で各軸の値を表示します。バーの長さは、メジャー
の数値に対応しています。
‚
コンボ チャー
コンボチャートは、同じチャート内で棒グラフと折れ線グラフを組み合わせ
たものです。棒グラフと折れ線グラフには異なる軸があり、割合や合計を比
較することができます。
ト
.
フィルター パ
ネル
フィルター パネルでは、シート上のビジュアライゼーションで表示したい
データを制御できます。フィルター パネルは、一度に複数の軸のデータを
フィルターできます。
)
ゲージ
ゲージ チャートは、軸のない単一のメジャーの値を表示するために使用され
ます。
%
折れ線グラフ
折れ線グラフは、値と値の間をデータ線で表示します。折れ線グラフは、時
間間隔でデータの傾向を可視化するために、よく使用されます。
、
マップ
マップは、地域の売上と店舗の売上といった地理的データとメジャー値を組
み合わせて使用します。
&
+
円グラフ
円グラフは、1 つの軸と 1 つのメジャーとの関係を表示します。
散布図
散布図は、2 つのメジャーの値を示します。これは、各インスタンスに 2 つ
の数値がある場合に便利です (国の人口と人口増加など)。オプションの 3 番
目のメジャーも使用可能で、バブルのサイズが反映されます。
'
テーブル
テーブルの値はレコード形式で表示され、テーブルの各行には、メジャーで
計算された項目が含まれています。通常、テーブルには 1 つの軸と複数のメ
ジャーが含まれています。
/
テキストと画像
テキストと画像チャートを使用すると、テキストや画像、メジャー、リンク
をシートに追加できます。
»
ツリーマップ
ツリーマップには階層データが示されます。ツリーマップは、限定的なス
ペースで多数の値を同時に表示できます。
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5 ビジュアライゼーション
5.1
棒グラフ
棒グラフは、複数の値の比較に適しています。軸の目盛線は比較するカテゴリ アイテムを示し、メ
ジャー軸は各カテゴリ アイテムの値を示します。画像では、それぞれの軸の値は異なる地域、Nordic、
USA、Japan、UK、Spain、Germany を示しています。各地域は軸の値を示し、それぞれに対応する
棒 (バー) があります。バーの高さは各地域のメジャー値 (売上高) に対応しています。
グループ化また積み上げられたバーを使用して、より複雑なデータの比較を行うことができます。 グ
ループ化されたバーを使えば、同じカテゴリ グループ内で複数の項目を簡単に比較できます。積み上げ
バーは、異なるグループのバーを上下に重ねて結合したもので、結果を示すバーの合計の高さは、連結
された結果を示しています。
棒グラフは、水平または垂直に表示されます。
軸とメジャーの数
棒グラフには、少なくとも 1 つの軸と 1 つのメジャーが必要です。以下のテーブルは、上限を示してい
ます。
使用されている数
上限
1軸
15 メジャー
2軸
1 メジャー
1 メジャー
2軸
2~15 メジャー
1軸
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5 ビジュアライゼーション
スクロールとミニ チャート
軸値の数がビジュアライゼーションの幅を超えると、スクロール バーの付いたミニ チャートが表示され
ます。ミニ チャートのスクロール バーを使ってスクロールするか、デバイスによってはスクロール ホ
イールを使うか 2 本の指でスワイプします。大量の値が使用されている場合は、ミニ チャートにすべて
の値が表示されなくなります。その代わり、圧縮されたミニ チャート (アイテムはグレー) に値の概要
が表示されますが、非常に低い値と高い値は表示されます。
ミニ チャートの付いた棒グラフ
範囲外
プロパティ パネルの [スタイル] で、メジャー軸の範囲の限度を設定できます。限度がない場合は、範
囲は最も高い正の値と最も低い負の値を含むよう自動的に設定されます。ただし、限度を設定しても、
それを超える値が発生する可能性もあります。棒グラフで限度を超えるバーは斜め線でカットされ、範
囲外であることが示されます。
範囲の制限によりバーが表示できない場合は、矢印が値の方向を示します。
基準線が範囲外の場合は、矢印が範囲外の基準線の数とともに表示されます。
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5 ビジュアライゼーション
棒グラフを使用する場合
年度別・地域別売上高を可視化した、グループ化された水平方向の棒グラフと、垂直方向に積み上げられた棒グ
ラフ
説明
棒グラフには、2 つの軸と 1 つのメジャー、あるいは 1 つの軸と複数のメジャーが含まれます。それぞ
れの棒 (バー) は 1 つの軸に対応し、メジャーの値が棒の高さ/長さを決定します。
使用に適しているケース
バーをグループ化したり積み上げると、グループ化されたデータを容易に見やすい形で表示できます。
また、値を並べて比較したい場合も棒グラフが便利です。例えば、今後の予測のため異なる年度の売上
高を比較したり、同じユニットを使用してメジャー (この場合、売上高と予測) を計算する場合に有効で
す。
長所
棒グラフは、データの読み取りや理解が容易です。棒グラフを使用すれば、値の概要を効率的に確認で
きます。
短所
棒グラフの場合、軸の長さに限界があるので、軸の値が多すぎるとうまく機能しません。軸が適合しな
い場合は、スクロール バーを使ってスクロールできますが、全体を把握できない場合があります。
棒グラフでの選択
データを分析するには、さまざまな選択方法があります。 棒グラフでは、クリックによる選択、描画に
よる選択、凡例による選択、囲み選択、範囲選択、ラベル選択を使用できます。 選択を確定するには、
m またはビジュアライゼーションの外側をクリックします。また、Enter を押すこともできます。
キャンセルするには E をクリックするか、Esc を押します。
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5 ビジュアライゼーション
クリックによる選択
棒 (バー) を 1 本ずつクリックして、選択することができます。 バーの選択を解除するには、バーをク
リックします。
描画による選択
チャートに 1 本以上の線を引いて、バーを選択することができます。この線に触れるすべてのバーが選
択され、他のすべてのバーは薄い色で表示されます。 バーの選択を解除するには、バーをクリックしま
す。描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある — をクリックし、囲
み選択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択することで、同様の結果が
得られます。
囲み選択
囲み選択では、領域を囲むフリーハンドの投げ縄を描画します。選択対象の開始点に戻って、領域を確
実に囲む必要があります。描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある
— をクリックし、囲み選択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択する
ことで、同様の結果が得られます。
範囲選択
範囲選択では、X 軸または Y 軸のいずれかを 1 つずつ選択できます。チャートの領域外で、軸に沿って
起点を選択し、ドラッグして選択を行います。ドラッグを開始すると、起点のラインが表示され、現在
の選択を表示する終点も表示されます。線、値ボックス、緑の選択領域をドラッグして選択範囲を調整
できます。
ラベル選択
軸ラベルをクリックすると、軸を選択できます。軸がグループ化されていたり、積み上げられている場
合は、そのグループまたはスタック全体が選択されます。
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5 ビジュアライゼーション
凡例による選択
凡例には 2 つのタイプがあり、ボックス凡例では軸値ごとに 1 つの凡例アイテムが表示され、範囲凡例
では勾配スケールによってすべてのメジャー値が示されます。凡例ボックスで、凡例を 1 つずつクリッ
クすることで選択/選択解除ができます。範囲凡例では、ドラッグ操作によって特定の領域 (開始点と終
了点) を囲みます。一部削除できないアイテムもありますが、領域の変更は可能です。
棒グラフに 2 つの軸と 1 つのメジャーがある場合は (グループ化または積み上げられている)、グループ
や積み上げられ単位ではなく、値で選択します。つまり、グループや積み上げられた値の一部のみが選
択されます。
棒グラフに 1 つの軸と 2 つのメジャーがある場合 (グループ化または積み上げられている)、選択はでき
ません。
5.2
コンボ チャート
コンボ チャートは、目盛りが異なるため比較が難しいような 2 つのメジャー値のセットを比較するよう
な場合に適しています。典型的な例としては、売上高を示す棒グラフがあり、この数字に利ざやの値
(%) を組み合わせたい場合です。標準的な棒グラフでは、売上の棒 (バー) は通常通り表示されますが、
利ざやの値は売上高と利ざやの数値的値の差異が大きすぎるため表示されません。
コンボ チャートなら、売上値を棒グラフに利ざや値を折れ線グラフに組み合わせて表示することが可能
です。デフォルトでは、バーの左には軸の目盛線が、右側には別の軸に利ざや値が表示されます。2 つ
のメジャーは同じ軸 (月) に使用されます。
例えば、総売上のような別のメジャーがある場合、値は売上高とほぼ同じ範囲ですが、売上高の値を有
する新しいメジャー値を積み上げあるいはグループ化するバーとして 3 つ目のメジャーを追加すること
ができます。 グループ化されたバーを使えば、同じカテゴリ グループ内で複数の項目を簡単に比較でき
ます。積み上げバーは、異なるグループのバーを上下に重ねて結合したもので、結果を示すバーの合計
の高さは、連結された結果を示しています。
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5 ビジュアライゼーション
3 つのメジャーを持つコンボ チャート
コンボ チャートは垂直方向にのみ表示できます。
軸とメジャーの数
コンボ チャートには、少なくとも 1 つの軸と 1 つのメジャーが必要です。軸は 1 つしか持てませんが、
メジャーは 15 個まで持つことができます。
範囲外
プロパティ パネルの [スタイル] で、メジャー軸の範囲の限度を設定できます。限度がない場合は、範
囲は最も高い正の値と最も低い負の値を含むよう自動的に設定されます。ただし、限度を設定しても、
それを超える値が発生する可能性もあります。棒グラフで限度を超えるバーは斜め線でカットされ、範
囲外であることが示されます。範囲外のデータ ポイント値の線は、矢印で値の方向性が示されます。
コンボ チャートを使用する場合
Sales (青い棒) と Cost (赤い線) の比較
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5 ビジュアライゼーション
説明
コンボ チャートは、棒グラフと折れ線グラフの機能を組み合わせたものです。棒と線により、同じビ
ジュアライゼーション内で異なるカテゴリ グループを示すことができます。
使用に適しているケース
両側にそれぞれ異なるメジャーの目盛を設定できるコンボ チャートは、値域が大きく異なる場合など、
通常であれば 1 つの図表にまとめることが困難なメジャー値を示すのに適しています。
また、同じ値域の値を比較する場合にも大変便利です。上の画像のコンボ チャートにはメジャー軸が 1
つしかありませんが、Sales と Cost、2 つのカテゴリーの関係は明らかです。
長所
コンボ チャートは、異なる値域にある複数のメジャーを結合する場合に最適です。
短所
コンボ チャートでは、軸は 1 つしか使用できません。そのため、ビジュアライゼーションに軸を 2 つ以
上含める必要がある場合には、コンボ チャートは使用できません。
コンボ チャートでの選択
データを分析するには、さまざまな選択方法があります。 コンボ チャートでは、クリックによる選択、
描画による選択、囲み選択、範囲選択、ラベル選択、凡例による選択を使用できます。 選択を確定する
には、m またはビジュアライゼーションの外側をクリックします。また、Enter を押すこともできま
す。キャンセルするには E をクリックするか、Esc を押します。
クリックによる選択
棒 (バー) やデータポイントを 1 つずつクリックして、選択することができます。 棒グラフの棒やデー
タ ポイントは、クリックすると選択を解除できます。
描画による選択
チャートに 1 本以上の線を引いて、バーやデータポイントを選択することができます。この線に触れる
すべてのバーやデータポイントが選択され、他のすべてのバーやデータポイントは、薄い色で表示され
ます。 棒グラフの棒やデータ ポイントは、クリックすると選択を解除できます。
描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある — をクリックし、囲み選
択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択することで、同様の結果が得ら
れます。
囲み選択
囲み選択では、領域を囲むフリーハンドの投げ縄を描画します。選択対象の開始点に戻って、領域を確
実に囲む必要があります。
描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある — をクリックし、囲み選
択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択することで、同様の結果が得ら
れます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
23
5 ビジュアライゼーション
範囲選択
範囲選択では、X 軸または Y 軸のいずれかを 1 つずつ選択できます。チャートの領域外で、軸に沿って
起点を選択し、ドラッグして選択を行います。ドラッグを開始すると、起点のラインが表示され、現在
の選択を表示する終点も表示されます。線、値ボックス、緑の選択領域をドラッグして選択範囲を調整
できます。
ラベル選択
軸ラベルをクリックすると、軸を選択できます。軸がグループ化されていたり、積み上げられている場
合は、そのグループまたはスタック全体が選択されます。
凡例による選択
凡例には 2 つのタイプがあり、ボックス凡例では軸値ごとに 1 つの凡例アイテムが表示され、範囲凡例
では勾配スケールによってすべてのメジャー値が示されます。凡例ボックスで、凡例を 1 つずつクリッ
クすることで選択/選択解除ができます。範囲凡例では、ドラッグ操作によって特定の領域 (開始点と終
了点) を囲みます。一部削除できないアイテムもありますが、領域の変更は可能です。
コンボ チャートに 1 つの軸と 2 つのメジャーがある場合 (グループ化または積み上げられている)、選択
はできません。
5.3
フィルター パネル
フィルター パネルを追加すると、シート上のビジュアライゼーションに表示されるデータを管理できま
す。フィルター パネルは、一度に複数の軸のデータをフィルターできます。たとえば、売上高の経時的
変化を示すグラフがあれば、フィルター パネルを使用して、選択した期間、特定の製品カテゴリ、特定
の地域の売上高のみを表示するように、チャートのデータを制限することができます。
軸を追加すると、利用可能なスペースに応じて、前の軸の右側または下に配置されます。十分なスペー
スがある限り、軸は展開リストとして表示されます。最初に追加された軸がフィルター パネルになりま
す。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
24
5 ビジュアライゼーション
軸数
フィルター パネルではシート上に多数の軸を持つことができます。論理的な最大数に達する前に、シー
ト上で管理可能な限度に達します。
応答型の設計
フィルター パネルは応答型設計になっているため、軸をいくつでも含めることができます。スペースが
限られている場合は、すべての軸が表示されるように各軸のサイズを小さくできます。
例:
以下の画像は、編集中のフィルター パネルの例です。5 つの軸のうち 2 つだけが表示されています。他
の軸は省略記号 (...) とともにボックスに置き換えられ、表示されていない軸があることが示されます。
フィルター パネルの編集中に表示されている 5 つの軸
編集を終えると、フィルター パネルのスペースは同じまま、すべての軸が表示されます。
データ分析中に表示されている 5 つの軸
すべてのアイテムを表示できない場合は、省略記号のボックスが表示され、この他にも軸があることが
示されます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
25
5 ビジュアライゼーション
全画面ビュー
全画面表示ではフィルター パネルは最大化され、できるだけ多くの軸が拡張された状態で表示されま
す。全軸を展開した状態で表示できない場合は、直近に追加された軸が優先的に右側に展開された状態
で表示されます。この優先順位は、プロパティ パネルの [軸] で変更できます。軸をドラッグして、優
先順位を変更します。
タッチ式デバイスでの全画面ビュー
次の手順を実行します。
1. ビジュアライゼーションをロングタッチします。
タッチ アイテム メニューが表示されます。
2.
s をタップします。
ビジュアライゼーションは全画面表示されます。
全画面表示を終了してシート ビューに戻るには、E をクリックします。
コンピュータでの全画面ビュー (マウス操作)
全画面表示アイコンはデフォルトで非表示になっています。
次の手順を実行します。
1. 展開したいビジュアライゼーションにマウスを合わせます。
2. ビジュアライゼーションの右上にある s をクリックします。
ビジュアライゼーションは全画面表示されます。
全画面表示を終了してシート ビューに戻るには、E をクリックします。
選択ツール
選択ツールには、アプリで項目と軸の概要を閲覧できるオプションがあります。選択ツールでは、アプ
リ内で使用されているかどうかに関係なく、アプリの全項目と全軸で選択を行うことができます。
分析中は、選択バーの右側にある選択ツールを利用できます。9 をクリックして、選択ツールを開き
ます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
26
5 ビジュアライゼーション
フィルター パネルを使用する場合
Year、Quarter、Week 軸で選択を行った状態
説明
フィルター パネルでは、シート上のビジュアライゼーションに反映されるデータを制御できます。
使用に適しているケース
フィルター パネルでは複数の選択が簡単に行え、自分の思い通りにデータ セットを定義することができ
ます。データ セットを明確に定義することで、特定の関心分野のデータを探索できるようになります。
フィルター パネルの選択メニュー オプション (絞込値を選択、代替値を選択、除外値を選択) を使用す
ると、データ セットを調整したり、前の選択条件と結果を比較することができます。
長所
フィルター パネルは選択の実行やデータ セットの定義に役立つほか、異なる値の相互関係 (関連付け)
を確認できます。データ間の関係の有無は、緑、白、グレーの 3 色で示されます。また、これらの関連
付けを分析することで、1 人の営業担当者が抱える顧客数が多すぎる、または特定地域の営業担当者が
不足している、といった新たな発見が可能になります。
短所
軸に値が大量に含まれる場合、データの管理が困難になる可能性があります。
フィルター パネルでの選択
分析中、フィルター パネルの軸をクリックすると選択リストが開きます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
27
5 ビジュアライゼーション
選択を行うと、各フィルター パネル軸の最下部にある小さなバーに反映されます。このバーでは、選択
済み (緑)、絞込 (白)、代替 (薄いグレー)、除外 (濃いグレー) の 4 つのステートが使用されます。ロッ
クされた値にはロック アイコンが付いています。選択の詳細は、シートの上にある選択バーに表示され
ます。アイテムをクリックすると、詳細を確認したり、選択を変更できます。
シート上のビジュアライゼーションに表示するため、各軸の項目がフィルターされます。
フィルター パネル リストでの選択
フィルター パネルに十分なスペースがある場合、軸はリストとして表示されます。リストでは、単一の
値をクリックして選択するか、複数の値を描画で選択することができます。また、2 本の指でリストを
タップして、値の範囲を選択することもできます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
28
5 ビジュアライゼーション
5.4
ゲージ
ゲージは、軸のない単一のメジャーの値を表示します。ゲージは、KPI を表示する際によく使用されま
す。カラー コーディングと共に使用すると、業績を示す方法として効果的です。正確なメジャー値が明
確に表示されます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
29
5 ビジュアライゼーション
放射ゲージまたはバー ゲージのいずれかを使用できます。
ゲージを異なる色の複数のセグメントに分割すると、値の解釈が容易になります。
軸とメジャーの数
ゲージにはメジャーを 1 つだけ含めることが可能ですが、軸を含めることはできません。
ゲージを使用する場合
説明
ゲージはメジャー値を 1 つだけ表示するように設計されています。現在の値に加えて、ゲージでは最小
値と最大値のほか、選択した色別のセグメントの表示が可能です。
使用に適しているケース
ゲージは、単一の重要なメジャー値を可視化したい場合に適しています。カラー コーディングを使用す
ると、値の解釈が容易になります。
長所
ゲージは読みやすく理解しやすいため、1 つの分野の実績がひと目でわかります。
短所
ゲージは、可視化する単一の値に対してかなり多くのスペースが必要です。ゲージでは、選択を行って
操作することはできません。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
30
5 ビジュアライゼーション
5.5
折れ線グラフ
折れ線グラフは、時間の経過に伴う動向を表示するために使用されます。軸は常に X 軸上にあり、メ
ジャーは常にY 軸上にあります。方向を垂直に変更することはできません。
メジャーと軸の数
折れ線グラフには、少なくとも 1 つの軸と 1 つのメジャーが必要です。以下のテーブルは、上限を示し
ています。メジャーを 3 つ以上使用すると、チャートの解釈が難しくなります。
使用されている数
上限
1軸
15 メジャー
2軸
1 メジャー
1 メジャー
2軸
2~15 メジャー
1軸
スクロールとミニ チャート
軸値の数がビジュアライゼーションの幅を超えると、スクロール バーの付いたミニ チャートが表示され
ます。ミニ チャートのスクロール バーを使ってスクロールするか、デバイスによってはスクロール ホ
イールを使うか 2 本の指でスワイプします。大量の値が使用されている場合は、ミニ チャートにすべて
の値が表示されなくなります。その代わり、圧縮されたミニ チャート (アイテムはグレー) に値の概要
が表示されますが、非常に低い値と高い値は表示されます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
31
5 ビジュアライゼーション
ミニ チャートの付いた折れ線グラフ
範囲外
プロパティ パネルのスタイルで、メジャー軸の範囲の限度を設定できます。限度がない場合は、範囲は
最も高い正の値と最も低い負の値を含むよう自動的に設定されます。ただし、限度を設定しても、それ
を超える値が発生する可能性もあります。範囲の制限によりデータ ポイント値が表示できない場合は、
矢印が値の方向を示します。
基準線が範囲外の場合は、矢印が範囲外の基準線の数とともに表示されます。
折れ線グラフを使用する場合
月間売上高と利益の動向を表す折れ線グラフ
説明
1 つの折れ線グラフには、1 つの軸と複数のメジャーが含まれます。
メジャーが複数存在する場合には、折れ線グラフでデータを折れ線、面、または積み上げ面として表示
できます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
32
5 ビジュアライゼーション
使用に適しているケース
折れ線グラフは主に、時間経過に伴う傾向や動向を可視化したいとき、特に月数や四半期、事業年度な
ど、軸の値が等間隔の場合に適しています。
長所
折れ線グラフは、簡単かつ即座に傾向を把握できます。
短所
折れ線グラフに複数の線を使用すると、グラフが雑然となり、データの読み取りが難しくなります。そ
のため、メジャーは 2~3 つに抑えてください。
折れ線グラフでの選択
データを分析するには、さまざまな選択方法があります。 折れ線グラフでは、範囲選択、囲み選択、描
画による選択、クリックや凡例による選択が使用できます。 選択を確定するには、m またはビジュア
ライゼーションの外側をクリックします。また、Enter を押すこともできます。キャンセルするには
E をクリックするか、Esc を押します。
範囲選択
範囲選択では、X 軸または Y 軸のいずれかを 1 つずつ選択できます。チャートの領域外で、軸に沿って
起点を選択し、ドラッグして選択を行います。ドラッグを開始すると、起点のラインが表示され、現在
の選択を表示する終点も表示されます。線、値ボックス、緑の選択領域をドラッグして選択範囲を調整
できます。
囲み選択
囲み選択では、領域を囲むフリーハンドの投げ縄を描画します。選択対象の開始点に戻って、領域を確
実に囲む必要があります。描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある
— をクリックし、囲み選択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択する
ことで、同様の結果が得られます。
描画による選択
描画による選択では、チャートに 1 本以上の線を引くことで、選択できます。この線に触れるすべての
データ ポイントが選択されます。 データ ポイントをクリックすると、選択が解除されます。 描画選択
または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある — をクリックし、囲み選択機能を
有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択することで、同様の結果が得られます。
クリックによる選択
クリックによる選択では、データ ポイントを 1 つずつクリックして選択します。 データ ポイントをク
リックすると、選択が解除されます。
凡例による選択
凡例ボックスで、凡例を 1 つずつクリックすることで選択/選択解除ができます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
33
5 ビジュアライゼーション
ラベル選択
軸ラベルをクリックすると、軸を選択できます。軸がグループ化されていたり、積み上げられている場
合は、そのグループまたはスタック全体が選択されます。
間接的な選択
折れ線グラフに 2 つの軸があり、2 つの異なる軸値で 2 つのメジャー値を選択する場合、画像に示され
ているように、Qlik Sense は対応する軸値を間接的に選択し、選択がエリアの範囲選択を使用した際と
同じになるようにします。Qlik Sense が選択したデータ値 (未入力)。
未入力の値の間接的な選択
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
34
5 ビジュアライゼーション
5.6
マップ
マップは、多様な目的で使用できます。ビジネス インテリジェンスにおける一般的な用法は、地域や店
舗ごとの売上散布図の作成です。
マップは、ポイント レイヤーまたはエリア レイヤーのいずれかを使用して作成できます。ポイント レ
イヤーを使用する場合、ポイントのコンテキストを提供する背景マップも必要です。そうでない場合
は、空の背景に単なる点の集まりしか表示されません。軸の値にメジャー値や数式を追加することが可
能で、ポイントのサイズやメジャーごとの色分けを使用して、メジャーのサイズを反映させることがで
きます。エリア レイヤーを使用する場合、背景マップは通常不要ですが、背景を有するエリア レイヤー
もサポートされています。
背景マップは、ズームやパン、選択が可能な「スリッピー マップ」です。
参照項目:http://wiki.openstreetmap.org/wiki/Slippy_Map
データのロード
.kml ファイルと Excel ファイルからマップ データをロードできます。データのロードには、クイック
データ ロードまたはデータ接続を使用します。データ選択ダイアログでは、データが含まれていない場
合でも、すべての項目が選択されています。例えば、.kml ファイルにはエリア データが含まれますが、
ポイント データは含まれません。空の項目をロードしても問題ありませんが、マップ ビジュアライゼー
ションを使用する際に不都合が生じるため、好ましくありません。データのない軸をマップに追加する
と、視覚的出力が生成されず、ユーザーを混乱させる可能性があります。そのため、データをロードす
る前に、データ選択ダイアログにある空のデータ項目をすべてクリアにする必要があります。
.kml ファイルでのデータを使用したマップ作成
通常、.kml ファイルにはポイント データ、エリア データ、または両方が含まれています。下のスク
リーンショットにあるデータ選択ダイアログでは、FloridaCounties.Point 項目にはデータが含まれて
いないため、この項目はクリアされています。項目をクリアすることで、データのない軸をマップに作
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
35
5 ビジュアライゼーション
成するというリスクを避けることができます。
[スクリプトを挿入] をクリックすると、次のスクリプトが生成されます。
LOAD
FloridaCounties.Name,
FloridaCounties.Area
FROM 'lib://data 7/FloridaCounties.kml'
(kml, Table is [Florida Counties KML]);
空の項目の選択をクリアしていない場合、スクリプトには次の文字列も含まれます。
FloridaCounties.Point,
スクリプトを実行してマップ チャートをシートに追加する際に、FloridaCounties.Area (area) または
FloridaCounties.Name (area) のどちらかを軸として追加できます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
36
5 ビジュアライゼーション
どちらの項目を追加しても視覚的には同じ結果 (郡を含むマップ) となりますが、郡にマウスを合わせる
とその違いが分かります。FloridaCounties.Name (area) を選択した場合にはツール ヒントとして郡
の名前が、FloridaCounties.Area (area) を選択した場合にはエリア データが表示されます。郡の名前
の方が役立ちそうなのは明らかです。また、項目 FloridaCounties.Area のロードには、項目
FloridaCounties.Name のロードよりも大幅に時間がかかります。
オプションとして、メジャーを追加し、各郡のメジャー値の違いを色分けすることもできます。
.kml ファイルにポイント データとエリア データのどちらも含まれていない場合は、その
ファイルからデータをロードすることはできません。.kml ファイルが破損している場合はエ
ラー メッセージが表示され、データをロードすることができません。
ポイント データによるマップの作成 (Excel ファイル)
Excel ファイルのポイント データ (座標) を使用して、マップを作成できます。
ポイント データの形式
ポイント データは、Excel ファイルから読み取り可能です。次の 2 つの形式がサポートされています。
l
l
ポイント データを 1 つの列に保存するのは 1 つの形式です。各ポイントは、x と y 座標: '[x, y]'
配列として指定されます。地理的座標は、'[経度,緯度]' です。この形式を使用する場合は、ポイ
ント データ項目に $geopoint; のタグを付ける必要があります。
もう 1 つの形式は、ポイント データを 2 つの列 (緯度と経度) に保存します。関数 GeoMakePoint()
は、この形式に基づいてポイントを生成します。
下記の例では、複数のファイルにある企業のオフィスの所在地に関する同じデータが 2 つの異なる形式
で含まれていると想定します。
例1:
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
37
5 ビジュアライゼーション
Excel ファイルには、各オフィスに関する次のコンテンツが含まれています。
l
都市
l
場所
l
従業員数
ロード スクリプトは次のようになります。
LOAD
Office,
Location,
Employees
FROM 'lib://Maps/Offices.xls'
(biff, embedded labels, table is (Sheet1$));
項目 Location にはポイント データが含まれているため、$geopoint; のタグを付けてポイント データ項目
として認識させる必要があります。LOAD コマンドの最後の文字列の後ろに次の文字列を追加します。
TAG FIELDS Point WITH $geopoint;
完全なスクリプトは次のようになります。
LOAD
Office,
Location,
Employees
FROM 'lib://Maps/Offices.xls'
(biff, embedded labels, table is (Sheet1$));
TAG FIELDS Point WITH $geopoint;
スクリプトを実行し、マップ ビジュアライゼーションを作成します。ポイント軸をマップに追加して、
背景マップを設定することでコンテキストを提供します。
例2:
Excel ファイルには、各オフィスに関する次のコンテンツが含まれています。
l
都市
l
緯度
l
経度
l
従業員数
ロード スクリプトは次のようになります。
LOAD
Office,
Latitude,
Longitude,
Employees
FROM 'lib://Maps/Offices.xls'
(biff, embedded labels, table is (Sheet1$));
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
38
5 ビジュアライゼーション
項目 Latitude と Longitude のデータにより、そのポイントに新しい項目を定義します。LOAD コマンド
の上に次の文字列を追加します。
LOAD *, GeoMakePoint(Latitude, Longitude) as Location;
関数 GeoMakePoint() は、緯度データと経度データを結合します。
完全なスクリプトは次のようになります。
LOAD *, GeoMakePoint(Latitude, Longitude) as Location;
LOAD
Office,
Latitude,
Longitude,
Employees
FROM 'lib://Maps/Offices.xls'
(biff, embedded labels, table is (Sheet1$));
スクリプトを実行し、マップ ビジュアライゼーションを作成します。ポイント軸をマップに追加して、
背景マップを設定することでコンテキストを提供します。
ポイントの数
性能上の理由から、表示できるポイントの数には制限があります。選択を行うことで、表示するデータ
の量を減らすことができます。
背景マップの追加
例えば、世界の主要都市を含むポイント レイヤーを追加した場合、背景マップを使用してコンテキスト
を示すのが一般的です。
次の手順を実行します。
1. ツールバーで [@編集] をクリックします。
2. 右側のプロパティ パネルで [背景] をクリックします。
3. [表示] ボタンをクリックします。
するとボタンが [オン] にセットされます。
4. 下のリストから URL をコピーして、[URL] テキスト ボックスに貼り付けます。
5. 下のリストから URL に対応する属性文字列をコピーして、[属性] ボックスに貼り付けます。
Slippy map サーバー
名前
URL
属性文字列
OpenStree
tMap
http://tile.openstreetmap.org/${
z}/${x}/${y}.png
&copy; <a
href='http://www.openstreetmap.org/co
pyright' target='_
blank'>OpenStreetMap</a> contributors
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
39
5 ビジュアライゼーション
OpenCycle
Map
http://a.tile.opencyclemap.org/cy
cle/${z}/${x}/${y}.png
http://b.tile.opencyclemap.org/cy
cle/${z}/${x}/${y}.png
http://c.tile.opencyclemap.org/cy
cle/${z}/${x}/${y}.png
&copy; <a
href='http://www.opencyclemap.org/'
target='_blank'>OpenCycleMap</a>.
Map data &copy; <a
href='http://www.openstreetmap.org/co
pyright' target='_
blank'>OpenStreetMap</a> contributors
MapQuest
OSM
http://otile1.mqcdn.com/tiles/1.0.
0/map/${z}/${x}/${y}.png
http://otile2.mqcdn.com/tiles/1.0.
0/map/${z}/${x}/${y}.png
http://otile3.mqcdn.com/tiles/1.0.
0/map/${z}/${x}/${y}.png
http://otile4.mqcdn.com/tiles/1.0.
0/map/${z}/${x}/${y}.png
Data, imagery and map information
provided by <a
href='http://www.mapquest.com/'
target='_blank'>MapQuest</a>, <a
href='http://www.openstreetmap.org/'
target='_blank'>OpenStreetMap</a>
and contributors, <a
href='http://creativecommons.org/licens
es/by-sa/2.0/' target='_blank'>CC-BYSA</a> <img
src='http://developer.mapquest.com/co
ntent/osm/mq_logo.png' border='0'>
MapQuest
Open
Aerial
http://otile1.mqcdn.com/tiles/1.0.
0/sat/${z}/${x}/${y}.png
http://otile2.mqcdn.com/tiles/1.0.
0/sat/${z}/${x}/${y}.png
http://otile3.mqcdn.com/tiles/1.0.
0/sat/${z}/${x}/${y}.png
http://otile4.mqcdn.com/tiles/1.0.
0/sat/${z}/${x}/${y}.png
Tiles Courtesy of <a
href='http://open.mapquest.co.uk/'
target='_blank'>MapQuest</a>. Portions
http://a.tiles.mapbox.com/v3/ma
pbox.natural-earth-hypsobathy/${z}/${x}/${y}.png
http://b.tiles.mapbox.com/v3/ma
pbox.natural-earth-hypsobathy/${z}/${x}/${y}.png
http://c.tiles.mapbox.com/v3/ma
pbox.natural-earth-hypsobathy/${z}/${x}/${y}.png
http://d.tiles.mapbox.com/v3/ma
pbox.natural-earth-hypsobathy/${z}/${x}/${y}.png
Tiles &copy; <a
href='http://mapbox.com/'>MapBox</
a>
MapBox
Natural
Earth (最初
の 5 段階の
ズーム レベ
ルのみサ
ポート)
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
Courtesy NASA/JPL-Caltech and U.S.
Depart. of Agriculture, Farm Service
Agency. <img
src='http://developer.mapquest.com/co
ntent/osm/mq_logo.png' border='0'>
40
5 ビジュアライゼーション
軸とメジャーの数
使用できるのは 1 つの軸タイプ、ポイント、エリアです。軸では、数式を作成できます。マスター アイ
テムからマップにメジャーを追加する場合、メジャーはプロパティ パネルの [レイヤー] > <レイヤー
の種類> にある数式ボックスで追加します。
ズームとパン
マップには、ズームとパンのオプションがあります。操作は、使用しているデバイスによって異なりま
す。ズームの場合、ズーム過程が一部段階的な場合があります。これは、背景マップが更新されている
場合に起こります。
タッチ式デバイスの操作
タッチ式デバイスではピンチアウトしてズームし、スワイプでパンを実行します。
ü をタップしてズームをリセットすることもできます (ズームの開始時に右上に表示されます)。
コンピュータ (マウス) の操作
コンピュータの場合は、マウスを使ってビジュアライゼーションでズームやパンを行います。スクロー
ル ホイールを使用してズーム インまたはズーム アウトします。ポインタのあるエリアでズームしま
す。ドラッグしてデータをパンします。
また、ズームやパンにナビゲーション ツールを使用することもできます。マップを右クリックして [ナ
ビゲーション] を選択し、ツールを開きます。
スクロール ホイールをクリックするか、ナビゲーション ツールの ü をクリックするとズームがリセッ
トされます。
マップを使用する場合
説明
マップを作成する際には、エリア レイヤーまたはポイント レイヤーを使用できます。各ポイントまたは
サブエリアは軸の値に相当します。
使用に適しているケース
マップを使用することで、オフィスや店舗など、ビジネスに関連する場所の地理的分布を示すことがで
きます。またロケーションだけでなく、売上の数値といったメジャーを可視化できるという利点があ
り、バブルのサイズやカラーにより値の差を表すことが可能です。
ポイント レイヤーを使用した場合
ポイント レイヤーを使った最もシンプルなマップでは、バブルはすべて同じに見えます。これに数式や
メジャーを追加すると、バブルのサイズにメジャー値を反映させることがでるようになります。プロパ
ティ パネルでポイント レイヤーに数式を追加するか、アセット パネルの [マスター アイテム] からビ
ジュアライゼーションにメジャーをドラッグします。
また、色分けにより値の差を示すこともできます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
41
5 ビジュアライゼーション
エリア レイヤーを使用した場合
エリア レイヤーでは、それぞれのサブエリアが軸の値を示します。メジャー値の差は、ポイント レイ
ヤーと同様、色で表されます。プロパティ パネルの [色と凡例] にある [色] ボタンをクリックして、
[カスタム] に変更します。これで [メジャーごと] オプションが使用できるようになります。
長所
マップは柔軟性の高いビジュアライゼーションで、ロケーションやエリアに関連する重要な値の地理的
分布を効率的に表すことができます。
短所
値の数が多い場合には、概観が把握しにくくなる可能性があります。また、値が互いに重なっており、
拡大しないと見えないこともあります。
マップでの選択
データを分析するには、さまざまな選択方法があります。 マップでは、囲み選択、描画やクリックによ
る選択を使用できます。 選択を確定するには、m またはビジュアライゼーションの外側をクリックし
ます。また、Enter を押すこともできます。キャンセルするには E をクリックするか、Esc を押しま
す。
囲み選択
囲み選択では、領域を囲むフリーハンドの投げ縄を描画します。選択対象の開始点に戻って、領域を確
実に囲む必要があります。描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある
— をクリックし、囲み選択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択する
ことで、同様の結果が得られます。
描画による選択
描画による選択では、ビジュアライゼーションに 1 本以上の線を引くことで、選択できます。この線に
触れるすべてのデータ ポイントが選択され、他のすべてのデータ イントは、薄い色で表示されます。
データ ポイントをクリックすると、選択が解除されます。 描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュ
アライゼーションの上部にある — をクリックし、囲み選択機能を有効にする必要があります。また、
Shift キーを押しながら選択することで、同様の結果が得られます。
クリックによる選択
クリックによる選択では、データ ポイントを 1 つずつクリックして選択します。 データ ポイントをク
リックすると、選択が解除されます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
42
5 ビジュアライゼーション
5.7
円グラフ
地域別売上高を示した円グラフ
円グラフは、値間の関係や合計に対する単一値の関係を表示します。正の値のみによる単一のデータ系
列がある場合、円グラフを使用できます。
軸とメジャーの数
円グラフは、1 つの軸と 1 つのメジャーのみで構成されます。
円グラフを使用する場合
説明
円グラフでは、軸がメジャー値のセクターを形成します。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
43
5 ビジュアライゼーション
単一の円グラフには、1 つのメジャーと1 つの軸を含めることができます。
円グラフのデフォルトの設定
デフォルトでは、円グラフには以下の設定が使用されます。
l
上位 10 セクターは降順に時計回りで表示。
l
軸ごとに異なる色で表示。
l
値のラベルはパーセント表示。
使用に適しているケース
円グラフは、主に特定のセクターを全体と比較する際に使用します。特に、はい/いいえや順番待ち/完
了といった、セクターが 2 つしかない場合に有効です。
長所
円グラフは、軸として使用されているセクターが少ないと、比率が一目で理解できます。円グラフは、
使用するセクター数が 10 以下の場合に、最も視覚的な有効性があります。
短所
2 つの円グラフの結果を互いに比較することは難しい場合が多いため、この用途は避けてください。
また、特に多くのセクターを含む円グラフの場合、各セクターの比較が難しくなる場合があります。
円グラフでは、値を可視化するには多くのスペースが必要となります。
円グラフでの選択
データを分析するには、さまざまな選択方法があります。 円グラフでは、クリックや描画による選択、
凡例による選択、囲み選択を使用できます。 選択を確定するには、m またはビジュアライゼーション
の外側をクリックします。また、Enter を押すこともできます。キャンセルするには E をクリックす
るか、Esc を押します。
クリックによる選択
クリックによる選択では、セクターを 1 つずつクリックして選択します。セクターをクリックすると、
選択が解除されます。
描画による選択
描画による選択では、チャートに 1 本以上の線を引くことで、選択できます。この線に触れるすべての
セクターが選択され、他のすべてのセクターは薄い色で表示されます。セクターをクリックすると、選
択が解除されます。 描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある — を
クリックし、囲み選択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択すること
で、同様の結果が得られます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
44
5 ビジュアライゼーション
凡例による選択
凡例には 2 つのタイプがあり、ボックス凡例では軸値ごとに 1 つの凡例アイテムが表示され、範囲凡例
では勾配スケールによってすべてのメジャー値が示されます。凡例ボックスで、凡例を 1 つずつクリッ
クすることで選択/選択解除ができます。範囲凡例では、ドラッグ操作によって特定の領域 (開始点と終
了点) を囲みます。一部削除できないアイテムもありますが、領域の変更は可能です。
囲み選択
囲み選択では、領域を囲むフリーハンドの投げ縄を描画します。選択対象の開始点に戻って、領域を確
実に囲む必要があります。描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある
— をクリックし、囲み選択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択する
ことで、同様の結果が得られます。
ラベル選択
軸ラベルをクリックすると、軸を選択できます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
45
5 ビジュアライゼーション
5.8
散布図
散布図には、2 つまたは 3 つの数式の値の組み合わせが表示されます。これは、各インスタンスに 2 つ
の数値がある状況でデータを表示したい場合に便利です (Sales と Quantity を Customer 別に示す)。
この散布図では、3 つ目のメジャー (Cost) を用いてバブル サイズが生成されています。
軸とメジャーの数
散布図では、1 つの軸と少なくとも 2 つのメジャーが必要です。最大で、1 つの軸と 3 つのメジャーを
使用できます。
プロットの数
性能上の理由から、表示できるプロットの数には制限があります。選択を行って表示するデータの量を
減らすことができます。
ズームとパン
散布図では、データのズームやパンができます。操作は、使用しているデバイスによって異なります。
タッチ式デバイスの操作
タッチ式デバイスではピンチアウトしてズームし、スワイプでパンを実行します。 可視範囲の外側にあ
るプロットは、軸線に沿って小さな点で表示されます。
3 本の指でタップすると、ズームをリセットできます。ü をクリックしてズームをリセットすること
もできます (ズームの開始時に右上に表示されます)。
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46
5 ビジュアライゼーション
コンピュータ (マウス) の操作
コンピュータの場合は、マウスを使ってビジュアライゼーションでズームやパンを行います。スクロー
ル ホイールを使用してズーム インまたはズーム アウトします。ポインタのあるエリアでズームしま
す。 可視範囲の外側にあるプロットは、軸線に沿って小さな点で表示されます。
ズームをリセットするには、スクロール ホイールをクリックするか、ü をクリックします (ズームの
開始時に右上に表示されます)。ドラッグでもチャートのパンが可能です。また、ショートカット メ
ニューのナビゲーション ツールを使うこともできます。散布図を右クリックして [ナビゲーション] を
選択し、ツールを開きます。
散布図を使用する場合
この散布図には、地域ごとの cost (コスト) と sales (売上高) が表示されています。(バブル サイズを生成する)
3 つ目のメジャーは gross sales (総売上) です。
説明
散布図は、1 つの軸上に点の集まりとして異なるメジャーの値を表します。ほとんどのチャートでは、
グラフの座標軸に、ユーザーが設定した軸が表示されています。しかし、散布図では、チャートにある
点で軸を表現し、2 本の各座標軸にメジャーがあります。3 つ目のオプションのメジャーを使用する際
には、その値がバブル サイズに反映されます。
使用に適しているケース
散布図を使用すると、値間の潜在的な関係を知り、グループにおける不規則性をビジュアライゼーショ
ンできます。また、散布図は、各インスタンスが2 つの指標を持つデータを表示したい場合に有効です
(例えば、異なる国の平均寿命と一人当たりの平均国民総生産)。
長所
散布図は、複数のメジャーの相関関係を同時に表示できる唯一の種類のチャートです。3 つ目のメ
ジャーは、値を区別する上で、ならびに大規模な国、顧客、数量などの識別を簡素化する上で効果を発
揮します。
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47
5 ビジュアライゼーション
短所
散布図は、両方の目盛線にメジャー値があるほか、3 つ目のオプション メジャーにより解釈が複雑に
なっている可能性があるため、あまり経験のないユーザーには理解しにくいという問題があります。初
心者でも正しく解釈できるようにすることが大切です。
また、値が互いに重なっており、拡大しないと見えないこともあります。
散布図での選択
データを分析するには、さまざまな選択方法があります。 散布図では、囲み選択、範囲選択、描画やク
リックによる選択を使用できます。 選択を確定するには、m またはビジュアライゼーションの外側を
クリックします。また、Enter を押すこともできます。キャンセルするには E をクリックするか、Esc
を押します。
範囲選択
範囲選択では、X 軸または Y 軸、または両方で選択を行えます。チャートの領域外で、軸に沿って起点
を選択し、ドラッグして選択を行います。ドラッグを開始すると、現在の選択を表す起点のラインと終
点のラインが表示されます。線、値ボックス、緑の選択領域をドラッグして選択範囲を調整できます。
囲み選択
囲み選択では、領域を囲むフリーハンドの投げ縄を描画します。選択対象の開始点に戻って、領域を確
実に囲む必要があります。描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある
— をクリックし、囲み選択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択する
ことで、同様の結果が得られます。
描画による選択
描画による選択では、チャートに 1 本以上の線を引くことで、選択できます。この線に触れるすべての
データ ポイントが選択され、他のすべてのデータ イントは、薄い色で表示されます。 データ ポイント
をクリックすると、選択が解除されます。 描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーショ
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
48
5 ビジュアライゼーション
ンの上部にある — をクリックし、囲み選択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押し
ながら選択することで、同様の結果が得られます。
クリックによる選択
クリックによる選択では、データ ポイントを 1 つずつクリックして選択します。 データ ポイントをク
リックすると、選択が解除されます。
5.9
テーブル
複数の項目を同時に表示しているテーブル。各行の内容は論理的に結合している。通常、テーブルには
1 つの軸と複数のメジャーが含まれています。
テーブルは、値のビジュアライゼーションではなく、正確な値を確認する場合や個々の値を比較する場
合に使用します。テーブルは、ドリルダウン グループを軸として使用すると特に有効です。
選択は、軸列でのみ可能です。すべての軸列には、ヘッダーに検索アイコン (F) が付いています。
行と列の数
テーブルには、数百万の行と軸とメジャーを持つ列をほぼ無限に含めることができます。ただし、大き
なテーブルは実用的でなく、管理も難しいため、実際の行と列の数は論理的な最大値よりもはるかに少
なくなります。通常、水平方向にスクロールすることなくすべての列が表示できるサイズが理想的で
す。
データの配置
列のデータは、データ タイプに応じて配置されます。テキスト値は左側に、値に関連する日付を含め数
値は右側に揃えられます。
ソート
軸とメジャーの左から右への順番 (列のソート) およびれ行の優先順位のソート (行のソート) はいずれ
も調整可能です。さらに、内部ソート オプションも利用できます。
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49
5 ビジュアライゼーション
分析中は、インタラクティブ ソート機能を使って行のソート順を変更できます。
列のソート
デフォルトでは、列のソート順は軸とメジャーがテーブルに追加された順序に設定されています。最初
にメジャー Sales を追加した場合、これがテーブルに最初に表示されます (一番左)。後は、次に追加さ
れた軸やメジャーは 2 番目の列にといった具合に、順番に表示されます。列のソート順は、プロパティ
パネルの [列] で変更できます。
行のソート
デフォルトでは、行のソート順は軸とメジャーがテーブルに追加された順序、数値降順、テキスト値昇
順に設定されています。列見出しの下に表示されている小さな矢印は、どの列でテーブルがソートされ
ているかを示しています。
行のソート順は、プロパティ パネルの [ソート] で変更できます。軸とメジャーをドラッグして、ソー
トの優先順位を変更します。多くの場合、ソートは [ソート] にある最初の軸やメジャーのみならず、そ
れに続く軸やメジャーにも影響されます。
例:
以下のスクリーンショットは、行がまず Customer でソートされ、次に Month、Product Type の順で
ソートされています。見ての通り、列 Customer と Month には同じ値を持つ複数の行があります (A-
2-Z Solutions と Month)。Product Type にある行はアルファベット順ですが、January (1 月) に顧客
A-2-Z Solutions に販売されたものだけが表示されています。
ソート順の二次的なソートを Product Type、次を Month に変更すると、すべての Product Type のう
ち顧客 A-2-Z Solutions に販売されたアイテムがアルファベット順に表示されます。そして、販売が行
われた月のみが Month に表示されます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
50
5 ビジュアライゼーション
内部ソート
各軸とメジャーには、デフォルトで (自動) の内部ソート順があります。これは変更可能です。[ソート]
にある変更したいアイテムをクリックし、カスタム ソートに切り替えるボタンをクリックします。アイ
テムの内部ソートに対する変更内容が、高い優先順位を持つアイテムと競合するソートであった場合、
この変更は有効になりません。
インタラクティブ ソート機能
分析中、列のヘッダーをクリックすることで、どの列でソートを行うかを設定できます。最初にクリッ
クすると、テーブルは選択したアイテムのデフォルトのソート順に応じてソートされます。2 回目のク
リックで、ソート順が逆になります。インタラクティブ ソート機能は、セッションベースで保存されま
せん。ソート順を恒久的に変更したい場合は、プロパティ パネルで変更を行う必要があります。
列ピッカー
スペースに限りがあり、すべての軸やメジャーがテーブルに表示できない場合、列ピッカーがテーブル
の右側に表示されます。列ピッカーをクリックすると、テーブルにあるすべての軸とメジャーがリスト
として表示されます。リスト内でそれらをドラッグすることで、一時的に列の順番を変更し、すべての
表示済み軸を通常通りに選択できます。
列ピッカーで行った順番の変更内容は恒久的ではなく、プロパティ パネルで設定した列の順番やソート
順には影響しません。
合計
デフォルトでは、数値の合計は列名の下に表示されています。プロパティ パネルでは、この合計を列の
一番下に表示するか、まったく表示しないように変更できます。
検索
テーブルで検索をしたい場合は、通常の検索オプションが利用できます。
以下のオプションが利用可能です。
l
テキスト検索
l
数値の検索
l
数式の検索
l
あいまい検索
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
51
5 ビジュアライゼーション
テーブルを使用する場合
説明
テーブルの値はレコード形式で表示され、テーブルの各行には、メジャーで計算された項目が含まれて
います。通常、テーブルには 1 つの軸と複数のメジャーが含まれています。
使用に適しているケース
テーブルは、値のビジュアライゼーションよりも、正確な値を閲覧したい場合や個々の値を比較したい
場合に使用します。テーブルは、ドリルダウングループを軸として使用すると特に有効です。
長所
テーブルは、さまざまな方法でソートできます。テーブルには、数多くの値が含まれています。テーブ
ルでドリルダウンすると、シート上の限られたスペースを有効利用できます。 動向やパターンよりも、
正確な値を知りたい場合は、テーブルが最適です。
短所
テーブルに数多くの値が含まれていると、値の関係性や傾向の全体像の把握が難しくなります。また、
テーブル内の不規則性を見つけるのも困難です。
テーブルでの検索
テーブルでは、軸列で検索を行い、検索結果のリストで選択を行うことができます。
次の手順を実行します。
1. 検索したい軸列で、F をクリックします。
選択のポップアップが表示されます。
2. 検索文字列を入力します。
入力中、フィルターされたリストには、一致するアイテムのみが表示されます。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
52
5 ビジュアライゼーション
3. クリックまたは描画により選択を行います。
4. 選択内容を確定します。
選択した一致アイテムを確認して、改行/Enter を押します。
新しく選択したアイテムがアクティブになり、関連するすべてのビジュアライゼーションに反映されま
す。
E をクリックするか、Esc キーを押すと、検索文字列が消去できます。改行/Enter を押す
と、検索文字列は消去されます。
テーブルでの選択
緑は選択済みのテーブル項目
テーブルでは、軸列でクリックや描画による選択が使用できます。メジャー値は選択できません。選択
できるのは軸の値になります。1 度に 1 列しか選択できません。
行をクリックすると、選択が解除されます。 選択を確定するには、m またはビジュアライゼーション
の外側をクリックします。また、Enter を押すこともできます。キャンセルするには E をクリックす
るか、Esc を押します。 確定すると、選択内容がテーブルに関連するすべてのビジュアライゼーション
に反映されます。
軸の値が null の場合は選択できません。テーブルの Null 値はダッシュ (-) で表示されます。有効な軸の
値が含まれていない行は、選択対象にはなりません。
Qlik Sense の概念 - Qlik Sense , 1.0.3
53
5 ビジュアライゼーション
5.10
テキストと画像チャート
テキストと画像チャートはテキストや画像、ハイパーリンク、メジャーを追加するオプションを提供
し、他のビジュアライゼーションを補完します。テキストを書式設定して色を割り当て、パラグラフの
位置を合わせることができます。背景画像には、サイズ変更および配置オプションが含まれています。
また、テキストと画像に応答型動作を設定することもできます。
テキストと画像チャートを使用する場合
説明
テキストと画像チャートはプレゼンテーション目的での使用を意図しており、選択はできません。ただ
し、テキストと画像のビジュアライゼーション内のメジャーは、実行された選択に応じて更新されま
す。
使用に適しているケース
アプリの最初のシートで重要な情報を表示する場合。
会社の画像を表示する場合、または背景画像と書式設定されたテキスト、メジャー値を組み合わせて説
得力のある方法で図表を示したい場合。
追加情報を含むサイトへのリンクを作成する場合。
すべてのデバイスでビジュアライゼーションが表示されるように、応答型の動作を使用する場合。
長所
テキストと画像チャートを使用すると、通常のチャートと対比させてビジュアライゼーションを作成す
ることができます。一般的なチャートより確実に目立つビジュアライゼーションを作成できるよう、さ
まざまなオプションが提供されています。
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54
5 ビジュアライゼーション
短所
テキストと画像のビジュアライゼーションの視覚的な混乱を避けるため、使用できるメジャー値の数と
テキストの文字数が制限されています。
5.11
ツリーマップ
ツリーマップでは、ネストされた長方形、つまり、より大きな長方形の中に入った小さな長方形を使用
して階層データが表示されます。
このスクリーンショットでは、Produce や Canned Products、Frozen Foods など、複数の製品グルー
プがあります。各製品グループは、1 つの大きな長方形で構成されています。製品グループは、ツリー
のブランチと考えることができます。製品グループを 1 つ選択すると、次のレベル (Vegetables、
Meat、Dairy などの製品タイプ) にドリルダウンします。製品タイプは、ツリーのサブブランチです。
ブランチにはリーフがあります。リーフ ノードの長方形は、指定されたデータの軸に比例する面積を
持っています。この例では、Ebony Squash や Bravo Large Canned Shrimp、Red Spade Pimento
Loaf がリーフとなります。リーフ ノードは、データの別個の軸を表示するよう色分けされています。
ソートはサイズに応じて自動的に行われます。デフォルトでは、12 色を使用して軸ごとに色付けが行わ
れますが、これはプロパティ パネルで変更できます。軸が複数ある場合は、どの軸に色を付けるかを決
めることができます。この例では、色分けは軸ではなく、数式 (Avg(Margin)) を基準に行われていま
す。この数式は計算メジャーであり、これを使用することで平均利ざやが最も高いアイテムを特定でき
ます。色が濃いほど、平均利ざやは高くなります。
データセットに負の値が含まれている場合は、負の値を表示できないというテキスト メッセージが表示
されます。
軸とメジャーの数
ツリーマップでは少なくとも 1 つの軸と 1 つのメジャーが必要ですが、ツリーマップをフル活用するに
は、2 つまたは 3 つの軸を使用することが推奨されます。メジャーは 1 つしか持てませんが、軸は 15
まで可能です。ただし、2 つまたは 3 つ以上の軸を使用すると、ツリーマップの管理が難しくなるた
め、推奨されません。
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5 ビジュアライゼーション
ツリーマップを使用する場合
説明
ツリーマップは、階層データを表示するために使われます。データはドリルダウン可能で、論理的なレ
ベル数はほぼ無限です。実際は、現実的な限度があるため、論理的な限度には到達しません。
使用に適しているケース
ツリーマップは、スペースが限られており、概要を把握する必要のある階層データが多量にある場合に
適しています。ツリーマップは主に集計可能な値で使用するべきです。
長所
ツリーマップは、限定的なスペースで使用でき、多数のアイテムを同時に表示できます。
ツリー構造の色とサイズに相関関係があれば、他の方法では見つけにくいパターンを発見できます (特
定の色が関係している場合など)。
短所
ツリーマップは、メジャー値の規模に大きな差がある場合は適していません。また、絶対値と相対値が
混在している場合にも適切な選択肢とは言えません。
ツリーマップでは、負の値は表示できません。
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56
5 ビジュアライゼーション
ツリーマップでの選択
データを分析するには、さまざまな選択方法があります。 ツリーマップでは、クリックや描画による選
択、囲み選択を使用できます。 選択を確定するには、m またはビジュアライゼーションの外側をク
リックします。また、Enter を押すこともできます。キャンセルするには E をクリックするか、Esc
を押します。
クリックによる選択
ツリーマップのブランチを 1 本ずつクリックして、選択します。ブランチをクリックすると、選択が解
除されます。
描画による選択
ツリーマップに 1 本以上の線を引いて、ブランチを選択することができます。この線に触れるすべての
ブランチが選択され、他のブランチはすべて薄い色で表示されます。ブランチをクリックすると、選択
が解除されます。 描画選択または囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある — をク
リックし、囲み選択機能を有効にする必要があります。また、Shift キーを押しながら選択することで、
同様の結果が得られます。
囲み選択
囲み選択では、領域を囲むフリーハンドの投げ縄を描画します。ツリーマップでは囲み選択を使用でき
ますが、ほとんどの場合、描画による選択で複数のブランチを選択する方が簡単です。 描画選択または
囲み選択を行う場合、ビジュアライゼーションの上部にある — をクリックし、囲み選択機能を有効に
する必要があります。また、Shift キーを押しながら選択することで、同様の結果が得られます。
5.12
基準線
基準線は、目盛線の特定の地点からチャートのエリアを横断する線です。基準線を使い、チャート デー
タの特定のレベルを示すことができます。基準線は、目盛線の現在の範囲内にある場合にのみ引かれま
す。同一のチャートに複数の基準線を設定できます。
基準線は棒グラフ、コンボ チャート、ゲージ、折れ線グラフ、散布図で使用できます。
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57
5 ビジュアライゼーション
5M の基準線のある棒グラフ
基準線の数式
基準線の数式を絶対数値に設定する、または任意の数値数式を入力するのいずれかを選ぶことができま
す。
5.13
ビジュアライゼーションの Null 値
データには不明な値は計算できないものが存在します。これは、項目に null や not a number (NaN) が
含まれることが原因です。ビジュアライゼーションでは、null や NaN 値はテーブルに応じて次のように
表示されます。
軸の Null 値
メジャーの NaN 値
–
– (プロパティ パネルでラベルが有効に
なっていない、そうでない場合は空)
コンボ チャート
–
棒グラフまたは折れ線グラフの NaN
値の組み合わせ。
フィルター パネ
表示なし
該当なし
ゲージ
該当なし
–
折れ線グラフ
–
空
マップ
表示なし
グレー
円グラフ
–
空
散布図
–
空
棒グラフ
ル
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5 ビジュアライゼーション
テーブル
–
–
テキストと画像
該当なし
–
ツリーマップ
–
空
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59
6 軸
6
軸
ビジュアライゼーションでデータをグループ化する方法は、国別の総売上高やサプライヤ別の製品数な
ど、軸によって異なります。通常、軸は円グラフの区画、あるいは棒グラフの縦棒の x 軸に相当しま
す。
軸はデータ モデル テーブルの項目から作成されます。
例:
Product Type は、アプリにロードされた Product テーブルの項目です。この項目の値は、プロダクト
がグループ化されたタイプにより異なります。
例えば、チャートに Product Type 軸を追加して各カテゴリのコストをビジュアライゼーションする棒
グラフを作成できます。ビジュアライゼーションを完成させるには、数式 (この場合は Cost) を追加し
て、Product Type 軸でグループ化する必要があります。
6.1
軸としての項目グループ
Qlik Sense とその他多数のデータベース ビューアやオンライン分析処理ツール (OLAP システム) との
主な相違点は、Qlik Sense では、入力データの階層構造を事前に定義する必要がないことです。Qlik
Sense 固有の内部ロジックにより、完全な軸としてどの項目にも順序に関係なく自由にアクセスできま
す。
ビルトイン機能はほとんどの目的を十分に満たしますが、定義済みの階層構造があれば、さらに効率よ
くデータを表示できます。Qlik Sense では、ドリルダウン軸として項目の階層グループを定義すること
で、これを実現します。
項目や計算軸はすべてグループ化できます。
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60
6 軸
6.2
ドリルダウン グループ
複数の項目が次のように自然な階層を形成している場合は、ドリルダウン グループを作成できます。
例1:
Organization、Company、Department、Employee
例2:
Geography:Continent、Country、State、City
ドリルダウン グループをチャートの軸として使用する場合、チャートは複数の可能な値を持つグループ
の項目リストにある最初の項目を軸として使用します。現在の選択内容によって、項目の可能な値が 1
つだけしかない場合は、リストの次の項目が使用されます。ただし、その次の項目が複数の可能な値を
持っていることが条件となります。複数の可能な値を持つ項目がリストにない場合は、最後の項目が使
用されます。
上記の最初の例では、会社が 1 つ選択されるまではCompany がチャート軸として使用されます。次
に、チャートには Department が表示されます。部署が 1 つ選択されると、チャートは Employee に
切り替わります。
選択が解除され、グループの項目リストの上位の項目で複数の値が有効になると、チャートは自動的に
ドリルアップし直されます。
ドリルアップ
ドリルアップ機能は棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフで利用できます。その他のビジュアライゼー
ションの場合、チャートで行われた変更は反映されますが、異なる軸でドリルアップすることはできま
せん。軸グループでドリルダウンする際は、「ブレッドクラム」機能により前の軸に戻るリンクが提供
されます。ドリルアップしたい軸をクリックします。
次の棒グラフでは、ブレッドクラム機能により Year > Quarter > Month のドリルアップが可能になり
ます。
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61
6 軸
6.3
計算軸
数式を使用して、計算軸を作成することができます。計算軸は、1 つまたは複数の項目を含む数式で構
成されています。標準的な関数はすべて使用できます。
パフォーマンス上の理由から、計算はすべてデータ ロード エディタで実行することをお勧
めします。軸がチャート内で計算される場合、Qlik Sense はまず軸の値を計算し、次に算出
した値をメジャーに統合します。これは、ロード スクリプトの計算以上に、パフォーマンス
に影響を与えます。
例えば、分析中にその場で軸の値を生成したい場合、計算軸はデータ分析において非常に有効ですが、
軸の値は選択内容の影響を受けます。
また、軸を変更したくても、計算項目を作成するデータ ロード エディタにアクセスできない場合も、計
算軸は便利です。
計算軸を作成したら、軸グループでの使用を含め、他の軸と同様に使用することができます。
例:
その年の各月が含まれる Calendar Month という項目があります。例えば、アプリにその年の前期 6 か
月間の各月の売上高を表示するテーブルを設定し、残りの月の合計を確認したい場合、数式を使用すれ
ば、これを表す計算軸を作成することができます。
構文:
If ([Calendar Month] <7, [Calendar Month], 'Rest')
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62
7 メジャー
7
メジャー
メジャーはチャートで使用される計算で、通常は棒グラフの y 軸、またはテーブルの列に表示されま
す。メジャーは、Sum または Max などの集計関数に 1 つまたは複数の項目を組み合わせた数式から作
成されます。
メジャーには名前が必要で、説明文やタグなど説明データが含まれている場合があります。
例:
例えば、Product Type 軸と Cost メジャー (集計関数 Sum で Cost 項目を合計した数式 Sum(Cost)
の結果) をチャートに追加すると、各製品カテゴリのコストを可視化した棒グラフを作成できます。こ
の結果は、Product Type 軸でグループ化されます。
7.1
一般的な関数
数式エディタでは、以下の基本的な関数を選択し、まとめて項目に挿入できます。
関数の詳細については、Qlik Sense オンライン ヘルプを参照してください。
Avg
Avg() は、チャート軸で反復処理された数式または項目の集計された平均を返します。
Count
Count() は、各チャート軸に含まれる値、テキスト、数値の数の集計に使われます。
Max
Max() は集計データの最高値を検出します。rank n を指定することで、n 番目に高い値を探し出すこ
とができます。
Min
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63
7 メジャー
Min() は、集計データの最低値を検出します。rank n を指定することで、n 番目に低い値を探し出す
ことができます。
Sum
Sum() は、集計データ全体の数式や項目による値の合計を計算します。
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64
8 データ検索
8
データ検索
フィルター パネルで現在選択されているアイテムやテーブル内での検索と絞り込み、あるいは結果のリ
ストで選択を行う際には、データ検索を利用すると便利です。
選択バーで使用できる検索ツールには、特別な条件が適用されます。
8.1
検索ツール
検索ツールは、シート上でデータを分析する際に使用できます。検索ツールはテキスト検索に似ていま
すが、2 文字以上で構成されている必要があり、ワイルドカードや数式、演算子といった検索の変更に
使用されるものは使用できないという点が異なります。
例:
このスクリーンショットでは、テキスト ボックス内の 5 つの文字列により、5 つの独立した検索が生成
されます。ただし、データベースでは Region と Product Sub Group/Item Desc の 2 つの異なるカテ
ゴリで、検索結果の関連する組み合わせが表示されます。
8.2
テキスト検索
検索文字列が入力されると、Qlik Sense は項目値をフィルターし、一致したアイテムを表示します。標
準検索 (ワイルドカードなし) を実行すると、検索文字列に一致する文字列が表示されます。複数の文字
列を空白で区切って使用すると、それぞれの文字列が個別の検索文字列と解釈され、その文字列のいず
れかを含むすべての項目値が表示されます。別々の検索文字列を、1 つの文字列として解釈させたい場
合、二重引用符 (" ") で囲み、文字列を 1 つにまとめます。また、類似した結果には、プラス記号(+) を
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65
8 データ検索
使用します。プラス記号を使用することで、一致するアイテムには、プラス記号の付いた文字列が含ま
れている必要があるという条件を設定することになります。また、文字列は必ず隣り合わせである必要
はなく、入力された順番と同じにする必要もありません。
検索では大文字/小文字は区別されません。
例
結果
"orange
'orange juice' という文字列全体が含まれる項目値のみを検索します。
juice"
juice
引用符がなければ、 'orange' または'juice' のいずれかが含まれる項目がすべて表示さ
れます。
+orange
'orange juice', 'orange and apple juice' や 'juice from oranges' などの一致を検索
+juice
します。
orange
ワイルドカード
検索文字列では 1 つまたは複数のワイルドカードを使用できます。次のワイルドカードを使用できま
す。
ワイルド
カード
意味
*
空白を含む、ゼロ以上の文字。このワイルドカードには柔軟性があり、特定の位置の
任意の文字または文字の塊と一致します。
?
空白を含む、単一文字。このワイルドカードは、スペルに自信がなく文字列にスペル
の間違いが含まれているかもしれない場合、あるいは正確に入力するのが難しい特殊
な文字や記号が文字列に含まれている場合に役に立ちます。
ワイルドカードを使用すると、検索文字列全体と一致するレコードのみが表示され、空白が
論理和 (OR) と解釈されることはありません。検索文字列が '*creamed' の場合、"Rocky's
creamed corn" は 'creamed' で終わっていないため一致とはなりません。また、
'creamed*' についても、"Rocky's creamed corn" が 'creamed' で始まっていないため一
致にはなりません。
例
結果
a*
'a' の文字で始まるすべての値を検索します ( 'a' から始まる単語を複数含む文字列な
ど)。
*b
'b' の文字で終わるすべての値を検索します ('b' で終わる単語を複数含む文字列を含
む)。
*c*
'c' の文字を含むすべての値を検索します (複数の単語を含む文字列を含む) 。
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8 データ検索
r?ck
'r' で始まり 'ck' で終わる、4 文字の値をすべて検索します (例えば、'rack', 'rick',
'rock' や 'ruck' など)。
r?? ????d
'r' で始まる 3 文字の単語と、'd' で終わる 5 文字の単語が含まれる値をすべて検索し
ます。
検索文字列にスペースが含まれていると、異なる結果となります。例えば、'*corn' で検索
すると、'popcorn' のように 'corn' で終わる文字列が検出されますが、'* corn' のように検
索文字列にスペースを使うと、'corn' で終わる文字列しか一致しません。
8.3
あいまい検索
あいまい検索は標準検索に似ていますが、検索文字列の類似度合いに応じて、すべての項目値を比較・
ソートする点が異なります。特に、項目にスペルミスがある場合、あいまい検索が有効です。また、ほ
ぼ同じ値を複数個探し出したいときにも役立ちます。
検索文字列は、記号チルダ「 ~ 」から始めます。入力中、すべての値が検索文字列と似ている順番に
ソートされ、最もよく似ている値がリストの一番上に表示されます。Enter キーを押すと、リストの最
初の値が選択されます。
8.4
数値の検索
数値の検索は、テキスト検索と非常に類似しています。唯一の違いは、検索文字列を関係演算子">"、
">="、"<"、"<=" のいずれか 1 つで始める必要があるという点です。
例
結果
>900
900 より大きい値をすべて検索します。
<=900
900 以下の値をすべて検索します。
>900<1000
900 より大きく、かつ 1000 より小さい値をすべて検索します。
<900>1000
900 より小さい、または 1000 より大きい値をすべて検索します。
8.5
数式の検索
フィルター パネルおよび現在の選択アイテムでは、数式を用いて検索と選択を行うことができます。
数式検索は、必ず等号 (=) で開始します。数式は、検索項目の項目値ごとに評価されます。数式の検索
によって 0 以外の値が返される、すべての値が選択されます。
Sales 値が含まれるフィルター パネルでは、=Sum(Sales) > 1000000 のような検索を用いて、
1,000,000 よりも大きい値を検索できます。これは簡単な検索であり、>1000000 の数値検索を用い
ても同じ結果が得られます。多くの場合は、数式検索が唯一の検索手段となります。例えば、関連項目
における値を検索したい場合は、数式検索を使用しなければなりません。
例:
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8 データ検索
Sales Reps (営業担当者) のフィルター パネルが存在すると仮定しましょう。数式検索を使用すると、
売上が 5,000,000 を超えている営業担当者を検索できます。検索文字列は前述のものと似ており、
=Sum(Sales) > 50000000 となります。Sales の値は営業担当者に関連付けられているため、Sales
Rep フィルター パネルで検索できます。
売上が 5,000,000 を超える営業担当者
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9 ブックマーク
9
ブックマーク
ブックマークを追加すると、現在の選択内容とディレクトリを保存できます。ブックマークは、後から
開いて以前の状態に復元することも可能です。ブックマーク機能を利用すると、ブックマークの作成時
に開いていたシートが表示されます。ブックマーク ツールはすべて、ツールバーにある > をクリック
するとアクセスできます。
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10 ストリーム
10
ストリーム
ハブの内容は、ストリームで整理されています。ストリームとは、あるユーザー グループが独占的にア
クセスできるアプリの集合体です。ストリームのユーザーは、それぞれ異なるアクセス権限を持つこと
ができます。ストリームの読み取りしか許可されていないユーザーがいる一方、ストリームに自分のア
プリやシートを公開する権限を持つユーザーもいます。
デフォルトでは、Qlik Sense に Everyone というストリームがあり、すべてのユーザーに読み取り/公
開権限が付与されています。
アプリは、1 つのストリームにしか公開できません。別のストリームにもアプリを公開した
い場合は、アプリをコピーしてから別のストリームに公開します。
この例では、社内にさまざまな部署が存在します。Everyone のストリームでは、すべての部署のユーザー全員
に読み取り/公開権限があります。
Finance ストリームにアクセスできるのは、財務部に所属しているユーザーのみです。公開と読み取りの両方の
権限を持つユーザーと、読み取り権限しかないユーザーが存在します。
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11 公開
11
公開
アプリ、シート、ストーリーは公開できます。アクセス権によって、各コンテンツを公開できるユー
ザーを定義します。
11.1
アプリの公開
アプリを公開すると、そのアプリが属するストリームへのアクセス権を持つユーザーは、アプリのシー
トとストーリーを使用できるようになります。
アプリは公開されるとロックされます。つまり、公開されたシートやストーリーは編集できません。し
かし、データ分析のために使用することは可能です。
アプリでの作業を続けたい場合は、公開されたアプリをコピーして作業を行い、必要に応じて公開済み
のアプリと置き換えます。
アプリで公開されたシートとストーリーは誰も編集できませんが、正当なアクセス権があれば、公開済
みのアプリにプライベート シートを追加することは可能です。アプリの公開後、プライベート シートの
編集には、ライブラリ パネルでマスター アイテムとチャートだけを利用できます。公開されたアプリの
ストーリーは編集できません。
アプリは Qlik Management Console から公開されます。
11.2
シートとストーリーの公開
公開アプリの一部として作成したプライベート シートとストーリーも、他のユーザーが利用できるよう
に公開することができます。
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12 承認とアクセス
12
承認とアクセス
Qlik Sense で何を表示、実行できるかは、Qlik Sense システム管理者が許可しているアクセス権によっ
て異なります。アクセス制御には、ユーザー認証の管理、権限とリソース (アプリ、シートなど) の設定
が含まれますが、どのデータにアクセスできるかは管理しません。
Qlik Sense の既定の動作は、たとえば次のとおりです。
l
公開されていないアプリは、そのオーナーのみが表示できる。
l
アプリは公開されると変更不可になる。
l
ストリームにアクセスできるユーザーのみがそのストリームのアプリを表示できる。
つまり、アプリが特定の状態にある場合、またはアクセスが許可されている場合にのみ、ユーザー イン
ターフェースの一部を表示したり、何らかのアクションを実行できます。
Qlik Sense システム管理者は、Qlik Sense が特定の方法で作動するように承認とアクセス権を制御しま
す。これは、Qlik Management Console で設定します。
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13 さらなるコンセプト
13
さらなるコンセプト
Qlik Sense の主なコンセプトを把握したら、より高度な機能に関する理解を深めましょう。
13.1
データ モデル
Qlik Sense にデータをロードしたら、データ構造を確認し、作成したいタイプのデータ モデルが反映さ
れるよう調整する必要があります。
Qlik Sense でデータを効率良く取り扱えるデータ モデルを構築することが目標です。これは通常、循環
参照しない、ある程度標準的なスター スキーマあるいはスノーフレーク スキーマを作り、各エンティ
ティが個々のテーブルで維持されるようなモデルを作成することを意味します。典型的なデータ モデル
は、以下のようになります。
l
l
(ユニット数、売上金額、予算額などの) メジャーの計算に使用される、軸および数値のキーを含
む中心ファクト テーブル。
(製品、顧客、カテゴリ、カレンダー、サプライヤなど) 属性をすべて備えた軸を含む周辺のテー
ブル。
多くの場合、集計などのタスクは、ロード スクリプトでより高度なデータ モデルを構築す
るか、チャート式で集計を実行することで解決できます。一般的に、ロード スクリプトに
データ変換が含まれていると、より高いパフォーマンスを実現できます。
データ モデルを紙にスケッチすることも役立ちます。構造を目で確認することで、どのデー
タを抽出し、どの変換を実行すべきかを判断しやすくなります。
13.2
データ ロード スクリプト
Qlik Sense では、データ ロード エディタで管理するデータ ロード スクリプトを使用し、さまざまな
データ ソースに接続してデータを取得します。ロード対象の項目とテーブルは、スクリプト内で指定し
ます。また、特別なスクリプト ステートメントや数式を使用して、データ構造を操作することも可能で
す。
データのロード中、Qlik Sense は異なるテーブル間で共通する項目 (キー項目) を特定し、データを関連
付けます。アプリにおける結果データのデータ構造は、データ モデル ビューアで監視できます。項目名
を変更し、テーブル間に異なる関連付けを設定することで、データ構造を変更できます。
Qlik Sense にロードされたデータは、アプリに保存されます。アプリはプログラムの機能を決定する要
素となり、無制限のデータ連結方法、膨大な利用可能軸の数、分析スピード、コンパクトなサイズと
いった特性を発揮します。アプリを開くと、データは RAM に保持されます。
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13 さらなるコンセプト
13.3
項目
項目には、Qlik Sense で使用するデータが含まれます。項目は、ロード スクリプトからロードされた
データと見なすことができます。項目には項目値と呼ばれる 1 つまたは複数の値が含まれ、基本的なレ
ベルでデータベース テーブルの列に対応しますが、複数のテーブルに存在する場合もあります。項目値
は、数値または英数字データで構成されます。ロード スクリプトからロードされた項目は、テーブルの
ビジュアライゼーションとして表すことができます。
ロード スクリプトのデータの例:
Temp:
LOAD * inline [
Customer Product UnitSales UnitPrice
Imagine Film 4 16
Imagine Film 10 15
Imagine Shutter 9 9
PhotoInc Shutter 5 10
PhotoInc Lens 2 20
PhotoInc Magnifier 4 25
Gallery Film 8 15
Gallery Lens 7 19
] (delimiter is ' ');
データのロード後にデータ モデル テーブルに表示された状態:
シートのテーブル ビジュアライゼーションで列として表示された状態:
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13 さらなるコンセプト
13.4
関数
関数は特定のタスクを実行する手順またはルーチンの一種で、開発のサポートや簡素化に使用します。
Qlik Sense には、タスクの実行に使用可能な関数が多数用意されています。これらの関数は通常スクリ
プトとチャートの両方で使用できますが、チャート専用のものもあります。
以下は基本的な集計関数の例です。
Max(UnitSales) は項目 UnitSales
から最大値 (10 など) を返します。
必ずというわけではありませんが、数式では関数がよく使用されます。
スクリプト関数とチャート関数の詳細については、Qlik Sense オンライン ヘルプを参照し
てください。
13.5
数式
数式は値を計算するために、項目と変数、演算子、関数、数字、数学記号を特別な構文に従い組み合わ
せたものです。数式は、スクリプトとチャートのビジュアライゼーションで使用されます。数式には、
基本的な計算で構成されるシンプルなものから、関数項目と演算子を含む複雑なものまで、さまざまな
タイプがあります。
スクリプトでは、スクリプト実行によって数式が渡されると数式が評価されます。ビジュアライゼー
ション (チャートやテーブルなど) では、数式に含まれる項目、変数、関数のいずれかで値または論理ス
テータスが変更されると、自動的に数式が評価されます。
数式は、いくつかの異なる状況で使用できます。メジャーと異なり、数式には名前も説明データも存在
しません。
スクリプト式とチャート式では、構文および有効な関数にいくつか違いがあります。
スクリプト関数とチャート関数の詳細については、Qlik Sense オンライン ヘルプを参照し
てください。
13.6
マスター アイテム
マスター アイテムは再利用可能なアセットで、アプリ全体で利用できるビジュアライゼーションや軸、
メジャーなどが含まれます。マスター アイテムを利用すると、グローバルな変更をビジュアライゼー
ションや軸、メジャーに一度に適用できます。
マスター アイテムのメリットは、多数のビジュアライゼーションにおいてマスター軸を利用した場合な
ども、一か所で管理できるという点にあります。マスター アイテムに加えた変更は、そのマスター アイ
テムが利用されているすべての箇所に反映されます。
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13 さらなるコンセプト
13.7
ストーリー
データ ストーリーテリングでは、ストーリーを使用して重要ポイントやアイデアをオーディエンスに提
示します。ストーリーは、スライドを含むタイムラインで、従来のデータ ストーリーテリング構造に基
づいています (3 幕仕立ての劇、英雄の旅など)。
こうしたストーリーはアプリ内に組み込まれています。ストーリーはアプリに接続しているため、生
データへのアクセスが可能で、新しいストーリーや隠れていたストーリーを発見できます。
ストーリーを構築するには、データ ビジュアライゼーションの時系列スナップショットと埋め込みシー
トを使用して、ストーリーのタイムラインに配置します。
ストーリーに説得力を持たせるには、テキストや図形を追加したり、視覚効果で特定のポイントを強調
したり、書式を設定するなどして、ストーリーをよりわかりやすく解説し、目的を明確にします。
13.8
スナップショット
スナップショットは特定の時点でのデータ オブジェクトのステート (タイプとデータ) を図示したもの
で、ストーリーの構築時に使用できます。ユーザーが取得するスナップショットとは、そのステートの
コピーのことです。つまり、対応するデータ オブジェクトのステートが更新されても、スナップショッ
トの状態が変化することはありません。
スナップショットは、分析中にシート上の個々のオブジェクトをキャプチャします。スナップショット
機能により、ユーザーは特定の時点のビジュアライゼーションやデータを保管しておき、後にストー
リー テリングに活用できます。それぞれのスナップショットには、元の場所へのブックマークが含まれ
ているため、生データに素早くアクセスできます。
スナップショットのステートと選択内容は、リロードされたデータでは更新されません。ス
ナップショットが取得された時点で存在したデータのみが反映されます。
13.9
Qlik Cloud
Qlik Cloud は、Qlik Sense アプリを共有するためのプラットフォームで、他のユーザーとのコラボレー
ションや共同でのデータ ディスカバリーを可能にします。また、インターネット接続と最新型のウェブ
ブラウザさえあれば、モバイル機器を始めとするどんなデバイスからもアプリにアクセスできます。
Qlik Sense Desktop で構築したアプリは、Qlik Cloud にアップロードできます。いったんアップロード
したアプリは、オーナーが他のユーザーと共有できます。ユーザー全員に対し、同じアプリ、同じデー
タが表示されます。共有後は、Qlik Sense のフルバージョンに用意されている豊富な分析機能が活用で
きます。ただし、Qlik Cloud を使って共有したアプリは、操作だけが可能です。つまりユーザーは、
データ内で選択操作を行うことができますが、クラウドで共有されているアプリを更新したり、それ以
上開発したりすることはできません。
アプリの共有方法は、Qlik Cloud ハブから管理できます。このハブから、自分のアプリを見せたいユー
ザーを招待します。Qlik Cloud では、どのユーザーが招待を承認し、アプリを表示するために登録した
かを監視することもできます。必要であれば、特定のユーザーとの共有を停止することができます。
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13 さらなるコンセプト
13.10 Direct Discovery
Qlik Sense の Direct Discovery 機能は、大量のデータ ソース上での連想分析を可能にするため、ビジ
ネス ディスカバリーの可能性が大いに広がります。外部の膨大なデータ ソースから直接入手するデータ
に加え、Qlik Sense の連想的エクスペリエンスを活用することで、ビッグ データとインメモリ データ
を組み合わせて使用することができます。Direct Discovery はスケーラビリティの制限がなく、分析に
役立つあらゆるデータを活用できます。
Direct Discovery 機能は、Qlik Sense インメモリ データ セットの連想機能をクエリ モデルに組み合わ
せ、すべてのソース データを Qlik Sense データ モデルに直接ロードする代わりに、集計したクエリ結
果をユーザー インターフェースに渡すことで、Direct Discovery データ セットが連想的エクスペリエン
スの一部となるようにします。インメモリ データと Direct Discovery データは統合セットとして機能
し、ユーザーはこれら両方でナビゲートが可能です。
ビジュアライゼーションを作成して、結合したデータ セットのデータ分析し、インメモリ データまたは
Direct Discovery データのどちらかで選択を行ったり、同じ特性を持つ Qlik Sense 色 (緑、白、グ
レー) データの関連性を見出すことができます。
Qlik Sense で Direct Discovery を使用するには、データ ロード スクリプトで特殊な関数を用いる必要
があります。Direct Discovery 項目からビジュアライゼーションを作成する方法は、その他のデータ
ソースとの扱いとは多少異なり、すべてのデータがメモリに保持されるわけではないため、大量のデー
タを取得しようとすると、パフォーマンスに問題が生じる可能性があります。
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