西暦 2016 年 02 月 25 日 ダレナン博士の研究所 研究報告書 No.196 題名:カカオ豆の夢を運ぶバリーカレボー社 報告者:トシ カカオ豆は言わずと知れたチョコレートやココアの原料である。中央アメリカから南アメリカの熱帯地域が 原産で、収穫された果実の果皮を除いて一週間ほど発酵させた後、カカオ豆を取り出し、それがチョコレート やココアの原料となる 1) 。ピュアココアで有名なバンホーテンの誘惑の黄金の缶「バンホーテン ピュアココ ア」は、カカオ豆 100%から作られ、香料や添加物は含まない。それを直接味見してみれば分かるが、カカ オ豆そのものは甘くはなく、苦い。 マヤ文明などのかつての南米においては、その滋養強壮のよさから、 「ショコラトル」2)という名で戦いな どの時の飲み物として重宝され、カカオ豆は神聖なものと考えられていた 2)。その「ショコラトル」は現地の ナワトル語で「苦い水」を意味し 2)、これは先の「ピュアココア」を直接味見した場合と同じ印象となる。す なわち、カカオ豆自体は、苦いのである。これが甘くなったのは、南米からスペイン人が持ち帰った「ショコ ラトル」に、砂糖などを加えたことに端を発する。その飲み物が、やがてココアやチョコレートとなるのであ る。チョコレートの世界史については、武田による文献 3)に詳しく記載されてある。こちらを読めば、ヨーロ ッパで砂糖との甘い関係となった現在のチョコレートやココアの歴史がよく分かる。 その誘惑のカカオ豆であるが、スイスにバリーカレボー社なるカカオ豆、および、その製品を扱う企業があ る 4) 。そのバリーカレボー社は、1996 年にベルギーのカレボーとフランスのカカオ・バリーの合併によっ て設立された多国籍企業で 5)、御社のサイト 4)によると、世界で消費されているチョコレートやココアの製品 の 5 つに 1 つがバリーカレボー製であるとされている。そのため、カカオ豆を扱っている企業の中でも世界 で最も大きな企業の一つであることが推測できる。ウォンカ工場(No.74 参照)もびっくりの規模である。き っと図のバリーカレボー社のトラックには、カカオ豆の夢が沢山詰まっているに違いない。なお、ベルギーの カレボー社のサイトには、チョコレートやココアに関係する様々なレシピ 6) が載っており、こちらも見ても、 ついよだれが自然と垂れてしまう。カカオ豆(と、仲の良い砂糖)、実に恐るべしである。 図 バリーカレボー社のトラック 4) 1) https://ja.wikipedia.org/wiki/カカオ (閲覧 2016.2.25) 2) http://matome.naver.jp/odai/2136411201550543901 (閲覧 2016.2.25) 3) 武田尚子: チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石. 中央公論新社. 2010. 4) https://www.barry-callebaut.com/ (閲覧 2016.2.25) 5) https://ja.wikipedia.org/wiki/バリーカレボー(閲覧 2016.2.25) 6) http://www.callebaut.com/jpjp/13 (閲覧 2016.2.25)
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