薬学部 アレルギー性皮膚炎に関与する化学物質の探索 黒羽子 孝太 薬科学科(免疫微生物学分野) ◦連 絡 先 TEL.054-264-5710 FAX.054-264-5715 ◦教員プロフィール http://db.u-shizuoka-ken.ac.jp/show/prof295.html ◦メールアドレス [email protected] 接触性皮膚炎,アレルギー,アジュバント アレルギーの一種、接触性皮膚炎は金属、化粧品、薬の基材などの原因物質が、皮膚に接触し て起こります。この時、プラスチックの可塑剤、建築資材、医薬品の添加物などに使われている フタル酸エステルがアジュバント作用(アレルギーの増悪化)に関係していることを明らか としてきました。フタル酸エステルは神経細胞に存在する受容体TRPA1、TRPV1チャネルを 活性化し、神経細胞を活性化することで、アジュバント作用を示すという結果を得ています。 TRPA1はワサビの刺激成分の受容体、TRPV1はトウガラシの刺激成分であるカプサイシンの 受容体です。アジュバント作用と神経との関係についてTRP発現細胞を用いたカルシウムイ メージング法等を用いて研究しています。このモデルを用いることで、接触性皮膚炎を抑える 物質を探索することが出来ると考えています。 カルシウムイメージング法によるTRPチャネル活性化の測定 TRP阻害物質によるTRPチャネル活性化の阻害効果 DIA + HC-030031 TRPチャネル発現細胞を 蛍光測定用マイクロ プレートで培養 アジュバント作用を有する物質 カルシウム蛍光指示薬を TRPチャネル発現細胞に 取り込ませる % of maximal response 100 +DIA 阻害物質 無し +1M 1 µM HC + DIA HC + DIA 10M HC + DIA 80 +3M 3 µM + 10 µM 60 40 20 0 -7 アジュバント活性をもつ物質を添加し、蛍光を測定することで TRPチャネル活性化の指標とする。 この時、TRPチャネルの活性化阻害物質を共存させ、 その阻害効果を検討する事も可能である。 -6 -5 -4 -3 -2 Log (M) 阻害物質が濃度依存的に、 TRPの活性化を阻害している。 培養細胞を用いることで、有用な化学物質のスクリーニングが可能とな ります。 056 研究シーズ集 2015-2016 X4_研究シーズ集_2015-2016-1薬学部.indd 56 2015/08/31 10:34:38
© Copyright 2024 ExpyDoc