西暦 2016 年 02 月 24 日 ダレナン博士の研究所 研究報告書 No.195 題名:重力波の観測論文に見る著者数の衝撃 報告者:トシ 2016 年 2 月 12 日に、物理界にとって非常に重要な論文が発表された。重力波の観測に成功した論文で ある 1)。なお、本論文はダウンロードすることも可能である。その際は文献 2)を参照されたい。その重力波の 存在は、アルベルト・アインシュタインによって予想され、今回はそれが直接観測されたという論文になる。 すなわち、直接の計測上でも、アインシュタインの予想が証明されたということに他ならない。その詳しい内 容については、文献 3-5)に譲るが、簡単に言えば、2 個のブラックホールが衝突・合体した時に予想された波 形を観測した 6)、という結果である。ここで、専門の物理学者にすれば、それは違うだろ、と言われることも 覚悟すると、水辺に距離を狭めて落とした 2 つの石の波紋から起きる変化と同じようなものを、宇宙的規模 で計測できた、となるのであろうか。この例えがあっているか否かは別として、本論文がこれ以後の重力波の 研究において、必ずや引用されることは間違いない。それ以上に、本論文で衝撃を受けたのは、その著者の数 である。3 ページに渡って記述され、過去の論文、あるいは、科学界すべての論文においても、最も著者数が 多い論文ではなかろうか。そこで、本報告書ではこの数を数えるべく、著者数のカウントを実施した。下にそ 図 重力波の論文 1)に見る著者数のカウント の図を示す。横軸がカウントした行、縦軸がカウントした行に対応する著者数である。行は 126 行あり、著 者数は合計すると 1011 人であった。また、行ごとの平均人数は 8.024 人であった。さらに、著者数の後 に記述されているそれぞれの著者が勤務・所属する施設数をカウントすると、137 施設もあった。このよう にして本論文を眺めると、重力波を計測することが如何に大変なことかも、如実に分かる論文である。 1) Abott, BP et al.: Observation of Gravitational Waves from a Binary Black Hole Merger. Phys Rev Lett 116: 061102, 2016. 2) http://journals.aps.org/prl/pdf/10.1103/PhysRevLett.116.061102 (閲覧 2016.2.24) 3) https://www.ligo.caltech.edu/news/ligo20160211 (閲覧 2016.2.24) 4) http://www.bbc.com/news/science-environment-35524440 (閲覧 2016.2.24) 5) http://gigazine.net/news/20160212-ligo-detect-gravitational-wave/ (閲覧 2016.2.24) 6) http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46100 (閲覧 2016.2.24)
© Copyright 2024 ExpyDoc